涼宮ハルヒの妄想 (10/5/24) 次へ 前へ
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分裂の続きはいったいいつになったら出るんだ?と思う今日この頃。


「Angel Beats! 1〜8話」
4月からTBS系(5局)とBS11で深夜に放送してる新番組。
Key所属のエロゲーのカリスマによる原案脚本のアニメオリジナル作品。
キャラデザ原案及び主題歌・サウンドドラックもKeyが担当してます。
※セルDVD/BD・レンタルDVDは6/23からリリース
主人公の少年・音無(おとなし)は気付いたら現実に酷似したそこにいた。
目覚めた時には記憶を全て失ってて近くには変なことを口走る女がいた。
ゆりという女は、お前は死んだのだとか、あの少女は天使だなどと言う。
そして、ただの少女にしか見えない天使とやらに銃口を向けるのだった。
ゆりの電波話が理解できない音無はその場を去って少女の元へと向かう。
ゆりの話の意味不明さの同意を少女に期待して誇張した言葉を口にする。
次の瞬間、天使と呼ばれてた少女は手を鋭い剣に変え音無を突き刺した。

この作品で描かれてる世界は恐らく想いを残して死んだ魂が行く場所で、
安らかな日々の中で死を受け入れて転生するための場所なのでしょう。
つまりこの世界から消えるというのはむしろ正しいプロセスなわけです。
ゆりに敵認定されてる天使は傷ついた魂を癒して転生に導いてるのです。
だからこそ「天使」という露骨すぎるネーミングがされてるわけです。
天使の行為が正しくてゆり達が間違っている、というわけでもないけど。
強い心残りがあるから簡単に全てを忘れて転生なんかしたくないわけで。
ゆり達は死を受け入れられなくて現世に留まる自縛霊みたいな感じかも。

つまりは、よくある心霊ハートフルホラーな作品と言えないこともない。
それがどうするとここまでエキセントリックになるのか不思議だよ(笑)。
似たような仕掛けの作品に灰羽連盟という知る人ぞ知る傑作があって、
その作品はとても観念的な世界観の中でストーリーが展開していきます。
そんな作品より現実っぽいこれの方がずっとエキセットリックなわけで。
キャラの変人っぷりといいなんとも独創的なセンスを持ってると思った。
変なノリとシリアス要素を強引に繋ぐ手法はCLANNADとそっくりっすね。
これは脚本も自分でやってるから色がより濃く出てると言えるかも!?
最初からアニメ用に考えた作品なので構成はずいぶんマシな感じだね。

キャラが変なのは(脚本もやってる)原作者の芸風みたいな感じだけど、
この作品では無意識になってるのではなく自覚的に敢えてやってる感じ。
生々しいキャラでそれっぽくならないなら逆方向に暴走してみようとか。
(この人やなのはの人の生っぽいキャラも見てみたい気もするが)
そもそもメインヒロインのゆりからして多くがある印象を抱くだろうよ。
いきなり電波な話を捲くし立てるし、妙な団体名だし略したらSSSだし、
ストレートロングの髪にカチューシャをしてる狙ったような外見だし、
第一印象で「涼宮ハルヒの妄想」とかタイトルをつけたくなったよ(笑)。
戦線の目的だってバカ騒ぎをしてこの世界での生活を楽しむことだから、
(行動の理由は違えども)ハルヒのやってたことと全くと同じわけです。
野球やってみたり、ガールズバンドだったり、釣りキチ三平だったり、
偶然と思えないようなネタが並んでるあたり、狙ってるんだろうなと。
いつもより男キャラが多くて男同士で絡むことが多いのも狙ってる!?

この作品は毎回仰々しいタイトルだけど実態はアホな作戦を実行します。
上にもあるように馬鹿騒ぎをしてこの世界を楽しむことが目的なので。
そして恐らくはルールを破ることが消えないために必要なのでしょう。
結果的にルールを守らせようとする天使と戦いになることは有るけど。
命がけの戦いをするような展開にはなりません。そもそも死なないので
そんな茶番劇に近いバカ騒ぎにそれぞれの生前の話が挿入されるのです。
死を受け入れられないほど強い悔いの残る生前の重苦しいエピソードが。
この世界でのバカ騒ぎと重苦しい記憶との明暗コントラストが凄いです。
でもゆりの生前の悔いがバカ騒ぎを起こしてるのだから必然ではある。
必然性があるから極端な二面性があっても作品が空中分解しないのです。
キャラが変でもノリが変でもちゃんと楽しめる作品になるんだなと。

それぞれの話はただの泣き要素として挿入してるわけではありません。
生前の強い悔いこそがその人をこの世界に縛り付けてる理由なわけで。
ゆり達が「死んだ世界戦線」という自縛霊を続けてる理由なわけです。
本人が自覚するしないに限らず思いを果たすために行動してるのです。
そしてもしこの世界で果たせなかった願いを叶えることができたなら、
それは死を受け入れ転生する(この世界から消える)ことになるのです。
ゆりが神と呼ぶこの世界の理に抵抗するためにやってるバカ騒ぎが
誰かの生前に思い残した願いを偶然に叶えてしまうこともあるのです。

物語はゆり達「死んだ世界戦線」と天使が対峙する構図で始まります。
魂を転生へ誘うのが天使の目的だし、秩序を守る委員長の役割もあり、
消えないためにバカ騒ぎを続けるゆり達と対立するのは当然なわけで。
天使がいたいけな見た目とは裏腹に強い力を持ってたせいもあるけど。
でも生前の記憶がない音無にとっては天使が敵とは思えなかった。
そもそも天使は理を守る側で反抗しなければ何もしてこないわけで。
音無はできることなら天使……奏と仲良くしたいと思ってたのです。
出会いのきっかけが違えば奏の味方だったかもしれないと思ったのです。
もしもそうなってたらとっくにこの世界から消えていたわけだけど。
あまりにもこの世界のシステムは奏にとって理不尽だと考えるのです。
だから役割を失い戦う理由も失った奏を仲間に引き入れるのでした。

音無がなぜそこまで奏に思い入れるのかずっとわかりませんでした。
7話で音無の(多分にもれず強い悔いの残る)生前の記憶が戻るまでは。
奏に楽しい思いをさせたいと思ったんだろうね。自分の妹の代わりに。
全く記憶はなかったのに生前に思い残したことをしようとしてたとは。
奏が可哀想に見えるのもこの作品が音無の視点で語られてるからです。
実のところ隠されてる音無の記憶が物語の重要な鍵だと思ってました。
思ってたほどではないけど、確かに一つの重要な要素ではあるかなと。
たぶんこの後、奏を守るのが音無にとって重要な目的になるだろうから。

にしても、この物語はいったいどう終わらせるつもりなのでしょう?
今までのkey+京アニの作品よりずっと先が気になるぞ。
※この作品のアニメ制作はtrue tearsとCANAANのP.A.WORKS


「閃光のナイトレイド 1〜6話」
4月からテレビ東京系(3局)・AT-X・BSジャパンで放送してる新番組。
ShowTimeで最新話無料配信中です(残りは有料配信)。
※セルDVD/BD・レンタルDVDは6/23からリリース
時は1931年。第二次大戦より少し前の日本が中国大陸に進出していた時代。
中国大陸では国内の覇権を目指した複数の勢力が互いに牽制しあっていた。
そしてその混乱に乗じて日本を含めた列強各国が勢力拡大を続けていた。
そんな混沌な世界の裏に歴史の表舞台から消された諜報機関が存在した。
特殊な力を持つ人たちによって構成される桜井機関もそのうちの一つだ。
今日も彼らは政府の密命をうけて要人の救出を行うべく潜入を開始する。

てっきりもっと現実的な内容だと思ってたら超能力モノだったとは……
(陸軍中野学校モノの亜種みたいな感じだろうか)
それとはともかくこの時代を舞台設定にしたのは興味深いと思ったかな。
混沌と混乱の時代の異文化が交じり合った舞台の物語は見てて楽しいし。
空間を鮮やかな色彩の緻密なリアル系で描写してて凄く見栄えがいいし。
キャラも特徴的な設定は有るけど抑えて描写してるので安っぽくはない。
全体の流れとして裏で大きな何かが動きつつある予感を感じさせるし。
第一弾のソ・ラ・ノ・ヲ・トほどではないけど意欲的な作品だと思った。
※この枠はアニメノチカラというコンセプトのオリジナル作品枠

ただ第一印象は見た目のクオリティの高さに比べると低かったかな。
諜報アクションな内容なのに反則的な超能力を駆使しまくってるし。
まぁ、超能力を使った諜報アクションは昔からいくつも存在してるし、
バイオニック・ジェミーとか凄く熱心に見てたほど面白かったけどね。
超能力云々ではなくエピソードが今ひとつ魅力的でなかったのかなと。
キャラ紹介と能力紹介という意味合いなのに説明不足で機能不全だし。
2話と3話で印象が一変するので明らかにつかみに失敗してると思います。

ちなみにDVD/BDだと1話はディレクターズカットで尺が追加されるみたい。
さらに1話の前のメンバーが出会うエピソード(0話)も追加されるみたい。
なので放送で見たのとは第一印象がずいぶん変わる可能性があります。
てゆーか外伝的な4話をDVD/BDに回して0話を放送すれば良かったのに。
1話毎に一つのエピソードをやってて単体としてはそこそこ見れるけど、
シリーズとして積み重なっていく実感は今ひとつ希薄だったりするし。
(ソ・ラ・ノ・ヲ・トはちゃんと積み重なっていく実感が有ったよ)
設定や見た目など意欲は買うけどシリーズ構成とか詰めが甘い気がする。

