同じはイヤ違うのもイヤ (09/4/25) 次へ 前へ
目次へ

最近ADSLの上り回線が異常に遅いな、、、
と思って調べてみたら、なんとたった32Kbpsしか出てなかった
※秒速3KBぐらい
いったいどこのアナログモデムだよ!とか思いました。
上りだからもしかしてADSLモデムが壊れかけてるのか!?
とか考えて速いコースに速度変更の依頼をしちゃいました。今さらに。
だってモデムの交換と速度変更の手数料+工事費が同じ金額だから。
そして速いコースのほうが今のコースよりも月額費用が安いから……
(初期のコースのままずっと使い続けてた)
えっ光回線?一軒家では高すぎて貧乏人にはお呼びじゃねぇーす。

あと数日で新しい速度への変更工事がされようというついさっき。
ふと思い立ってADSLモデムを再起動してみました。
そうしたら上り回線のリンク速度が500Kbpsに戻った……
スピードテストのサイトでテストしたらちゃんと500Kbps出てるし。
ってことは一時的に回線の状態が悪くて速度が落ちてただけなのか。
導入から8年ほどずっと電源を入れっぱだけどまだ大丈夫なのか。
わざわざ速度変更をしなくても良かったのかも。
まぁいいか月額費用が大幅に下がるから。すぐに元は取れるし。


まぁ、そんなわけで!?コミックお薦めを更新しました。3月分です。
更新日を前倒しするために時間の許す限り頑張って読みまくりました。
読むだけでいっぱいいっぱいなので追加する余地など全くありません。
簡単なフォローも今回は時間切れスレスレなので無しってことで。


「まりあ†ほりっく 6〜12話」
とても楽しみとか言ってたのに続きが今頃に(汗)。
時間があると「とらドラ!」を繰り返し見てた&読んでたから……

と言うわけでまりほりの続きです。
1クール作品なのでこれで終わりです。
原作は4巻までしか出てないので原作のままで2クールは無理だけど。
(今回のアニメは3巻までをほぼ使い切ってます)
ストーリーもまるで終わってないのでケリのつけようも無いし。
最終回はオリジナルの内容だとガイドブックに書いてあったけど、
いったいどうやって終わらすんだろう?とか思いながら見てました。

でその最終回ですが、、、
「美少女だらけの水泳大会 ポロリもあるよ」って……
最終回なのに最初から最後までいつもと変わらない内容じゃないですか!
いやまぁ、いつもと違うところが全く無かったわけではないですが。
1話から11話までの内容をアレンジした集大成的な内容でもあったから。
かなこにとってパラダイスな状況は絶対に上手くいかないのも含めて(笑)。
しかしこの内容であの「次回作に〜」とどう繋ぐんだ?と凄く謎でした。
(録画をざっと確認した時にその部分だけ見えてしまった)
もしや途中でかなこが水着の美少女たちに何かを無茶をするのかなと!?
実際、かなこさんは無茶しましたが(爆)。
かなこの妄想だと思ってたポロリもホントに有ったしな。スク水なのに。

いつもより多少はお色気が過剰ではあったものの本編はそのまま終了。
しかしエンディング後に静珠とかなこの意味深なシーンが入ってた。
ガイドブックのとこに書いた静珠はかなこを知っているらしいって話。
そしてかなこの十字架ネックレスが鞠也の祖母の形見と似てるって話。
おそらくこれらは物語の核心に近い重要な設定ではないかという話。
静珠にわざとらしくセリフを言わせてそれっぽいことを匂わせました。
この後も作品が続くならそれはとても親切なアレンジだと思います。
でもこの作品はここで終わりで、静珠のセリフでブチと切れるのです。
続いて「遠藤海成先生の次回作にご期待ください」だから……
ナニこのすんげぇ打ち切りくさい終わらせ方は!?とか思ったよ。
このビックリ感こそが新房アニメだ!と最後に実感させて頂きました。

