全てを敵に回してでも (10/7/30) 次へ 前へ
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10日ぐらいで次の更新する予定だったけど
またもや1ヶ月近く間隔が開いてしまいました……
時間がなくて更新するネタが作れなかったので。
決して1ヶ月近くかけて見て書いてたわけじゃないのです。
(今回のコメントは全てこの1週間で書いたものです)
次こそはあまり更新間隔を開けないようにしたいなと。

というわけで今回は何とかコミックお薦めを更新しました。3月分です
予定より更新が1ヵ月半以上も遅れたので一気に4ヶ月近い遅れに……
もはや更新してると言っていいのかわからなくなってきた(汗)。
コメントも久しく書いてないしね。

今回も時間が押しまくりなので簡単なフォーローもなしで。


アニメの感想の方は久しぶりに大量にコメントを書きました。
もしかしてこんな本数はブログ始めてからは初かも。
いつものごとく作品は面白かった順に並べてあります。


「裏切りは僕の名前を知っている 1〜8話」
4月から一部の民放(8局)で深夜に放送してる新番組。
各バンダイチャンネルで有料配信中(1話は無料)です。
原作は少女誌(ASUKA)のマンガで1巻だけ読みました。
※レンタルDVDはセルDVDと同時にリリース(2巻までリリース済)
養護施設で育った桜井夕月(ゆき)には小さい頃から不思議な力があった。
時々、触れた相手の心を自分の意志とは無関係に読んでしまうという。
その力のせいで他人に疎まれて自分の生きる意味を見失いかけていた。
それでも同じ施設で育って兄のように慕っている若宮奏多(かなた)や
施設の小さい弟や妹たちにとっては必要とされる存在だと思っていた。
だから突然現われた兄の一緒に暮らそうという誘いに戸惑ってしまった。
自分に身寄りがいたことは嬉しかったが、ここを離れたくなかったから。
だけど身の回りに起こる異変が自分に関係してることを知ってしまった。
このままここにいたら大切な人たちを傷つけてしまうかもしれない。
そう思い夕月は兄である祗王天白(たかしろ)の元に行くことにした。

雰囲気が耽美と言うか見目麗しい作品でとても眼福でした(笑)。
キャラの見た目が美しいのもいいけど、絵(画面)がまた素晴らしいから。
やっぱ桜美かつしさんの作る絵(映像)は見てるだけで惚れ惚れするなと。
※よみがえる空・あさっての方向。の監督さん
いつものソフトフォーカスっぽいリアル系の絵の存在感は言うまでもなく、
闇が迫り来る雰囲気の世界が朱に染まった絵もものすごい迫力だったよ。
見るまでは何故これがJ.C.STAFFで桜美かつしさん?とも思ったけど、
これだけ耽美な映像を作れる人はこの人以外にいないかもしれないね。
内容の方向性としても少女マンガ版の灼眼のシャナみたいな作品だし、
切れのあるアクションと内面描写に定評のあるJ.C.STAFFに向いてるよ。

少女マンガ版の灼眼のシャナとか形容してるけど主人公は男子です(笑)。
男子だけどヒロインで、相手役も見た目は男です(人間じゃないので)。
二人は幾度もの転生を繰り返しても切れない強い絆で結ばれてるのです。
ルカは夕月を絶対に守るといい夕月もルカの痛みを癒そうとするのです。
精神的に強く結びついた関係でそのへんのBLよりもっとBLっぽいです。
でも一応BLアニメではないのでキスとかはしないと思う。たぶん。
ちゃんと女キャラも出てきます。大半は美形の男キャラだけど。

ちなみに夕月がヒロインというのは受っぽいとかそーいう意味ではなく。
まぁ、受っぽいキャラだけど(爆)
夕月の前世が女(美女)なんです。前世だけでなくずっと女だったらしい。
ルカとユキが出会い二人に強い絆ができた遠い昔からずっと。
ルカが男性型だから女の姿が相応しいと思ってずっと女に転生したのかも。
だけど今回だけはなせか男だった。それは前回の生が関係してるっぽい。
仲間たちが隠してる夕月にとって辛い記憶だったらしい前回の生が。
だから今回こそ終わらない戦いの輪廻を終わらせるために男なのかもと。
BLっぽい構図にするためだけに男に転生したのかと思ったら違うようで。
まぁ、そんな意図も何割かはあるだろうけど(笑)。

原作は少女マンガなのでキャラの内面描写を重視した内容になってます。
この作品にはデュラスと呼ばれる悪魔が出てくるんだけど、
そのデュラスは人の心の中にある闇につけこんで人を乗っ取るのでした。
つまり夕月がデュラスと戦う過程でその人の心の内を垣間見るのです。
基本的には人間性が下衆な(精神的に強い)人間に取り付くのではなく、
傷つけられて心が無自覚で歪んでしまった人間に取り付くのです。
ただデュラスを退治するだけではなく人の心を描いてるのがよいのです。

ルカの正体がデュラスのそれもかなり高位の存在なのも面白い。
夕月のために裏切って全てのデュラスを敵に回して戦ってるわけです。
ちなみにルカは夕月だけが大事で夕月が選べばどこにでも行くみたい。
今は祗王の側だけど夕月がデュラス側になればそちらにつくわけです。
(夕月が要の存在というのはそうなる可能性もあるってことでしょう)
この自分のために全てを捨てて味方してくる存在ってめっちゃツボです。
これ見ててその昔「破妖の剣」を熱心に読んでたのを思い出してたよ。
主人公が男か女かの違いはあれど二人の関係は似たようなもんだし。
高位の魔になるほど人間に近く美しくなるのもそっくりだしね。
(わりとよくある設定でシャナもそうだったはず)

この作品を見ながらどこかで見たような話だなとか思ってたんだけど、
なんかこの作品を読んだことがある(持ってる)みたいです。1巻だけ。
てっきり他の(部分的に)似た設定の作品の記憶かと思ってたんだけど。
持ってることを失念してたので原作を倉庫から持ってきてません……
なので原作との比較は次の機会にということで。


「キミキス pure rouge 1〜6話」
2007年に一部の民放(6局)とAT-Xで放送してた全24話のテレビシリーズ。
各バンダイチャンネルで有料配信中(1話は無料)です。
原作はPS2の恋愛シミュレーションでやったことはありません。
(アマガミと同じスタッフが作ったひとつ前のゲーム)
※セル・レンタルDVDは全巻リリース済
もうすぐ高校2年生の春休みのある日、光一の家に突然美少女が来訪する。
女の子は当たり前のように上がりこみ、シャワーを浴び始めるのだった。
彼女が誰なのかわからない光一はそのシチュエーションにドキドキする。
なんとその美少女は光一が姉のように慕ってた幼馴染の水澤摩央だった。
2年前に家族でフランスに引っ越したけど一人だけ帰ってきたのだと言う。
光一は引っ越す前とは変わってしまった摩央姉の美しい姿に驚いていた。
見た目は凄く変わってたけど中身はよく知る摩央姉で安心したりもして。
その摩央姉も4月から光一と同じ輝日南高校(3年生)に通うことになった。
2年生のクラス換えで幼馴染で腐れ縁の相原一輝と同じクラスになった。
映研仲間の柊明良とも何の因果がまた同じクラスになってしまった。
そして光一が密かに想いを寄せる星乃結美(ゆうみ)とも同じクラスだった。
去年も同じクラスだったけど声をかける勇気がなくて見てるだけだった。
だけどまた同じクラスになれたのだから今年こそは、そう思った。