決して男キャラメインだから印象が悪いってことではないと思うよ。
同じ監督・制作会社で同様に男キャラメインだったペルソナのアニメは
見えそうで見えないもどかしい構成だったけど凄く惹きつけられたから。
骨太の内容なのになぜそこでその話が?と思える回があるのが疑問です。
2話で過去の話や自分たちの立場が出てきて3話で裏の動きを垣間見る。
にもかかわらず4話で身近でどーでもいいエピソードをやってるわけで。

別に身近で些細な話をやるなとは言わないしやった意味も有るとは思う。
葵と葛(かずら)の方向性の違いをエピソードで実感させてたわけだし。
でも1クールしかないのだからそれだけでは尺が勿体無いと思うのです。
(DVD/BDのオマケエピソードならこれでもいいと思うけど)
外伝的なお遊び回のような内容だけど全体に繋がるようにすべきです。
通してみた時にそこに意味があるように見せるのは満足度を高めるけど
初見でもある程度繋がって見えないと先への興味を刺激しないのです。
そのへんソ・ラ・ノ・ヲ・トは凄く上手かったとこれを見て実感したよ。

5話もエピソード単体として見れば結構いい話だと思うけど
4話同様にシリーズとして積み重ねていく感じが希薄すぎだし。
2話と3話で上がった株が再び下落してしまったよ……
なんだか勿体無い作品という印象で全てが言い尽くせそうです。


「あにゃまる探偵 キルミンずぅ 1〜4話」
10月からテレビ東京系(6局)とAT-Xで夕方に放送してる新番組。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(4巻までリリース済)
御子神リコ、リム、ナギサは自然豊かな神浜市に暮らしている三姉妹。
リコとリムは双子で初等部の5年生で、姉のナギサは中等部の2年生。
ある日、リコとリムは逃げたネコを追いかけ屋根裏部屋へ入ってしまう。
扉に隠された見覚えがない(と二人は思ってた)階段の先にある部屋に。
荷物や本が積み上がった暗い部屋は恐らく祖父の研究室だと思われた。
そこで二人はそこには似つかわしくない可愛いコンパクトを見つける。
喋るコンパクトに興味を持ったリムはコンパクトの言葉に従ってみた。
次の瞬間はリコは眩い光に包まれてネコの着ぐるみと一体化した姿に。
それだけではなく魚の匂いに反応し、ネコのように身軽に飛んだのだ。

この手の純正の小さい女の子向けアニメはずいぶん久しぶりかも。
(大きいお友達にアピールするために深夜にも放送してたけど)
結構いろいろ録画してるけど時間がなくて後回しになってるから。
久しぶりだったのでなんかとても新鮮な気分で視聴できました(笑)。
絵本みたいなイラスト風味のアートワークは見てて楽しかったし、
よくわからん言葉(タイ語らしい)のノリノリな主題歌も良かったよ。
モンキーダンス風にキャラが腕を振るオープニング映像も面白いね。

このアニメは昔からよくある女の子が変身するスタイルの作品です。
変身して戦うわけではなく、アイドルになったりするわけでもない。
動物の着ぐるみや動物に変身して動物の能力を使えるようになります。
この先その能力を生かして探偵みたいなことをするみたいっすね。
動物(の着ぐるみ)になるとかずいぶん変わった切り口だなと思った。
(ずいぶん前に寸足らずなブタに変身した作品も有ったけど)
発想は面白いけどこれって小さい子にウケるのかな?とも思ったり。
動物と話が出来たらとは思うだろうけど自分がなりたいと思うかなと。
そもそも自分が憧れてる存在に変身できるから熱中するわけだし。
動物ネタは年齢に関係なく普遍的にウケるから有りと思ったのかね。
私的には有りだと思うし面白いと思ったよ。
ある程度歳が行った人が子供を見守る気分で視聴すると丁度いい!?

この作品は小さい子向けなので一つ一つのエピソードが単純です。
登場人物のスケールに釣り合った身近で些細な内容が展開します。
でも絵本みたいな世界で生き生きキャラが動くので見てて楽しいです。
お約束で誤魔化したりせずに一つ一つのプロセスを積み重ねていくし。
どこか凄いという印象は無いけど丁寧に作った良い作品って感じです。
派手な何かを期待してると物足りないと思うかもしれませんが。


「エレメントハンター 1〜4話」
2009年7月から教育テレビで夕方に放送してた全39話のテレビシリーズ。
各バンダイチャンネルで有料配信中です。
※レンタルDVDはセルDVDより1ヶ月先行リリース(4巻までリリース済)
現実に似てるけど現実より多少技術が進んでる未来っぽい世界。
突如始まった元素消失事件により世界の人口は大幅に減少をしていった。
もちろん人類も事態に対応するためにエレメントハンターを組織して
対世界の地球であるネガアースから元素を回収を行うようになっていた。
しかしそれも元素消失の進行を気休め程度に遅くする効果しかなかった。
ある日、中学生のレンとキアラ・ユノはカメラに写らない城を目にする。
興味をひかれた彼らは城に入り変な仕掛けを抜けある部屋へ到達する。
3人はそこで地球を救うための条件をクリアして選ばれたのだと言われる。
さらにはいきなりネガアースへと放り出されモンスターと対峙する事に。

まるで小さい子向けの学習マンガみたい、というのが第一印象っすね。
毎回必ずひとつの元素とその化合物を扱って話が組み立てられてるし。
元素が失われていって世界が危機に瀕してるから元素を回収するとか、
学習素材のためにでっちあげたような無理すぎる仕掛けを使ってるから。
教育テレビで放送するのがこれほど似合う作品もそうそうないかもねと。
ちなみに元素をマナとかに置き換えると大作RPGっぽい設定になります。
ゲームファンタジーな世界観だと不思議と違和感を感じなかったり。
しかし現実にある要素を使ったとたんにとても嘘っぽくなるのだった。

もうひとつ思ったのはNHKなのに玩具アニメっぽいってことかな。
メンバーがエレバイルというPDAのような携帯端末を使ってるのです。
玩具っぽいチープさはないけど色とか形とか玩具展開し易そうだなと。
チープな玩具があってそれをそのままアニメに登場させるのではなく
玩具化しやすそうな本物アイテムを作中で効果的に使ってるのです。
実際にエレバイルは玩具として発売されてるよ。
これって最初から玩具アニメとしての要素があったのだろうか!?
それとも小さい子には玩具的なものが有る方がウケると思ったのか!?

ほぼ学習アニメで対象年齢がわりと低めに設定されてる作品なので
描かれてるストーリーはわかりやすくシンプルな構造になってます。
でも悩んだり考えて納得したりとちゃんとステップを重ねています。
世界を救うための危険な任務をお願いされてもすぐに承諾しないし。
ライバルが出てきて競い合ったり、時には助け合ったりします。
子供向けでシンプルだけどいい加減に作ってあるわけではないです。
小さい子以外は物足りないと感じる可能性がありますが。


募集しても人が来ないなんて (10/5/12) 次へ 前へ
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そんな羨ましい世界に行きたいです。

なんてわからない人にはさっぱりわからない話題は置いといて。
なんとか恒例のコミックお薦めを更新しました。2月分です。
今回は何とかなったようです。次回も時間があれば何とかなりそう。
もちろんコメントを書かない現状維持での更新の話ですが……

今回は時間がないので簡単なフォーローもなしで。


いつものアニメの感想に行く前に一つだけ。
アニメ動画配信サービスナビがやっと懸案だったGyaO!に対応しました。
配信サイトとしては大手だし画質は一番だから早く対応したかったけど
サイトの構造に問題が有りすぎてリストを合成するのが大変でした。
無料配信分(GyaO!)と有料配信分(GyaO!ストア)が別サイトになってるし、
有料分は作品ページが無くて単話もパックもフラットに出てくるし、
無料分だって1話お試し無料と現在配信中のページが別になってる。
(1話無料分がストア側にある作品もある)
どういう感性だとこんなサイト設計になるのか不思議でしょうがない。
画質が悪かったら頭の中から存在を抹消したくなるよ……


「WORKING!! 1〜6話」
4月から一部の民放(4局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
原作はスクエニ系(ヤングガンガン)のマンガで1巻だけ読みました。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(1巻はリリース済)
北海道の某所にあるファミリーレストラン「ワグナリア」
そこで働いてる人たちは個性的というには常軌を逸した人たちばかり。
身長が足りなくてたびたび人に仕事を変わってもらってる人だったり。
男が怖くて緊張のあまり鋭いパンチで殴り飛ばしてしまう人だったり。
美人で仕事も完璧だけど常に腰に物騒なものを携帯してる人だったり。
物腰柔らかくて愛想も良いけど物知り過ぎで素で真っ黒い人だったり。
食べてばかりで働かないどころか客を蹴り飛ばすような店長だったり。
一番偉いはずなのに滅多に店にいない影が薄いマネージャーだったり。
見た目が怖くて実際に怒ると怖い人が一番まともだったりするぐらい。
高校生なのに小学生サイズの種島ぽぷらに誘われ(ノックアウトされ)
この店で働くことになった(自称)普通人な小鳥遊(たかなし)宗太は、
こんな人たちの中でやっていけるのか?と心配になるのだった。