今回はこれで終わりですが是非同じスタッフで2期を作って欲しいなと。
ガイドブックでは原作者も監督も是非2期を作りたいと言ってるし。
メディアファクトリーさえOKすれば1年後ぐらいにやるんじゃないかなと。
よーするにDVDとかの関連グッズが売れれば有りだろうって話ですよ。
現状までにで出てるデータだと続編は有るかも!?って感じでしょうか。
Amazonの順位も最初は多少低かったけど最終的にはそこそこ上がったし。
3月末のオリコンウィークリーでアニメDVDのトップ20に入ってたし。
絶対有るとは言い切れないけど可能性は十分あると思います。思いたい。
それにこのまま終わりだとネタの打ち切りが本当の話になってしまう……
もちろんそれも踏まえて敢えてやったんだろうけど。

内容の話に戻って。
鞠也には顔がそっくりな静珠と言う双子の妹がいるのです。
ってその説明をせずに知ってる前提で静珠のことを既に書いてるが(爆)。
どのぐらいそっくりかと言うとぱっと見は見分けがつかないぐらいです。
とりあえず正面から見て右にホクロがあるのが鞠也で左にあるのが静珠、
と言う識別できる設定が有るんですが、いつもはそこまで見てない(汗)
大概は文脈で判断してるので作者がさりげに入れ替えると気付きません。
実は原作を読んでて鞠也と静珠を間違えて認識してた箇所があります。
桃色コスプレカーニヴァルじゃなくて聖母祭のPANDA-CHANGの時のやつ。
アレ実は原因は鞠也ではなくて静珠なのだとガイドブックを読むまで
全く気付いてなかったですよ。ははは……
原作をよく確認したら確かに左にホクロがあるよ。

この話は自分の間抜けっぷりを告白するという趣旨ではなくて。
アニメだと鞠也と静珠は声が違うからわかりやすくていいねと。
PANDA-CHANGのとこもアニメだと一発でわかるしね。
初登場の身体測定のところもアニメだと声が違うからアレって思うはず。
(原作だと正体をばらすまでわかりません)
プールのところもちょっと声を発した瞬間に静珠ってわかったでしょ。
つまりポロリと行く前にあのオチがある程度は読めてしまうというか。
まぁ、プールの回の大筋は身体測定の回のオマージュみたいなもんだし。
(そこに他の回の内容をリミックスして混ぜてある)

完全なオリジナル作品ではないアニメの場合は原作が存在するわけで。
その原作には原作のファンがいるわけです。この作品にも当然ながら。
他人事にように言ってるけどその原作ファンなわけです。自分こそが。
原作ファンと言っても原作と違うだけで気に入らないとは言わないけど。
むしろ原作そのままだと新鮮味がないのでアレンジした方が嬉しいかな。
でもアレンジの結果として方向性が変わってしまうのはイヤなのです。
なんとも自分勝手な要望。まぁファンなんて自分勝手な生き物ですが(爆)。

そんな原作ファンの視点でこの作品を見ると。
内容はほぼ原作に沿ってるので雰囲気も方向性も完璧に原作通りです。
そしてそれを実に新房アニメらしい多彩な映像表現で彩ってるわけです。
よく知ってる内容が表現を変えただけでずいぶんと新鮮に見えるのです。
多彩な表現を使ってるのに原作の雰囲気からは決して離れてないのです。
好き放題やってるようで実は緻密な計算をして丁寧に作ってあるのです。
どこまでなら許容できるか計算してギリギリいっぱいを狙ってるのです。
今までも新房さんは凄いと思ってたし、何度もそう言及してきたけど、
原作ファンとして新房アニメに接してみて改めてその凄さを実感したよ。

原作ファンとして凄く目を見張ったのが7話の弓弦が嫉妬するエピソード。
このエピソードの内容も少し微笑ましいオチも当然知ってるわけです。
かなこさんが(自業自得で)仲間外れになるオチももちろん知ってました。
そしてこの回は弓弦の心理描写が重要なポイントなのも知ってました。
そのこの回の弓弦の心理描写こそが凄く目を見張ったところです。
キャラの表情を丁寧につけてくる作品はイマドキは他にも有るけれど、
(とらドラ!は表情のつけ方が凄く上手かったし)
キャラ絵以外の部分、主に背景絵で感情を表現したのが印象的でした。
鬱屈した感情を塗り込めた絵画のような背景がインパクトありました。
顔の表情だけでなく画面全体から感情が染み出してくるみたいでした。
よく知ってる内容だからこそ表現でこうも印象が変わることに驚いたよ。