このアニメは原作ゲームとはキャラ配置がちょっと違ってたりします。
例えば主人公キャラがアニメでは二人(光一と一輝)に分裂してたりとか。
つまり菜々ってゲームだと一輝ではなく主人公(光一)の妹なのです。
まぁ、一輝もこのアニメでは主役扱いなので違ってないとも言えますが。
原作では相手役(ヒロイン)の一人の摩央が主役扱いなとこも違ってたり。
そんな感じでゲームのキャラとエピソードを使ったちょっと違うもの、
と認識して見た方がよいと思われます。どの程度違うかは知りませんが。
アニメ以外だとコミカライズを2冊ほど読んだぐらいしか知らんので。

主人公が複数のヒロインを攻略してそれぞれのエンディングを目指す。
これがギャルゲーのシステムなのは説明するまでもないと思います。
それはヒロインみんなが主人公を好きになるという意味でもあるわけで。
(ゲームだと必ず良いエンディングを迎えるわけではないけど)
忠実にアニメにするとパラレルかハーレムのどちらかになってしまいます。
恋愛モノでパラレルはやり直してるみたいで誉められたものじゃないし、
ハーレム的なキャラ配置はストーリーの説得力があまりにもありません。
だから説得力を持たせる場合は交際対象を二人ぐらいに間引くわけです。
リアリティのために他のヒロインには涙を飲んでもらうということで。

この作品も現実っぽくするためにそんな感じのアプローチをしています。
ただ今までのその手の作品とは違ってて主役扱いが3人(男2女1)いて、
それぞれの恋愛アプローチを併行して描くという体裁になってるのです。
3人とも近しい関係(幼馴染)だから完全に別々の話にはなってませんが。
6話までだと3つの組み合わせは別々で関係の糸は絡まってはいないけど
確かそのうち摩央が光一を好きになる(好きなのに気付く)んだったはず。
後半は関係の糸が絡まってドロドロな展開になったりするのだろうか!?
一輝のことを妙に気にしてる明日夏が一輝にアプローチしてきたりとか?
前半あまりに淡々と物語が進んでいくのでそんな展開は想像できないけど。

実はこれ放送時には10話まで見たのです(コメントが落ちてるけど)。
そのうち再見してコメントをとか思ってたけど時間に追われ延び延びに。
今回はアマガミのアニメをやってるしいい機会だからと見てみたのです。
ちなみに今回6話までなのはスペースの都合で残りを消しちゃったから。
6話まで見て思ったけどもうちょっと見てからコメント書きたかったなと。
3人の話が併行して描かれてるので話数のわりには展開がスローだから。
心情の変化やキャラの表情やディティールを丁寧に描いてるせいもあるね。
ずいぶんまったり間延びした展開という印象が当時の一番の記憶でした。
この作品はディティール描写が多くて恋愛以外の内容があまりないので。

久々に見返した印象としてはこれはこれで甘酸っぱくていいかもと。
なんと言ってもキャラに血が通ってて魅力的に見えるのがいいなと。
キャラの表情や仕草や内面をそれっぽく描写するという意味でなら
今やってるアマガミのアニメよりもこっちの方が段違いに上手いです。
(アマガミのアニメはシチュエーションやリアクションが嘘っぽい)
てゆーかエロゲー・ギャルゲーアニメでこのレベルのはあまり無いです。
キャラやシチュエーションにあまり違和感がないのは凄いことなのです。
ギャルゲーっぽさがまるで無くなってるとも言えますが……
原作に忠実であるより恋愛アニメとして相応しくなるよう再構成した感じ。
J.C.STAFFってプロデューサーの考えかそういう路線の作品が多いよね。
レールガンも後半丸ごとオリジナルで原作の足りない分を補完してたし。
オリジナル要素が裏目に出てる作品がないとは言わないけど。

今さらだけど続きを見てみようかなという気分に。


「生徒会役員共 1〜4話」
7月から一部の民放(7局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
各バンダイチャンネルで有料配信中です(1話は無料)。
原作は少年誌(少年マガジン)のマンガで読んだことはありません。
※セルDVD/BDは8/4からリリース(レンタルDVDは8/27から)
津田タカトシは家に近かったからという理由で私立桜才学園に入学した。
私立桜才学園は去年まで女子校だったために圧倒的に女生徒が多かった。
学校が女子だけだったので当然ながら生徒会にも女子しかいなかった。
しかしこれからは男子の目線も必要だという会長の天草シノの思い付きと
なりゆきで半ば強引に津田タカトシは生徒会の一員に迎えられるのだった。
こうしてタカトシの生徒会活動を交えた学校生活が始まった。

一言でいえば(女の子の)頭の中が思春期みたいな感じだろうか。
この作者は「妹は思春期」とかいうそのまんまなマンガ書いてたなと。
エロイことが気になってついつい全てのことがエロに結びつく的なやつ。
これはそれに比べるとエロ思考は弱めで時々下ネタを喋るぐらいです(爆)。
それも狙って言うのではなく日常的にさりげなくセリフに混入するのです。
淡々と真顔でエロワードや下ネタをさりげなく口にするのです。女子が。

いわゆる下品な作品という感じではなく、不思議な雰囲気の作品です。
畳み掛けるスピード感があるのにナゼかみょーにローテンションなので。
ローテンションな黒子(じゃなくて新聞部の変態部長)も登場するし。
原作は細部が存在しない4コママンガでテンポとかテンションとかは
ほぼアニメでの味付けなわけで、面白い映像化の手法だなと思ったよ。
ギャグ作品だし内容なんてほぼノリと日常の些細なネタしかないのです。
なのにナゼか不思議と結構面白いです。と言うよりも面白いのが不思議
この作品(原作)ってこんな面白かったっけ?とか失礼な感想も浮かぶほど。
(その昔読んだ「妹は思春期」はさっさと処分した記憶しかないよ)
女の子がエロワードや下ネタを喋るのが許せるなら一見の価値ありです。

導入あらすじに書いてあるようにこの作品の学校は女の子が圧倒的です。
役付きの男キャラは(今のとこ)主人公とその友人ぐらいしかいません。
当然ながら生徒会のメンバーもタカトシ以外は女の子ばかりです。
一見するとハーレムです。がタカトシがモテる展開は全くありません
2話の冒頭に一見すると告白っぽいシチュエーションがあるぐらいで。
まぁ、この手のいかにもな状況だと真相は別だと相場が決まってますが。

