かわいすぎて困る (10/8/22) 次へ 前へ
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前回に引き続きコメント大量です。それしかやってないから(爆)。


「君に届け 1〜25話」
去年の10月から日テレ系(5局)で放送してた全25話のテレビシリーズ。
ShowTime・バンダイチャンネル・Gyao!で有料配信中です。
原作は少女誌(別冊マーガレット)のマンガで読んだことはありません。
※セルDVD・レンタルDVDは全巻リリース済
この物語の主人公の黒沼爽子は爽やかな子と書いて「さわこ」と読む。
しかしストレートロングの黒髪と名前とは裏腹の醸し出す雰囲気から
(かの有名なホラー映画の)貞子と呼ばれて恐れられ避けられていた。
爽子自身は決して陰気ではなくむしろ妙に前向きな性格をしていて、
避けられ恐れられても決してめげずに他の人と交流しようとしていた。
皆に楽しんで貰えるならと肝試しのオバケ役も自ら進んでやっていた。
そんな爽子が憧れている男の子がいた。同じクラスの風早翔太である。
いつも爽やかでみんなに好かれる風早みたいになりたいと思っていた。

かかか、カワイすぎなんだけど、どうしよう……(爆)
なんて興奮したくなるほどこの作品は爽子の可愛さが際立ってるなと。
と言っても美少女系のような見た目の美醜を言ってるわけではなくて。
むしろあだ名が貞子になるような陰気で怖い外見だったりするわけで。
(少女マンガなんで外見がかわいく見える瞬間もあるけど)
それなのにこの作品を見てると爽子がかわいくて仕方なくなるのでした。
少女マンガには内面から可愛さが滲み出る作品が多いのは確かだけど、
実際に映像で見ててここまでかわいいと思えたのは凄く久しぶりです。
(過去にこんな気分になったのはフルーツバスケットだけ)

爽子がかわいいと思えるのは自分を変えようと頑張ってるからです。
みんなに怖がられ避けられてもめげずに他人にアプローチをしてるし。
肝試しではみんなに楽しんでもらおうとお化け役を自ら買って出るし。
あんな扱いでも心が捻じ曲がらずに凄く前向きで真っ直ぐなのでした。
そんな内面に気付いてちづとやのちんが親友になるのも理解できるよ。
二人を切っ掛けにして次第にクラスの人たちに理解されていくのです。
一つ一つのちょっとした素敵に凄く喜ぶ爽子に共感してしまうのです。
最初があまりに低い位置だったから普通が素晴らしく思えるのです。
いかにもな感動シーンではない何気ない瞬間にこみ上げてくるのです。

最初は友達(親友)ができたりと爽子の世界が順調に広がっていきます。
しかし妙な噂を発端にちづややのちんとの関係がぐら付いてしまう。
最初は二人とも噂の内容を全く信じないで一笑に付してはいたけど。
その後の言葉の行き違いから互いの関係に亀裂が生じてしまうのです。
噂ではなく互いの言葉が原因になるあたり構成に工夫が見えるなと。
そして互いの強い信頼関係こそが危機の原因なのも興味深かったなと。
噂が二人を傷つけるのなら離れたほうがなんて爽子は考えちゃうし。
せっかくできた風早との絆までも全て無かったことにしようとして。
でも思ってないことはできませ〜んって言っちゃうのが凄く良かった。
理性でそうすべきだと思っても感情がコントロールできない感じで。
こんな気持ちが入ったセリフを喋るアニメが他にあるかなと思った。
もちろん見てる時にはそんなことばかり考えてたわけではないけど。
爽子に共感しまくって涙がボーロボーロだったので(汗)。

なんとか爽子とちづややのちんの関係は(より強固に)修復されます。
爽子の成長のプロセスという意味で最高に感動的なシーンとして。
そのへんの詳細はここでは触れないので自分の目で確かめてください。
とりあえず6話の最後のそのシーンまでは見ることをオススメします。

で、実はそこでとりあえず視聴は終わり(中断)にしようと思った。
でも噂の出所がうやむやなのが気になってそのまま続きを見ました。
まぁ、くるみ(胡桃沢)は初登場から怪しすぎたけど(笑)。
物語のセオリーからして絶対にこいつだと根拠の無い確信があったよ。
自分は虫も殺さないみたいな完璧に白いキャラが実に嘘臭かったし。
くるみから爽子に直接アプローチしてくるとかやる気まんまんだし。
さすがに爽子に接近してくると愛想の裏の本心が垣間見えてきますが。
カワイイ顔でやる事が陰険なのが実に少女マンガだとか変な感心を。
そして爽子がくるみの行動を全て好意的に解釈するのがまた面白い。
くるみの陰険な行動が爽子の前ではただの空回りの喜劇になるので。
人の嫌な部分を描きながら悪い印象を与えないんだから面白いなと。

次第に爽子の前でもくるみの本性が現われていくようになって。
ついに噂の出所がくるみなのが爽子の耳にも入る日が来るのです。
意外にも爽子はそのこと自体にはショックを受けてなかったなと。
既に噂の事件は過去のことで自分の中では整理がついてたからかな。
それよりくるみのある言葉の方に爽子は凄いショックを受けてた。
切っ掛けはどうあれくるみとは本心をぶつけ合った関係だったから。
くるみがあそこまで本心を見せた相手は爽子以外にいないだろうし。
それに意外にもくるみは爽子の魅力をちゃんと理解していたわけで。
「私の方がずっと好きだから」勝てると思ったって言っちゃうあたり
(てっきり私の方がずっとキレイだからって言うと思った)
爽子にやったことは許せないけどくるみ自身は憎めないなと思った。
同じ人を好きなるぐらいだから気持ちを共感できる関係なのだけど、
でも決して友達にはなれないというのがなんとも切ないっすね。

15話でくるみの話にもケリがついてそこで終わりでも良かったけど
ここまで見たなら最後まで見てしまえと勢いで最後まで見ました。
一日で最初から最後まで一気に見たので疲れました(何度目だよ)。
ちなみに16話が総集編で17話以降は恋愛中心の内容になってます。
もちろん15話以前も恋愛要素はありますが。

17話以降には爽子メインではないちづの恋愛エピソードが有ったり。
この作品は爽子の精神的な成長がテーマになるので友達を作るのや
その友達の恋愛に触れて知っていくのも重要な要素なのでしょう。
アニメの後の内容ではやのちんの恋愛話が出てきたりするのかな。
(付き合ったとか別れかとか言葉ではいっぱい出てくるけど)

そしてアニメのラストに来るのが爽子と風早の年越し初デートの話。
この二人って最初から両想いなのに25話も使って手を繋ぐだけです。
互いに好きと言葉に出すことも無くキスなんてまだまだな関係です。
今時こんなスローテンポな恋愛モノはそう無いだろうと思うぐらい。
まぁ、爽子の場合はあまりにも最初のポジションが低すぎるので
自分が好かれるという想像が出来ないのも仕方ないとは思ったけど。
他人には当たり前のことで爽子は凄く幸せになってしまうから。
それでも人より遅い歩みできっと着実に進んでは行くのでしょう。
風早が積極的に引っ張らないのは成長を待ってるのかもしれないね。

爽子の相手役である風早のこと。
彼をカッコイイと言う人が多いけど、私は見ててカワイイと思った。
爽子のセリフで素直に喜んだり意図が違うと知って落ち込んだりと、
爽子の態度で一喜一憂する様が実にかわいく見えてしまうのでした。
もちろん爽子に共感して見てるからとても素敵な存在に見えるのです。
一方で一歩引いた視点もあって(歳のせいか)かわいく感じてしまう。
ある意味好きな相手が爽子なのは気の毒とすら思ったよ。
なにしろ爽子が風早のことを好きだと自覚するのはずっと後だから。
(最初から気持ちは有ったけどそれが何かわかってなかった)
自覚は無いのにあれだけ風早を慕った態度をとってたわけですよ……
風早の視点で見たら爽子に翻弄されてる気分に陥ってたかもしれない。
もちろん爽子がそんなキャラじゃないのは知ってはいただろうけど。
だからこそ余計に爽子の態度でやきもきしてしまいそう。

この作品のエンディングを歌ってるCharaを大昔に熱心に聞いてました。
実は(10年以上前の)初の武道館のライブに行ったことがあったりする。
その頃を知ってるだけにずいぶんと声が歳をとったなと……(爆)
声は歳をとったけどを音楽は今で全く古くなってないのが凄いです。

ちなみに16話の総集編はセルDVD・レンタルDVDには収録されてません。
16話はコミックス11巻の初回限定版の付属DVDに(だけ)収録されてます。


「こばと。 1〜9話」
去年の10月からBS-2(のみ)で放送してた全24話のテレビシリーズ。
今年の4月から教育テレビで月曜日の夕方に放送しています。
Newtypeチャンネル・各バンダイチャンネルで有料配信中です。
原作は角川系(ニュータイプ)のマンガで全巻持ってます。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(7巻までリリース済)
どこからかこの街にやってきた花戸小鳩と言う名の不思議な少女がいた。
彼女には行きたいところがあってその実現のためにするべきことがあった。
人の傷ついた心を癒すことで生まれる小さな星型のカケラを集めること。
4つの季節が巡るまでに小瓶いっぱいにカケラを集めないといけないのだ。
それが人知を超越した誰かによって決められた希望を叶える条件だった。
しかし世間知らずの小鳩には傷ついた人を探すのさえも一苦労だった。
役に立ちたいとしたことで迷惑をかけてしまうことも少なくなかった。
だけど人を笑顔にしようと奮闘する小鳩の行動が人の心を動かしていく。

原作と全く別物になっててビックリというのが一番の感想かな。
原作と別物と言うのは原作を逸脱してるという意味ではないです。
ちゃんと原作のキャラに沿ってるしちゃんと原作の内容を使ってます。
ストーリーも構成を結構いじってはあるけど大筋で原作に沿ってます。
アニメには原作にない要素が大量に含まれてるのだけが違うのです。
その原作にない要素とはこばとが人の心を知って癒していくプロセス。
保育園の俊彦くんのエピソードだけは原作にも有るけど他はないのです。
(猫を拾う話も有るけど原作はずっと簡単で癒しが存在しない)
このアニメの根幹になってる癒しのプロセスが原作由来じゃないのです。
これで原作とは全く別物と言ってる意味が理解してもらえるかと。
ぶっちゃけアニメの方が原作よりもずっとずっと面白かったですよ。
てゆーか原作を知ってたからアニメには全く期待してなかったのです。
だから原作と別物でビックリして予想外に面白くてビックリしたのです。