あと特筆すべき回と言ったらやはり鼎神父の11話でしょうか。
この回は原作もいつもとはかなり趣が違う表現を使ってるのです。
(元から表現の幅は広いけど)
具体的に言うと攻●機動隊(原作)っぽくコマの欄外に注釈が入ってます。
てゆーか「趣の違う攻●機動隊」ってアニメでもそのまま言ってるし……
鼎神父自身も紙面いっぱいにモノローグで薀蓄をたれまくってるし。
そんな原作をアニメではいったいどう調理してくるのかなと思ってて。
まさかここまで原作の要素を見事に再現してくるとは思わなかったなと。
いや新房アニメだからここまで原作の表現を再現できたと言うべきか。
画面の端からL字テロップ風の枠がにゅーと出現して注釈を載せてるし。
鼎神父の薀蓄も原作の分に追加してあって原作以上にウザくしてあるし。
内容を知ってたのに笑いすぎで腹が痛くなってしまったですよ。

最後に原作との対応表を。
簡単にコメントも書こうと思ったけど時間切れ……

1話。1巻Prayer01/Spin-Outより
2話。1巻Prayer02/03/04より
3話。1巻Prayer05より
4話。1巻Prayer06より
5話。1巻Prayer07/2巻Prayer08より
6話。2巻Prayer09/10より
7話。2巻Prayer11より
8話。2巻Prayer12/13より
9話。3巻Prayer14より
10話。3巻Prayer15/18より
11話。3巻Prayer16/17より
12話。全編オリジナル


「空を見上げる少女の瞳に映る世界 1〜9話」
1月から一部の民放(10局)とAT-Xで放送してた全9話の新番組。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(2巻までリリース済)

前に見たMUNTOのテレビシリーズです。
OVAのリメイクではなく2本のOVAの内容に新作映像を加えたものです。
全9話という中途半端な長さは3話分×3本だからだったりするわけです。
正確には2作目が2話半で新作分は3話半ですが(1作目が3話分)。
つまり3本目(完結編)を作って宣伝のため今までの分と合わせて放送した。
そう考えると実にしっくり来るテレビシリーズっすね。
実は見るまでは内容的にとてもテレビ向きでは無いよなと思ってたよ。
もちろん、テレビ向きでないって考えは見た後にも変わりませんが。
※劇場版は3本目の部分を繋いだモノだと思われる

全体の構成はそのままOVA1作目+OVA2作目+新作部分になってて。
それにOP・ED・次回予告を追加し回の切れ目で少し内容を重ねてます。
よーするに作品冒頭の内容は前に書いたMUNTOのそのままってことです。
(だから冒頭あらすじはそちらを参照のこと)
1作目のOVAが恐らく1話から3話まで(レンタルがないので確認不可)。
2作目のOVAが4話から6話のAパート終了少し前の黒い画面まで。
残りが今回の新作部分です。
上の2箇所で絵が変わるのは元々は別の時期に作られたものだからです。
3話後半と6話前半がやけに盛り上がるのは元はそこが佳境だったからです。
OVAを知ってる人にとっては実質3話半しか無いシリーズ作品です……
シリーズ全部見たのも1話2話だけ残してもなと思ったからです。

通して見てみて思ったけど作画レベルは2作目が頭一つ抜けてるね。
1話が始まってMUNTOってこんなレベルだっけ?って思ったぐらいだし。
1作目のダイジェストは見てたからなんとなく見覚えは有ったけれど。
4話からの2作目の部分に入ってやっとやっぱコレだって再確認したよ。
アクションの描きこみもそうだけど歩いてるシーンの動きが全く違う。
そーか、1作目と2作目って全然レベルが違ったんだ、って思いました。
そして今回の新作部分。なんか細部の動きがずいぶん省略されてる。
アクションは相変わらず派手だけど2作目よりはかなり落ちる感じで。
こーして続きで見せられるとクオリティの上下が気になっていけません。
今回の劇場版(部分)よりむしろ2作目OVAのほうが劇場版って感じですよ。