個性的な人たちが集うという形容はキャッチコピーの定番中の定番で
この作品も公式サイトを見れば分かるようにそう書いてあるわけです。
でも実際に見た人ならこれを「個性」と呼んでいいのか?と思うはず。
それほどに常識の範疇を逸脱したキャラが並んでる作品と言うわけです。
さらにその人たちが一から十まで変ではないところがポイントなのです。
2割ぐらい変な要素を持ってる以外はいたって普通の人だったりするし。
明らかに異常なキャラ造作ではなく、リアルを誇張したキャラでもなく、
リアルっぽいけど現実から逸脱した要素を持ってるキャラなわけです。
みょーに地に足がついてるので逆に変人っぷりが際立ってるのです。
(地に足がついてないとただの荒唐無稽なキャラでしかない)
変人同士が組み合わさることで化学変化が起こってさらに面白いのです。
それはもう、かたなしクンじゃないけどこの店大丈夫か?と思うほど。
まぁ、かたなしクンだって人のこと言えないほど変人ですが……

ワグナリアのメンバーの中でも最も印象強いのはやっぱ伊波さんですね。
男性恐怖症で男は乱暴で怖いと言いながら鋭いパンチで殴り倒すという。
男性が苦手なので当然ながらお客さんが男の場合なんかとても大変です。
殴りそうになるのを我慢するので精一杯なのでとても仕事になりません。
我慢で(力んで)赤面して涙目で震えてるのが可愛くて誤解しそうです。
(誤解して身を乗り出したりすると昇天させられるけど)
人手の関係で男性客の食器を下げないといけない状況になった時なんか、
片付けていいか聞くところで「お殴りしてよろしいですか?」と聞くし。
その片付けは違うから!と全力でツッコミ入れたくなったですよ(笑)。

この伊波さんとかたなしクンの組み合わせが最悪で最高に面白かった。
かたなしクンは12歳以上は年増と言い切る残念な思考回路の持ち主で、
(子供を含む小さい生き物全般が好きなのでロリコンとは少し違う)
当然ながら伊波さんは彼の趣向の対象外で冷めた態度になるのです。
見た目はカワイイんだから普通なら仲良くしようと思う対象だろうに。
さらに同じ歳の種島さんは(小さいから)特別にチヤホヤしてるわけで。
元から男が苦手なのにかたなしクンの刺々しい言葉で怒りが増幅する。
好みでない上に殴られるから余計なことを言いたくなるんだろうけど。
二人の間を行き交う負の連鎖は事態をひたすら悪化させていくのです。
それを傍から見てる分には腹をかかえて笑うほどに面白いわけで。
もしも現実に伊波さんがいたりこの関係が有ったら逃げたくなるけど。
それに意外といいコンビだと思った。かたなしクンが殴られる以外は。
かたなしクンがあまり気の毒に見えないのは半分は自業自得だからか。
(相馬さんも口は災いの元を身を持って体験してたし)

これの原作ってアニメだけだとわからないかもだけど4コマのマンガです。
旧来の1本ごとに独立したネタで切ってるストーリーの無い体裁ではなく、
4コマごとにテンポを形成するショートストーリーなスタイルの作品です。
よーするに「けいおん!」「ひだまりスケッチ」と同じタイプってこと。
きらら系ではなくスクエニなので男キャラが多くてアニメでは珍しいけど。
主人公が男で周りに女キャラが目立つのに全くハーレムな構図じゃないし。
まぁ、かたなしクンの場合は自分から望んでそうなってるわけですが……
有りそうで(アニメでは)今まで無かった構図なのが人気の一端なのかな?
いや、まさかトップ争いをするほど人気が出るとは思ってなかったから。
(そこそこウケるとは思ってたけど)

4コママンガはべたっと映像化するには描写や説明が根本的に足りません。
実際にこのアニメの原作でも働いてる描写が少なかったりするわけで。
そのへんはアニメではかなり描写を足してあってちゃんと働いてます(笑)。
当たり前と言えば当たり前だけど動きがあるので実にアニメらしいです。
普通のマンガに比べて4コマは動きが省略されたり簡単になりがちなので、
アニメでは動きをしっかり描写してキャラを生き生きと見せてるのです。
例えば種島さんの仕事を教えてるとこで背伸びしても手が届かないとか。
伊波さんのパンチもアニメだと動きがダイナミックで見栄えがいいです。
このへんなんか特にだけどアニメ化したメリットを実感させてくれます。
伊波さんのパンチの構図が毎回やたら力が入ってる気がしますが(笑)。

4コママンガの1回分だとアニメの1回どころか半分にもまるで有りません。
「けいおん!」のようにエピソードを足して膨らませる必要があります。
「みなみけ」(無印)みたくショートエピソードを並べる方法もあります。
で、この作品はどうかと言うと、複数のエピソードを切り貼りしてある。
ただ繋いでるだけではなく削ったり足したり挿入してたりしてあります。
その回の中心的なキャラのエピソードを集めてリミックスしてるのです。
原作を見ると驚くほどあちこちの内容を切り貼りしてるのがわかります。
原作のテイストに忠実だし内容も使ってるけど構成はかなり違うのです。
まぁ、エピソードの前後関係が無いので特に問題は出てませんが。

せっかく1巻分だけ対応を確認したので書いておきます(登場順)。
1話。原作17品、1品、3品、2品、5品。
2話。原作5品、7品、6品、10品、12品。
3話。原作18品、4品、13品、8品、9品、16品、19品、15品。

4話〜6話はすでに大半が1巻の内容じゃありませんでした。
3話までに(部分的なのもあるけど)1巻の大半は使い切ってるから。

アニメで原作より登場人物の出番が前倒しになってるのは定番すね。
1話から(まさに)キャラ紹介的にレギュラーキャラが全て登場してるし。
実はアニメだと1話から登場してる相馬さんって原作1巻にいないのです。
つまり1巻分の3話までの登場シーンは全て描き足した部分ってことです。
他にもキャラの登場がさりげなく追加されてる部分が随所に有ります。
(キャラ紹介にCV無しで載ってる松本さんも毎週さりげなく出てる)
構成を大幅に組み直したことでキャラを実感させやすくもなってます。
舞台を原作より現実っぽく描いてるので変さも余計に引き立ってます。
この作品の場合は現実っぽくしたのと再構成が効果的に効いてますね。

ちなみにこの作品もサントラが限定版DVDに付属しています。
それどころか主題歌CDすら限定版DVD(1巻)に付属しています……


「ちゅーぶら!! 1〜6話」
1月からAT-X(のみ)で深夜に放送してた全12話の新番組。
各バンダイチャンネルで有料配信中です(最新話無料配信は終わりました)。
原作は青年誌(コミックハイ!)のマンガで1巻だけ読んだことが有ります。
※レンタルDVDはセルDVDとほぼ同時リリース(2巻までリリース済)
中学校の入学式で新入生代表で挨拶をするほど成績優秀な葉山奈由は
下着のデザイナーだった祖母や兄の影響もあって下着が大好きだった。
同級生が驚くような大人な下着をつけていて酷い誤解を受けたりもした。
過激な下着で男を誘惑するためだとか。影で援交をしているのだとか。
奈由はただ素敵な下着が大好きで装えることが楽しかっただけなのに。
みんなに下着の素敵さや下着の大切な役割を伝えたかっただけなのに。
そんな思いから奈由は理解ある友人たちと下着同好会を作ることに。

とりあえず、よくこんな扱いの難しい作品をアニメ化したなと思った。
中学生女子の下着が乱舞する作品を放送できる枠はほとんど無いのに。
唯一のAT-Xの放送ですら視聴年齢制限がつけないと無理だったろうし。
(「こじか」は視聴年齢制限を嫌ってAT-Xで放送しなかった)
でもだからと言ってエロ目当てで見るような作品ではないわけで。
もちろんエロ目当てで見てもいいけど、あまり満足できないと思うよ。
あくまでも当事者が自分たちの下着について知っていく内容なんだし。
男のエロい視点で下着を見るフェチくさい内容にはなってないから。
男子は知らない女子の事情を知るところが興味深いという方向性だし。
あえて言うなら切実な事情を知ることでそそられる部分も有るような。

このアニメの原作が載ってるコミックハイ!というマンガ雑誌は
男性向け少女マンガなる珍妙なコンセプトだと何度か書いたと思います。
で、この作品に関してですが、男性向け!?少女マンガって感じだったり。
下着のつけ方とか下着の意味や役割を丁寧に説明してる内容だから
当事者の女子中学生か小学生(高学年)に見せた方が意味ありそうだなと。
そのへんの人はアニメ放送の視聴年齢制限に引っ掛かってたけどな(爆)。
ついでに言うとそのへんの人はこれを進んで見たいとは思わないかも。
中学生日記みたいな作品だし(笑)。見たら楽しめる可能性は有るけど。
少女誌に載せるのは難しくて、かといって青年誌でのニーズも未知数。
そんなチャレンジャーな作品を載せるとこがコミックハイ!らしいね。

女性の下着を扱ったマンガと言うと他に「甘い生活」(弓月光)という
コミックスが37巻も出てる作品があったりします。
テーマがテーマなのでこの作品同様に下着姿や裸がてんこもりです。
違い有るとすると男性作家なのでこれよりずっとエロくさいとこかも。
主人公(男)が採寸のため触っただけで触られた女性は感じちゃうとか。
この主人公は天才的な女性下着のデザイナーで魔法の手を持ってるけど
女性の裸を見ても全く欲情しないという性欲が欠落した人なのです。
そんな特徴的な設定を持ったエンターティメント性の強い作品です。