そもそも原作のコミックスはまだ4巻しか存在しないわけで。
普通のペースで映像化しても16話ぐらいで24話分には到底足りません。
オリジナルを足すか個々のエピソードを膨らませる必要が有るのです。
そしてこのアニメでは単純に内容を足す手法を取らなかったのでした。
原作の内容を整理したり再構成して骨のエピソードだけを取り出して、
そこに個々の癒しのエピソードを組み合わせて物語を構成したのです。
だから原作の内容と癒しのエピソードがちゃんと両立してるのです。
そもそもこばとは人の心を癒すためにここに存在してるわけだから、
そのへんが置き去りの原作よりアニメの方が内容が適切と言えるかも。
ちなみにいおりょぎさんがこばとの行為に採点するのもアニメ独自です。
採点行為自体は原作でもビンを貰うまでのプロセスでやってはいますが。
(ビンを貰うプロセスはアニメだと凄く簡素化されてます)

見てて印象的だったのはやっぱりそれぞれの癒しのエピソードですね。
垣間見える人の心の内と何とかしようとするこばとの頑張りが良いので。
中でも5話のホタルのエピソードが9話までの中で最も印象的だったなと。
実は途中まで忙しくて気持ちがすれ違って別れたんだと考えたのでした。
忙しいのを理解して待っていたのだからこそ結果があまりにも悲しくて
伝えようとしてたことが伝わるまでにあんなに時間がかかってしまった。
あまりに悲しくて切なくて、そしてとても美しくて息を呑んでしまった。
明滅する淡い光の点がどうしてこうも人の心を揺さぶるのかと思いつつ。

CLAMP作品ではお馴染みの他作品とのリンクがこの作品にも有ります。
特に強い関係なのは「ちょびっツ」すね。千歳さんのアパートだし。
それどころかちぃともう一人が違う名前で準レギュラーで出てるし。
※人間かちぃ同様のロボットかは原作では言及されてない
しかも原作よりもアニメのほうが登場回数がずっと多いしいい扱いだし。
私は「ちょびっツ」が大好きだったので嬉しいような複雑な気分です。
ちなみに「チロル」とそこの店長さん(傘の人)も「ちょびっツ」です。

琥珀とe一郎さんは「Wish」のキャラです。原作として併記されてる。
琥珀ってアニメで見てると女のようだけど天使だし性別は無いのかな?
Wishは1巻しか持ってないのでそのへんのことは良くわかりません。
(Wishを読んでると中世的な顔立ちの少年のように見える)
1巻を見る限りは原作として併記されてるけど使える感じがしないかな。
4話でWishの1話の内容を少しだけ使ってると言えないこともないけど。
原作としてわざわざ併記したってことは重要な役回りでもあるのかね!?
ちなみに「こばと。」の原作には元から琥珀は登場してます。

エンジェリックレイヤーやxxxHOLiCのキャラも原作では登場します。
アニメでは(今のところ)きれいさっぱりと出番がカットされてますが。
権利関係が面倒になるから作品の根幹に関わるのだけにしたのかな。
1話のお婆さんは原作だとxxxHOLiCの占い師のお婆さんなのです。
※見た目はそのままで設定が全く関係なくなってる


「にゃんこい! 6〜12話」
後半はオリジナル展開という話だったので今さらだけど見てみました。
確かに原作どおりなのは6話までで後半はほとんどオリジナルだったよ。
アニメ化時点で原作が足りないから入れざるを得なかったわけだけど。
ちなみに9話は全てが原作の内容で、10〜12話も少し原作を使ってます。

オリジナル自体は原作と違和感さえなければかまわないと思っています。
それと原作が連載中なのにアニメは一応の区切りをつける必要が有るし。
原作が足りてたとしても何らかのアレンジか独自の展開をする必要が。
そのへんを注視して見てたので、へーそうするのか、とか思ったよ。
原作でほとんど変化のない呪いをアニメで進行させることにするとはね。
原作より先に進むわけには行かないので何とか初期状態まで戻しますが。
その過程で原作にはない水野楓と猫たちのある光景が出てくるのです。
このシーンはなかなか良かったよ。半分ギャグっぽい絵面だったけど。

アニメでの原作の消費速度と時間経過から最終回は初詣だと思ってた。
(原作とアニメは時間経過が全然違うのであちこち変えてあります)
原作で辛うじてキリがいいと言えるのがそのあたりしか存在してないし。
でもそれだけだと淡々と回を重ねてそのまま終わってしまうわけです。
てゆーか原作は双子以降キャラは増えず、呪いの状況もとくに変わらず、
人間関係も互いに遠慮してて亀のような一進一退を繰り返してるだけ。
だからアニメ独自で呪いの進行というメリハリをつけてみたようで。
おかげでアニメはクライマックスに向けそれなりに盛り上がってます。
原作ファンとしては、まぁこれもいいんじゃないの、って感想かなと。
最終回の後に原作の続きのエピソードをやるのは全く問題ないしね。
セールス的に2期は難しいと思いますが。

オリジナルエピソードに関しての感想としては。
原作をベースにアレンジをした回に比べて密度が薄いかなという印象が。
原作者は内容に対するページ配分とかキャラの表現が結構上手いのです。
ありがちな作品なのに熱心に読んでたのはそのへんが理由なわけです。
だからそれを元に足したり削ったりしてる回はとても密度が濃いのです。
対して完全なオリジナルの回は時間配分の関係か内容が薄いのでした。
原作回が原作2話分の内容なのに対して原作1話分の内容しかないみたいな。
もう少し悪ノリを増やすか雰囲気に浸るシーンを入れれば良かったような。
7話なんかアフロ赤ジャケのナベシン回なのにそんなに飛ばしてないし。
10話の変身退魔少女ぐらい徹底的に脱線してたほうがむしろ楽しいです。

10話のような朱莉が潤平を意識する展開は原作にはほとんどありません。
基本的に琴音が潤平に迫って朱莉がそれを引き剥がすという展開だし。
潤平がさっさと他の女の子とくっつくように裏で画策してたりもする。
そしてそれが琴音にばれてお仕置きを食らうことも有るのでした。
※アニメでやった分の後のエピソード
なので10話を見ててちょっとアレっ?という気はしたかな。
まぁ、変身退魔少女の時点が脱線しすぎなので今さらと言う気もしたが。
それに双子のクラスでの様子を描いてたりしてこれはこれでいいかなと。
盗聴器を仕掛けたりGPSを仕掛けたりとストーカー描写も凄くなってるし。
双子は元からおいしいキャラだけどアニメで一番プラスαされてる感じ。

あとは簡単に1話ずつ。

6話「ミルク&ビター&シュガー&スパイス」
原作3巻の12話と13話が元になってます。
この作品で最も萌えキャラな外見のツインテール双子の登場エピソード。
姉の琴音はストーカーの電波系で妹の朱莉は霊が見えるという危ない姉妹。
ただの可愛いキャラなどこの作品には間違っても出てこないのだった(爆)。
タマとノワールの言い争いに黙れーー!と叫んで水野楓に誤解された後の
楓が落ち込んでるシーンや誤解を解くプロセスは原作にはありません。
(原作だと次のプールの回で簡単に説明して誤解を解いてる)

7話「暗くなるまで待って」
原作にはない修学旅行のエピソード。アフロ赤ジャケのナベシン登場回。
この姿が有るだけで誰が演出してるかわかるのってどーなんだろう……
ガイドの人の顔や説明が妙なのやノリが変なのはナベシンのせいか!?
凪先輩の本家が京都とかジョセフィーヌの妻とかは原作にも出てきます。

8話「炎の個人教授ランナー」
水野楓が陸上部という設定を使った完全なオリジナル。
成り行きで陸上部に仮入部することになって楓と楽しい時間を過ごしてたら
お願いの特訓を忘れて放置されたことに怒ったミッチー(猫)が仕返しをする。
ミッチーのキャラといいこの回のノリといい別の作品を見てるようでした。
楓はメインヒロインなんだからもうちょっといい感じにまとめて欲しかった。

9話「ガールズ・イン・ザ・ウォーター」
原作3巻の14話と2巻の8話が元になってます。
8話が飛ばされてたのは加奈子メイン回としてまとめるためだったわけね。
時間経過の関係で夏の屋外プールだったのが冬の室内プールになってます。
ネコを助けて寒い屋外に出たのと風邪の話が繋がっててなるほどと思った。
ちなみに原作ではこのプールのシーンにツインテール双子は登場しません。

10話「或る夜の出来事」
ツインテール姉妹が簡単な退魔術が使えるという設定を使ったオリジナル。
オリジナルエピソードの中で最も原作から脱線していた回だったりする。
最高に悪ノリしてたけど最後はいい感じに〆てたりして意外に楽しかった。
ちなみに口移しポッキーは原作3巻17話(バレンタイン)にも有ります。
口移しの相手は琴音で、しようとしたのも琴音からで、未遂だったけど。

11話「フレンズ」
原作3巻15話の郵便局のバイトエピソードをモチーフにしたオリジナル。
バイトをするため郵便局を訪れたシーン以外は原型をとどめてません
呪いが進行するのも加奈子と映画に行くのも当然ながらアニメオリジナル。
ちなみに原作15話は望月さんが好きな人の予想外の姿を知るエピソード。

12話「天国は待ってくれる?」
呪いの進行のエピソードに原作3巻16話の初詣のシーンを足してあります。
水野楓の疑いを払拭するために10話の招き猫を使った三文除霊芝居をする。
招き猫や除霊行為を1回きりで使い捨てず本筋に絡めてきたのは感心した。
そして上にも書いたけど楓が潤平猫を抱き上げたシーンは凄く良かったよ。
初詣での楓の本心とか一緒に鈴に当たるとかいい雰囲気で終わってるしね。
(鈴が当たるのは原作では全く違った解釈になってるけど)


「うみものがたり 〜あなたがいてくれたコト〜 1〜6話」
去年の7月からTBS系(9局)とAT-Xで放送してた全12話ののテレビシリーズ。
アニメワン・ShowTime・バンダイチャンネルで有料配信中です。
パチンコ海物語のキャラをモチーフにした実質オリジナル作品です。
※セルDVD・レンタルDVDは全巻リリース済
現実に近いけど少し違う世界。海の中に海人(うみびと)が生きる世界。
海人のマリンとウリンはある日空から落ちてきたキレイな指輪を拾った。
以前から空(陸上)の世界に興味があったマリンは指輪を届けようと言う。
空は怖いと反対したウリンだがマリンの熱意に折れて付いていくことに。
そうしてマリンとウリンは海に囲まれた離島の天神子島へとやってきた。
しかし指輪の主の夏音(かのん)はいらないから海に捨てたのだと言った。
振られた元カレに貰ったものなんかと今度は森に向かって放り投げた
指輪を贈った人の心を信じたいマリンは指輪を探しに森へ入っていく。