内容(ストーリー)的にも2作目が頭一つ抜けてます。
ユメミが自分の選択に悩む内容とキャラのスケールが釣り合ってるから。
そういう意味では1作目の部分も同様と言えないことも無いけど。
1作目の部分ってスズメとカズヤの話のように表現が直接的すぎるのです。
この作品は自分に向き合い新たな未来を開くという定番なテーマなのです。
しかしそれをここまで直接的な言葉や行動で描くのはちょっとどーかなと。
2作目の部分はそのへんがもう少し上手い感じに表現できてたみたいで。
小粒で地味だけどキラリと光るみたいな感じでわりと好きだったのです。
明らかに質が落ちたのに最後まで見た理由は見届けたかったからです。
しかし新作部分は再び直接的な表現がてんこもりでかなりアレでした……
まぁ、脚本の弱さは京アニアニメの伝統みたいなもんですが。

と言うわけで、ワタクシがオススメするこの作品の視聴スタイルは
まず最初に2作目のOVA「MUNTO 〜時の壁を越えて〜」を見ることです。
注意としては映像特典の1作目ダイジェストを忘れずに本編の前に見ること。
そして興味がわいたならテレビ版を1話から改めて見てみるといいです。
※OVAの1作目は今のところレンタルが有りません
何度も書いてるように1作目と2作目はデキにかなりの差が有るので。
1話から見ると一番デキのいい2作目に至る前に投げちゃう可能性があるし。
2作目のOVAを見てもピンと来ないなら題材が合わないってことだから。

オマケで今回のテレビ版と2作目のOVAの比較を。
内容はまんまです。放送尺に合わせて2話と半パートに分割してあるだけ。
そしてOVAは4:3で今回は16:9なので縦方向に一部がマスクされてます。
単純に上下をマスクしてるのではなく位置を調整してるみたいすね。
あとOVAとはキャストが全く変わってます。印象はそう大差ないけど。
ヒトミの人はOVAよりもテレビ版のほうが多少上手いかなとは思った。
イチコとスズメはOVAの方がキャリアが長い人なのでそれはありません。
※イチコ=清水香里・スズメ=釘宮理恵
確認してて偶然発見したけどセリフが微妙に違う箇所もあったりする。
5話の売店の中に3人がいるところでイチコがムントのいる世界のことを
OVAでは「未来」とか言ってるけどテレビ版ではその表現が無いから。
詳細に確認すれば他にも些細なセリフの違いは有るかもしれない。

※この作品もDVDの初回版にサントラが付属


離れても気持ちはずっと共にある (09/4/14) 次へ 前へ
目次へ

今回はえらい難産でした
延々と文章を書き続けて終わらなかった「時かけ」を思い出したよ。
今回は更新の予定日を3日も引っ張って何とか形には仕上げたけど。
そしてまたずいぶんな量の文章を没にしてしまいました。
この没文章の山どうしよう……


「とらドラ! 20〜25話」
最後まで見て、書きたいことが次から次へと湧き出してきて、
書き始めて収拾つかなくなって、再構成してもまとまらなくて、
結局全ての文章を没にして、もう一度最初から書き直してみた。
そんな想いの塊を喰らいやがれ!みたいな文章になりました。
読むなら覚悟して読んでください。もしくは読み飛ばせ。

※以下ネタバレてんこもりなのでご注意

竜児はみのりんが好きで、みのりんだって竜児が好きだと思ってるはず。
だから竜児がみのりんにちゃんと告白すれば上手く行くはずだった。
気持ちが通じ合ってるのだから絶対に上手く行くべきたと思った。
もしも二人の気持ちが結ばれるための障害になるのが自分だとしたら、
こんな気持ちは無くていいし、こんな関係だってなくていいと思った。
大好きなみのりんの幸せのために。何よりも大好きな竜児のために。
そうして大河は竜児との心地よい生活を捨てて一人立ちしようとする。

自分は一人でも生きられる。今までずっと一人でも生きてきたのだから。
自分は一人だって大丈夫だから、と大河はことあるごとに繰り返した。
そんなの寂しすぎると思うのに、まるで寂しくないように振舞っていた。
でも決して寂しくなかったわけじゃない。感覚が麻痺していただけで。
想像を絶するほどの孤独の中で、寂しい感情がわからなくなってただけ。
竜児はそんな大河に偶然の成り行きとはいえ温かい場所を与えてしまった。
大河がずっと欲しててでも決して得られなかった温もりを与えてしまった。
温もりは大河の心に開いた傷口から毒のように体の中に染みていった
そうして大河の中にはある感情が芽生え、次第に大きくなっていった。
その感情が何なのか大河にはずっとわかっていなかった。

