Comic The Best ['2001 Monthly]



毎月、最も印象に残った作品を
最も感激した作品を、唖然とした作品を
たった1冊だけ選んでみた、今月の1冊。
その軌跡をここに残しておく。

女性誌系と男性誌系からそれぞれ
1冊ずつ選んであります。

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月刊・特選コミック情報 ■△■

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01年12月 先頭へ

秘密 1 清水玲子
脳は事件を知っている。現場も、経過も、凶器も、犯人も、動機も、何もかも。
もしも人の記憶が覗けるのなら、どんな事件もあっさり解決してしまうだろう。
だけど心までは理解はできないかもしれない。理解できないから、狂気なのだ。
[白泉社・ジェッツコミックス・大判]

ちょびっツ 4 CLAMP
たとえ心のない機械でも、その人にとっては心が存在しているのかもしれない。
たとえ機能としての感情でも、その人にとっては本物の感情なのかもしれない。
人のカタチをした人でないものが、人の人であることの意味をより鮮明にする。
[講談社・ヤンマガKC]

01年12月版セレクションの裏話みたいの


01年11月 先頭へ

八雲立つ 16 樹なつみ
もうどーでもいい。面倒くさい。考えたくない。見るもの聞くもの全てが遠い。
繋いでた手を失うことは、繋ぐ手を知らなかった頃よりも絶望が深いのだろう。
虚空のような彼の心に、再び言葉は届くだろうか。信頼を取り戻せるだろうか。
[白泉社・花とゆめコミックス]

G戦場ヘブンズドア 1 日本橋ヨヲコ
世界の果てに心震わせる場所があると、気付かなければ幸せだったのだろうか。
惰眠をむさぼるには人生は短すぎると、気付かなければ幸せだったのだろうか。
ただ生きているのは死んでいるのも同然だと、気付かなければ幸せだったのだ。
[小学館・ビッグコミックスIKKI・大判]

01年11月版セレクションの裏話みたいの


01年10月 先頭へ

ニコニコ日記 2 小沢真理
血の繋がってない親子。結婚していない夫婦。家族のカタチを演じる他人同士。
ホントの親じゃないことは知っている。いつまでも続かないことも分かってる。
家族を知らないニコのため、いつかは終わる夢を見る。一緒に幸せな夢を見る。
[集英社・クイーンズコミックスコーラス]

花とみつばち 4 安野モヨコ
自分で考えないから、人の話を鵜呑みにして、いいように騙されて、間違えて。
モテるために努力してるはずなのに、どんどんモテから遠ざかってる気がする。
外見を磨いても、マニュアルを覚えても、土台がダメだからピエロでしかない。
[講談社・ヤンマガKC]

01年10月版セレクションの裏話みたいの


01年9月 先頭へ

Do Da Dancin'! 3 槇村さとる
最初から好意があったわけじゃなくて、惨状を見ないふりが出来なかっただけ。
裏で舌を出して付き合ってたのに、信じて頼られてしまったらどーすればいい?
相手が潰れるのを願えれば楽だろう。でも人を捨ててまで欲しいモノだろうか。
[集英社・ヤングユーコミックス]

ちょびっツ 3 CLAMP
なぜ人を泣かせてもパソコンを選ぶのか。そもそもなぜパソコンは人型なのか。
少しずつ明かされる情報の断片。見えてくる世界の輪郭。そして現実への疑問。
これは甘いエンターティメントのオブラートで包んだピリ辛の哲学書のような。
[講談社・ヤンマガKC]

01年9月版セレクションの裏話みたいの


01年8月 先頭へ

残酷な神が支配する 17 萩尾望都
心の再生に必要なのは、事実ではなく、理解でもなく、たぶん納得なのだろう。
揺り返す記憶に囚われて、果てしなく深い心の森を迷って、心の深淵へと下る。
絡み合う糸を解いて心と向き合うことができたなら、また始められるだろうか。
[小学館・プチフラワーコミックス]

(男性誌系は該当なし)

01年8月版セレクションの裏話みたいの


01年7月 先頭へ


B-EYES 3 潮見知佳
幸せな幻想を見せる力だと思ってた。それで命を奪えるとは考えもしなかった。
最初から悪魔の力だったわけじゃない。全てはあの出来事が始まりだったのだ。
記憶の底に隠されてた、忘れたかった事実、幸せな情景、そして狩るべき獲物。
[白泉社・花とゆめコミックス]