生徒会でもシノとアリアの(エロ入り)ボケにツッコミを入れる担当だし。
ぶっちゃけ全員女キャラでも大差ないんじゃね!?って気もします。
ローテンションにツッコミ入れるのは男キャラが相応しいと思ったとか。
女子がエロネタとか下ネタを男子に向かって言うのが面白いとか!?
自分で変なことを口走りながら指摘されると恥ずかしがったりするし。
女しかいないと下品なだけで恥らってもギャグにしかならんからね。
(これだって自分で口走ってるんだから半分以上はギャグだけど)


「伝説の勇者の伝説 1〜5話」
7月からテレビ東京系(3局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
ShowTimeで最新話無料配信中です(残りは有料)。
原作はライトノベル(ファンタジア文庫)で読んだことはありません。
※セルDVD/BD・レンタルDVDは10/22からリリース
いつでもない時代どこでもない時代、剣と魔法なファンタジーの世界。
戦い好む王と権力を笠に着る貴族により人々が苦しめられる国があった。
そんな現状を憂いみんなが笑って昼寝ができる国を願う若者がいた。
貴族でありながら平民の血が入ってるからと蔑まれてきたシオン。
呪われた力を持ち自由を奪われ生きる目的を持たなかったライナ。
二人が出会ったことで世界は変革への第一歩を踏み出すことになる。

ライトファンタジー風の世界観なのに銀英伝のようだ……
そんなにそっくりではないんだけどあちこち彷彿とする部分があるよ。
銀英伝を見たことがある人の大半が同様の感想を抱きそうなほどに。
もっと普通のライトファンタジー作品だと思ってたのでビックリしたよ。
そして予想してたよりもずっと物語に骨があって楽しめたなと。
人を殺しすぎなとこまで銀英伝に倣わなくてもいいとも思ったけど。

銀英伝に似てるとは言っても戦略や戦術や政治システムや宗教とか
細部の掘り下げや物語の深みとかは銀英伝と比較になってませんが。
世界を変えようと思ったシオンがあっさり王様になっちゃうし。
(王様になったと言ってもまだ国のシステムの大半は古いまま)
そのへんをじっくり描いてくれたほうが面白かったようなと思ったり。
世界を自分の手で変えたいとは思ってないライナの方が主人公なので、
わりと社会の歪みも社会の変革も見てるだけなのが物足りないすね。
いつもはやる気はなくてもここぞという時には魅せて欲しいんですが。
まぁ、ここぞという瞬間に暴走して皆殺ししてましたが……(爆)

1話が旅に出た後で2〜4話は旅に出るまでの過去エピソードが描かれてて、
そこがまさにシオンがライナを誘って世界を変革した第一歩なわけです。
シオンがライハルトばりに差し伸べた手をライナは取らないけど……
アンチヒーローとは言えもう少し魅力的にはならんのかという気分に。
5話以降はライナとフェリスの勇者の遺物を求める旅を描くのでしょう。
1話と同じノリならやたらと派手で結構ギャグっぽい内容になると思う。
併行してシオンの腐敗した貴族との政争が描かれるのだろうか!?
4話までに比べて柔らかい内容になるのか、意外と骨がある内容になるのか、
そのへんは実際に見てみないとわからんという感じ。
あと何話か見てから判断すれば良かったかも。

で、一応終わりにしたけど、更新の都合で5話も見れたので書き足しを。
ライナとフェリスが勇者の遺物を求める旅をしていくのは事実だけど、
それだけではなく旅先で訪れた国の内情みたいのも描いていくみたい。
6話の次回予告を聞いてると政争に巻き込まれる展開も有りそうな!?
シオンによる国の変革のプロセスも引き続いて大量に挿入されてるし。
オーベルシュタイン(違)が登場して私が闇を引き受けますとか言うし。
(やっぱり自覚的に銀英伝のオマージュをやってるよね)
よくある剣と魔法のライトな冒険ファンタジー作品ではないようです。


「アマガミSS 1〜5話」
7月からTBS系(3局)とBS-TBSで深夜に放送してる新番組。
原作はPS2の恋愛シミュレーションでやったことはありません。
※セルDVD/BD・レンタルDVDは10/20からリリース
橘純一は2年前のクリスマスに待ち合わせをすっぽかされた経験があった。
その時の記憶が心の中で深い傷となり恋をすることに臆病になっていた。
だけど心の傷も少しずつ癒えて、もう一度頑張ってみようと考えるように。
そんな純一の前に彼女は現われた。

キミキスのスタッフが次に作った恋愛ゲームのアニメです。
※アニメの制作スタッフはキミキスとは全く違う
アニメは今回も2クールだけどヒロイン6人の話をパラレルでやるみたい。
つまり1〜4話が一つの物語で5話で時間を巻き戻してまた最初からみたい。
一つ目のエピソード(1〜4話)のヒロインは森島はるかです。

というわけで、1〜4話の森島はるか編を見た印象としては、、、
とてもギャルゲー的な展開だなと。シチュエーションの不自然さが(爆)。
1話なんか一通りヒロインをキャラ紹介がわりに遭遇させているし。
パラレル展開なら別にあんな不自然な出会いはいらんと思うのだけど。
その後も女の子と接近するシチュエーションの不自然さを目立ってて。
どーにも嘘くさいというか感情移入しにくい作品になってしまってます。
ギャルゲー原作でもやり方次第でそれっぽくできると思うんだけどね。

あと森島先輩の行動の突飛さがちょっとどーなのかなという感じが。
女の子は不思議でよくわからんという方向で描いてるのだろうけど、
ちょっとキャラ付けをしすぎで考えてることが理解できないです。
3話で森島先輩側の内心を垣間見せたので心情がわかるかと思ってたら
女の子はちょっと変どころか変態プレイに脱線していくし……

最初から最後まで唐突だったり説明不足なところが多すぎて何というか。
例えば4話のプールのところで新作水着を持ってるのはナゼ?とかさ。
最初からプールに入る気じゃなければ真冬に水着は持たないだろう?
シャワー後の「嫌われちゃった」なセリフにも凄く違和感があるし。
あんだけバカップルな行為をやっててその考えに至るのはどうなのと。
心情の変化がよくわからなかったり行動が意味不明だったりするのは
もっと長いエピソードを無理やり4話に圧縮しちゃったせいなのかね。
恋愛モノは心情が見えてこないとあまり楽しくないんだけど。
見た目や雰囲気のわりに乗り切れないのはそこなのでした。
同じ話数でも心情の変化を中心に再構成すればマシだったような。

こちらも更新の都合で(コメントを書いた後に)5話を見たので追記を。
5話からは棚町薫がヒロインになってまた話が始まったんだけど、、、
4話までに比べてずいぶん女の子のリアクションがまともになってるよ。
シチュエーションのギャルゲー的な不自然さもずいぶん薄くなったし。
こんな感じにできるんだったら最初からやってくれよという気分に。
4話までの嘘くささは原作エピソードの差?それともアニメ脚本の差?
5話は脚本が女性だけどそのへんに関係があるのかね?