自分が好きなのは北村クンで、竜児とは言ってみれば家族みたいなもの。
二人の共同生活は偶然の成り立ちと必然の片恋共闘関係でしかなくて。
それはいつまでも続かないし、そう大事なものだとも気付いてなかった。
実際、今までにも何度かこの関係を手放そうとしたことがあった。
一度目は北村クンとみのりんに二人が付き合ってると誤解された時に。
二度目は父親の気まぐれな優しさから一緒に暮らすことになった時に。
結局は二度ともうやむやになり、竜児との心地よい歪な関係は続いた。
だけどこの二人の関係には最初から終わりが定められていたのだった。
互いの好きな人に自分の想いが届くまでという。
そして今、この二人の関係は終わりになった。自分で終わりにした。

みのりんは大河が自覚するより前に大河の中にある感情に気付いてた。
それだけではなくたぶん最初から大河には竜児が必要だと思ってた。
決して自分から寂しいと言わない大河の孤独に気付いてただろうから。
大河の親友だから自分に出来ることならしてあげたいと思ってた。
でも自分には踏み込めない場所があって、何でもできるわけでもない。
だから大河の懐に踏み込んだ竜児にこそ任せられると思ったのだろう。
みのりんは最初から最後までずっとその考えで、ぶれることはなかった。
二人の関係は誤解だと大河に否定されて一度は納得したふりをしたけど。
その後も何度か冗談っぽく仲がいいねとかお似合いだねとか言ってたし。
冗談ということにしてただけできっとずっと本音だったんじゃないかな。
元気でアホっぽいようで、でも芯がしっかりしてて意外と頑固だから。

大河の幸せのために竜児の気持ちには答えないと決めていたみのりん。
そのみのりんが私も高須クンが好きだと、ずっと好きだったと口にする。
大河が自分の気持ちに気付いて、竜児も自分の中の感情の正体を知った、
そんな告白するにしては明らかに遅きに失した今さらなタイミングで。
もちろん今さらだからこそ今なら相手に届かないとわかってて言ってる。
私は言ったよ、だから大河あんたも自分の想いをちゃんと伝えるんだと。
結局のところみのりんは最後の最後まで大河の親友として立ち回っていた。
目に見える目的のためには自分の感情すら殺して意地で突っ走っていた。
その突っ走る姿が竜児の目にはキラキラしたものとして映ってたのだけど。

みのりんが竜児を好きになった理由は恐らくは竜児が想いを寄せたから。
竜児は親友の大河の近くにいたから当然のように互いの距離は近くなった。
距離が近くなればよほど鈍くない限り相手の気持ちが見えてくるわけで。
近くにいるから竜児が見た目と反して優しいのや家事が得意なのもわかる。
それに何より大河のことを想って尽くしてるのを好ましいと思っていた。
みのりんにとっての竜児の好ましいイメージは全て大河とセットだった
大河がいなければみのりんと竜児がここまで親しくなった可能性は薄いし、
大河との共同生活をしてなければここまで好ましいとも思わなかったから。
みのりんが最後まで大河のためというスタンスを頑なに変えなかったのは、
自分の気持ちがどこから生まれたか気付いてたのもあるんじゃないかな。

竜児はある時ずっと秘めていたみのりんへの想いに自分で終止符を打つ。
それはみのりんが想いを受け入れてくれないと思い知ったからではなく、
好ましいと思ってたみのりんの生き様についていけないと気付いたから。
竜児の想いすら千切って突っ走る姿についていけないと思い知ったから。
亜美が傍にいたら焼き尽くされると言った意味を今さら実感したのかな。
そして竜児の恋に引導を渡したのすらみのりんの計算通りだったのかも。
みのりんにも竜児の中のあるもう一つの感情が見えていたのだから。

