堤防決壊 (09/6/26) 次へ 前へ
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更新日が凄く空いてしまいました……
いろいろ有ったんです。というかいろいろやってたんですというか。
何年も前から懸案だったPCのリニューアルをやっと達成したことで
他にもやりたいけどできなかったことをやっていたわけです。
そして多くの作業が中途のまま積み上がってしまいました(爆)。

今までも作業キャパが辛うじて成り立ってるというレベルだったので
いろんなことに手をつけてしまった結果として生活が破綻したのです。
まるで堤防から水が溢れて決壊してしまったかのような状況です……
何とか更新ネタを作らなければと考えてたら19日も経っていました。

当初は19日の間にやったことをつらつらと書こうかなと思ってたけど、
どうやら今回もすでに時間切れみたいです。寝てないから眠くてキツイ
なので今回の詳細は次の機会があればってことで。


そんなわけで!?コミックお薦めを更新しました。5月分です。
17日に更新のはずが26日になってるぐらいなので今回も追加はありません。
本は結構早く読み終わってたんだけどね。でも今月のは積み上がったよ。
時間が押しまくり過ぎなので簡単なフォローもありません。


アニメを見てる時間もコメント書いてる時間もねぇーー!
「東のエデン」なんか見ないうちに終わってしまったじゃないか……
ってことで、今回はお蔵入りしてたネタをリサイクルしてみました。
実はこのネタその当時作りかけのまま時間切れだったものです(汗)。
既に時間がずいぶん経って実感がわかりにくくなってしまいました。
本来なら今のデータで作り直すべきだけど、そんな時間はないわけだ。

ちなみにネタは何かというと、去年の8月にやっったAmazonの順位と
レンタル需要と在庫の関係についてより詳しく検証したものです。
DISCASはレンタルリリースのほぼ1ヶ月前に予約が可能になってて、
それからリリース日まで次第に予約が増えていく傾向にあります。
つまりリリース時期が上旬のと下旬のを比較しても意味がないのです。
(これは発売時期に順位が上がるAmazonに関しても言える)
なので今回は発売が集中する下旬のものに限定して集計してみました。

まずは調べたデータを。
2008年7・10月期のAmazonの平均順位とDISCASの予約数と在庫数の一覧
(一部のタイトルが抜けてるのは上のとおり)

タイトル 平均順位 予約数 在庫数 初期在庫
機動戦士ガンダム00 2nd season 16 970 120 .
ストライクウィッチーズ 42 947 60 .
とらドラ! 43 911 70 .
かんなぎ 55 915 90 .
夏目友人帳 57 802 40 30
黒執事 75 588 80 .
ひだまりスケッチ×365 91 580 50 60
とある魔術の禁書目録 96 830 60 50
喰霊 -零- 126 840 60 .
テイルズ オブ ジ アビス 148 332 30 .
純情ロマンチカ2 164 288 60 .
セキレイ 166 720 50 80
一騎当千 Great Guardians 212 615 60 .
乃木坂春香の秘密 223 778 60 .
ゼロの使い魔〜三美姫の輪舞〜 250 876 50 .
ef - a tale of melodies. 305 417 35 40
のだめカンタービレ 巴里編 336 980 100 .
ロザリオとバンパイア CAPU2 340 637 30 .
あかね色に染まる坂 419 580 60 .
魍魎の匣 427 385 50 .
地獄少女 三鼎 471 343 40 60
ネオアンジェリーク Abyss Second Age 537 119 25 30
ケメコデラックス! 582 426 45 60
CHAOS;HEAD 588 348 70 .
鉄腕バーディー DECODE 589 436 35 50
伯爵と妖精 683 235 35 40
今日の5の2 742 377 50 70
ヴァンパイア騎士 Guilty 779 263 30 40
ヒャッコ 877 285 40 50
夜桜四重奏 -ヨザクラカルテット- 1048 320 45 50
まかでみ・WAっしょい! 1059 255 30 70
イナズマイレブン 1130 80 15 20
スキップ・ビート! 1218 238 50 70
タイタニア 1279 745 80 100
屍姫 赫 1706 389 40 .
キャシャーン Sins 1719 209 30 .
バトルスピリッツ 少年突破バシン 1959 27 30 .
ワールド・デストラクション 2016 169 20 50
無限の住人 2048 282 50 60
ミチコとハッチン 2344 169 90 .
西洋骨董洋菓子店 〜アンティーク〜 2476 231 40 50
スケアクロウマン 3218 19 10 20
北斗の拳 ラオウ外伝 天の覇王 3267 663 70 100
のらみみ 2 3369 26 8 .
魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜 3579 285 40 60
黒塚 -KUROZUKA- 4333 238 60 .
Mission-E 4560 256 30 40
ONE OUTS -ワンナウツ- 5215 161 80 .
ねぎぼうずのあさたろう 9249 14 8 20
※2009/2/16 時点でのデータ