対してこちらは当事者の話なので等身大で切実なのがポイントっすね。
日常の延長線上でいかにもお話って感じの内容にはなってないのです。
実際に下着同好会を作ろうなんて人は現実にはまず居ないでしょうが。
下着が好きで追究する人は居るだろうけど大っぴらにはしにくいから。
理屈で言えば現実に有っても不思議はない、でも現実には存在しない。
そんな微妙な線を描いてるから説得力があってインパクトも有るのです。
現実の延長として描いてるから下着が乱舞するわりにエロくないのです。
アニメも原作のテイストを見事に再現してるのであまりエロくないです。
やたらと下着が乱舞してるし場面転換のワイプなんてパンツなのに(笑)。

同じコミックハイ!には「女子高生 (GIRL'S-HIGH)」(大島永遠)という
女性視点の明け透けな内容を描いた作品がかつて掲載されてました。
※このアニメに登場する「セレ部」はそこから持ってきたネタ
4年ほど前にアニメ化されてるので知ってる人もいると思われます。
で、そのアニメですがスタッフのせいで原作とはずいぶん違うものに。
内容がアレンジされて台無しになってるとかそういう意味ではなく、
男性視点になってて原作の明け透けさがすっぽり欠落してたわけです。
かわりにあざといエロ視線がやたらパワーアップされてたりもして。
明け透けなのにエロじゃないのが面白いとこなのにとガッカリしたよ。

でも今にして思うとその方向は売るためには正しかったのかもしれない。
原作のテイストを完璧に再現しちゃったこれを見るにつけそう思います。
※このアニメはコアスタッフが女性ばかりです
サービスシーンも結構入れてあるんだけど、焼け石に水って感じで。
ああ、これじゃ売れないだろうなと……
私はこの媚びない作り方のほうが好きだし、大いに評価してますが。

原作とアニメの違いについて。
アニメを見た後に手元にあったコミックスの1巻と比較してみました。
ざっと見比べた感じでは細部が多少違うけど大筋で原作に沿ってました。
1巻分に関しては原作の2回分がアニメの1話にキレイに対応してますね。
1話だけ原作の2回分の内容を組み直してあるのが目立つ違いかなと。
階段を落っこちるシーンと遥のブラのシーンは原作だと別々だから。
助けたことで打ち解けて誤解が解ける流れはアニメでの再構成なのです。
この効果的な原作の再構成の手法はいかにも吉田玲子さんらしいなと。
※シリーズ構成も(けいおん!!をやってる)吉田玲子さん

いじわる三人組の存在感と陰険っぷりも凄くパワーアップしてますな。
特に好きな先生が奈由の下着によろめいて逆恨みって説得力が有りすぎ。
(原作の1巻にはそんな理由は出てきません)
遥の大きな胸のコンプレックスの描写も凄く切実に掘り下げられてるし。
4話のモデルになることを躊躇するあたりは原作だともっと簡単なので。

原作よりもアニメの方が印象があっさりしてる部分も有ります。
原作は結構ドロドロしてると言うか、ベタベタっとしてると言うか。
このドロドロっとした描写があまり好きになれなくて……
内容は意欲的だとは思ったけど積極的に続きは読まなかったのです。
対してアニメは表現がポップで勢いが有ってメリハリが効いてるので
より深いキャラ描写をしてるのに原作よりも見やすくなってる感じで。
内容は知ってて期待もそこそこだったけど、予想以上に面白かったよ。
売りにくい作品という印象は見る前も見た後も変わらなかったけど。

原作では読んでなかった分の6話に登場する清乃のスタンスも面白い。
奈由にとって下着とは(服の一種だし)自分が着ることが楽しいから。
そして体型を整えたり敏感な部分を守ったりする意味があるからで。
あくまでも自分にとっての楽しみや必然性を持った存在なわけです。
対して清乃は男に見せるため(誘惑)の下着という考え方を提示する。
例え機能性を損なっても相手を欲情させる下着があってもいいという。
下着にはそんな側面も大いにあるし、実際そういう下着はあるわけで。
奈由みたいに男の視点が欠落してる純粋な感覚のほうが稀だと思うよ。
でもあえて純粋な視点で下着の魅力や意味を最初に語ったのでしょう。
そして物語の土台が整ったところで本来あるもう一つの視点に言及する。
いかがわしいと言われる理由であるそこにあえて言及したのは凄いなと。
正直言ってこの作品がここまでしっかりした内容だとは思わなかった。


「B型H系 1〜5話」
4月から一部の民放(8局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
アニメワン・ShowTime他でも最新話無料配信中です(残りは有料配信)。
原作は青年誌(ヤングジャンプ)のマンガで読んだことはありません。
※セルDVD/BD・レンタルDVDは8/6からリリース
超絶美少女の山田15歳(処女)の頭の中は日々エロ妄想でいっぱいで、
彼女の立てた高校生活での目標はセクフレを100人作ること!だった。
美少女な彼女は当然ながら男にナンパされるのも日常茶飯事だった。
しかし処女だと馬鹿にされるのが怖くて誘いに乗ることができなかった。
最初の一人さえクリアできれば後はどんどん行けるはずなのにと思った。
そんなおり、山田は本屋で小須田と(山田曰く)運命の出会いをする。
平凡で冴えなくてモテなそうで、でもさりげなく優しい(気がする)彼。
彼なら初エッチの相手として気後れしないしバカにもされないはず。
こうして山田の初エッチを目指した小須田へのアタックが始まった。

ちょっとエッチな(テーマの)マンガって青年誌では一大ジャンルです。
内容的にとても放送しにくいのでアニメ化されることはまずないですが。
かと言って18禁のアニメにするには過激さはまるで足りないわけで。
つまりアニメとしてはとても珍しいタイプの作品ということになります。
(表面的にエロなのは腐るほどアニメ化されてますが)
この系統の作品もアニメ化される時代なのかと感慨があったぐらいです。
でも珍しいジャンルのアニメ作品って以上は期待をしてなかったけど。
だから実際に見て予想してたよりもずっと面白くてビックリしました。
青年誌によくある安易でちょっとエッチなマンガじゃないじゃん!と。
ストレートにエッチをテーマにしながら安易にエロに頼ってないし。
むしろ脈絡もなく裸の出てくる萌えアニメよりあざとさは低いぐらいで。
もちろんエロ展開もあるけど内容に沿ってるから共感できるわけです。
表面的なエロは面白くないけどこんな感じのエロなら見てて楽しいなと。

美少女なのにプライドが高くて恋愛経験値が低いって設定は面白いね。
山田のルックスならプライドさえ低ければ全く苦労はしないだろうに。
実は内面がとても臆病でプライドで外面を武装してるわけだけど。
だからイケメンに気後れして小須田なら安心できるのは当然と言うか。
小須田は最初のステップで捨石よとか不届きなことを考えてるけどね。
そんな小須田すら思惑とは裏腹に簡単には攻略はできないわけです。
体をはった猛烈なアプローチをするものの凄く的外れだったりして。
(妹に凄い剛速球を持ってるのにノーコンだとか言われてたり)
ただエッチができればいいと思ってたはずが次第に惹かれていくのです。
入り口がとんでもないしプロセスも変だけど意外にもラブ展開なのです。
凄いビーンボール気味でギャグ色が強いけどちゃんとラブ展開なのです。
映像としての出来はいいし題材の描き方も予想よりずっと面白かったです。

青年誌のエッチなラブコメの主人公は冴えない青年の場合が多いです。
そんな青年がなぜか美少女に惚れられる(ありえない)展開が多いです。
自分を磨いてないから自信がなくて受身になることが多いのです。
それでも相手のほうがエッチも含めて積極的で関係が成り立つのです。
あまりにもご都合主義というか、現実逃避し過ぎだろうって感じです。
実はこの作品も視点を小須田にするとまんまその構図だったりする。
読者のコンプレックスを刺激しないような構図の縛りでも有るのかね?
ただこの作品はありがちな構図を視点を変えることで面白くしてある。

美少女が冴えない青年を相手に選んだ理由がちゃんと存在してるし、
エッチも含めて積極的にアプローチするのもちゃんと筋が通ってる。
積極的だけど本心は臆病だから行動がチグハグになったりするのも、
小須田から見るとラブコメでよくある謎めいた女の子の行動に見える。
ご都合主義なラブコメに出てくる女の子の側に視点を持っていって
男に都合のよい行動を女の子の側の心理で筋が通るようにしてある。
まるで最近の肉食系女子の空回りまくりの恋愛事情な感じになってる。
こーゆーやり方もあるんだ!と目から鱗が落ちました。
昔読んだこの作者の作品はろくな印象がなかった(本も残ってない)のに、
ずいぶん面白い切り口の作品が描けるようになったなと驚きました。
そのうち原作コミックスも読んでみようかな。
(アニメを面白いと思わなかったら後で原作を読むことはありません)

エッチがテーマなので当然ながら放送できない際どい描写があります。
そんな際どい描写は(AT-Xも含めて)放送だと「見せられないよ」的な
マスクが被さっててちょっとギャグっぽい絵面になってたりします。
例によってDVD/BDだとそれが全開放されるバージョンになるみたい。
放送版でも雰囲気がエロいから達人なら想像で補完できそうですが(爆)。
ちなみになぜか半パート毎に1話の扱い(毎回2話放送)になってるので、
DVD/BDの4話収録はつまり(よくある)2回分の収録と言うことです。