竜児はずっとみのりんに恋をしていた。それは間違いのない事実で。
竜児はそう思ってたし、片恋共闘関係の大河もそう信じて疑わなかった。
でも竜児の中にも大河に対する自分でも良くわからない感情が存在した。
この関係を心地よいと思ってたのは決して大河だけではなかったのだ。
大河に比べればはるかに恵まれてたとはいえ竜児も寂しかったわけで。
片親と思わせないほどに母親は十二分に愛情を与えてはくれたけど、
生活のために昼夜逆転で働いている母親との接触は薄かったから。
心の中に小さな穴があったのだ。自分でも全く気付かないような傷が。
そして偶然にもその穴に大河はすっぽりはまり込んでしまったのだ。
大河に尽くすことは竜児の中の足りない何かを埋める行為だったのだ。
だから一度は離れようとした大河の手を取って引き止めてしまった。
それが大河にとってどれほど重大な意味を持つか気付きもせずに。

竜児にとっての大河も最初は家族と極めて似通った何かだったはず。
そうでない感情が芽生えたのは大河の心のうちを知ってしまったから。
気を許した大河は竜児の前で心のうちを全てをさらけ出してしまった。
心についた無数の深い傷を、今もなお血を流し続ける赤々とした傷口を。
目を背けたくなる傷口を晒して、でも決して痛いとは言わなかった
たぶん大河は自分の傷口を晒してることに気付いてなかったのだろう。
ただ自分の中にあるささやかで他愛のない夢を口にしただけだから。
ささやかな夢の向こうにある深い孤独に竜児が気付いてしまっただけで。

竜児は暗い孤独の渕に立つ大河のことを助けたいと思った。
決して大河を一人にしない、手を掴んで決して離してやらないと思った。
触った人に幸せを呼ぶ伝説をつくりながら自分は少しも幸せじゃない。
そんな大河を幸せにするにはどうすればいいのかとずっと考えていた。
(そんだけ想われてんだから十分幸せじゃんと亜美は言ってたけど)
そう考えてしまう感情が何なのか竜児にはずっとわかっていなかった。
自分が想いを遂げてみのりんと結ばれるのとは矛盾した感情なのだと。
大河が想いを遂げて北村クンと結ばれるのとは相反する感情なのだと。
大河が夢うつつで漏らした本心を聞くまで竜児は気付けなかった。

高須クンはバカだから嫌い。そう言って前とは態度を一変する亜美。
あんなにハッキリした大河の気持ちに気付けないバカだから嫌いだと。
自分の中にある感情さえ何なのか全くわからないバカだから嫌いだと。
そして、私の想いにこれっぽっちも気付かないバカだから嫌いだと。
大人の中で上手く立ち回るために人の表情を読むことに長けていて。
自分には人の気持ちが見えてしまうのに、肝心な人は気付かなくて。
もどかしくて、腹立たしくて、好きだったから余計に嫌いだと思った。

結局、亜美は自分の気持ちを竜児にハッキリと伝えることはなかった。
(聖夜祭の準備中にボソっと聞こえないような声で言ってるけど)
もしかしたら自分の本心を伝える気なんて無かったのかもしれない。
亜美はせっかく手に入れた居場所を守りたいと思ってたみたいだから。
自分を曝け出したのに受け入れてくれた場所を守りたいと思ってたから。
人の気持ちが見える亜美だから、何とか上手く行くように立ち回ってた。
自分が手を貸すことで複雑に絡み合った関係の糸を解したいと思ってた。
だけど意図に反して事態は余計に混乱し歪みがどんどん拡大していった。
みのりんとは修復困難な亀裂を作り、大河を死にそうな事故に会わせた。
結果的に軽症だったとはいえ大河の事故は亜美には相当なショックで。
自分がここにいなければ、何もしなければ良かったと考えてしまう。

居場所を守ることが最も大事だったから最後まで気持ちを伝えなかった。
自分の気持ちを竜児に伝えたらどうなるかも当然わかってたはずだから。
自分にとって心地よい居場所を壊してしまう行為だと知っていたから。
でも気付いて欲しくて、竜児が全く気付いてくれないのが腹立たしくて。
自分がホントに欲しかったのが何なのか気付くのも遅すぎて。

この物語は竜児と大河の二人が関係を紡いでいくラブストーリー。
そして竜児と大河が二人で新たな家族を始めるストーリーでもある。
恋愛の先には結婚があってそこから新たな家族が始まるわけだから、
ラブストーリーの終着点として家族を始めるのは珍しいことじゃない。
二人の年齢で家族を始めるところまで描くことは滅多にないけれど。
(滅多にないけど全くないわけじゃない)