「kiss×sis 1〜4話」
4月からAT-Xのみで深夜に放送してた全12話の新番組。
AnimateTV・各バンダイチャンネルで有料配信中です。
原作は青年誌(ヤングマガジン)のマンガで読んだことはありません。
※レンタルDVDはセルDVD/BDの数日違いリリース(2巻までリリース済)
高校受験を控えた住之江圭太には一つ違いの双子の姉あことりこがいた。
学校ではファンクラブができるほどに人気のあるカワイイ双子の姉が。
あんな姉と一つ屋根の下で羨ましいという友人の言葉に圭太は溜息をつく。
そんなマンガみたいなエロハプニングな展開があるわけないだろうと。
そう現実はマンガよりも(マンガだけど)とんでもなかったのである。
圭太のことが大好きなあことりこは日々積極的に迫ってくるのだ。
それを親に訴えても血が繋がらないから問題なしとむしろ歓迎の態度。
(圭太と双子は以前から仲良かったけど両親が再婚して姉弟になった)
おかげで圭太は傍から見れば羨ましい悩ましい日々を送ることになる。

形容するならエロマンガ脳アニメって感じ?
18禁のエロマンガは限られたページ数で必ずエッチを描く必要があります。
(エロを描いてもいいではなく描かないといけないので)
しかもこの手の雑誌は基本読みきりで導入から最後までやる必要あります。
つまり極めて内容が制限された条件で他と違いを出さないといけません。
正攻法な差別化はキャラのリアクションをよりリアルにすることです。
そしてもう一方がより極端でありえないシチュエーションにすること。
他の人が描かないようなありえない内容で他の作品と差別化するわけです。
やり方次第でインパクトも抜群になるし。

このアニメはそーいう意味でのありえない18禁エロマンガノリなのでした。
(18禁出身の作家らしいというべきか)
あこが圭太の成績向上のため先生のコスプレをして個人授業をするんだけど
圭太はその姿が頭の中にちらついて逆に成績が落ちてしまうのです。
ここまでは青年マンガとしてはありがちな展開すね。
しかし、成績が下がった理由を聞いたあこはじゃあ方法を変えようといい、
体中に公式や単語や年号を書いて下着をめくって覚えさせたのでした。
これなら体と一緒に文字も記憶に焼き付けられるでしょうと……
実際に効果があるかはわからないけど確かに筋は通ってると感心したよ。
勉強よりもエッチに持ち込む誘いの仕掛けとして効果絶大だろうけど(爆)。

対するりこはチョコを口紅型に切って唇に塗って食べてとかやってたり。
この展開の前に圭太にむやみにキスするのを禁止されてしまったのです。
そこでりこは夜食に甘いものを食べさせるという名目でこの行為を。
最初は抵抗してた圭太も結局は策に落ちてひたすらディープキスしてた。
これもどー考えてもエッチに持ち込む誘いにしか見えなかったけどね。
普通はあーなったら止まらないだろう?
でもテレビアニメだしそーいう作品だしってことでキスだけです。

ところでこれエンディングであこ&りこの3DCGキャラが踊ってます。
あのサンジゲン制作で。何やってんだサンジゲンとか思ったよ。
まぁ、3DCGの技術力の見せ所と考えられなくもないけど。
迷い猫の3DCG次回予告に比べれば断然動きがまともだしね。

ちなみにテレビ版と別にコミックス限定版抱き合わせのOVAが存在します。
今のところ0話(3巻)〜3話(6巻)までの4話分が。7巻にも4話がつく予定。
見たことがない(レンタルがない)のでテレビ版との関係は不明です。
※スタッフとキャストはテレビ版と全く同じ


「HEROMAN 1〜12話」
4月からテレビ東京系(6局)で夕方に放送してる新番組。
各バンダイチャンネルで最新話無料配信中です(残りは有料)。
アメコミの巨匠スタン・リーがボンズと組んで制作したオリジナル作品。
※セル・レンタルDVDは8/18からリリース
時はほぼ現代。場所はアメリカの西海岸。センターシティ。
ヒーローに憧れるジョーイはバイトに励みつつ祖母と明るく暮らしていた。
チアリーダーのリナはジョーイに気がありジョーイもまんざらでなかった。
しかしリナの兄のウィルはジョーイを目の敵にして度々暴力を振るってた。
そんな時にジョーイを助けに入るのがクラスメイトで親友のサイだった。
ある日、ジョーイはクラスメイトが捨てた高価な玩具のロボットを拾った。
自分では買えないけど修理すれば自分だけのロボットが手に入るからと。
心血を注いで修理して完成したロボットにジョーイはHEROMANと名付ける。
HEROMANはジョーイの熱意に答えるように熱を帯びて動き出すのだった。

絵はイイと思うんだよね。日本的にアレンジしたバタ臭い絵柄で。
明るい色彩で開放的な雰囲気を現実的に見せてる映像も魅力的だし。
主人公のジョーイにサイやリナやデントンと魅力的なキャラが揃ってるし。
だけどあまりに子供だましと言うか荒唐無稽すぎる内容なのがなんとも。
今時の小さい子向けのアニメの方がまだ説得力がありそうなぐらいだし。
宇宙からいきなり異星人が地球を侵略してくるのはまぁいいとしても、
異星人の攻勢も地球側の反撃も論理的な整合性がまるで欠けているので。

まぁちゃんと整合性を取ったらジョーイたちの手に余る相手なのだけど。
つまりジョーイとHEROMANが勝てるように論理を捻じ曲げた結果として、
あまりに説得力の無いストーリーになってしまってるわけです。
どうやって撃退するのかと思ったらボスを倒したら自爆って……
なまじ現実的な舞台設定なので余計に荒唐無稽さが際立ってるのです。
もう少しパワースケールの釣り合う現実に近い内容なら面白かったのに。
実際、スクラッグを撃退した後の10話以降の方が話が面白いし。
だからこそ余計に思うよ、もっと絵やキャラが生きる作品だったらなと。


「薄桜鬼 1〜4話」
4月から一部の民放(7局)とAT-Xで深夜に放送してた全12話の新番組。
AnimateTV・ShowTimeで有料配信中です。
原作はPS2他の女性向け恋愛アドベンチャーでやったことはありません。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(2巻までリリース済)
江戸時代の末期に京都で悪名を轟かせた新撰組をモチーフにした物語。
消息を絶った父親を探しに男装して京の街へとやってきた雪村千鶴は
浪人に追われ逃げた路地で飢えた化物みたいな人に襲われそうになる。
運良く助けられたが助けた相手は人斬りと恐れられる新選組だった。
連れて行かれた屯所での物騒な詮議の最中は生きた心地がしなかった
気まぐれなのか新選組にいることを条件に命は保証されたのだった。
そして千鶴は幕末を駆け抜けた新撰組と行動を共にすることとなる。