「星の海のアムリ 1〜3巻」
2008年にリリースされた30分×全3巻のOVA。DVDレンタル。
各バンダイチャンネルで有料配信中。AT-Xでも今月末に放送の予定。
※セル・レンタルDVDは全巻リリース済
現在より科学技術が発達して人が宇宙へとその歩を進め始めた時代。
地球に降り注ぐ放射線がアダプターと呼ばれる新人類を生み出した世界。
旧来の人類よりも強い耐性を持ち真空にも耐えられるアダプターたちは
その特性を生かして宇宙ステーションの作業に従事することが多かった。
主人公のアムリもその時、宇宙ステーション桃色珊瑚にいたのだった。
(ここまでの内容は作中でろくに説明されません)
突如として正体不明の存在に攻撃を受け桃色珊瑚が破壊されたその時に。
そしてアムリは真っ暗な星の海へと生身で放り出された。

一部ではなく全てがCGによって作られているアニメ作品です。
いかにもなアニメ絵をトゥーンシェードで動かしてる作品です。
CGの利点を生かしたダイナミックでスペクタクルな映像の作品です。
現実の模倣ではなく動きも構図もデザインもいかにもCGって感じてす。
派手だしキレイだしよく動くし表現が冒険してて視覚的には面白いです。
少なくとも見た目に関しては一見の価値が有ると思います。
アニメーションという言葉を正しく表現してる作品って感じです。

ストーリーに関しては、何と言うかかなりぶっ飛んでます(爆)。
テーマはそんな難しいわけではなくストーリーも結構シンプルです。
ビジュアル的に見せるシーンが多いので尺のわりに内容は薄いです。
ストーリーよりもビジュアルに時間を割く手法も有りだとは思います。
問題はこのテーマを描くのにこのストーリーが適切かということ(爆)。
だって触れ合えないから触れ合いたいという個人的な心の問題を、
地球人類の存亡をかけたド派手なストーリーでやってるんだから……
風呂敷を広げるにしたって限度ってものがあるだろうって感じですよ。
内容ではなくビジュアルで見てる人を強引に感動にねじ伏せてるし。
良くも悪くもアニメーションという言葉を正(以下略)

※レンタル版には本編しかついてません


「迷い猫オーバーラン! 1〜4話」
4月から一部の民放(2局)・アニマックス・BS11で深夜に放送してる新番組。
AnimateTV・バンダイチャンネルで最新話無料配信中です(残りは有料配信)。
原作はライトノベル(スーパーダッシュ文庫)で読んだことは有りません。
※セルDVD/BD・レンタルDVDは6/25からリリース
都築巧(たくみ)は洋菓子店ストレイキャッツを経営する姉と二人暮らし。
この姉は困ってる人を放っておけず世界の果てにも駆けつける性格で、
頻繁に店を留守にするので実質は巧が店を切り盛りしていたのだった。
幼馴染の芹沢文乃(ふみの)や友人の幸谷(こうや)大吾郎の助けを借りて。
そんなある日のこと、いつものように人助けの旅から戻ってきた姉が、
いつものように拾ってきたのだ、猫……耳っぽい髪型をした女の子を。

何といいますか……酷いね。ストーリーが。
そこそこ中身がある内容をどうするとこう酷く出来るかなって感じで。
ダメすぎのストーリーをギャグをばら撒いて誤魔化してるみたいな。
てゆーかこの作品の本質はギャグでストーリーはオマケだったり!?
内容がシリアスに振れる3話が特にストーリーの酷さが際立つし。
かと言ってギャグ作品としても勢いがあるわりに表現が滑ってるわけで。
3話終わった時点で次を見るのがかなりイヤになってました。
これに比べればまだ大魔法の方が(凄くチープだけど)楽しめるよ。

しかし4話で印象が一変する。ギャグのキレが3話までと天地ほど違う。
表現の誇張やハッタリやメリハリのつけかたが断然上手くなってる。
雰囲気が盛り上がった瞬間にギャグっぽいシーンに切り替えるとか、
巧と夏帆の裸のシチュエーションで何故そっちをやるかな構成だとか、
ピンポンのシーンの投げやりリピートとか、全編演出が冴えまくりで。
内容は3話までと大差ないのに演出の超絶ドーピングで面白い作品に。
これ誰?ナベシン?とか思ってたら大地丙太郎さんじゃないですか!
そーか、このクラス(佐藤順一さんや新房さん)なら面白くできるんだ。

なんかこの作品は(作品自体の)監督がいないんだそうで。
1話毎に監督を立ててやりたいようにやらせたとかそんな感じみたい。
実際、1話毎に表現スタイルが変わるし、雰囲気もずいぶん変わります。
そんな1話毎に表現スタイルを変える作品があってもいいとは思います。
実際に「うる星やつら」なんか回によってスタイルががらっと変わるし。
でもそんな演出が好き勝手にやってるように見える作品と言うのは
凄腕の監督が上に立って全体の質を完璧にコントロールしてるわけで。
決してシリーズの監督を立てないなんて無謀なやり方ではないのです。
この作品がコンセプトのわりに質が伴わないのはつまりそーいうこと。

つまり、大地丙太郎さんをシリーズの監督にして4話以外作り直せと。


戦わない軍隊 (10/5/2) 次へ 前へ
目次へ

「けいおん!!」の主題歌の2曲が次週のオンコン週間ランキングで
1、2位を独占することが確実になったご様子。2位が3位の4倍弱だし。
(どちらも初週だいたい7〜8万枚ぐらい行きそう)
バカ売れするジャニーズ関係がいない週とはいえやっぱ凄いっすね。
発売週が数週ずれたとしても4位以上に確実に入れる数値だから。これ。

にしてもオーソドックスなED曲はともかくあの凄いマニアックなOP曲すら
「けいおん!!」の人気に引っ張られて売れるんだから恐るべしというか。
前のOP曲もわりとマニアックだったけど今回のはコア過ぎな曲だから。
ボーカルもバンドやカラオケで真似するにはちょっと難しすぎだし。
何度も聞いてるうちに良くなってくるスルメな楽曲という評価と、
前作に比べると全然ダメって評価で両極端なのも当然というべきかも。
こんなに売れてるのが何かの間違いとしか思えないぐらいだから。
いろんな音楽を知らないのに大丈夫な人は頭が柔らかいのだろうね。


動画配信情報について。
裏僕とKiss×sisの配信が始まったのでたぶんこれで4月組は全部でしょう。
後は新番組の配信に消極的なTBS・ポニーキャニオン・アニプレだけだし。
今期の人気作品のトップ3が全てそれで一つも配信がないのがアレだけど。
特にTBSの動画配信のやる気のなさには困ったもんです。
去年の7月期以降の新番組で配信してるのまだ一つもないんだから。
(デュラララ!はMBS製作で配信はアスキーメディアワークス扱い)

ちなみに新番組の動画配信を積極的にやってるレーベルは
めぼしい配信サイト全てに自前提供してるメディアファクトリーと
(あにてれのテレ東と関係ない作品はメディアファクトリー提供)
自前の配信サイトを持ってる角川とShowTime優先配信のMMVっすね。
この3社はYoutubeやニコニコに公式を持ってるという共通点もある。

あと角川系の角川コンテンツゲートが結構積極的に配信してますな。
角川コンテンツゲートって何?って感じですが主にAMWを扱ってます。
角川系のアニメ作品って本家である角川エンタ扱いの作品とは別に、
他の製作会社(スタチャ・ジェネオン・アニプレなど)からDVD/BDが出る
アスキーメディアワークス(ほとんど電撃文庫)の作品があるわけで。
そして角川エンタの作品よりもヒット率は高かったりするわけですよ。
それらの作品が配信では角川コンテンツゲート扱いになってるみたい。
最近のだとレールガンやデュラララ!の配信がKCG扱いになってます。
※れでぃ×ばとはBIGLOBEストリーム≒アニメワン扱い

その角川コンテンツゲート扱いの作品の一部が今週からShowTimeでは
バンダイチャンネル経由での提供ではなく直接提供になったみたい。
インデックス・レールガン・デュラララ!の3作品がロゴなしになったし。
無料分も嫌がらせの邪魔なテロップ入りやLB収録では無くなってます。
(切り替えにあわせて6話まで今だけ期間限定で無料になってます)
邪魔なテロップはアレだけどロゴは入れておいたほうがいいような気も。
ちなみにShowTimeではバンダイチャンネル扱いでの配信を終了して
直接提供に切り替えるということをわりとしょっちゅうやってます。
(バンダイチャンネル扱いを終了してそれっきりなのもあるけど)

話はTBSに戻って。
なんか5月1日から「けいおん!」(一期)の配信が始まったようです。
場所は各所のTBSオンデマンドで。ことアニメに関しては超辺境の。
ろくなアニメ作品がないからリストなんてクロールしてなかったよ!
gooだけはアニメのリストに一緒に混ざってるので出てくるけど。
ShowTimeやDMMでは別扱いでアニメのリストに出てこないから面倒です。
何のためのアニメのリストやねんって感じ……
(ShowTimeは今アニメのとこに誘導バナーが貼ってあるけど)
ちなみにフジテレビOn Demandも別扱いでアニメのリストに出ないです。

その「けいおん!」の配信ですがサムネイルではワイド素材に見えるね。
もしかして配信はワイドなんだろうか?レンタルDVDは4:3なのに。
実際のところは無料サンプルがない(1話から有料)ので確認できません。
さすがに確認のためだけに金を払うのもバカらしいしな……