今回はデータを実感してもらうためのグラフも作ってみました。
それぞれグラフをクリックすると大きな画像になります。

Amazonの平均順位とDISCAS予約数の関係をプロットしたもの



DISCASの予約数と在庫数の関係をプロットしたもの



まず上のAmazonの平均順位とDISCAS予約数のグラフのほう。
前回Amazonの平均順位と予約数には相関性があるっぽいと書いたけど、
こうしてグラフにしたら見事なほどに証明されてしまったわけですよ。
Amazonの順位は販売数ではないのにここまで見事な傾向が出るとは……
もちろん傾向からかけ離れた例外もあるにはあるんだけど。
その、かけ離れたタイトルにもある程度の傾向が存在してるので。

タイトルが分布する中心あたりに目安となる線を引いてあります。
この下側が順位(販売数)に比べてレンタル需要が少ないってことで。
特に下に外れてる「純情ロマンチカ」「ネオアンジェ」なんか
まさに前回書いたファン層が女性に偏ってるタイトルなわけです。
下側にある他のタイトルもわりと女性向けと言われてるのが多いし。
女性は男性よりレンタルを利用する率が低いって推論は正しそうだ。

下側のタイトルで少し気になったのが「テイルズ オブ ジ アビス」
これ「ロマンチカ」とほぼ同位置だけど女性ファンに偏ってるのか!?
作品を見た感じでは男女とも楽しめそうな作品だと思ったんだけど。
「ひだまり」や「ef」も位置からして意外と女性ファンがいる!?
「ひだまり」は作者が女性でキャラが等身大で違和感が少ないから?
「ef」は美少女アニメのくせに男キャラが凄く魅力的だから?(笑)
そーいやef1期は在庫のわりに需要が少なくて凄く借りやすかったよ。
1巻なんかCLANNADより在庫が多くて間違ってるぜ!と思ったけどな。

逆に「夏目友人帳」は男性ファンを多く獲得したと言うことかな。
元々のファン層とは別の人たちが多くついたから売れたわけですね。
ちなみに原作はスキビ!の方が夏目の倍ぐらい売れてました。以前は。
しかしアニメによって夏目は大幅に伸びて今や夏目の方が上に……
実はスキビ!はアニメ化後の夏目といい勝負なほど売れてるわけですよ。
原作の人気とアニメの人気は全く相関しないのを妙に実感してしまう。

下側は女性ファンが多めなので上側は逆に男性ファンが多いってことか。
線の上側に飛びぬけたタイトルがそんなに多くないのは、
恐らく平均(基準線上)が既に男性ファンの方に偏ってるからなのかなと。
男性ファンに極端に偏ってもそんなに線から外れないんじゃないかなと。
つまり線から極端に外れてる数タイトルは全く違う原因だと思われます。

上に極端に突き抜けたタイトルはレンタル需要が高いのではなく、
レンタル需要(つまり知名度)に比べて売れてないとも考えられます。
男性ファンに偏ってると考えにくい「のだめ」はまさにそれかなと。
他のタイトルと比較したら一般的な知名度は比較にならないだろうし。
視聴率なんか深夜枠としては異例の高さだったそうだし。
ちなみに実際の売れ行きに比べてAmazonの順位が低い可能性もあります。
Amazonは一般人気の作品よりコアな作品の方が順位が高めに出るので。
実際に売れた数と比較できれば良かったんだけどね。