これがあの海物語なのか?と言うのが第一印象でしょうか。
とてもパチンコ屋の店頭を飾る野暮ったい絵柄のアニメとは思えないよ。
確かに輪郭に面影は残ってるけど凄くスマートな絵柄に変わってるので。
まぁ、元のままの絵柄で誰が見るんだという気もしますが……
原作との繋がりがある絵柄すら辛うじて共通点が有るというレベルだし、
ストーリーはパチンコを元にしようもないのでオリジナル展開なわけで。
「海物語」というタイトルがついてるだけのオリジナル作品と言えます。

ではどんな作品かというとよーするに戦う変身魔法少女モノみたいな。
深夜枠だけどなんちゃってタイプではなく純正の少女モノな内容です。
深夜にやるより土日の朝枠でやった方が相応しいと思える内容です。
(子供不可なパチンコが原案なので朝枠での放送は不可能だけど)
そんな変身魔法少女モノの中でも凄く丁寧に作ってるある作品っすね。
魔物が出てくるファンタジーな味付けだけど決して安っぽくないし。
夏音を筆頭に地上の人たちのキャラは生っぽくて凄く実体感があるし。
さすがにこの手の作品の第一人者の佐藤順一さんだけのことはあります。
見るまでは何で佐藤順一さんかと思ってたけど、実際に見て納得したよ。
しかしパチンコ海物語が戦う変身魔法少女アニメになるとは……

この作品は天神子(あまみこ)島という小さい離島が舞台になってます。
確かこの舞台のモデルになってるのは奄美大島じゃなかったっけかな。
作品の随所で南海の離島を実感させる風景が生活感満点で描かれてます。
設定のわりに描写のない「あそびにいくヨ!」とは比較にならないほど。
そして奄美あたりが舞台なのを実感させるのが喋りのイントネーション
マリンとウリンは標準的だけど夏音や島の人たちは独特な喋りなので。
最初は独特なイントネーションの理由がさっぱり理解できなかったけど、
途中ではたと気付いたのです。これはこの地方の方言の喋りなことに。
わかりやすくするために方言は使わずイントネーションだけ使ってる。
(中央から遠くなるほど方言はわかりにくくなる)
標準語なのにイントネーションが方言だから独特に聞こえるわけです。
芸が細かいというか、斬新な表現スタイルというか。

この作品の構図がほぼ戦う変身魔法少女モノなのは上に書いたとおり。
魔の存在があって毎回のように襲いくる魔物と戦う展開になるわけです。
でも実は戦うことは主題を描くための仕掛けの一つに過ぎないのです。
戦うシーンは毎回有るけど戦い自体が主ではなく比率的には少なめです。
2話みたいに派手なアクションシーンで魅せる回もあるにはありますが。
どちらかと言うと夏音が自分の役割(空の巫女)を受け入れていくことと、
夏音がマリンやウリンと関係を紡いでいくプロセスがメインなのです。
関係を紡ぐと言ってもそれは必ずしもいい意味とは限らないわけです。
無邪気に夏音を慕うマリンの姿を見るウリンの心に闇が生まれるのです。
夏音はウリンも妹のように思うようになるし、ウリンも慕っていたけど。
だけど上手く行ってるように見えた関係は脆い土台の上に立っていた。

中盤に天神子島が皆既日食になる大きなイベントがやってきます。
確かこのアニメを放送してた頃に実際に奄美大島では日食が有ったね。
皆既日食という事で全国から人が集まり島はにわかに賑やかになります。
そして日食というのは日の力が及ばない魔が強まる瞬間でもありました。
この日食が物語の大きな転機になります。

魔というのは単純な悪の存在というより悪意が集まった存在のようで。
人の心の闇に入り込んで取り付いてしまうみたいになってるのでした。
マリンを夏音に取られたと感じてたウリンが闇に飲まれていくのです。
こうしてマリンとウリンの姉妹は光と闇の間に別れてしまうのでした。
この後マリンがウリンとの関係を取り戻すのが中心になるのでしょう。
つまり魔物と戦う過程で人と人の絆を描くのがこの作品の主題です。
マリンの口癖の「みんな愛してる」は主題を端的に表現してたのです。


「ZOMBIE-LOAN 1〜4話」
2007年頃にテレビ朝日(のみ)で放送された全13話のテレビシリーズ。
各バンダイチャンネルで有料配信中です。
原作はスクエニ系(Gファンタジー)のマンガで全巻持ってます。
※セルDVD・レンタルDVDは全巻リリース済
人の死期を首の黒いリングとして見てしまう死神の目を持つ紀多みちる。
黒いリングを見たくないみちるは眼鏡をかけその能力を抑えていた。
しかし友人の悪戯で眼鏡が外れた時に二人の男子の首に見てしまった。
親切心で二人に忠告をしようとしたら銃を突きつけられ殺すといわれ。
黒いリングの話を二人にしたら仕事の手伝いをさせられることになり。
欲望のままに人を屠るゾンビをおびき寄せるための餌として使われて。
大して仲が良いわけでもない友人をかばって致命傷を受けてしまう。
やりたいことをまだ何もしてない。言いたいことだって言ってない。
それなのにこんなところで死にたくない、みちるは声の限り叫んだ。

一言でいうと面白さの分かりやすい作品って感じかなと。
構図や方向性やキャラの魅力が数話見ただけである把握できるので。
確かPEACH-PITさんの作品で最初に好きだと思ったのがコレだったし。
DearSの1巻の頃から不思議な魅力を感じて買い続けてはいたんだけど。
ただこの作品はこの先で物語が予想を越えるスケールアップをします。
最新刊(12巻)あたりの内容はこのアニメとはすっかり別物になってます。
物語のスケールアップは現実との接点をどんどん希薄にしていきます。
漠然としてたけど目に見えた目標も次第に手に余るようになるのです。
このアニメでやったあたりが一番面白かったかも、と考えるほどです。
つまり熱心に読んでた頃の内容なので十分に楽しめた、ということ。

大半のアニメは原作のプロモーションという意味で作ることが多いので
ちゃんと物語のラストまでアニメ化されることは極めて珍しいわけで。
この作品も多くの例と同様に途中までしかアニメ化されていません。
4話で2巻の大半を消費するペースなので恐らく6巻あたりまでかなと。
ストーリー紹介を斜め読みした感じでもそのへんまでみたいっすね。
そして原作ではその後に大掛かりなエピソードが入るようになります。
だから1クールで収めるならそのあたりが妥当な線ではないかなと。
それにそこで終わらせて続きはやらない方がマシな気がするので(爆)。
風呂敷広げすぎの原作はちゃんと終わらせられるのかな……

この作品の最初の頃はみちるが境遇に翻弄されていく様を描いています。
特別な能力を持つためにチカとシトに目をつけられ引き回されるのです。
でも一緒に仕事をする過程でチカやシトたちの事情を垣間見たりして
次第に自分の力を受け入れてみんなとの仲間意識を持っていくのです。
受け身で生きてきたみちるが精神的に成長する話とも言えるのです。

しかし、実はみちるは死神の目以外にもっと凄い能力を持ってたり。
アニメでやった分では出てきませんが唯一無二の異質な存在なのです。
ぶっちゃけそんな設定は聞きたくなかったよというぐらいの……
2話で死にそうになって命のローンで生を繋いだことになってるけど、
あそこで放っておいても死ななかったのでは?という存在なのです。
(鼈甲さんは正体を知ってたわけだからチカシトを騙したのかも)
アニメの続きを作るとこの序盤の展開を台無しにしかねないのです。
続きを作らない方がマシというのはよーするにそーいう意味です。

アニメの序盤の内容と原作との違いについて。
手元の原作とざっと比較してみた限りではほとんど原作そのままでした。
消費ペースが通常より早い1巻2話ペースなので完全に同じではないけど。
細部が多少削ってあるぐらいで内容はほとんど原作そのまんまです。
この作者お馴染みのデフォルメ絵やギャグもしっかり再現されてます。
絵柄もかなり原作に近いので原作に色がついて動いて喋ってる感じです。
あまりにも原作そのまんまで原作ファンとしては物足りない気もします。
アニメならではのプラスαが有れば新鮮に見れたのにと贅沢を言ったり。
良くも悪くも原作通りなので原作ファンなら違和感はないでしょう。


「世紀末オカルト学院 1〜7話」
7月からテレビ東京系(6局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
ShowTime・アニメワン・あにてれ他で最新話無料配信中です。
※セルDVD/BD・レンタルDVDは9/22からリリース
時は今より少し前の1999年。場所は日本の長野県の松代。
ピラミッドとも言われる皆神山に私立ヴァルトシュタイン学院はあった。
世界にも類をみない各種のオカルトを学習・研究するための学校だった。
それに関係が有るのか無いのか街では奇妙な出来事が頻繁に起きていた。
こうして学院には「オカルト学院」という実に相応しい呼び名がついた。
7月のある日、学長が亡くなりその娘の神代マヤが学院へとやってきた。
理由があってオカルトが大嫌いなマヤはこの学院を潰そうと思ってた。
そんなマヤの前に内田文明という青年が光の中から素っ裸で現われる。
彼は2012年からある目的のために来たとか信じがたいことを口走った。

題材は面白いし、見た目も力が入ってるし、キャラもいい味を出してる。
でもそれぞれが噛み合ってないと言うか、素直に面白いと言い難いです。
実は荒唐無稽な文献を元にオカルト的な探求をする作品だと思ってて。
下らないと思いつつ探検したら想像以上の光景に遭遇する的な感じで。
だからマヤがオカルトなんて大嫌いとか言い出してアレ?と思ったよ。
(マヤがオカルト探求の張本人で文明は連れまわされる存在かと)
まぁ、オカルト満点な舞台で否定から入るのも面白かなとは思ったけど。
問題はそこではなくいきなり宇宙人の襲撃なんて陳腐な話をやったこと。
不思議な謎を探求していって宇宙人に辿りつくならまだ理解できるけど。
オカルトを否定したいマヤじゃなくたって信じる気にはなれないよ……
荒唐無稽だけどもしかしたらと思えるような話にしないと。

宇宙人うんぬんは有りとしてもその後の構成は理解に苦しむのです。
前半はマヤが信じてなかったから調査が進まないみたいになってるけど、
文明は元々一人で調べて解決するため未来から送り込まれてきたわけで。
ろくに調査もしないで美風とデートしてるように見えるのはどーなのと。
(美風も意味ありげだけど今のとこ存在意義が全くない)
調査を妨害する謎の勢力も序盤に1回登場したっきりで音沙汰がないし。
マヤが亜美やこずえとオカルト学院生活を満喫してるようにしか見えん。
私的にはむしろ最初から最後までその路線で良かったと思うけどね。
現実の生活感が有れば有るほどにオカルトな要素が際立ってくるので。
なまじ最初から(陳腐な)目的を明かしてしまったのが裏目に出てる気が。
明確な目的が有るせいで逆に物語が進展してる気がしないわけだから。
最初は目的を見せないで次第に見えてくるようにするべきだったような。
シリーズ構成の水上清資さんってそのへんの構成は上手い人のはずのに。
監督の差かね。