この作品が他と違ったのは恋愛をする前に家族を始めてしまったこと。
恋愛という緊張感のある距離を経ずにそれより近い家族になったこと。
それは一見すると二人の関係の終着点への近道のように錯覚した。
しかし終着点への道筋を複雑にして道程をはるかに長くしてしまった。
最初から恋愛をする気だったならこの出会いは大失敗だったのかも。
でもこの出会いだからこそ二人は結ばれたのだとも思えるわけで。
他の誰かにとって間違いでも、竜児と大河にとっては間違いではない、
他の誰でもない二人にとっての運命的な出会いだったのだと言える。
それは「団欒から始まる恋もある」とでも名付けたくなる出会い。

この作品の主題は家族で。だから家族との関係を印象的に描いてた。
竜児の片親だけどそれを感じさせないほど愛情たっぷり注いだ親を。
ちょっと子供っぽいようで、でもしっかりと親の顔を見せる泰子を。
捨てたくせに気まぐれで優しくして結局あっさり裏切る大河の親を。
人懐っこくて、人がいいようで、でも自分勝手だった大河の父親を。
この大河の親との関係は物語を描く必然だとは言えあまりに気の毒で。
大河の深い孤独は全て親に起因するわけで、見てるこっちが痛かった
大河を何とか助けたいと思う竜児の気持ちにシンクロしてしまった。

そんな大河がやっと見つけた居場所がまたしても奪われそうになる。
父親が事業を失敗して夜逃げをして、実の母親が引き取ると言って。
竜児は大河を離したくないと思って、大河も離れたくないと思った。
望んだことは全て壊れてしまう。そんなジンクスを大河は壊したかった。
他の大事なことを全て捨ててでも二人の関係だけは守りたいと思った。
竜児は母親との関係すら切り捨ててもいいと一度は考えたのだった。
それは泰子を家族同然に慕ってる大河にとっても身を切る行為だった。
上手く行かない予感がしても、その方法を選ばずにいられなかった。

結局のところ竜児は母親を捨てる選択を取らなかった。
それどころか泰子を竜児以外の家族と結びつける手伝いすらした。
竜児のために捨ててきた実家との関係を結び直すキッカケを作った。
二人の関係を親に認めて欲しかったから。祝福して欲しかったから
そしてそれは竜児の親だけではなく、大河の親についても同じだった。
時間がかかったっていいという竜児の言葉で大河はある決心をする。
竜児に相談をしなかったのは、止められるのがわかっていたから。
話せばきっとわかってくれただろうけど、自分が揺らいでしまうから。

大河は一人で決めて一人で新しい場所に行ってしまう。
想いは届かなかったとしても竜児の傍にいたいと戻ってきたのに。
母親を必死に説得して時間の猶予をもぎ取ってまで戻ってきたのに。
(事故の後の母親と楽しく過ごしてサボってたと嘘をついたところ)
竜児との居場所を守るために他の全てを捨ててもいいと思ったのに。
それなのに大河は竜児の傍を離れる決心をしたのだった。
あの時は傍に居ることが竜児との間の唯一の頼れる関係だったけど、
今は竜児のことを信じられる確かなものが自分の中に有ったから。
少しの間だけど竜児と触れ合ったことで自分の中に力が生まれたから。
(家に帰る電車の中で二人が手を繋いでたのが象徴的で印象的)

大河の決断は多くのクラスメイトとの別れでもあった。
もう絶対会えないわけじゃない。でも簡単には会うことができない。
それでも逃げないで新しい家族で新しい環境で頑張ることにした。
竜児もみのりんも亜美も北村クンも大河の選択をいいとは思ってない。
でも現実に向き合って頑張る大河を認めないわけにもいかなかった。
ただ遠い場所から大河へエールを送ることしか出来なかった。

それにずっと同じ時間が続くわけはないし、同じ関係も続けられない。
とても楽しくても。心地よくても。ずっとこのままの関係でいたくても。
いずれ終わりはやって来る。それが少し早まっただけのこと。
人は学校という温い繭から飛び出してそれぞれの道へ進むのだから。
新たな道への旅立ちは別れでもあって、爽やかだけど、どこか寂しくて。