題材は悪くないと思う。幕末とか新撰組とか着物とかむしろ好きだし
美形揃いのキャラも悪くはないというか、美形なのもむしろ好きです。
でも……キャラの中身が安っぽいというかガキっぽいのがちょっと。
落ち着いた態度のキャラも妙にわざとらしく芝居がかってるし。
まるでジャンプのバトルアニメのチープなキャラに感じてしまう。
もっと大人っぽく自然体でカッコよく描けないものか?と思ったり。
なぜかゲーム原作のアニメはキャラに違和感があるのが多いっすね。
男性向けでも、女性向けでも。
ゲームの媒体的に誇張が入らないとキャラが弱く感じるとか?
戦国BASARAみたく突き抜けてれば誇張されてても楽しめるのだけど。

キャラに凄い違和感があるけどストーリーはまぁそこそこ見れるかな。
キャラに違和感があるとそれだけで見るのが凄い苦痛ですが……
史実に近いのでストーリーはまぁそこそこ見れる、と思ってたけど、
池田屋のエピソードで敵側に異常に強い剣士が登場して興ざめに。
凄腕の剣士ならまだしもあんな化物を出すと現実味がないですよ。
まぁ、現実の時代劇なんてゲームにしても面白くないのかもしれんが。
でもそこまでわりと現実っぽく描いてたから違和感が大きいのでした。
鬼とかのオカルト展開なら最初からその雰囲気で一貫して欲しかった。
(冒頭に鬼みたいのが出てくるわけだし)

あと(4話までは)主人公の千鶴の存在意義があまりないのはどうかと。
貴重な女キャラなのにいなくてもいいんじゃね?とか思ったぐらいだし。
主人公なら運命に翻弄されるか運命を切り拓く様を見せて欲しいよ。


「祝福のカンパネラ 1〜4話」
7月から一部の民放(5局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
ShowTime他で最新話無料配信中です(残りは有料)。
原作は18禁の恋愛・冒険アドベンチャーでやったことはありません。
※セルDVD/BD・レンタルDVDは9/22からリリース
いつでもない時代どこでもない時代、剣と魔法なファンタジーの世界。
人と物が集まり栄え世界の宝物庫と呼ばれていた都市国家エルトリア。
この都市の片隅にレスターたちのクランOasisの本拠(兼住居)はあった。
クランとは人からクエストの依頼を受け遂行する冒険者チームのこと。
Oasisのオーナーのカリーナはレスターの幼馴染でエルトリア公女である。
彼女はこの世界ではもはや使われなくなった魔法を使うことができた。
(という設定はアニメだけ見てると全くわかりません)
レスターはクエストで得た素材を使ってマジックアイテムを作る技師だ。
レスターとカリーナに斧使いのニックを加えたのがクランOasisである。
そしてOasisは7年に1度の流星群の日に新たな仲間を迎えることになる。

なんだかとても薄いです。キャラも内容も。
極端なキャラ付けがあるわけではなく、かといって血が通ってもない。
主人公らしいレスターもいい人なだけで深みも奥行きもまるでないし。
ストーリーもほぼ1話読みきりのちょっとした冒険をやってるだけ。
見終わって少ししたら忘れてしまいそうなぐらい印象が薄い作品です。
これなら極端なキャラ付けをしてる作品のほうがまだマシな気がする。
サルサとリトスを中心にしたギャグ要素はノリが良くて楽しめるので
いっそ徹底的にギャグで畳み掛けるようにしたら良かったのかもね。
カリーナの杖が喋るようになった後の騒ぎも滑稽で面白かったし。

ところで4話のアバンのアニエスの電車のシーンっていつの話だろう。
最初はOasisから出てきたんだと思ってたけど4話にも5話にもいるし。
ってことはアレはエルトリアに来る前のシーンってことか?
あとチェルシーがいつのまにかOasisのメンバーなのも良く考えると変。
元々は仕事でエルトリアを来たはずで最初の仕事に同行しただけのはず。
どーいう経緯でOasisのメンバーとずっと一緒にいることになったの?
そのへんの説明をちゃんとしてくれないと困ります。


終わらないかと思った (10/7/2) 次へ 前へ
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すっかり更新日が開いてしまいました。
ブログなんて1ヶ月更新してないから広告が出てるし(汗)
まぁ、更新作業に時間を割けない事情がいろいろあったのです。
さらに楽に更新するための選択で余計にドツボにはまったし。
(見始めてコメント書きおわるまで2週間かかりました)
いや、その選択自体は間違ったとは全く思っていないけどね。

あと本来ならコミックの更新をする時期(を過ぎてる)なのですが、
いいかげん更新日を延ばすのも限界なので次回ということで。
次も1ヵ月後ということは無いと思います。たぶん。きっと。


「クロスゲーム 18〜50話」
事情により更新日が怒涛のように押してるから
コメント書きが面倒な新作より適当に続き見て書いてと思ったけど、
どっぷりハマってしまって余計に更新日が押してしまいました(汗)。
物語の行方がとても気になって残り33話を一気に見てしまったし、
それどころか通して3回見たし、印象的なシーンを何度も見返したし、
ラストなんか6回ぐらい見たよ……
昔熱心に読んでた人なので元から好みのタイプの作品では有るけど
まさか今さらここまでとっぷりハマるとは自分でも思わなかったよ。
(コメントがまとまらずさらに時間が遅れまくり)

どこがイイのかと言うと、一番はキャラ同士のやり取りの面白さかな。
リアクションが一筋縄では行かないというか額面通りじゃないあたりが。
この作品の中心になる光と青葉が特に嘘つきと言うか素直じゃないから。
好きな気持ちは有っても嘘ついたりして素直に伝えようとはしないし。
問いをはぐらかしたりすっ呆けたりして手の内を簡単に明かさないし。
遅くともあかねの登場する頃には二人は好き合ってると思われるのに、
恋人っぽい甘いシチュエーションなんてどこにも無かったりするのです。
でもふとした瞬間に相手に対する本心が漏れるとこが凄くいい感じで。
言いたいことを言い合って喧嘩をしても壊れない関係が凄くいいのです。
相手をよく理解してて言葉の裏にある本音をわかってるのがいいのです。
気安い関係でちゃっかりしたリアクションをとるのが楽しいのです。
自分に嘘つきで互いに素直ではないからすんなり先に進めないけど
だからこそ適度な緊張感とメリハリがあって行方が気になるのです。