「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 1〜12話」
1月からテレビ東京系(3局)とAT-Xで深夜に放送してた全12話の新番組。
ShowTime・あにてれ他で有料配信中です(最新話無料配信は終わりました)。
※レンタルDVDはセルDVD/BDと同時にリリース(2巻までリリース済)。
現実とは違う世界。近代に極似した世界。そして未来の一つの可能性。
空深(そらみ)カナタは小さい頃に迷子になって出会った女性兵士の
トランペットの演奏に魅せられ喇叭手になるために軍へと入隊をした。
(この世界では音楽は軍隊でしか教えてくれないらしい)
入隊したカナタが配属されたのはセーズという辺境の街の小さな砦。
砦を守る第1121小隊はカナタを含めて全員経験の浅い若い女子ばかり。
それもそのはず、ここセーズはヘルベチアの西の国境に近いとはいえ
国境の向こうには人の住めないノーマンズランドが広がってるだけで
要衝でも何でもない中央には存在を時々忘れられる部隊だったのだから。
そんな戦場から遠く離れた辺境の砦でカナタの新しい日々は始まった。

まず思ったのが、とても意欲的な作品ってことでしょうか。
世界の作りこみといい、画面の描きこみといい、キャラの描写といい、
作品のアプローチといい、物語構成といい、一線を画している感じで。
女キャラばかり並べた萌えアニメなキャラ構成でも作り方次第と言うか。
見てて幾度となく宮崎アニメをイメージすることが有ったぐらいです。
最後に進軍を止めようとするとこなんかまるでナウシカみたいだしね。
※内容は全く似てないです

この作品の宣伝画で最初にイメージしたの現実に近い日常の話でした。
終わりつつある世界ってことでSF的な味付けがしてある?みたいな。
実際に見てみたら軍隊の話でイメージと全然違うじゃんとか思ったよ。
でも軍隊といいながら戦うことはなく日常生活のシーンばっかりで。
最初のイメージは確かに間違ってたけどそんなに遠くなかったかもと。

上にさりげなく書いてあるけど、この作品は(ほとんど)戦いません。
戦場から遠い辺境の5人の少女だけの警備隊なあたりで察しがつくかと。
(少女だからというよりろくに経験の無い人たちというのがポイント)
アニメではそんな部隊でも普通に戦う展開がゴロゴロしてたりするけど
現実だったら戦う可能性のある場所にそんな配置はしないわけで。
それに砦のみんなは積極的に戦いたくて集まった人でもないわけで。
状況的にも意識的にもこの部隊は最後まで積極的に戦わないのです。
最後の方で少しだけ戦うけど、それだって戦わないために戦うのです。
軍隊が舞台になっているのに戦わない作品って凄く斬新じゃないかと。

戦いがないなら何をやるのかというと、よーするに日常生活の話です。
軍隊としての日常も多少はあるけど、いわゆる普通の生活が多いです。
砦の軍隊という普通ではない舞台での普通の生活を描いてるのです。
たった5人でみんな同性なのでどことなく寄宿舎みたいな感じです。
ギムナジウムとかひみつの階段みたいと言って通じるかはアレだけど。
普通ではない舞台の中での女の子たちの日常を描いた作品ってことです。
すごい変化球ではあるけどとっても有りがちな作品だったりするのです。
世界の作りこみや画面の作りこみがそのへんの作品と凄く違うだけで。

その日常のエピソードも凄い事件とかが起きることは滅多になくて、
どちらかと言うと些細な見ようによっては取るに足らない出来事です。
カナタが風邪をひいてリオが薬を求めて奔走するとかそんな感じで。
でもそんな些細な出来事が瑞々しく描かれていてとても面白いのです。
キャラが生きてて、ちょっとした瞬間に感情があふれて来るのです。
些細な話をここまで面白く描けることに感嘆してしまうぐらいです。
些細な出来事の中で積み重なっていく人間模様が有ったりするのです。
そんなアプローチや欧風な街並みを丁寧に描いてる描写があいまって
なんとなくARIAを思い出したよ。行き止まりのとこはまんまだしね。
※ストーリーは似てません

この作品の舞台はセーズという小さな街とその近くにある砦だけです。
上に書いたようにヨーロッパのちょっとした田舎街という感じの舞台です。
とても狭い閉じた世界だけが視界で戦いとか別世界での出来事のようです。
しかし実はこの世界は過去に大きな何かが有って、大半の人々が死んで、
世界の多くが人の住めない土地になって文明も衰退した世界なのです。
それはいつもは感じないけど、ふとした瞬間に実感させられるのです。
街の外にはかつての文明(現代)の痕跡がさりげなく残ってたりするし、
ノーマンズランドという固有名詞の意味を思い知る瞬間があるのです。
こんな世界で生き延びる意味が有るのかってセリフが出てくるけど、
こんな世界になってもまだ愚かしくも戦いを続けるのかって思ったよ。
未来少年コナンでもあんな世界になってなお戦いを続けてたけど。
そーいう意味では戦わない軍隊こそがこの世界での正しい選択かも。

日常的にはほとんどヨーロッパのちょっとした田舎街だけど、
ふとした瞬間に世界が凄くシュリンクされてることを実感したりします。
ヨーロッパな文化の中にさりげなく日本的な文化が登場したりするし。
カナタの故郷はどーやら(現代の)日本の文化を継承した土地みたいで、
お味噌汁やらお盆の精霊馬を作ったりして他の人を驚かせてたりして。
(遺跡の文字とか見てるとセーズ自体が日本が有った場所っぽい)
ヨーロッパの街並みに日本の文化がさりげなく混ざってて面白いね。
つーか普通にガラス風鈴が飾ってあるけどこれ日本の文化のような。
この文化がさりげなく混じってるあたりもARIAを彷彿とします。

この作品は日常の些細な話がメインというかほぼ全部と書いたけど、
それでいったいこの物語にどうケリをつけるのかが凄く気になって、
6話まで見ていったん切ったものの、結局最後まで見てしまいました。
最後まで見るとなんで延々と日常を描いてたのかよくわかります。
あの日々を過ごしてきたからこそ最後にあの結論に至ったわけだから。
凄く生き生きとして魅力的だったけど内容的には些細だった作品が、
クライマックスに向かって一つの大きいな花火をぶち上げるのです。
映画ではないけどまるで映画のような華々しいクライマックスなのです。
同じジブリ風味で派手だけどアレ?な感じで終わったザムドと比べて
こっちはキレイに理想的に物語を終わらせることに成功してるのです。
10話が最終回のように終わって、この後どうするのかと心配したけど、
そんなの全く杞憂に終わるクライマックスがやってくるのです。

この作品の物語は淡々と来て最後に大きな花火を打ち上げる構成です。
でもクライマックスでいきなり物語が動き始めるわけではありません。
途中からきな臭い感じが少しずつ漂い始めるのです。
実は砦のメンバーにもそれぞれに重要な役割が割り当てられてるのです。
ただ単純に属性を割り振った女の子を並べてあるわけじゃないのです。
物語としてそこに存在する必然が一人として欠けずに存在するのです。
(本来は全ての作品がそうであるべきなんですが)
それが日常の些細なエピソードの中で次第に明らかになっていきます。
何の関係もないと思ってたバラバラの設定が繋がっていくのです。
一つ一つのエピソードにも全体としての意味が有るのがわかります。
特にただのメカオタクかと思ってたノエルの背景にはビックリだよ。
実は4話のノエルのセリフには凄く重い意味がこめられてるのです。
世界やキャラや物語をしっかり作りこんでるのを実感させてくれます。

メインキャラだけではなくサブキャラの扱いもよく考えられてます。
エピソード毎のゲストキャラかと思わせて継続して何度も出てきます。
小さな街だからかというのもあるけどサブキャラは何度も出てきます。
サブキャラに存在感が増すことで部隊と街の人たちが繋がってきます。
最初は嫌っていた人ともひょんな切っ掛けでわかり合っていきます。
そしてクライマックスでは街の人たちもカナタたちに協力してくれる。
人と人がわかりあって繋がって行くことが戦わないために必要なこと
最初から最後まで一貫してこの物語はそんなスタンスなのです。
戦わない軍隊というのはその象徴でありテーマの一端なわけです。

作品については以上で、後は蛇足。
クライマックスのカナタが空に向けてトランペットを吹くシーンを見て
ある古い映画(洋画)を思い出しました。
たぶん20年(より)以上前に深夜にテレビで放送してたやつで、
偶然つけたテレビでやってたのをいつのまにか見入ってたのです。
見たのがあまりに大昔で内容はほとんど覚えてはないんだけど。
戦場でトランペットを吹く青年(喇叭手?)が出る作品だったはず。
ラストに確か人の誰もいない(みんな戦死しちゃった!?)場所で
トランペットを空に向かって吹き続けるんだけど。それが凄く印象的で。
タイトルも内容も全て忘却したのにそこだけ記憶に残ってるのです。
このアニメを見ながらもしかしてスタッフはこの映画を知ってる?
とか思ったよ。ただの偶然の可能性も高いとは思いますが。