「ぬらりひょんの孫 1〜6話」
7月から一部の民放(3局)とBS11・アニマックスで深夜に放送してる新番組。
各バンダイチャンネル・アニメイトTVで最新話無料配信中です。
原作は少年誌(ジャンプ)のマンガで1巻だけ読んだことがあります。
※セルDVDは9/23からリリース(レンタルDVDは10/8から)
現実の現代に近い世界。妖怪が人に知られずに人の世に存在してる世界。
全国の妖怪たちを束ねる総大将ぬらりひょんの率いる奴良組が存在した。
人の目には極道一家に見える奴良組だが実態は妖怪の集う組織であった。
その奴良組の頭領は孫のリクオに跡目を継がせたいと思っているのだが、
当のリクオは人に迷惑をかける妖怪よりも人として生きたいと考えていた。
そしてリクオの資質に疑問をもつ妖怪たちは次代を巡って蠢き始める

人の社会と異なる理で生きてる妖怪を極道に重ねたのは面白い発想だなと。
そのおかげで見た目が化物なだけの極道の権力闘争になってるけれど(爆)。
キャラが全体にお子様仕様なので大人な極道よりもヤンキーみたいだが。
妖怪という設定が見た目とバトルの技以外にあまり生かされてないすね。
まぁ、少年マンガの特にジャンプの作品はこんなのばっかだけど……
氷麗(つらら)とかゆらとか強い能力を持った女キャラが出てくるのに、
必ずピンチにしてリオクに助けさせる旧来の少年マンガを踏襲してるし。
リクオが力が欲しいと願う度にあまりに都合よく妖怪化して強くなるし。
(血で強くなるから少しも本人は努力をしてないわけで)
見た目カッコよければ過程はどーでもいいのか?とか思ってしまうよ。
良くも悪くも王道というか物語の組み立てに新鮮味が全く無いんだよ。
それでもそこそこ見れてしまうのはさすがジャンプというべきかも。
楽しめるけど後に残らないハリウッド映画みたいな感じで。

清十字怪奇探偵団は子供っぽいけどむしろそこが面白いとは思ったかな。
(子供なんだから子供っぽくていいんだよ)
お子様仕様なのに大人ぶってカッコつけてる妖怪たちの権力闘争よりも。
てゆーか清十字探偵団を出したせいで大人ぶってるのが際立ってます。
探偵団か妖怪権力闘争のどちらかに方向性を統一すべきだったのでは?
清十字怪奇探偵団メインだとジャンプには載らなかっただろうけど。
そのジャンプの作風の狭さが人気の秘訣であり私的にウンザリなところ。
どんなに興味深い題材でも味のある絵柄でも全部バトルにしちゃうから。


「夢色パティシエール 1〜4話」
去年の10月から日テレ系(29局)で日曜日の朝に放送してる新番組。
各バンダイチャンネルで有料配信中(1話は無料)です。
原作は少女誌(りぼん)のマンガで読んだことはありません。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(6巻までリリース済)
14歳の天野いちごは何のとりえもなくやりたいことも見つからなかった。
ピアノが得意でコンクールで優勝する妹のなつめとの落差を感じていた。
落ち込んだいちごは大好きなスイーツを食べて元気を取り戻そうとした。
そう思い訪れたケーキフェスタの会場で祖母のケーキと似た味に出会う。
ケーキを作ったパティシエのアンリはいちごの味覚の鋭さに感心をした
そしてパティシエを目指す学校である聖マリー学園へ入学を薦めたのだ。
いちごは忘れかけていた夢を思い出して、その道へ進むことを決心する。

現実的な題材を使ってるわりに現実味がない舞台設定だなと思った。
パティシエを目指すための学校はいいとして中学生で入るのはどーよ。
視聴者(読者)に近い目線で描くためとは言え中学生は無理有るだろう。
いちごが普通の授業もやることに驚いてたけどやるのは当たり前じゃん。
だって中学までは義務教育でその内容は学ばせないといけないんだし。
そして義務教育のカリキュラムをやるにはかなりの時間が必要なわけで。
部活動レベルの料理の勉強ぐらいしか出来なくなりそうだよ……
ファンタジーな舞台にするかもしくは高校以上にすれば良かったのに。

いちごが夢に近づくために専門の学校へ行こうと考えたのはいいとして、
行きたい学校がどんなとこか全く調べてなかったのもどうかと思った。
少しでも調べてたなら練習をするなり何らかの準備をしてただろうし。
最初の調理実習が散々な結果でボロクソに言われるのも当然だろうなと。
でも中学生ならいちごみたいな意識レベルでも仕方ないとも思ったよ。
本来なら自分でその程度は判断できるようになってから道を選ぶわけで。
高校生ぐらいから進路が分岐していくのはつまりそういうことなのです。
中学生では無理があると言ってるのはそーいう意味なのです。
もちろん中学生でも凄く意識レベルの高い人はいますが。

見てて全体にキャラが幼いとも思ったかな。内面も外見(キャラ絵)も。
りぼんのマンガだからしょーが無いか、とかなにげに失礼な感想を(爆)。
スイーツ王子のキャラが記号的なのもりぼんのマンガだから(以下略)
対象年齢の問題なんだろうけど全てにおいて幼くて底が浅いのでした。
題材や作品のアプローチ自体は嫌いじゃないんだけどね……
構造がそっくりな「金色のコルダ」のアニメなんか結構楽しめたし。
(テンプレートでも有るのかと思うほどに似た構造です)
対象年齢が低いのだから物足りないのは仕方ない、に尽きるかなと。

そーいや超電磁砲の4人も中学生なんだった。しかも美琴以外は中1です。
とても同い年とは思えない……


「やわらか三国志 突き刺せ!!呂布子ちゃん 1〜4話」
2008年頃にリリースされた30分×4本のOVA。AT-Xを録画しました。
原作はスクエニ系(Gファンタジー)のマンガで全巻持ってます。
※セルDVDは全巻リリース済(レンタルはまだ未定)
天下無双の武将の呂布奉先は戦いの最中にいきなり空中に投げ出されて、
気付いたら今まで見たこともない世界(よーするに現代)にいたのである。
しかも元の勇猛な姿とはかけ離れたちびっこい女の子の姿になって。
元の世界に帰る方法も元の姿に戻る方法も全くわからなかったので、
とりあえず(傍にいた)陳宮と共に小学生の日々を過ごすことにした。

なんというカオスな幼女アニメというべきか……
小学生の女の子てんこもりで、エロサービス満点(大丈夫なのか?)で、
かと思えば濃ゆい男キャラがいるし、若本さんはネチっこく喋ってるし、
UMAは出るし、UFOも出るし、校長は変な歌をノリノリで歌ってるし。
あれもこれも詰め込んだ掴み所のない変な作品としか言いようがない。
「ぱにぽにだっしゅ!!」の出来そこないみたいな作品だとも思ったよ。
あの手の作品は脚本と演出のレベルが凄く高くて初めて成り立つのです。
狙いは決して悪くないけど作り手の技量が足りてないって感じか。
(もりやまゆうじさんは「ぱにぽに」もやってたから監督の差かね)
これなら全編サービス満点のゆるい幼女アニメの方が良かったのでは?
志は低くてもここまで作品が空中分解しなかっただろうから。

このアニメの内容は原作とは全く違います。
原作のキャラと設定を使ってるだけのほぼオリジナル作品って感じ。
原作はこんなに幼女だらけでもサービス満点でもないので(笑)。
ついでに言うと原作の曹操や夏候惇はもっとずっとカッコいいです。
なのでアニメを見た時にまず「なんじゃこりゃ?」と思ったですよ。
アニメはアニメで面白くなるなら原作通りじゃなくてもいいですが。
それに原作に忠実ならこれよりも面白くなったとは断言しにくいし。
原作もアニメに負けず劣らずぶっ飛んだ内容なので……
どうせアニメ化するなら「壮太君の〜」の方が良かったような気が。
てゆーか最初はそーいう話だったのにいつのまにかこっちがアニメに。
ちなみにエリ先生は「壮太君の〜」のヒロインキャラだったりする。
(見た目と名前以外に共通点はありませんが)


「湾岸MIDNIGHT 1〜2巻」
2007年頃にスカパーで放送された全26話のテレビシリーズ。DVDレンタル。
原作は青年誌(ヤングマガジン)のマンガで読んだことは有りません。
※セルDVD・レンタルDVDは全巻リリース済
車が好きな朝倉アキオはある日首都高で1台のフェアレディZと出合った。
不思議に引き付けられるその車が廃車としてアキオの前に再び現われた。
凄いチューンされたそのZには持ち主が必ず事故を起こす曰くがあった。
アキオは知人が止めるのも聞かずその悪魔のZを修理し自分の車とした。
首都高をZで走ったアキオはZのポテンシャルの高さを目の当りにする。
このZの前ではどの車も止まってるようで誰にも負けないとすら思った。
湾岸最速のブラックバードとのレースも頭を抑えて優性に運んでいた。
アキオのZが事故るまでは

なんかオープニングがグランツーリスモみたいだなと。
初期の頭文字Dは凄くしょぼかったのにずいぶん表現力が進化したものだ。
(これのスタッフの大半は頭文字Dの4期と同じらしい)
作中も大半が3DCGのレースシーンなのでゲームを見物してるような気分に。
そう思って見てたのでそれなりに楽しめました。
内容がほぼそれだけなので車に興味が無いとキツイだろうなとも思った。
とってつけたようなキャラ描写と薄い人間ドラマも有るにはありますが。
こんな30年ぐらい前の感性のキャラ描写で掘り下げられても困るけど……
そもそもこの作品って連載開始が20年も前だからね。

ちなみにオカルト的な導入はしますがオカルト要素は全くありません。
極限のチューンのせいで些細な操作ミスで事故るとかそんな感じ。


「おくさまは女子高生 1〜4回」
2005年に一部の民放(20局)で放送してた全13回のテレビシリーズ。
原作は青年誌(ヤングジャンプ)のマンガで読んだことありません。
※セルDVD・レンタルDVDは全巻リリース済
とある高校に通う小野原麻美には他人には内緒にしていることがあった。
それは同じ高校の物理教師の市丸恭介と夫婦の関係にあるということ。
二人の関係は内緒だから想いを寄せられたり迫られたりすることがあった。
市丸先生をいつも見ていたから友人に片想いしてると誤解されたりもした。
そんなちょっとした問題を乗り越え二人は秘密の夫婦生活を満喫していた。

常に「だんなさま」と呼ぶのは何かのプレイみたい、と言うのはさておき。
あまりにメリハリが無いので見ててうんざりと言うか、だるいと言うか。
4回分連続して見るのが辛くて途中で口直しに他の作品を見てしまったよ。
もっとコミカルにするとかメリハリつけるとかやりようは無かったのか。
麻美のキャラも貞淑と言えば聞こえはいいけど基本的に待ちの姿勢だし。
体の関係が無いのが不満なら積極的にいろいろ煽れば面白かったろうに。
(一度だけお風呂に入ってきたことはあったけど)
恭介は麻美のアピールと麻美の父との約束の間で揺れるみたいにしてさ。
※麻美が高校を卒業するまで手を出さないという約束がある
で誘惑に負けて一線を越えそうになったら父が出てきて大騒ぎみたいな。
そうすれば今よりずっと見てて楽しかったし共感できたと思うのだけど。
今のままでも人によっては共感できるいい作品だったりするのかね?