この作品は若葉の最後の夢の叶えるため甲子園を目指すのが本筋です。
そしてその過程で光と青葉の関係が変化していくのを描いてるのです。
最初はまともに会話すらしないし顔も見たくないほど嫌ってた関係が、
最後には泣いて寄りかかるほどに気持ちが通じ合った関係になるのです。
つまりこの作品は光と青葉のラブ(コメ)ストーリーでもあるわけです。
青葉は最後まで光に対して好きって言葉を一言も口にしなかったけどね。
光も青葉が好きという言葉の前に「嘘ついてもいいか」とか言ってるし。
こんなやり取りで互いの気持ちをちゃんと確認できるんだから凄いよ。
どちらも素直に相手に好きって言わないあたりが徹底してるなと。

光と青葉はいったいいつ頃から相手のことを好きになってたのかな。
2話の頃の青葉は光とまともに会話したくないほど嫌ってたわけだし。
恐らくあかねが登場した頃には光のことを好きになってただろうから。
でなければ青葉はあそこまであかねに対して棘のある態度をとらないし。
その間に青葉の心境の変化をもたらす何かが有ったのは確かなわけです。

凄くわかりやすい要素はやっぱり光のピッチャーとしての成長だろうね。
青葉の前で力を見せれば見せるほどに態度が変化していったわけだから。
初めての試合の前に自信がない光が青葉に投球を見てもらうところとか。
青葉はあそこで初めて光の球をまともに見て凄くビックリしてたしね。
それまでも気にはしてたけどここで初めて期待をしたんじゃないかな。
5点って言ったのは10点は絶対に取られないと信じてたからだろうし。

監督同士のクビをかけた一軍との試合で見事な初勝利を収めたところも。
一歩とはいえ若葉の夢を叶えるため進み始めたのが嬉しかったみたいで。
(嫌いな理由の一つに若葉の期待を裏切ってるというのもあったから)
この後の青葉は光に対する態度がそれまでとは明らかに違っていたよ。
もしかして好きになり始めてるのかなと思える描写が入るのもこの頃。
そして夏の予選の竜旺との初対戦で死闘の末に残念ながら負けたとこ。
試合に負けたことで光を責めなかったあたりでもう決定的なわけです。
たぶん青葉自身もハッキリと光に対する気持ちを自覚したんだと思う。
そしてそのすぐ後にあかねが登場するわけですが。

話は戻って。実はもう一つ関係の大きな変化のきっかけがありました。
それは紅葉が熱を出した年越しのエピソード(5話)。
光の両親が雪で旅行から帰れなくて、月島家も紅葉と青葉の二人だけで。
(月島父と一葉は熱を出して田舎の祖母の様子を見に帰省した)
二人の心配をした光が食事の材料をもって月島家へとお邪魔するのです。
そこで青葉は材料だけ受け取って光にさっさと帰れとか言うんだけど、
紅葉は光に泊まって欲しい、料理も作って欲しいと主張するわけです。
自分よりも光を(特に料理のことで)信頼する紅葉にカチンと来た青葉は
怒りと勢いでつい言ってはいけない言葉を口にしてしまうのでした。
(次の瞬間に光にものすごい剣幕でむなぐらをつかまれます)
この時の青葉はつい口を滑らすほど光と一緒に居たくなかったわけで。

だけど熱が上がった紅葉を一緒に看病するうちに打ち解けていって。
至らなさに落ち込む青葉に対してそんなことはないよと言ったりして。
いつものように余計な事も言って青葉を軽く怒らせてたりもしたけど。
普通に会話をするようになって、軽口を言い合える関係になるのです。
そしてその頃から青葉は若葉の夢を見て泣くことがなくなるのでした。
青葉にあれだけ冷たくされてたのに光が懲りずに話し掛けていたのは、
若葉を亡くした悲しみを一人で抱えてることの辛さを知ってたから。
青葉が光のその真意に気付くのはずっとずっと後の事だけど。

対する光はというとたぶん青葉よりも前から気持ちは有ったと思う。
青葉の初デートに動揺してるのでそこではもう気持ちはあったわけで。
つまり水輝が登場した頃には青葉に対する気持ちがあったわけです。
それ以前も恋愛感情かは別としてずっと青葉のことを気にかけてたし。
幼馴染としてずっと近くにいて言いたいことを言い合ってるうちに
いつしか恋愛感情に変化したなんてこともあったりするかもしれない。
ただ光は若葉を好きという気持ちを過去形にすることができなくて。
青葉を好きという気持ちを認めていいのかずっと迷っていたみたいで。
光は青葉よりもっと本音を見せないので変化がわかりにくいのでした。

光も青葉が野球に打ち込む姿に惹かれたというのもあるかもしれない。
そもそもが青葉の投球フォームに憧れて野球を本気で始めたわけだし。
「そーゆー器用なピッチャーが好きなんだっけ?」と口にしたように
光は青葉が期待する投手を目指してたわけで。160kmを投げるのも含めて。
青葉に対して俺の体を借りて投げてると思えばいいとも言ってたしね。
互いに相手の力に刺激を受けて、そして惹かれあっていったわけです。
にしても青葉に野球部に入った理由を聞かれて憧れたとか言ってみたり、
器用なピッチャーが〜とか言ったりと光は無自覚でラブコールしてるね。
ついでに余計な事も言って青葉の怒りを買ってたりするけど。

光も青葉も互いのことをよく知ってて誰よりも理解してたわけです。
だから二人とも自分の感情を素直に出さなくてわかりにくいとはいえ、
互いの恋愛感情に全く気付いてなかったとはとても思えないわけで。
自分が相手に好かれる要素を持ち合わせている自信が無かったのかなと。
青葉は光が好きな若葉に比べて女としての魅力が無いと思ってたわけだし。
光も若葉が生きてたらとっくに愛想をつかされてたと自嘲してたぐらいで。
こと男女関係に関しては二人とも自信なんて欠片も無かったみたいだから。
互いの気持ちは何となく見えてたけど信じることができなかったのかも。
若葉の存在が二人の中で呪縛になってたというのもあるのだろうけど。

それと恋人ではないけどとても近しい今の関係を壊したくなかったのです。
もしも一歩踏み出して関係が壊れたらと考えると動けなかったのでしょう。
ハッキリとした感情が有るからこそ余計に今の関係を壊せなかったのです。
二人の関係が完全に冷え切った状態を経験してたから動けなかったのです。
青葉は曖昧だけど心地よい今の関係でもいいと考えてしまったわけです。
光も青葉がそれでいいならとその先に踏み込もうとはしなかったのです。
でもあかねの登場によって二人の関係は大きな転機を迎えるのでした。
中途半端な形で安定してしまった光の青葉の関係に一石を投じるのです。

実はあかねが登場する30話まで放送時にほぼリアルタイムで見てました。
(その頃に優先視聴をレールガンに切り替えた)
そして若葉が蘇ったようなあかねの登場にとてもビックリしたわけです。
その容姿から光と青葉の関係に大きな影響を与えるのが必死なわけで。
偉大なマンネリ作家が新機軸を!とか失礼な感想を抱いたりもしたよ。
ヒロインの絵柄の幅が狭いのを自覚して逆手に取るとはやってくれたよ。
そんなわけでその後の展開がとても気になっていたのです。