「タイタニア」は全国どこでも見れるNHKだから!?(BS2だけど)
「天の覇王」は超有名な北斗の拳の外伝作品だから!?
こんな感じで時たまレンタル需要が異常に高い作品が出てくるようです。
レンタル需要が低い作品と違って高い理由はさっぱりわかりません


次に下のDISCASの予約数と在庫数のグラフ。
こちらのグラフはニーズと在庫のバランスがわかります。
基準線よりも下にあるほど借り難くて上にあるほど借り易いわけです。
在庫が適正に配分されてないことも一目瞭然でわかりますね……
人気がある作品に足りないのが多く人気がない作品に余ってるのが多い。
そんなの当たり前、、、なわけあるかーー!
DISCASの仕入れ担当者はニーズが読めてないのを如実に表してるわけで。
もう少し予算を適正に配分してれば使い勝手がよくなるのにと思ったね。

前に「夏目友人帳」が異常に借り難いと書いたけど一目瞭然ですね。
実は最初(の数巻)は在庫が30枚でした。これでも途中で増えたんです
30枚だとグラフのどの位置に来るのか考えてたら眩暈がしてきました。
10枚増ではなく倍増(60枚)しても多すぎることはないと思うのだけど。

かと思えば「ミチコとハッチン」なんかトチ狂って90枚も入れてるし。
この作品ってAmazonの平均順位は1000位を切ったことがないのです。
仕入れ時期は発売日まで間が有って平均順位を参考にしにくいけど
それでも1000位を超えてるのはいくら上がっても500位がせいぜいです。
そこから予約数を推定すると極限でも500人で200〜300人ぐらいっすね。
そして適正在庫を計算すると20〜30枚ってことになります。
もし予想外にレンタル需要が多かったらその時に在庫を増やせばいい。
そもそも需要が5倍もある夏目友人帳の在庫が30枚だったんだから……
(ちなみに夏目はずっと100位以内に入ってた)

この「ミチコとハッチン」の適正在庫を計算する手法を使えば、
これから出る作品の適正在庫も推計できるわけですよ。実は。
発売日が近づくほど上がる傾向にあるので参考値では有るけど。
それでも現状で100位内のは多めに入れないとまずいと思われます。
「けいおん!」なんか最低でも100枚。可能なら150枚ぐらい入れるべき。
「戦国BASARA」は女性ファンが多いだろうから多少減らして60枚ぐらい。

逆に1000位を超えてるのはとりあえず30枚も入れれば十分だと思う。
「アスラクライン」も「シャングリ・ラ」も「バスカッシュ」も。
「蒼天航路」もこの順位なら前番の「ONE OUTS」と同様になるかと。
間違っても「ONE OUTS」みたく80枚とか入れないように。

なんてことを考えつつ、DISCASを見てみたらいくつか入荷数出てるね。
「けいおん!」は160枚で「戦国BASARA」は70枚入荷するみたい。
来月1日の「戦国BASARA」は今450人ほどだからやっぱ60枚が適正っぽい。
「咲-Saki-」は60枚入荷予定だけどこっちはもっと必要だと思われる。

1000位より下のだと「アスラクライン」と「シャングリ・ラ」が60枚。
「クロスゲーム」は70枚で「07-GHOST」はトチ狂って100枚も入荷予定
何をどうすると「07-GHOST」の100枚なんて計算が出て来るんだか……
見るからに女性ファンが多めで順位よりさらに需要が低そうなのに。
かと思えば「ティアーズ・トゥ・ティアラ」なんか1巻は40枚だけだし。
相変わらずDISCAS仕入れ担当者はピントがボケてます。


本当なら去年の3月に終わってたこと (09/6/7) 次へ 前へ
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ついにマシンの乗り換えをしました。
前に乗り換えをしたのが2006年の9月なので2年と9ヶ月ぶりです。
そしてほぼ同じ中身で乗り換えた前回と違って中身が一新されてます。
前のマシンは7年前からほぼ同じ中身という化石のような代物でして。
(途中で2回ほどハード故障で同等のスペックで乗り換えてた)
それどころか9年前の構成とも大差ない内容だったのでした……
そこから今時のスペックへと一気に時代を飛び越えたわけです。
性能なんて桁違いに変わったわけです。ってほど違わなかったけど。
むしろ7年とか9年の時を経てもこの程度の違いしかないのかと思ったよ。
(さすがに重量級のソフトは目に見えて機敏になったけど)
旧マシンが今でも現役で使えてたのは別に変でもなかったのかなと。