ちなみに1回目と2回目以降で作画・演出レベルに凄く落差が有ります。
実制作してるANIK(イマジンの関係会社)のスタッフが足りてない感じで。
(イマジン名義の怪物王女でも似たような状況になってたっけ)
マッドハウス元請(他へ)丸投げへっぽこクオリティ作品の一つです。
この頃のマッドハウス制作って実物を見るまで信用できなかったんだよ。

※1回に2話ずつ放送してるので4話収録で通常の2話分です


真夏の陣 (10/8/13) 次へ 前へ
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まるで何かに取り付かれたかのように見て書きまくってしまった……


「サマーウォーズ」
2008年に公開された劇場用アニメ。DVDレンタル。
「時をかける少女」で脚光を浴びた細田守監督のオリジナル最新作です。
※セルDVD/BD及びレンタルDVDはリリース済
今より少しだけ未来。コンピューターネットワークが多少進化した世界。
世界中で十億の人間が利用するOZという仮装空間サービスが存在した。
OZは高度なセキュリーで守られていてそこから現実の機能を利用できた。
OZだけで生活や仕事の多くが成り立ち、まるでもう一つの現実であった。
そんなOZのメンテナンスのバイトをしている小磯健二がこの話の主人公。

健二は憧れの夏希先輩のお願いの田舎へ一緒に行くバイトを引き受ける。
一緒の旅行に舞い上がる健二が到着した家はそれは見事なお屋敷だった。
お屋敷には曾祖母の誕生日を祝うために夏希の親戚たちが集まっていた。
そして健二のバイトの真の目的が夏希の恋人のふりだと知らされるのだ。
曾祖母の栄に認められ親戚たちに受け入れられ健二は恐縮してしまう。
複雑な気分で寝付けない健二の携帯に真夜中に奇妙なメールが届いた。
謎の数列だけのメールを挑戦状と思った健二は数列を解いて返信をする。
翌朝、ニュースは健二をOZを混乱に陥れた犯人として報道していた。

第一印象としては主人公の健二がずいぶんと頼りないだったかな。
勝手なイメージとして主人公はもっと頼もしいと思い込んでいたので。
でも見終わった後には意外に頼もしかったと思えてくるのが不思議です。
ラストシーンでも相変わらずちょっと頼りない感じではあるんだけど、
最後まで決して諦めなかったのと、やる時にやってくれたのがあって。
ただの友達としか見てなかった夏希が意識しちゃうのもわかると言うか。
人を好きになる切っ掛けってこんな感じだよな、とか見てて思いました。
男主人公でちゃんと好かれるプロセスを描いたアニメって少ないんだよ。
(わりとまともな内容のは最初から相手に好かれてるのが大半だし)

主人公が最初から凄いわけではなく、いきなり凄くなるわけでもなく、
その時に自分のできることを精一杯やって事態を解決したのも好感触です。
もちろん、あの数列から答えを導き出すのは凄い能力だとは思いますが。
でもこの作品はそれだけで全てが解決するわけではないのがポイント。
みんなのちょっとだけ優れた能力を結集することで解決に導くのです。
ネットの化物に人の繋がりという生身の関係で対抗するのがイイのです。
栄ばあちゃんが凄い人たちに電話するところなんかカッコよすぎです。
曾祖母の元に集まる親戚たちがまさに人の繋がりを象徴してるわけです。
濃密な現実の描写がちょっと懐かしい日本の光景なので心地よいのです。

この作品のストーリーの仕掛け(構造)はわりとシンプルと言えます。
凄い凝った構成になってた前作(時かけ)に比べると単純明快な感じです。
ある一点に向けけひたすら盛り上がってドカーンと突き抜ける感じです。
シンプルといってもすんなり行かず紆余曲折してハラハラするわけです。
誰にもわかりやすくて感動しやすくてカタルシスを得やすい作品です。
そーいう意味では時かけよりもこっちの方が一般向きかもしれないね。

シンプルなストーリーにディティールを濃厚に肉付けしてあるのです。
ハリウッド映画なんかがよく使ってる教科書的なアプローチと言えます。
それらと違うのはディティールの肉付きがいかにも日本的というところ。
日本が舞台だからではなくて掘り下げ方がいわゆる邦画っぽいのです。
(最近のテレビドラマ的な映画とはちょっと違う)
具体名は出さない(出せない)けど伊丹十三さんのあの映画を彷彿したよ。
国内外のいろんなエッセンスを取り込んだ日本のアニメならではだなと。

大半はリアルなんだけど時には嘘っぽい大胆さがあるのも楽しいすね。
いきなり和風の民家にスーパーコンピュータを持ち込んでみたり、
山の中に漁船を持ち込んでみたり、自衛隊の機材を持ち込んだりと。
無いだろうとは思いつつ、でもあってもいいと思えるバランス感が絶妙。
ひたすらリアルだと地味だし、あまりに嘘っぽいと共感できないから。
確かに「うちの男連中はバカばっかり」と言いたくなるよ。いい意味で。

うちの男連中はバカばっかりも含めて、みんなの力を結集するわけです。
つまり健二以外の誰かが重要な役割を担うシーンもあるわけです。
特に夏希はクライマックスの重要なポイントで見せ場がやってきます。
得意の花札勝負でラブマシーンと対戦して相手を追い詰めていくのです。
しかしここでもすんなり行かずに負けてしまって絶体絶命のピンチに。
その時に起こった出来事は奇跡と言うか、人と人とが繋がったシーンで、
この映画の中で最も感動的な瞬間でした。


「崖の上のポニョ」
2008年に公開された劇場用アニメ。DVDレンタル。
人魚姫をモチーフにしてることが辛うじて伺えるほぼオリジナル作品で
説明するまでもなくみなさんご存知であろう宮崎アニメの最新作です。
※セルDVD/BD及びレンタルDVD/BDはリリース済
地上には現実の世界があった。そして海の中にはファンタジーがあった。
外の世界に興味を持った魚の子(?)ポニョはクラゲにのって地上へ出た。
宗介に助けられたポニョは宗介を気に入り宗介も懐くポニョを気に入った。
しかしポニョを人に知られてはいけないと父が海へと連れ戻してしまう。
宗介に会いたいポニョは父の留守に妹たちの力を借り再び抜け出した。
ポニョは魔法の力で女の子の姿になって宗介の元へとやってきた。

なんとも絵本みたいな作品というのが一番の印象かなと。
冒頭から想像の翼を大きく広げたような光景が延々と展開していくし。
随所にメルヘンちっくな味付けがしてあるし終わらせ方も童話的だし。
ストーリーが簡単で小さい子でも理解できそうなところもそれっぽい。
なんだかディズニーのアニメでも見てるみたいだなと思ったぐらいだよ。

もちろん描画や描写の力の入りかたはいつもの宮崎アニメなんですが。
ご飯を食べるとか、家と保育園や仕事場との間を車を移動するとか、
そんな日常のシーンを色彩豊かに存在感があふれるように描写してるし。
プロセスやディティールの描写の量と質はさすが凄いものがあります。
でもそこで描かれてるストーリーはシンプルで素朴な童話のようなモノ。
宮崎アニメという豪華な額縁で彩った素朴な絵という感じの作品すね。
ハリウッドの映像で怒涛のように装飾したハリーポッターみたいな感じ。
装飾(映像)の部分がとっても日本のアニメーション的なのが違うだけ。

アニメの絵として魅せるという意味ではとてもアニメ的な作品だなと。
まぁ、これもエンターティメント作品としては正しい形だと思います。
ただ宮崎アニメってこんなに絵に依存した作品だったっけ?とも思った。
確かにいつも見た目に圧倒されるけど決してそれだけではなかったはず。
もう少し知的刺激というか考えさせるものがあったはずと考えてしまう。
確かに見ててハラハラしたり心配になったり共感することはあったけど、
それはあくまで圧倒的な描写力で強引に惹きつけてるに過ぎないので。
内容に強く惹かれてるわけではないから見終わると抜けてしまうのです。
見終わった後に何か物足りなさを感じるのはたぶんそのせいなのです。
映像作品としては文句なく一見の価値があると断言は出来ますが。
正攻法の映像表現としては頂点のレベルに達しているので。


「バカとテストと召喚獣 1〜13話」
1月からテレビ東京系(3局)とAT-Xで深夜に放送してた全13話の新番組。
ShowTime・バンダイチャンネル・GyaO!他で有料配信中です。
原作はライトノベル(ファミ通文庫)で読んだことはありません。
※レンタルDVDはセルDVD/BDと同時リリース(5巻までリリース済)
ここ文月学園は進級テストの成績によってクラス分けが決定される。
それ自体は(はっきり明示しないことが多いだけで)珍しいことではない。
文月学園が他と違うのはクラスの設備に著しく差をつけてることである。
高級ホテル並みのAクラスから卓袱台にすきま風のFクラスという具合に。
己の置かれた状況を体感し不満なら必死で上を目指せと言うことである。
この物語の主人公のキングオブバカでFクラスの吉井明久(あきひさ)は
成績優秀だけど事情があってFクラスになった姫路瑞希(みずき)のため
学園が用意したクラス争奪バトル「試験召喚戦争」を行うことにした。

これは演出でドーピングされてとても面白くなってるタイプだなと。
原作はファンじゃなかったけどアニメは凄く楽しいみたいな感じのやつ。
(これの原作は読んだことがないので実際どーだかわかりませんが)
キャラはわりと記号的だしストーリーも深く掘り下げられてないけど、
畳み掛けるギャグとスピート感とキレのある演出で凄く面白く感じるから。
ラノベのアニメって一部とてもキャラ描写に力の入ってる作品が有るけど
大半はキャラもストーリーもギャグもそれなり中途半端なのが多いわけで。
この作品だって普通に作ってたらそうなってたかもしれないのでした。
まぁ、そんなのでもそれなりにウケて売れるので困り者だけど……