(男性誌系は該当なし)

01年7月版セレクションの裏話みたいの


01年6月 先頭へ

きみはペット 2 小川彌生
同居してもセックスはしない。余計な遠慮も干渉もしない。一人と一匹な関係。
現実のしがらみから放たれて、一緒にいるだけで癒したり癒されたりする関係。
複雑な現実を因数分解して、見えてくるシンプルな欲求。これは愛?それも愛。
[講談社・KC Kiss]

ちょびっツ 2 CLAMP
どんなに人に似ていても。どんなに可愛くても。パソコンは機械。人じゃない。
知ってるはずなのに、時々錯覚しそうになる。楽しくて、そして、悲しくなる。
お約束で。媚びてるようで。でも核心を鋭く突いてる。可愛い、だけじゃない。
[講談社・ヤンマガKC]

01年6月版セレクションの裏話みたいの


01年5月 先頭へ

DOLL 3 三原ミツカズ
私は人形じゃない。人に似てるけど人ではない。意志を持たないからこそDOLL。
私は人形じゃない。僕なしでは生きられない体にしてあげる。愛しい僕のDOLL。
他人の意志に縛られて生きるぐらいなら私は……。だって、私は人形じゃない。
[祥伝社・フィールコミックス・大判]

クレセントノイズ 6 天野こずえ
得体の知れない敵から地上を守るために授けられた力。そんなものはなかった。
忌むべき力と尊き力は同種で。敵と思ってた存在を己の内に抱えていたなんて。
かつて地上に降りた堕天使は人になった。それが意味するコトをまだ知らない。
[エニックス・Gファンタジーコミックス・大判]

01年5月版セレクションの裏話みたいの


01年4月 先頭へ

汝なやむことなかれ 3 筒井旭
笑えない子供が笑えるようになった。でも、笑うことしか出来なくなっていた。
傷ついた心に触れず優しく守っているだけで、傷口が閉じて治ったりはしない。
たとえ見せかけの幸せを壊してでも、傷に向き合うことこそが必要なのだろう。
[集英社・マーガレットコミックス]

破天荒遊戯 2 遠藤海成
バカをやってもバカなわけじゃない。軽口を叩いても言葉が軽いわけじゃない。
重いシーンが主ではなく軽いシーンが従でもなく、等価値で連続して融合する。
鋭角的なビジュアルとコトバと絶妙なバランス感覚の新型エンターティメント。
[エニックス・Gファンタジーコミックス・大判]

01年4月版セレクションの裏話みたいの


01年3月 先頭へ

スイッチ 2 望月花梨
女は水なのか。男が水なのか。乾いた心の触れた場所に、潤いが広がっていく。
自分だけが好きなようで。信じているけど頼りない。そんな時に潤いがあれば。
透き通る空気の中に密やかに感情がしみこんで。言葉はなくても伝わってくる。
[白泉社・花とゆめコミックス]

(男性誌系は該当なし)

01年3月版セレクションの裏話みたいの


01年2月 先頭へ

天使禁猟区 20 由貴香織里
もしも世界が誰かの意志で生まれ、誰かの意志で運命すら定まっていたとして。
だからと言って手のひらで踊ってやる必要はない。子は親の玩具ではないから。
善悪の境界線も、自らの運命も、他の誰でもない自分が決める。神はいらない。
[白泉社・花とゆめコミックス]

センチメントの季節 7 榎本ナリコ
輝いていた夏を取り戻したかった。まだ初々しかったあの瞬間に帰りたかった。
でもそれは偽りの記憶。目を閉じ耳を塞ぎ。ありもしない郷愁に浸ってただけ。
巻き戻したくても、しがみついてても、時は容赦なく流れる。夏はもう終った。
[小学館・ビッグスピリッツコミックス・大判]

01年2月版セレクションの裏話みたいの


01年1月 先頭へ

X -kai- 2 東城麻美
法で罰せられぬ悪いやつが憎かった。兄をこんな姿にしたやつを殺したかった。
最初の理由はどーであれ道具になり血まみれの手にしたのは自分の意志だから。
せめて無垢な命を守ることで、罪を購い人として生きる意味を見つけたかった。
[集英社(ホーム社)・EYESコミックス]

(男性誌系は該当なし)

01年1月版セレクションの裏話みたいの

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