あかねは見た目だけではなく中身も若葉に似てとても魅力的な女の子で。
若葉を大好きだった光にも光を好きになってた青葉にも衝撃だったのです。
特に青葉にとっては大好きだった若葉そっくりの他人というのが複雑で。
最初はライバル的存在と認識したのか妙に棘のある態度をとってたりして。
でも次第に姉妹のように仲が良くなって光を託してもいいとも思うように。
まぁ、自分から進めといて受け入れられると不機嫌になったりするあたり、
自分の気持ちに素直じゃないというか、全然割り切れてないわけですが。

光はあかねの登場によってむしろ誰が一番好きかを再確認したみたいな。
それでも大好きな若葉と同じ顔でお願いされれば断ることはできなくて。
光とあかねをくっつけようとする赤石の策略も有って接近していくのです。
余計な事をと思いつつも赤石の真意を知ってるからむげにもできなくて。
さらに青葉まで本心とは裏腹にあかねと一緒の行動を進めてくるわけで。
中身まで若葉に似てるし魅力的だから光も次第に惹かれていくのです。
誰が一番好きかは決してぶれる事はなかったけど。

当のあかねはかなり早い段階で光と青葉の気持ちに気付いてたっぽい。
赤石に自分そっくりの若葉は光が大好きだったんだと聞かされて、
不可解な青葉の棘のある態度を「そーいうことか」と理解してしまうし。
青葉が怪我した時の光の言動を聞いて「そっか、わかってんのか」だし。
フリマで光が青葉にTシャツを買ったときの話に「なんだかなー」だし。
二人の間には割って入れないほど強い絆があると理解したわけです。
だからあかねは光にアプローチする気は全く無かったんじゃないかな。
どっちかと言うと青葉に自分の気持ちに素直になるように促してたし。
青葉のライバルとしてではなく青葉の姉としての若葉みたいだったよ。
まるで若葉が二人に伝えたい事があってあかねをそこに導いたみたいな。
不思議な巡り合わせで光の家の隣に引っ越しことになったらしいし。

この作品で察しが良い聡いキャラはあかねだけではなかったりする。
てゆーかあだち充作品のキャラって大概が状況に対して察しがよいです。
いちいち懇切丁寧に説明しなくてもちゃんと相手に通じてるみたいに。
やり取りがくどくない一歩引いた成熟したコミュニケーションなのです。
(光と青葉はちゃんと察しててさらに余計なことを口走ってるけど)
キャラが全体に大人びてるから見てて不快感を感じることが無いのです。
痛いキャラも出ては来るけどその手のは必ず滑稽な扱いで退場するし。
少年マンガにありがちな未熟なくせにプライドが高くて痛いキャラは
この作品では決して大きな顔が出来ないのが見てて心地よいところです。
まぁ、現実ではこの年代だと人間的にまだ未熟な人が多い気もしますが。
創作でわざわざ不快感を増すようなリアルなどいらねぇよってことで。

察しが良くて聡いのも含めてキャラが総じて魅力的なのもいいっすね。
表面的な美醜や格好よさではなくて内面から滲み出る魅力というか。
赤石みたいな美形とは対極にいるキャラすら魅力的に見えるんだから。
最初はジャイアン的な登場で見た目どおり腕っ節は凄く強いんだけど、
見た目に反して凄く細かいとこまでよく見てるしいろいろ気を使うし
光がピッチャーとして一流なのも赤石のリードあってものモノだし。
自分の強い想いを抑えてまで光とあかねを結びつけようと画策するし。
あかねは赤石の策略とその裏にある真意に気付いてたみたいだけど。
赤石は見た目からは想像できないほどホントにいいやつなのです。
あかねは赤石の良いところをちゃんと理解してて惹かれていくのです。

東も初登場の頃はやたら他人に厳しくていけ好かない感じに見えたなと。
後で東の事情を知ってその目的ためなら仕方ないかなとも思ったけど。
それにいち早く光の実力を見抜いたり大門のやり方に疑問を感じたりと
ただ他人に厳しいだけではなく見極める目と認める柔軟性は持っていた。
光と同居をするようになってからは人として柔軟性を身に付けていくし。
興味ないやつの名前はあいからず覚えなかったけど。

東兄が探す探すとか言いながら全くアパートを探す気がなかったのは、
雄平が光と生活をする事でいい影響を受けると考えてたからだろうね。
そんな東兄の目論見どおり野球以外でも魅力的になっていったのです。
頑固に甲子園を目指していたのが精一杯やれば結果は問わなくなるのです。
冷静に振舞う東が三塁打を打ってガッツポーズをするようになるのです。
光と青葉を除けば東が作中で一番魅力的に変わったんじゃないかなと。
(バッターとしては最初から別格の凄い力を持ってたけど)

主人公の光もまわりの人たちに負けないぐらい魅力的になっていきます。
最初はちゃっかりしてるところばかり目立ってあまり魅力的ではないけど。
大事な人の夢や期待を決して裏切れない律儀な性格をしてるのもあって、
見えないところで努力を積み重ねて着実に結果を出すようになるのです。
主たる視点が光にあるし飄々とした性格もあって多少気付きにくいけど、
実はものすごい努力家だしその結果だって客観的に見れば凄いわけで。
光の投球はずっと見守ってた青葉じゃなくても胸躍るものがあるのでした。
(その他大勢のキャラに)モテまくるのもすんなり納得できるのです。

そして青葉が落ち込んでる時に必ず手を差し伸べてるのが凄くいい。
2年(青葉は1年)の夏の予選の初戦に勝って盛り上がるみんなを見て
自分がそこに入れない寂しさ悔しさを感じてた時にミットを差し出して
「投げたかったんだろ」と青葉が気が済むまで黙って球を受け続けたし。
いつも一言余計な光がこの時ばかりは余計なことを何も言わなかったよ。
それに光は青葉が元気になる方向でしか余計なことは言わないのだった。
あからさまな優しさではなくて、さりげない優しさが凄く素敵なのです。
もちろん光のその優しさは青葉限定なんだけどね。

この作品のヒロインである青葉もとても魅力的なキャラです。
スポーツ選手として凛々しいし、素直じゃないところがまたカワイイし、
ちゃっかりしてるし痛いとこをつくとムキになるのも含めてイイのです。
この1年ぐらいに見た作品のヒロインの中で一番好みかもしれないね。
一番萌えないヒロインはという質問に青葉の名前が挙がったの見て
何だとゴルァ!と思ったぐらいだよ。でも世間的にはそうなのか!?
表面的に可愛ければ萌えるという感覚が私にはよくわからんです。