実は前にちらっと書いたけど新マシン自体は去年の3月に用意しました(汗)。
パーツの選定は事前に十分にやったし移行の準備も万全にやってました。
だから前よりすんなり移行できると思ってたのです。
しかしハード構成が全く変わったことで予想外のトラブルが続出して。
なんとまともに動作する状態にするまでに1ヶ月以上かかりました……
そのトラブルのせいで他のスケジュールが狂いまくってしまって。
スケジュールの建て直しやらで引っ越しがずっと行われなかったのでした。

もちろん今だって決して時間の余裕があったわけではないのですが。
この前のHDDのクラッシュに続いて今回再びHDDの内容が飛んでしまって。
(飛んだのはこの前買った新しいHDDの内容)
これ以上旧マシンに時間も金もかけたくないと引っ越しを敢行したのです。
まっさらの状態からソフト環境作りからデータ移動からケース交換まで
トータルで実に100時間ほどかけて一気に引っ越し作業をしたわけです。
これでずっと懸案だった一つの大きな課題がクリアできたことになります。

引っ越し作業のトラブルの詳細とかは来週以降に時間があれば書こうかと。
これ以上更新日を遅らせるのはアレなので。


「リストランテ・パラディーゾ 1〜6話」
4月からフシテレビ系(3局)で水曜日の深夜に放送してる新番組。
BSフジでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。
原作はサブカル?誌(エロティクスF)のマンガで大ファンです。
※セル・レンタルDVDのリリースは7/29から
その不思議なリストランテはローマの片隅にひっそりと存在していた。
そこは料理もサービスも一流で雰囲気も抜群の素晴らしいお店だった。
しかしそのお店がいつも満席だったのはそれとは全く別の理由だった。
実はそのお店はカメリエーレを始め従業員全てが妙齢の眼鏡紳士だった
お客の中には料理目当ての者もいたが大半は従業員が目当てだったのだ。
(メイド喫茶のメイドを老紳士にして料理やサービスを一流にした感じ)

そんな眼鏡紳士リストランテをニコレッタという若い女性が訪れる。
実はニコレッタは店のオーナーの奥さんであるオルガの娘だったのだ。
15年前に子供がいると今の旦那と再婚できないからと置いていかれたのだ。
会いにくると言いながら数度しか会いに来なかった母が許せなかったのだ
今の旦那に実はこんな大きな娘がいるのだとばらそうとやってきたのだ。
でもオルガの必死の懇願にニコレッタはしばらく様子を見ることにした。
リストランテの紳士の一人クラウディオのことも気になるしってことで。

私はオノ・ナツメさんの大ファンでコミックスは全部持っています。
別名義(basso)のもペンギン書房時代のもそれを再発したのも含めて。
そしてその中で一番好きな作品と言ったらまさしくコレなのでした。
まさかこの作品がアニメ化される日が来るとは夢にも思わなかったよ。
こんな独特のタッチの絵がアニメで動く日がやってくるとは……
山ほど新作が作られる今の時代ならではだと時代に感謝しちゃうね。

リストランテ・パラディーゾという作品はコミックス全1巻の作品です。
そのままの内容ではとてもじゃないけど1クールには足りないのです。
だから同じ舞台・キャラによる「GENTE」の内容も使ってるのでしょう。
このGENTEは(たぶん)リスパラが好評だったから改めて描かれた作品で、
リスパラの続編ではなく読みきりでキャラをクローズアップした内容です。
ニコレッタが主役のリスパラとはキャラが同じだけの全く別の作品です。
時間の流れみたいのはあってカゼッタ・デッロルツの準備から始まります。
つまりニコレッタ登場から始まるリスパラよりも前の内容が多いのでした。
※GENTEの2巻(全3巻)の最後のエピソードでニコレッタは初登場する