対してこの作品は内容を大きくギャグ方面に振り切って作ってあります。
最初と最後の数話だけ本筋ぽいストーリーで物語の体裁を整えておいて、
あとは1話読みきり風味のギャグで畳み掛けるエピソードになってるし。
ギャグをメインにするために内容を整理したような痕跡も散見できます。
ギャグだけではなく時おりふっとラブコメ的にいい雰囲気にもなります。
普段がギャグなのでラブコメ的な雰囲気がとても印象的に見えるのです。
バカ話のはずが終わってみたら良い話だったグランドパークの回とかね。
(この7話が全13話中では一番楽しくて好きかも)
物語の掘り下げではなくギャグとのコントラストで魅せているわけです。
ギャグ作品として凄く面白いしキャラもちゃんと魅力的に見えるのです。
このへんはネタっぽい作品でもキャラを魅力的に描くことに腐心してた
新房アニメでの経験が着実に生かされてことを実感させるのでした。
(そしてその経験はシリアス作品で恐ろしい破壊力を生んだのでした)

新房アニメという説明でピンとくる人もいるかもしれない。
と言うかこのアニメを見てシャフトっぽいと思った人が結構いたはず。
(正確にはシャフトっぽいのではなく新房アニメっぽい)
それもそのはずこの作品の監督は新房さんの右腕の大沼心さんだし。
監督とシリーズ構成と美術監督の組み合わせがef2期と全く同じだよ。
つまりそーいう意図でこのスタッフにオファーが有ったのでしょう。
何で制作がシャフトではなく実績の無いSILVER LINK?とは思ったけど。
どーいう経緯でこのスタッフや制作会社になったのか興味がわきます。

監督が新房アニメの中枢スタッフでその色彩の一翼を担ってたとは言え
作画スタッフも演出スタッフも気心の知れたスタッフではないわけで。
(初監督のefは周りのスタッフがいつもの人たちだったから)
それでここまでいつもの作風が再現できたのだから驚きかもしれない。
アニメはあくまでも人が作るもので制作会社は器に過ぎないとはいえ。
アニメの映像が監督によって大きく左右されるというのを実感します。
SILVER LINK自体はef2期で制作協力してたので経験は有ったのだけど。
化物語でも大沼心さん演出のなでこスネイクの回で制作協力してるし。
※化物語はエピソード毎に演出する人が決まってる(OPと同じ人)
もしかしてそのへんのコネで制作会社がSILVER LINKに決まったのか?

演出は(当然ながら)いつもの新房アニメでは見ない人がやっています。
あのナベシンがコンテ4話演出3話と監督の次に大活躍していたりする。
自分が監督やってる作品以外でこんなに伸び伸びやってるの始めて見た。
ある一線さえ越えなければ好き放題やっても許容されそうな作品だしね。
ストライカー・シグマVの回とかあそこまでやったら普通ダメだろう(笑)。
コンテスタッフには他にもさりげなく監督経験者が並んでたりするし。
演出レベルが全編で高く安定してたのも当然と言える布陣になってます。
こーゆー作品は演出レベルが落ちたら台無しになるのを良くわかってる。
とは言え、よくこれだけの面々を引っ張ってこれたもんだ。

この作品はFクラスのレギュラー以外のサブキャラが結構多いです。
全部のキャラを等しく扱うとそれぞれが印象薄くなりかねないほどに。
だからエピソード毎に登場するキャラを整理して印象づけたみたいです。
またギャグのパターンを繰り返す手法を使ってキャラを印象づけてます。
中心キャラ以外も見続ければちゃんと記憶に残るようになってるのです。
中心キャラもエピソード毎に扱いに差をつけ印象に残るようにしてるし。
いかにもな当番回ではなく結果的にそのキャラが主役になるみたいに。
例えばお弁当のエピソードだと最終的に美波が嬉しくなる話なわけで。
キャラの扱いや尺の配分に関するバランス感覚は実に見事だと思った。

キャラはいかにも記号的なキャラが並んでます。
美波なんか笑っちゃうぐらいに露骨なツンデレパターンのキャラだし。
才色兼備で巨乳で見るからに女性的な瑞希が料理だけは壊滅的だとか。
幼馴染に一途な思いを抱いてる(で終わらせていいのか?)翔子だとか。
明久を「ばかなお兄ちゃん」と慕う妹キャラ(美波の妹)の葉月だとか。
最近定番の女好きの女キャラや、女に見える男子も取り揃えてます。
キャラの属性自体はわりとどこにでも有りそうな設定と言えるのです。

ただ味付けの仕方がそれぞれちょっと普通じゃないとは言えるかも。
例えば幼馴染の坂本雄二を小さい頃から一途に想ってる霧島翔子さん。
一途と言えばかわいい印象だけど彼女の場合は普通とかなり違ってて。
デートと称して雄二を鎖で繋いで映画とかに引き回したりするわけです。
そんな強引で恐ろしい手法をとるけど嬉しい時には凄く可愛い顔もする。
あまりの落差に嫌っててもコロっと行ってしまいそうなぐらいです。
瑞希も頑張って作ったんですとかいい顔で殺人弁当を出してくるし。
キャラのつけ方が一部だけ極端でそれが実に効果的に効いてるのです。
アニメではそれをより実感できるように工夫して見せてるわけです。
とても笑えて楽しくて、そしてちゃんと可愛く見えるようにもなってる。
内容をギャグ方向に振ってるのもそのコントラストを強調するためです。
つまり原作の特徴や魅力を際立たせるためにそうしたのでしょう。


「学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD 1〜6話」
7月から一部の民放(7局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
各バンダイチャンネルで最新話無料配信中です。
原作は角川系(ドラゴンエイジ)のマンガで読んだことはありません。
※セルDVD/BD・レンタルDVDは9/22からリリース
現実に酷似した世界。現代に酷似した時代。日本のどこかのような場所。
藤美学園2年生の小室隆は幼馴染の宮本麗に密やかな想いを寄せていた。
しかし麗が隆ではなく親友を選んだことで何にもやる気をなくしていた。
ある日、隆はいつものように授業をサボって非常階段で外を眺めていた。
校門の外には一人の不審者がいて事態の収拾のために先生がやってきた。
取るに足らない出来事のはずが校門の近くでは奇妙な現象が起きていた。
胸騒ぎを覚えた隆は教室に駆け込み麗と親友にすぐ逃げるように言った。
その時はまだ学校の中は日常だった。そして数分後には地獄に変わった
奴らは倒れても起き上がり襲ってくる。そして襲われた人は奴らになる。
隆たちは何とか奴らを跳ね除けて屋上まで上がりバリケードを築いた。
そしてこの異変が学校の中だけではないことを知った。

とにかく(初っ端の)インパクトは凄いっすね。
学校中どころか街中、世界中がバイオハザード状態でゾンビまみれだし。
(今のところ原因も現象の詳細も明かされてない)
周り中がゾンビだらけで絶体絶命な中で生き残った人たちが協力して、
行くあてがあるのかわからないけどとにかく逃げるという状況なので。
事態が見えてくるたびに絶望が広がり希望の糸が全く見えないわけです。
打開の糸口すら掴めない状況にして収拾つけられるのか心配になります。
時間経過を端折らずにキャラを追ってるので状況も変化していかないし。
(ゾンビだけは凄い勢いで増殖してるけど)
ひたすらディティール描写なので臨場感は抜群ではありますが。

時間経過を端折ってないので6話のラストがまだ異変の翌日だったりする。
やったことも学校から車で逃げて鞠川校医の知り合いの家に避難しただけ。
6話分を文字で説明してこれほど短く説明できる作品は他にないと思うよ。
その短い時間の間に想像を絶する困難が継続して起きているわけですが。
見ててトンネルを出るまでに4巻もかけたドラゴンヘッドを思い出した。
内容を凝縮すればもっとずっと短くできるという意味でも似てますな。
7SEED(田村由美)なんかずっと短い尺で凄いインパクトを出してるのに。
※田村由美さんも「女神が落ちた日」という感染爆発作品を描いてる

確かにインパクト抜群で強烈に惹きつけられる作品だとは思うのです。
最初のうちは視界が広がり状況を知るたびに新たな衝撃をうけるのです。
でもいきなり風呂敷を広げすぎて次第に状況が変化しなくなってしまう。
ゾンビも最初は凄いインパクトだけど一本調子で続いて慣れてしまうし。
仲間のメンバーが確実に助かるのが予見できるのも緊張感が殺がれるし。
BLUE GENDERみたいに仲間らしき人まで死ぬ内容にしろとは言わないけど。
入り口しかサバイバルホラーとしての体裁が出来上がってない感じです。
エロ装飾に走りすぎなのも連載雑誌がそうとは言え余計な感じだし。
6話のお風呂シーンなんかあまりにあざといサービスでげんなりしたよ。
(せっかくの休息なのだからもっとゆったり感を表現して欲しかった)
意味のあるエロは歓迎だけど脈絡のないエロは時間が勿体無いんだけど。
そうでなくたってこの作品は時間あたりの内容がとても希薄なんだから。
4話なんか半分ぐらい総集編状態だったしね……
終わってみたらつかみだけがOKだった、にならないことを祈ります。


「屍鬼 1〜6話」
7月からフジテレビ系(4局)とBSフジで深夜に放送してる新番組。
原作はミステリーホラー小説?(新潮文庫)で読んだことはありません。
キャラの絵柄はコミカライズ版(ジャンプSQ)を元にしてるみたいです。
※セルDVD/BD・レンタルDVDは10/27からリリース
外場村は三方を山に囲まれた外界から途絶した人口1300人ほどの小さい村。
山を覆うもみの樹で卒塔婆や棺を作るのが昔からの村の主な産業だった。
人の死で成り立っている村。まるで死に囲まれた村と表現した者もいた。
ある暑い夏の日、三人の老人が同時に亡くなるという最初の異変が起きた。
診察した医師の尾崎敏夫は奇妙さを感じたが事件性はないと判断された。
数日後、今度は高校生の清水恵(めぐみ)が森の中で衰弱して発見された。
尾崎の診断では恵は貧血に過ぎなかった。しかし翌日彼女は亡くなった。
それからもこの村では日を追って新たな死者が発生した。歳に関係なく。
この村ではよくわからない何かが起きている、そう尾崎は考えるのだ。

この絵柄はこの内容に相応しいんですかね?
少年マンガ的にクセの強い絵柄のせいでみょーにクドく感じるのですが。
もう少しスマートというかシャープな感じの絵の方が良かった気がする。
同じ少年誌で描いてる人でもナイトレイドのキャラデザ原案の人とか。
5話まで見る限りこの作品は結構オカルトな展開になる予感がするけど、
でもだからこそ現実の側面は現実に見える絵柄にすべきだったようなと。
リアル系で緻密に描きこんだ背景なのでマンガ的な絵が浮いてるし……
絵柄が濃ゆいのでキャラから受ける印象も全般に誇張して見えるのです。
特に正雄はあの見た目でウザイ性格なので鬱陶しさが振り切れてるよ。
見た目(絵柄)が違えば印象もずいぶん違ったんだろうなと。