「地球防衛企業ダイガード 1〜6話」
1999年頃に放送された全26話のテレビシリーズ。
今のところDVDはレンタルしてません(レンタルはVHSのみ)。
各バンダイチャンネル・ShowTimeで有料配信中です。
これはShowTimeで期間限定無料だったのを視聴したものです。
現実に極めて近い世界。今よりも少しだけ未来の世界。
突如日本にヘテロダインと呼称される(意思のない)謎の存在が現われる。
通常兵器はヘテロダインには全く通用せず、OE兵器(≒核兵器)を使用し
甚大な被害と引き換えにして辛うじて撃退することに成功をした。
研究によれば今後もヘテロダインが出現する可能性があるのだという。
そのため国は対ヘテロダイン兵器としてダイガートを開発した。
しかしそれから12年もの間ヘテロダインは現われることはなかった。
ダイガートとその運用組織は民営化され民間の警備会社の所有となり、
イベントのハリボテマスコットの地位にまで落ちぶれたのであった。
そして今日も熱海のイベントにダイガードと広報2課は出張をしていた。
そこに偶然!?にも12年ぶりのヘテロダインが出現する。

ずいぶん前に1巻だけ見て時間が有ったら続きをと思ってた作品です。
しかし時間が経ちすぎでレンタル屋にはほとんど残ってなかったり……
今は興味があったら若干割高だけど動画配信を利用するしかないかも。
今回、ShowTimeで期間限定無料だったのでいい機会なので見てみました。
※もう期間限定無料は終わってます(1話はずっと無料)

前にも書いたけど正義の味方がサラリーマンって設定が独創的だなと。
警備会社だし元からダイガードのパイロットという肩書きだとは言え、
会社員として給料を貰いながら命がけで戦ってるわけですよ。
果たして命をかけるのに見合うだけの給料を貰ってるのだろうか?
とか考えてしまうほどにロボットアニメの現実路線が極まってます。
戦ってる相手が現実離れしてるので余計にサラリーマンが際立ってるね。
(怪物ではなく地震とか竜巻みたいな自然災害に近い存在らしい)
つまりダイガードを降りて退社しようとした青山の感覚は普通なのです。
あくまでパイロットは肩書きで広報課の一員って意識だったろうから。

世の中にはホントにダイガードを動かせて喜ぶ赤木みたいのもいるけど。
いぶきみたいにダイガードに乗るための切実な理由があるわけではなく
単に正義の味方に憧れるとかロボットに燃えるとかそんな感じの。
良くも悪くも子供っぽいというか真っ直ぐというかバカというか
今となってはこんな何も考えてない単純な主人公は逆に珍しいっすね。
今の時代に作ったら乗る理由があるいぶきが主人公だったりするかも。
あ、でも女キャラ占有率のやたら高い作品ばかりのこのご時世ですら
ロボアニメの主人公が女キャラってあまり無いような。なぜか。

そんな感じで主人公側の舞台装置はやたら現実的なのにも関わらず
なぜかダイガードというロボットはとってもオモチャっぽい……
あまり機能性を考えてないデザインで大昔のロボットみたいです。
しかも見た目はスーパーロボットなのに壊れ方はリアルロボット路線
実戦投入されてなかったのでハリボテに毛の生えた強度で壊れまくり。
たぶん実戦を積み重ねて次第にまともな兵器になっていくのでしょう。
大昔の感性と最近(90年代)のリアル志向の妙なコラボレーションです。
90年代って先祖帰りしたような勇者ロボ作品もいろいろやってたので、
そんな時代背景でこんなハイブリットな作品が生まれたのかもしれない。
私はデザインも徹底的にリアル路線で良かったと思うんだけどね。

ちなみにこの作品が放送された当時はほとんどアニメを見てませんでした。
しかしなぜかエンディングの「走れ走れ」だけは聞いたことがありました。
当時毎週見てたCDTVで流れてたこの曲のメロが凄く印象に残ってたので。
つまり当時から(今と変わらず)こんな感じの曲が好みだったわけです。


「会長はメイド様! 1〜5話」
4月からTBS系(3局)とBS-TBSで深夜に放送してる新番組。
原作は少女誌(LaLa)のマンガで1巻だけ読んだことがあります。
※セルDVD/BD・レンタルDVDは7/22からリリース
数年前まで男子校だった青華高校は今でも男子生徒が8割を占めていて
男子の臭い汚いだらしない振る舞いに女子は肩身の狭い思いをしていた。
そんな状況を打開すべく鮎沢美咲(みさき)は努力と愛想で信頼を重ねて、
生徒会長という便利な立場を(みんなの無関心もあって)手に入れたのだ。
生徒会長になった美咲は学内の雰囲気を変えるため厳しい態度で臨んだ。
反発する者もいたが美咲の腕っ節の前にみんな従うようになっていった。
成績優秀にして武道を嗜む美咲には付け入る隙などないように思えた。
しかし美咲は学校の誰にも知られてはいけない秘密を持っていた。
それはメイド・ラテというメイド喫茶でアルバイトをしてること。
もしもこの姿を知られてしまったら生徒会長の威厳が崩壊しかねない。
にも関わらず学校一のモテ男・碓井拓海(たくみ)に知られてしまう。
大ピンチに陥った美咲の未来はどっちだ?みたいな。

まず見て思ったのが、とっても少女マンガらしい作品、でしょうか。
その形容何度目だよって気もするけど、そうとしか言いようがないし。
相手役がイケメンで主人公の弱みを握って翻弄するとか超お約束だし。
成績優秀な上に腕っ節も強くて料理まで上手いとかスーパーマンだし。
(文武とも美咲と拓海は学校内での双璧の存在)
外見も中身も特級な彼だから毎日のように女の子に告白されまくりで。
だけど寄ってくる女子には全く興味を持たず端から切って捨ててたり。
女の子の味方である美咲にとってそんな彼の所業は許しがたいわけで。
(理由があって)男嫌いだし、自分の前を走ってるのも気に入らないし。
当然のように美咲の拓海に対する態度はツンツンになるわけです。
でもそんな媚びない態度が逆に拓海の興味を引いてしまったという。

このモテ男がなびかない女子に興味を持つのも少女マンガの定番です。
男を蹴散らすぐらい凛々しい主人公も今の少女マンガでは定番ですね。
つまりこの作品は少女マンガのお約束を凝縮した作品ってことです。
素材はいいのに(事情で)装うことに興味がないのも有りがちだしね。
それってメガネを取ったら実は美少女だったの変形みたいなもんだし。
さすがに今はメガネを取ったら〜はネタ以外で使う作品はないけど。
元がいいので磨けば光るみたいなのはよくあるパターンの一つですよ。
この作品ではメイド姿がカワイイので普段着の残念度が際立ってます。

そのメイド姿こそがこの作品が有りがちな少女マンガでないところ。
メイドと言ってもお手伝いさんの着るような地味なメイド服ではなく、
いわゆるメイド喫茶のフリフリブリブリなメイド服なのがポイントです。
てゆーか内側を描く以前にメイド喫茶って他の少女マンガに出てくる?
(男性向けの)萌え系マンガではわりとポピュラーな存在では有るけど。
まぁ、メイド喫茶は基本男性向けとはいえ働いてるのは女性なのだから
働いてる側の視点を少女マンガで描くのは十分にアリだと思うけどね。
興味があってもお客や従業員として入るのは敷居が高いだろうから。
そしてメイド喫茶の文化を知らない人間の視点があるのも面白いすね。
萌え系作品だとメイド喫茶の文化の肯定が物語の前提になってるから。
妹デーでの立ち振る舞いに試行錯誤する美咲の姿がとても楽しかった。
ほのかの萌えマニアな性格と時々見せる黒さのギャップも面白いし。

原作コミックは1巻しか読んだことがない(持ってない)ので
アニメでメイド喫茶のエピソードがずいぶん多いことにちょっと驚いた。
※1巻分は1話・2話・5話とたぶん6話
アニメがこれってことは2巻以降はメイド喫茶の話が多いんでしょうか。
それとも視聴者のインパクトを強くするために前の方に入れただけ?
9巻もある原作っていったい何をそんなに続けてるんだろって感じです。
あとこのへんは読みきり構成だけど先に進むと続き話になるのかな?
ちなみにアニメの放送は2クールあるみたい(DVD/BDは全10巻)です。

このアニメの表現について。
マンガ的に文字を散りばめたり絵を崩したりポップな表現てんこもりで
キレのある演出でテンポよく畳み掛けてくる感じでとても楽しいっすね。
内容がありきたりだからこそ演出の差が面白さに直結してくるというか。
誇張したキャラをわざとらしく表現して見せるからこそ面白いというか。
頭に花の咲いたようなさつきさんの言動で実際に花を飛ばしてるし。
(声が同じせいで初春がそのまま歳を取ったようなイメージに)
少年マンガとは全く違った方向に進化したデフォルメ表現って感じかも。

ちなみに演出手法としてはスキップビート!と結構似てるかなと思った。
そして絵の安定度も演出の完成度もスキップビート!より上って感じ。
(ストーリーはスキップビート!の方が上ですが)
スキップビート!でやってたマンガ的アニメ表現を完成させたみたいな。
スキップビート!のアニメ表現って実は意外と特徴的だったのかも。
確かに少女マンガアニメの系統だけどここまで徹底してるのそうないし。
リアル系とは違うこの手の表現もまだまだ追究の余地は有るのでしょう。

原作との違いについて。放送と手持ちの1巻とざっと見比べた限りは
細部は多少違うとこもあるけどストーリーはほとんどそのままでした。
上のほうに書いたようにエピソードの順番が入れ替わってはいるけど。
このへんは1話読みきりの内容なので入れ替わってても問題ないです。
あとアニメは原作に比べて多少余裕を持った構成になってると思った。
てゆーか原作の1巻は内容を詰めこみすぎでコマが詰まりすぎなので。
アニメの方で多少の手直しをしてあると考えるのが丁度いいような。
原作のイメージが壊れるような見た目や内容ではないので大丈夫です。
サブキャラが最初からちゃんと見分けがつくのはアニメならではだね。