前述のようにリスパラとGENTEは舞台・キャラが同じだけの別作品です。
その両方を原作にするっていったいどのように構成するのかなと思ったり。
淡々とエピソードを重ねて最後にじわ〜〜と来るリスパラをやった後に
読みきりのGENTEの内容をやるのはさすがに間抜けてるだろうし……
もしかして本編であるリスパラの合間にGENTEを挿入してくるのかな?と。
(よーするにハルヒ1期の構成)
実際に見てみたらまさしくその通りの構成になっておりました。
これだと最後の回がアレだからとても感動的に終わります。こうご期待。

ただGENTEの内容は2/3がニコレッタが登場する前のエピソードです。
回想でやったカゼッタ・デッロルソの開店エピソード(4話)はともかく、
他のエピソードは時間軸の前後が狂ってくる可能性が多々あるわけです。
実際、ヴィートとある夫婦の話(6話)は原作だとニコレッタがまだ登場前で
それどころかヴィートは遊びまくりでまだ結婚してなかったのでした。
「それを寂しいと思うなら今のような生活はやめたほうがいい」も
アニメでは過去形だったけど原作だと進行形の生々しいセリフなのでした。
こんな感じで構成に合わせてエピソード内容に手を加えてるみたいです。
アニメで見てて違和感はないので上手くやってるのではないかと思います。
ちなみにヴィートとマリーナの馴れ初めのエピソードも原作にはあるので
興味があったら原作(GENTEの1巻)を読んでみるといいです。
シリーズ構成や残り話数からいってアニメではやると思えないので。

見た目の話。
アニメで見てても独特な絵のタッチというのはわかると思います。
でもコレでも原作に比べればずっと普通の絵っぽくなってたりします。
日本のマンガというより海外のマンガみたいに絵画的なタッチなので。
リストランテ・パラディーゾ 1 [初回限定版] [DVD] リストランテ・パラディーゾ 2 [初回限定版] [DVD] DVD1巻(左)と2巻(右)のジャケ絵
この絵のタッチが凄い好きでね。絵に惚れこんで読み始めたのでした。
最初は内容は好きってほどではなかったから。初期から味はあったけど。
まさにこのリスパラで内容も好きと言えるようになったのでした。

この原作の独特なタッチの絵はアニメでもそれなりに再現されてます。
線がキレイに整いすぎな気もするけどこれが現実的な落しどころかなと。
さすがに原作のタッチを完璧に模倣したらとても動かせないだろうから。
ニコレッタとクラウディオはイメージ通りだしいい線行ってるのかなと。
ジジは微妙なバランスの違いか原作よりみょーに可愛く見えるけど(笑)。

キャラ絵のタッチとは別にアニメでとても印象的だったのが背景です。
3Dの背景の中をカメラが進んでいくとゲームみたい、って話ではなく。
最近主流のリアル系な背景ではなく、淡い色のポップ系の背景でもなく、
茶色を基調にした枯れた配色のざらざらした油絵みたいな背景なのです。
枯れた配色に椅子とかの鮮やかな赤い色が浮き上がってる背景なのです。
渋いけど地味ではなくみょーに目を引くまさしく絵になる背景なのです。
ARIAみたいなアコギ基調の落ち着いた音楽と相まって雰囲気が抜群です。
(考えてみたら舞台設定もイタリア風のARIAと近いわけでした)
監督の加瀬充子さんはキャラの些細な仕草を丁寧につけてくる人なので、
カゼッタ・デッロルツの面々の優雅な振る舞いも見事に描画されてるし。
原作の持つ空気感みたいのを素晴らしく完璧に再現してると思いました。
オノ・ナツメさんの作品はこの空気感こそ最大の特徴とも言えるわけで、
絵や内容の再現よりも空気感を再現してくれたのがポイント高いです。