あだち充作品のヒロインはわりとスーパーヒロインなことが多いです。
主人公も話が進むとスーパーマンになっていくけど。光もそうだし。
でもヒロインはそれ以上に才色兼備で凄い能力を持ってる事が多い。
青葉も女子としては比類なき野球の技術を持ってるという設定だし。
スーパーヒロインなので主人公よりもモテモテなのもいつものこと。
青葉も(その他大勢のキャラに)モテまくってたしね。
それどころか東とか水輝のような役付きキャラにまでモテてたよ。
考えてみたら相手役の方がモテモテなのって今では珍しいような。

そんな青葉は野球以外に関してはわりと欠点が多いキャラなのです。
でも欠点があるからこそ人間くさくてより魅力的に見えるのかもね。
それにこの作品は青葉にも視点がある半分主人公みたいな扱いなので、
青葉も光と同じく完璧ではない人間として描いたのかもしれない。
女子野球と若葉の夢(甲子園)の実現の間でずっと葛藤してたし。
光の成長を鏡に映したように青葉も意識(態度)を変化させていくし。
自分の気持ちや進む道に悩むようなキャラだから共感できるのです。

恐らくだけど青葉は光が予想を越えてあそこまで成長していなければ
女子野球の選択肢を知った段階でそっちに行ってたんじゃないかな。
自分だけでは若葉の夢の実現する事はとても不可能だったわけだし。
中学の時は高校でも野球を続けるかなんてわからないと言ってたし。
若葉の夢が実現可能な夢になったから星秀で野球を続けたのでしょう。
つまり青葉は光の力になるために高等部の野球部に入ったわけですよ。
それでもやっぱり自身がプレイできる女子野球の選択肢も捨てきれず。
ゲストで女子野球の試合に参加した時は生き生きとして楽しそうで。
光は青葉を思ってコーチなんかやめて女子野球へ行けよと言ってたり。
この時の青葉の心境は人の気も知らないでって感じだったのかな。
(光は青葉の気持ちを知っててあえて言ってるんだろうけどね)

確かに青葉は直接的には若葉の夢の実現には貢献をしてなかったけど、
間接的な貢献なら居なきゃ実現しなかったぐらい絶大だったわけです。
そもそも光のピッチングの何割かは青葉の教えのおかげなわけだし。
チームの打撃力の底上げや意識の向上にも大きく貢献してたのだから。
実際のチームへの貢献ほど役に立ってる意識は無かったみたいだけど。
自分が試合で直接的に貢献することができないという負い目もあって。
東を欠いて負けたときなんか出れない悔しさが特に強かっただろうし。
それを横で見てたあかねがあの絵を描いたのも必然なのかもしれない。
せめて絵だけでも同じグラウンドに立たせたいと思ったんだろうね。
まさかセンターの青葉があんな形で実現するとは思いもよらなかった。

にしても、ここまで素直じゃないヒロインは前代未聞じゃないかと。
ツンデレという言葉が一般化するほど素直じゃないのはありがちだけど
記号的な冷たい態度の向うに本心が透けて見えるぐらいが大概なわけで。
ここまで自分の気持ちに嘘をついたりやり取りをはぐらかしたりして
ホントにオレのことを好きなのか?と思えるほどなのはそういないよ。
あかねの登場以後は気まぐれのように素直な態度をとる事もあったけど。
(その度に電車が止まったり雨が降ったりして光にからかわれてた)

作品を何度か見返しながらコメントを書いたり消したりしてるうちに
true tearsの比呂美も凄く嘘つきではぐらかしてたのを思い出したり。
作品もキャラ造作や描写も似てないので当初は思い至らなかったけど。
記号的ではない素直じゃない描写という意味では似てるかもしれないね。
true tearsは凄く現実的で生々しいからそういう意味では似てないです。
あだち充作品って多少記号化されててわりとさっぱりした描写だから。
でも生々しい描写なしにここまで微妙な感情を描けてるのは凄いかも。
生々しい描写が苦手な人にも受け入れ易い間口の広さがあるというか。

最初に書いたけどリアクションの幅の多彩さこそがこの作品のウリです。
そして私はそこに面白さを感じる大きなポイントがあるみたいっすね。
やり取りが面白いリアクションが多彩な作品を好きになることが多いし。
キャラが生きてる、生き生きしてるという形容もそれを意味してるから。
(現実に近いとか生々しいって意味とはちょっと違う)
そして記号的キャラの作品があまり好きになれないのも同じ理由です。
リアクションが単調であらかじめ決められた反応しか返さないみたいな。
キャラが薄っぺらいとか魂が入ってないとか言ってるのもそれなのです。
(マネキンアニメとか言ってるのも同じ)

考えてみたら日常描写が多い作品が好きなのも、恋愛モノが好きなのも、
キャラ同士のやり取りが作品の大きな要素になってるからなわけです。
別にアクションが嫌いなわけでは無いし手に汗握って楽しんだりもする。
そこでキャラがちゃんと描けてるか、生きてるかが問題になるわけです。
アクションを重視するとキャラ描写がおざなりになることが多いから。
もちろん日常メインやラブコメでもリアクションが単調なのはダメです。
candy boyでウンザリしたとか言ってたのもまさそこが問題なのです。
つまりジャンルだけで好き嫌いが決まったりはしないってこと。

キャラを多少記号化してあっさりさっぱりと描写してるのもそうだし
同じフレーズを繰り返して軽妙なテンポを作ってる部分もそうだけど、
描かれてる内容のわりにはずいぶんと軽いイメージを受けるのです。
スポーツモノとして常人とは比較にならない努力を積み重ねてるし、
ここぞの瞬間には力と力の対決で手に汗握る展開になるというのに。
かなりのスポ根的な要素のわりにあまり汗臭い印象を受けないのです。
人間関係や野球の道で悩んたりしても鬱陶しい印象は受けないのです。
「おおきく振りかぶって」と比べると言ってる意味がわかるでしょ。
(アレはキャラが鬱陶しいのが作者の芸風だけど)
そこがまさにこの作者の最大の魅力であり一時代を築いた理由なのです。
そして今さらにどっぷりはまった理由でもあるんだろうね。
てゆーかなんで昔熱心に読んでたかを今さらに理解しました(汗)
何かを好きになるのって理屈じゃないから。

オマケでサントラの話。
と言いたいけどDVDのリリースも終わりそうな今になっても出てません
このタイミングで1枚も出てないということは出さないつもりかな……
同じ枠の前(絶チル)も前の前(ハヤテ)も2枚ずつ出てたというのに。
若葉のテーマっぽい数曲を含めてとても印象的に音楽が使われてるから
サントラが有るなら是非欲しかったんだけどな。出ないのは悲しいよ。
仕方ないので使用曲を調べるついでに曲を引っこ抜いてしまいました。
1年分も調べるともの凄い時間がかかるのでとりあえず15話までを。
おかげでさらに更新が怒涛のように遅れたわけですが。

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