おまけの商品情報。
これのBDの初回限定版ってちょっと変わってます。
なんとBDと全く同じ内容のDVDが付属してるのです。
DVDしか見れないけど(BDのみの)限定版が欲しい人への配慮ということか。
(ならBDを買おうとか軽々しく思えないほど価格差がありますが)
それBDしか映像特典がついてない「けいおん!」こそして欲しい配慮だよ。


「はなまる幼稚園 1〜4話」
1月からテレビ東京系(6局)とAT-Xで深夜に放送してた全12話の新番組。
バンダイチャンネル他で有料配信中です(最新話無料配信は終わりました)。
原作はスクエニ系(ヤングガンガン)のマンガで2巻まで読みました。
※レンタルDVDはセルDVDとほぼ同時リリース(2巻までリリース済)
杏(あんず)ははなまる幼稚園に通う(4〜5才ぐらい?)元気な女の子。
ちょっとした勘違いと助けられたことから土田先生が大好きになって、
将来のお嫁さんを目指して彼への猛烈なアタックを繰り返すのでした。
みたいな。

原作コミックを読んだことはあってわりと面白かった記憶があります。
アニメもそこそこ面白いとは思います。でも何か違和感があるのでした。
杏が突っ走ってるとことまったりしてるとこの落差が大きいというか。
全体にキレが悪いというか。予想してたのに比べて面白くないというか。
この作品ってもしかしてアニメに向いてない?とか思ったりもしたよ。
アニメを見た後にコミックを見返してそう感じた原因がわかりました。
なんと原作とアニメって視点(主人公)が違うじゃないですか……

アニメの方は土田先生に視点があって彼が主人公のように見えますが、
原作だと杏の方に視点があって杏を中心にして物語が回っていきます。
アニメのませすぎな幼稚園児につきまとわれるという展開とは違って
杏視点であの手この手でアプローチをするけどはぐらかされる展開です。
やり方がませすぎだったり見当違いだったりしてとても楽しいわけです。
ちまちましたキャラが必死で空回りする様が見てて微笑ましいわけです。
キレイでほんわかしてる山本先生がエネミーに見えるのが面白いのです。
アニメでも杏の(わりとずれた)アプローチの部分はちゃんと面白いね。
視点が違うだけでやってる内容はそんなに違わないから。

しかし視点を土田先生にしたことで内容が現実っぽくなってしまった。
幼稚園の先生たちとか園の設備とか舞台設定もきっちり作ってあるし。
(原作の2巻までにそれっぽい設定も描写もありません)
もちろん現実っぽく描写をすること自体は悪いことではないんだけど。
内容によってはそれによって物語の説得力が飛躍的に増すわけだから。
しかしこの作品は杏や柊のキャラが極端すきるので浮いちゃうのです。
杏視点ならありえないほどませ過ぎな内容も強引に見せちゃえるけど、
土田先生を視点にして現実的に描いちゃうと違和感が出ちゃうのです。
本質がコメディなのに現実っぽい味付けをしたからキレが悪いのです。
自然体で結果的にほんわかする作品を誇張してそう見せてる感じだし。

アレンジすることは構わないし、視点を変えるのもアリだとは思うけど、
この作品に関しては全ての試みが悪い結果になってしまってる気がする。
絵はキレイだし、園のオモチャみたいなアートワークはいい感じだし、
OPのマニアックな曲調も好みだし、毎回違うEDも凄い力入ってるのに、
なんか予想してたのに比べて面白く感じないのはそのせいだろうなと。

ちなみに視点を変えてるせいで多少原作とは違う部分があります。
例えば土田先生が杏に声かけてナンパと誤解するあたりとか。
小梅のリボンを取ろうと木に登って落ちて助けられる展開もないし。
(手元には2巻までなので3巻以降に出てくるかもしれないが)
そもそも原作だと杏は最初から土田先生を大好きなので。

にしても
アニメで見てると余計に思うんだけどこの作品のターゲットは誰?
多少ギャグ的味付けがしてある子育てアニメっぽい作品なわけで。
深夜アニメを見てる人が喜ぶ作品とはあまり思えないのだけど……
こーゆーのも見る人によっては萌えなんですかね!?
きららキャラットにも子育てマンガにしか見えないの載ってるしな。
※ぴよぴよえにっき
私には小さい(幼い)子が萌えという感覚がさっぱりわかりませんが。


「真・恋姫†無双〜乙女大乱〜 1〜4話」
4月から一部の民放(7局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
ShowTimeでも放送連動の最新話無料配信中です(残りは有料配信)。
原作は18禁の妄想煩悩純愛歴史ADV(だそうな)でやったことはありません。
※セルDVD/BD・レンタルDVDは8/4からリリース
恋姫†無双の3期目です。正確には2期目の(分割放送)2クール目です。
見た感じは2期と同様にキリのいいところで終わった後の続きみたい。
またとある理由から旅に出るという2期目と同様の始まり方をします。
にしてもてっきり毒を飲まされたのかと思ったらああなるとは……

2期目と比べるとわざとらしいギャグは控えめになった感じかな。
当人は真剣なのに傍から見てるとバカっぽいみたいなやり方が多いかも。
シリアスはあっさり控えめで2期目同様にわざとらしくは有りません。
ギャグ要素とシリアス要素の落差が少なくなって見やすくなったような。
2期はギャグ要素が強すぎでシリアスに振れると違和感があったからね。
良くも悪くもライトタッチでテイストが統一されて完成度が上がった感じ。
三国志の有名どころのキャラが増えたので馴染み易くなったのもある。
鳳統が孔明にも負けず劣らずちんまりキャラなのは何とも言えんが。

内容はあいかわらずどこらへんが三国志?とかいいたくなる感じすね。
たまに史実にそってるけど大半は関さん張さんずっこけ珍道中だし(爆)。
三国志の人物と同名な人たちが出てくる二次創作みたいな作品だなと。
1話なんか桃香(劉備)がお腹のたるみを気にしてダイエットする話ですよ。
ダイエットを始めるつもりが好物が出てきたので明日からにしようとか。
他の人を見習って運動をしてみたら余計に食が進んでしまったりとか。
食事を抜いたら空腹に耐えられず変なものを食べて腹痛に見舞われるとか。
その一連の桃香の奇行を妊娠のせいではと誤解して大騒ぎになったりとか。
ちなみに(想定した)妊娠の相手が翠(馬超)とか無茶すぎる展開でして……
ダイエットのお約束から斜め上に脱線するのはこの作品らしいと言うか。

今回は番組時間の重なり関係でこれはAT-Xで録画してたんだけど
ところどころ白くなってたりと地上波同様の規制が入ってました
今回からAT-Xでも規制を入れるようにしたのかな?それとも前から?


「いちばんうしろの大魔王 1〜4話」
4月から一部の民放(6局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
ShowTimeでも放送連動の最新話無料配信中です(残りは有料配信)。
原作はライトノベル(HJ文庫)で読んだことはありません。
※セルDVD/BD・レンタルDVDは6/25からリリース
現実とは違う世界、現実より技術が進んでたり、魔法が存在していたり、
少し昔っぽい装置があったり、現実に近い学校が存在してたりする世界。
紗伊阿久斗(さいあくと)は社会の役に立ちたいと考えてる善良な少年で、
難しいコンスタン魔術学園の編入試験をパスするほど成績も優秀だった。
大司祭を志す彼は常に人助けをしたり自らを律することを怠らなかった。
そんな彼が魔術学園の編入時の検査で将来魔王になると予言されたのだ。
人の役に立つことと対極のその結果が彼には全く理解ができなかった。
誤解を解こうとするが全て裏目に出てさらに事態は混迷を深めていった。
はたして彼に平穏な日々は戻るのだろうか?そして本当の彼の未来は?

ラノベのアニメってなぜ凄くまともなのとへっぽこなのの両極端なのか。
なんてことを考えたくなってしまうほどにチープな作りの作品です(爆)。
1話の冒頭の駅とか街とかずいぶん細かく描きこんでるのにも関わらず
えらくチープに感じるんだから絵を描いてる人が報われないような。
ゼロ魔とかも舞台の薄っぺらさでは大差は無かったりするんだけどね。
キャラ絵もゼロ魔ほどではないけどわりとキレイに描いてはあるし。
J.C.に比べて色使いがぬり絵っぽいのがチープに見える理由の一端かね。
つーか今期の作品の中で飛びぬけて色使いが大味ですよ……
ちなみにこれの監督さんはシャナの人だったりする。

将来の職業を魔王と予言するとか内容にはツッコミどころ満載だけど、
舞台設定もストーリーも説得力がまるで無いから言うだけ無駄かも(爆)。
主人公が振り回されるスラップスティックなギャグ作品って感じなので。
例によって主人公の周りに女の子キャラが集まるハーレムな構図だし、
やたら服が破けたりパンツが見えたりとサービスは満点だったりするね。
※放送では隠れててDVD/BDでは見えるいつもの仕様
変なキャラばかりで感情描写も希薄だからラブコメな感じはしないけど。
内容に拘らなければノリいいしサービスもいいので楽しめると思います。
ころねの人間離れした(人間じゃないし)言動や行動は楽しかったよ。

そいや、けーなと洵子って唯と澪ですな。内容には全く関係ないけど。

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