あとは1話ずつ簡単に。

1話「ニコレッタ」リス・パラ1話より
ニコレッタがこの老眼鏡紳士だらけのリストランテへとやってきた話。
そしてその中の一人クラウディオに一目惚れをしてしまったという話。
この回は原作の内容そのままにディティールを足した感じになってて、
作品の独特の雰囲気みたいのを存分に味わえるようになってるのでした。
誰が一番人気?な部分は原作2話の内容だったりと構成の違いも有るけど。
1話から少しでもキャラが見分けられるようにとの配慮をしたのかなと。
ニコレッタがオルガが借りたアパートに入るシーンは追加されたもので。
新たな生活を始めるのを実感できるようにしてあったのが印象的でした。
(原作にはそれっぽいシーンが全く存在しない)

2話「指輪」リス・パラ2話より
ニコレッタはクラウディオが気になってリストランテへ通ってしまう。
と同時にローマで暮らすために何か仕事をしなくてはと考えるのです。
そしてその二つの問題をクリアする素晴らしい方法を思いつくという話。
この回は流れとしては原作に沿ってるけど原作とずいぶん印象が違うかも。
ニコレッタが自分の仕事について考えるシーンが大幅に増やされてるので。
休日にルチアーノの家で料理をするシーンもアニメで追加されたものだし。
(休日のルチアーノが孫とベンチで過ごすという設定は元から原作に有る)
恋だけでなく仕事も真剣に考えてるのを実感できるアレンジがされてます。
クラウディオを押し倒してるシーンがやけに輝いてたのには苦笑したけど。

3話「パラディーゾ」リス・パラ3話より
ニコレッタはクラウディオの別れた妻との関係が気になってしまって。
そしてクラウディオはルチアーノに釘を刺されて少し距離をとってしまう。
二人の状況はそんな感じなのに周りの人たちは幸せでムカつくみたいな話。
そして実はオルガはニコレッタを大事にしてたのがわかる話でもあります。
この回も原作の内容に沿ってて細部の要素がいくつか足してあります。
クラウディオがニコレッタに対して距離をとってるのを実際に見せてたり、
ニコレッタがヴィートに年の差夫婦の話を聞いてるのが目立った違いかな。
クラウディオの名前でえらく荘厳な絵が出てきたのには口あんぐり(笑)。

4話「カゼッタ・デッロルソ」GENTE1巻1話より
リストランテ開店時のメンバーであるマルツィオがお客としてやってくる。
そしてニコレッタはマルツィオにリストランテ開店の経緯を聞かされる。
それはオルガに対するロレンツォの深い愛から始まったという感動的な話。
この回はGENTEの最初の話をリスパラに挿入するために回想にしてあります。
つまり原作には回想以外のパートが存在しません。ニコレッタもいないし。
(マルツィオがお客としてやってくる話は別にあったりする)
これをここに入れてニコレッタに聞かせたのはなかなかに上手かったすね。
ただの趣味を具現化したお店じゃないのを視聴者も実感できただろうし。

5話「オルシーニの味」リス・パラ4話より
無口でちょっと変わったジジが実はロレンツォと異父兄弟だったという話。
リス・パラの1話だけどニコレッタメインではなくジジのエピソードです。
だからどちらかというと読みきり体裁のGENTEのエピソードに近い回すね。
この回の構成も原作の内容そのまま細部を足してある感じになってます。
例えばセリフにあるジジがワインを選ぶシーンを実際に絵で見せてたり。
設定に有る父親の墓参りのシーンを最初と最後に追加してみたりとか。
(ジジが墓参りをするエピソードは別にあったりする)
愛想が無いようででも人のことを常に考えてるのを実感されてくれます。

6話「ある夫婦」GENTE1巻3話より
毎度のように浮気をする旦那に妻が愛想をつかして危機が訪れるという話。
上に書いてあるけど原作だとこれはニコレッタが来る前のエピソードです。
さらにヴィートとマリーナが出会う前なので内容がいろいろ変わってます。
原作だとゲストの夫婦がメインでリストランテの面々は脇に回ってるので。
アニメでは夫婦とヴィートとマリーナの関係を対比して描いたみたいだね。
だからヴィートが馴れ初めを話してるシーンは原作にはないのでした。
そしてマリーナの姉夫婦がリストランテに来るシーンもないのです。
原作の内容をリミックスして未来の話を追加してたのが印象的だったすね。

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