見た目はちょっと……とは思うけど内容は比較的好みではあるかな。
外界から閉ざされた村で奇妙な死が続出するミステリーな内容だし。
事実を積み重ねて真相へと近づいていく好奇心を刺激する展開だし。
まぁ、いかにも犯人って人がいるので推理してる感じはしないけど。
現実的な思考では決して真相にたどり着けないオカルト設定だしね。
だってこれいかにも吸血鬼な設定でしょ?兼正(地域の名前)の一家が。
(西洋風のお城の家や両親の見た目は露骨過ぎてどうかと思った)
死ぬ人が必ず貧血になるのも、死んだ人が蘇るのも実にそれっぽいし。
※この村では未だに土葬が行われている
死者に近い人が新たな死者になるのも伝染ではなく蘇ってるせいだね。
この作品は2クールもあるしまだまだ全容は見えてないと思いますが。
これからこちらの想像を越えた何か出てくることを期待してしまう。

ホラーと言うならもう少し見てて恐怖感が味わえた方がいいとも思った。
この作品には視点が複数あって医師の尾崎による科学的なアプローチと
寺の副住職の室井による社会的なアプローチが主に物語を動かしてます。
そしてこの二人の視点によって村で起きてる事態に迫っていきます。
それ自体は面白いと思うんだけど視点が第三者的で距離があるのでした。
誰かが死んでもあまり悲しくないし死の恐怖を身近に感じることもない。
ひぐらし〜は妙な味付けがあったけど恐怖感は間違いなく満点だったよ。
それは命の危険を感じる当事者の視点で物語を見てるからなのだけど。

そーいう意味で比較的死に近い結城夏野の視点が重要になるはず……
なんだけど彼は変に自意識過剰なのか、特別な知覚でも持ってるのか、
感覚が特殊すぎてあまり恐怖に見えないというか、共感しにくいのです。
最初だって恵を拒絶してるんじゃなくて違う何かを見てると思ってたし。
恵の一途(ストーカー気味)な視線を嫌がってただけには見えなかったよ。
恵が死んでからただ片想いの熱い視線が嫌だと知って拍子抜けしたよ。
キャラ絵柄を含めた誇張した映像が正常な理解を妨げてる感じです。

コメントを書いた後に6話を見たけどやっぱ吸血鬼路線になってるね。
でもまだ半分にもならない話数でそこに考えが到達してるということは
そう単純な話では無いのかな!?


「オオカミさんと七人の仲間たち 1〜6話」
7月から一部の民放(7局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
ShowTime・アニメワン・バンダイチャンネル他で最新話無料配信中です。
原作はライトノベル(電撃文庫)で読んだことはありません。
※セルDVD/BD・レンタルDVDは9/22からリリース
昔々あるところに……じゃなくて
わりと現代のどこかにあるおとぎばな市という街を舞台にした物語。
この街の私立御伽学園には御伽銀行というお助け組織が存在していた。
御伽銀行は生徒たちからのお困り相談を受けて解決に尽力する組織で。
助力を受けるためにお金は必要ないけど借りを作ったことになるのです。
そして御伽銀行が必要な時に強制的に貸しを返してもらうシステムです。
御伽銀行には荒事担当の大神(おおかみ)涼子という女の子がいました。
腕っ節が強くて目つきが悪くて残念な胸でまぁわりと美人な女の子が。
森野亮士(りょうし)というヘタレ男子が彼女に告白して話は始まります。

舞台は現代ですがキャラやエピソードはお伽噺からモチーフを借りてます。
なのでメインキャラの人たちはまるでコスプレのような格好をしています。
大神さんなんかカウボーイハットをかぶって銃を持ったら西部劇だよ(爆)。
他も赤頭巾ちゃんやメイドやホストやOLやら学生とは思えない格好ばかり。
そんな感じなのでこの作品に現実感を期待するのは無駄かもしれない。
一応ひとつひとつのエピソードは現実に近いものではあるのですが。

この作品は御伽銀行に相談が持ち込まれてそれを解決するのがメインです。
1話では作品の紹介的にゲストキャラが相談を持ち込む内容をやりました。
テニスの王子様とか、蹴りを入れるシンデレラとか、オチが変態だとか
お伽噺をモチーフにしてるようなしてないような、妙な内容でありますが。
てっきりずっとその体裁かと思ってたけどどーやらそうではないようで。
2話以降は相談と言う形こそ取ってるけどメインキャラの話をやってます。
メインキャラが多いのでしばらくはキャラを立てることに徹するのかなと。
(1クールなのでそのまま終わってしまいそうな気がするが)
初期状態だとキャラが誇張されすぎで思い入れしにくいからいいかもね。

5話までだと3話の竜宮乙姫と浦島太郎のエピソードが一番面白かったかな。
乙姫の変身の理由とそれでもなお過去の姿に縛られてるのが切実だったし。
ミスコンでの人気取り対決が足の引っ張り合いというドタバタ劇になるし。
最後は太郎が乙姫の頑張りを認める優しい態度でいい雰囲気で〆てたし。
シリアスもドタバタも盛り込んでキレイに〆る密度の高い内容だったので。
毎回このレベルならもっといい作品だったのにとか思ってしまったぐらい。
つまり全体としてはそこまで満足できるレベルではなかったわけです。
正直なところエピソードごとの出来不出来には結構ばらつきがある感じ。
特に本筋?の大神さんの過去に関わってるっぽい2話と5話が微妙です。

2話はヘタレな亮士に武器を与えて魅力の一端を見せるのが目的でした。
それはいいとしてアクションに尺を割き過ぎてそれ以外が希薄なのです。
あとシリアスに振れるとキャラが嘘っぽいのが際立ってしまう気もする。
5話も同様にアクションに尺を取られてイマイチ中身が薄く感じるし。
動きに時間を割きたいなら内容が連続した構成にしないとダメのような。
今みたいな1話読みきりと続きっぽい内容を混ぜると中途半端というか。
全部1話読みきりでもっとはじけた内容のほうが良かったのではないかな。
もしくは全体を大きな流れにして時間配分を工夫して掘り下げるとか。
4話や6話なんか結構切実な話を描いてるっぽいのに何とも浅いんだよね。
せっかくキレイな絵なのに内容があまり伴ってなくて勿体無いと言うか。
(絵と内容のバランス的にはゼロ魔もいい勝負ではあったけど)

画面に突っ込みを入れる黒子(違う)ナレーションも面白いとは思うけど、
セリフとかぶると聞きにくいのでもう少しやり方を工夫して欲しいです。


「ブラック★ロックシューター」
7月末頃に発売された雑誌に付属する形でリリースされた単発50分のOVA。
一枚の絵をモチーフにしたオリジナルのストーリー。だったっけかな。
※BD/DVDパッケージは12/17にリリース(レンタルはまだ未定)
中学校に進学した黒衣マトは入学式の日に小鳥遊ヨミと出合った。
ヨミのことが気になるマトは積極的に話し掛けて打ち解けていった。
仲良くなった二人は家が近かったので一緒に行動することが多くなった。
二人は同じではないけどすぐ傍で活動し互いが見えるクラブへと入った。
順調に友情を育んでいったマトとヨミ。しかし大きな転機が訪れる。
進級した時にクラスが分かれて常に一緒にいるのが難しくなったのだ。
さらにマトのクラスには同じ部のユウがいて二人は仲が接近していった。
それまでマトとヨミだけだった関係にユウが頻繁に入り込むようになった。
そしてヨミはマトの前から姿を消した

このアニメは現実パートと異世界パートが併行する構成になってます。
両者にどんな関係が有るかはずっと明かされない意味不明なままで。
エンディングの直前に一応は二つの世界が繋がるけど……
あまりに投げやりと言うか、こじつけと言うか、素人くさいというか
(プロ未満の投稿ストーリーみたいって意味です)
こんな形で両者を関係させるならやらない方がマシだったようなと。
正直言って、この内容で描くのなら異世界パートなんていらないです。
異世界パートこそ元々のブラックロック★シューターではありますが。

このアニメのメインの現実のパートは女の子同士の友情を描いたもの。
ただ仲良くなってそれでメデタシで終わらないのが重要なポイントです。
二人だけの関係にもう一人の女の子が関わることで変化が起きるのです。
一言で表現するなら「女の子(の友達関係)は面倒くさい」みたいな(爆)。
ジャケには「思春期の少女たちは、純粋で脆く、そして輝いている。」
とカッコよく書いてあるけど、よーするに独占欲と嫉妬のお話ですよ。
ものは言いようだな、とか変なところに感心してしまったり。

現実のパートは凄くディティールを丁寧に描いてて存在感があります。
行動やプロセスをきめ細かく描くことでキャラが生き生きとしています。
ディティールに力を入れすぎで尺のわりに大して内容は無いですが。
空気感や実体感を最優先するアプローチはもちろん有りだと思います。
不満があるのは映像化のアプローチではなく、マトとヨミの関係を
修復するプロセスを異世界に投げてうやむやにしちゃったことです。
異世界の戦いの結果でわだかまりがなくなるとかちょっと安易だろう。
ちゃんと現実で修復するプロセスを描いてたらもっと評価したのに。
まぁ、それだと異世界パートの存在意義が無くなってしまうけど……

こんな感じに現実と異世界の二つの世界を併行して描きたいなら、
表(現実)と裏(異世界)として両者をリンクさせるべきだったのでは?
現実での行動によって異世界での状態を変化させるという意味で。
現実世界での関係を異世界での関係として反映させていくのです。
現実では感情を全ては表に出さないで秘めることがあったとしても、
異世界での彼女たちの分身はストレートに出してしまうわけです。
現実世界の揺れる心情を異世界での戦いや融和として描くわけです。
少なくとも現状よりは二つの世界に分けた意味が有ると思うのですが。

これ見ててMUNTO(空を見上げる少女の瞳に映る世界)みたいとも思った。
ディティール描写が濃密な現実とアクションが派手な異世界があるとか。
主人公の女の子の身近で等身大な事情がストーリーの根幹にあるとか。
ディティールやアクションに力が入れすぎで尺のわりに中身が薄いとか。
物語の内容やスケールが一昔前のコバルトの入選原稿レベルみたいとか。
そんなところが妙に符合してるので。MUNTOの方がまだ中身有るけどね。
考えてみたらこれのスタッフはOVAの頃に制作に携わってたりして!?
※これを制作してるOrdetは元京アニの人たち


「あそびにいくヨ! 1〜5話」
7月から一部の民放(6局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
原作はライトノベル(MF文庫J)で読んだことはありません。
※セルDVD/BDは9/15からリリース(レンタルDVDは9/24から)
嘉和騎央(かかずきお)は太陽の眩しい沖縄に住む映画好きの高校一年生。
騎央は親戚の法事の席で猫の耳と尻尾をつけた美少女のエリスと出合った。
エリスは自分は宇宙人なのだと言い地球へは遊びに来たのだと説明する。
およそ信じがたい話だったが宇宙船を見せられて信じざるをえなかった。
騎央はエリスの訪問を友好的に受け入れたが、そうでない人たちがいた。
幾つかの諜報機関や秘密結社が各々の思惑でエリスを付け狙ってたのだ。
果たして騎央やエリスたちの運命は?地球とキャーティアの友好は?

一言で言うととっても変な美少女ハーレム作品という感じかな。
主人公の前にいきなりプロポーション抜群の美少女が現われるのです。
そこまではわりとありがちで。宇宙人なのもよくあるパターンです。
偶然にも言葉が同じで姿もそっくりなのもある種の作品ではありがち。
猫の耳と尻尾つきで遊びに来たとかすっ呆けたノリなのは珍しいけど。
この作品のすっ呆けたとこはそこだけではなく随所にわたっています。
異星人との理想的なファーストコンタクトを目指す秘密結社だとか、
ネコミミとネコシッポを愛し崇め同一化するカルト宗教だとか……
全てにおいてある種のオタク方向に振り切れた味付けがされてるのです。

つまりリアリティとか説得力とは極めてかけ離れてる作品だと言えます。
エリスの登場の非現実さが際立つほどの現実は元から存在しないのです。
せっかく沖縄を舞台にしてるのに舞台を実感するシーンが少ないんだよ。
中野ブロードウェイのマニアック描写の方が力が入ってたぞ……
複雑な立場のはずの真奈美やアオイが悩む描写もなんだか希薄だしね。
コミカライズの1巻を読んだ時はもっと複雑な内容だと思ってたのに。
あまりも簡単に状況をクリアして同居する展開に拍子抜けしてしまった。
珍妙な団体やアクションはハーレム設定のためのスパイスみたいだなと。
こんな設定ならもっと掘り下げて切ない展開にだってデキただろうに。
変な方向に思いっきり振り切れてるので見てて楽しくはあるのですが。

ハーレムモノはありえない確率で異性に惚れられるのが仕様ですが、
この作品の場合はもう一つありえない確率で存在する要素があります。
なぜか騎央の周りに特殊な組織の人間が何人も存在してたと言うこと。
最初から騎央を注視でもしてない限り絶対にありえない確率だよなと。
読んだ時なんで?と思ったよ。考えるだけ無駄だと今ならわかるけど。
最初にコミカライズを読んだ時はも少しまともな作品と思ってたのに。
それぞれの組織の思惑が入り乱れて混乱してみたいな展開なのかなと。
そしてさらに彼女たちの役目と想いの間で揺れるみたいな内容かなと。
自分が勝手に思い描いてた作品の方が面白そうなんですが(おいおい)。
想像してたよりもずっとずっとアホ〜な作品だったということで。


「おまもりひまり 1〜4話」
1月から一部の民放(7局)とBS日テレで深夜に放送してた全12話の新番組。
Newtypeチャンネルで有料配信中です(最新話無料配信は終わりました)。
原作は角川系(ドラゴンエイジ)のマンガで読んだことは有りません。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(5巻までリリース済)
昔々の話。鬼や妖怪などの妖(あやかし)が当たり前に存在してた時代。
そんな妖たちを狩り人々の暮らしを守る鬼斬り役十二家が存在してた。
長い歴史の中で互いに殺し合いを続け強い怨嗟を積み重ねていった。
いつしか妖たちは闇へと去って戦いの記憶も次第に忘れられていった。

そして時は現代、天河優人はその日までごく普通の日常を過ごしていた。
祖父母に貰った御守りによる効力が無くなった誕生日のその日までは。
その日の一つ目の異変は美少女緋鞠(ひまり)との出会いだった。
親しげに近づいてくる緋鞠のことが優人には全くわからなかった。
二つ目の異変は友人の変容だった。突如化物になって襲ってきたのだ。
危機に陥る優人の前に緋鞠は現われ携えた刀で化物を一刀両断にする。
緋鞠はかつて鬼斬り役だった天河家に忠誠を誓った猫の妖なのだと言う。
今後も鬼斬り役の血を引く優人を狙って妖が次々と現われるだろうとも。
だから守り刀として傍にいると優人の家に入り込みベットにも入り込む
優人の幼馴染なじみの凛子にとって緋鞠の行動は気が気ではなかった。

まさに美少女ハレームアニメという言葉を絵に描いたような作品です。
次から次へとかわいい女の子キャラ(多くは人外だけど)が登場して
その多くが優人に迫るという美少女アニメではありがちな展開になるし。
優人の命を狙う妖(ほぼ美少女)が登場してバトルな展開にもなりますが、
なぜかその妖まで戦いの後に優人に迫る面々に参加してくるという……
バトル要素はハーレム要素を盛り上げるスパイスという感じすらする。

迫る行為がいわゆる体をはった色仕掛けという露骨なエロエロ路線で。
ヒロイン同士が互いに牽制しあってどんどん過激さを増していきます
ただ単に裸になるような作品と比べて雰囲気がめっちゃエロいです。
それはもう、こんな内容をよく放送出来てるなというぐらいです(爆)。
5話以降はときどき放送規制で真っ白くなってる部分もあったけど、
ここまでエロ路線のアニメが地上波でこの程度の規制で流せたのは驚き。
似たようなレベルの「かのこん」なんか地上波の放送は無かったしね。

このアニメは放送の半年前に完成してたのが売り文句になってます。
それだけクオリティが高い!という意味で言ってるみたいだけど、
実際に作品を見てもそんな凄さは全く実感できなかったりして(爆)。
ギャグ表現での崩し方が微妙に下手だしアクション描写も凄くないし。
これで驚異のハイクオリティとか言われても「は?」って感じです。
エロ路線で徹底してるという意味でならクオリティ高いと言えるかな。
と言うか余裕を持った制作スケジュールはそっちが目的だったみたい。
早めに映像を提供して放送局の理解を得る努力をするためだったとか。
だからこそここまでギリギリの映像を地上波で流せたみたいです。
ギリギリまで調整して無理なところだけ規制を入れたってことみたい。
何をそんなに頑張ってるんだろうって気がしないでもないけど……

この作品のジャンルはハーレムラブコメなのでラブ要素が存在します。
ヒロイン同士で互いを意識して牽制やさやあて的な展開になります。
でもそれぞれのヒロインの心情描写みたいのは記号的でおざなりです。
描写のエロ度が近い「かのこん」とはそーいう意味でも似通ってます。
関係や心情の変化をしっかり描いた恋愛モノは期待するだけ無駄です。
美少女に迫られまくるエロいラブコメが見たいならどうぞって感じ。


「ストライクウィッチーズ2 1〜5話」
7月から一部の民放(7局)とBS日テレで深夜に放送してる新番組。
Newtypeチャンネル・アニメワンで最新話無料配信中です。
※セルDVD/BD・レンタルDVDは9/24からリリース
ウイッチたちの活躍でネウロイを撃退し一時は戦況が好転したかに見えた。
しかしより強力なネウロイが出現して一つの国が一瞬にして飲み込まれた。
戦場から元の生活へと戻ってた宮藤芳佳の耳にもその事実が伝わってきた。
友人を助けるために自分たちの国を守るために芳佳は再び飛ぶことにした。

何この魔王を倒して世界は平和になった、しか〜しみたいな導入は(爆)。
あまりに投げやりな物語の導入っぷりに思わず苦笑をしてしまったよ。
そんなテキトーな舞台設定やプロセス描写だけどみょーに熱い展開です。
1期を見た時は気付かなかったけどこれって結構熱い作品だったのだな。
プロセス描写を丁寧にやらないのは勢いでねじ伏せる作品だったからか。
少年マンガのバトルモノのノリをパンツ露出の美少女でやってるわけね。
少年マンガ的な熱さでフェチ度満点の美少女で兵器描写がやたらと濃厚。
まさに特定のターゲットに強烈にアピールする作品だったわけですよ。
今さらだけどこの作品があれだけ人気がある理由がやっとわかったり。
私に訴求するポイントが一つも含まれてないのもわかりました……
視聴者を強引に引っ張る内容なので楽しむことはできますが。

美少女だらけで少年マンガ的に力でねじ伏せるノリという意味では
同じスタッフが作った「咲-Saki-」と作品の方向性が似てると言えます。
私としてはちゃんとストーリーのある「咲-Saki-」の方が好きですが。
こっちは相変わらず全体としてのストーリーがないに等しいので……
1話毎にキャラをクローズアップするストーリーが有ることは有るけど。
超巨大な敵が出現したわりには散発的に戦闘を繰り返してるだけだし。
1クールは短いんだから同じ場所で足踏みをする余裕はないはずなのに。
キャラを一通りクローズアップするエピソードだけで終わっちゃいそう。
もう少し状況の変化とか緊張感みたいのが有ってもいいと思うのだけど。
全体のストーリーの流れの中でキャラを描くことも可能なはずなのだし。
こんなやり方でちゃんと物語を終わらせられるのか?とか思ってしまう。
まぁ、まともな構成なら1クール作品で5話にローマの休日はやらんわな。
読み切りでパロを多用するギャグ作品ならともかく。


「一騎当千 XTREME XECUTOR 1〜5話」
4月から一部の民放(6局)とAT-Xで深夜に放送してた全12話の新番組。
ShowTime・バンダイチャンネル他で有料配信中です。
原作はマニア誌(GUM)のマンガで読んだことはありません。
※レンタルDVDはセルDVD/BDと同時リリース(2巻までリリース済)

一騎当千の4期目です。
赤壁の戦いが終わり平和になったが再び闘士たちの戦いがみたいな。
1話の冒頭に今までの戦いの数々がダイジェストで入れてあって、
ストーリーの流れとしては2期のすぐ続きみたいな感じになってます。
(3期の内容も回想で入ってたりしますが)
内容がバトルメインで男も結構出てくるという意味でも2期に近いかな。
テンポは異常なハイスピード展開だった2期ではなく3期に近いですが。
そして今期はやたら回想が入ってて雰囲気がめっちゃクサいような……
この作品ってこんなクサいノリだったっけ!?
なんか30年前の不良バトルマンガでも見てるような気分に陥りました。
こーゆー美少女作品はあまりクサくしない方がいいと思うのだけど。

お色気的な側面について。
今回もあいかわらずやたらと服が破けてはだけます。
お約束のローアングルでパンツも頻繁見えてます。
※今回はAT-Xしか録画しなかったので地上波での規制は不明
でも今期はバトルメインなのであまりエロ〜んな雰囲気はないかな。
この人たち一部の例外を除いて胸が露出しても恥ずかしがらないし。
堂々としてるのでエロじゃなくて健康的な裸って感じですよ。
雰囲気がやたらクサいのも視覚のエロ要素を阻害してる感じです。

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