「機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン 1〜8話」
10月からTBS系(全国ネット)で放送してた全24話の新番組。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(2巻までリリース済)
ソレスタルビーイングの登場によって世界には新たな秩序が生まれた。
多くの国家が地球連邦政府の元に参画し世界は統一されつつあった。
表面的には彼らが願った戦いのない世界が実現しつつあるように思えた。
しかし現実は連邦による反対勢力への非人道的な弾圧でしかなかった。
刹那は変わったはずの世界が何も変わってなかったことに失望をした。
そして世界を変えるため再びマイスターとしてガンダムに搭乗する。

まず第一印象としては、ちゃんと作品になってる!でしょうか(爆)。
そんな表現もなんだけど1stシーズンの最初があんまりだったから……
予想してたよりちゃんとキャラが識別できるし話も楽しめるじゃんと。
恐らく物語の区切りのいいとこで1stシーズンは終わってるはずだけど、
1stの続きだから物語の途中から見てることに違いはないわけで。
そのわりにちゃんと話がわかるしキャラも識別できるなと。1stよりも。
8話まで見たからわかったのではなく、わかったから8話まで見たんです。
アレルヤとソーマ・ピーリスの話の行方にちょっと興味があったから。
(8話まで見たのはプトレマイオスに乗った後の扱いが気になったから)

2ndシーズンを見て1st冒頭の構成のダメさも余計に実感してしまったり。
同じ世界設定で同じキャラだからこそ面白さの違いを痛感するわけです。
同じスタッフが作ってるのになんでこんなに違いが?とか思ったよ。
てゆーか出来るなら最初からやれよ黒田某!と(失礼だけど)思った(爆)。

1stシーズン最初と2ndシーズン最初の面白さの違いを一言で表現するなら、
ソレスタルビーイングがストーリーの当事者かどうかに尽きるでしょう。
2ndシーズンは4人のガンダムマイスターを含むプトレマイオスクルーが
物語の中心にいて当然ながら作中の視点もそこを中心にしてるわけです。
しかし1stシーズンでは紛争を行ってる各国の人たちこそが物語の中心で
ソレスタルビーイングは(最初は)得体の知れない暴力的な存在でしかない。
細切れな紛争エピソードとそれに関わる各国の人たちに視点をばら撒いて、
さらには意図も意思も見えないガンダムマイスターの視点も入れてる。
時間のわりに視点が多すぎてキャラの識別が困難な代物になっている。

公式サイトで全体(1st/2nd)のあらすじをざっと読んでて思ったんだけど、
1stの最初の頃はソレスタルビーイング側の視点はいらなかったような。
むしろ彼らの視点を隠して得体の知れない存在として描くべきだったかも。
でも沙慈の傍に刹那がいたように構成キャラだけは登場させておくのです。
予め彼ら(ガンダムマイスター)の内面を視聴者に伝えておくのです。
そしてソレスタルビーイングの意図と一緒に彼らの正体を明かすのです。
そうすれば中身の無いペラペラなキャラがカッコだけつけてるみたいな、
1stシーズン最初のどーしょもない印象にはならなかっただろうに……

もちろん、この作品のセールスコンセプトとして
4機のガンダムと4人のマイスターが存在してるのはわかってますが。
だから最初から意味もなく登場して活躍してるのもわかってます。
よーするに物語の構成とセールスコンセプトが噛み合ってないのです。
それでも何とかするのが制作スタッフの力の見せ所だろうとも思ったよ。


ピアノの音色と切なさと (09/4/1) 次へ 前へ
目次へ

ブログのコメントを確認しててふと有ることに気付いたのです。
携帯からだといろいろ書いた注意書きが全く見えないことに……
という以前に携帯から見たらナビゲーションが恐ろしく不便だった(爆)。
前から携帯で見たらどうなってるのか気にはなってたんだけどね。
対応してる時間が無かったので気付いてないふりをしてたわけです。

でもそんな事情はお構いなく携帯でブログを見てる人がいるわけで。
(携帯からは全く見えなくするという荒業もないことはない)
せめてブログから注意書きだけでも見れるようにしないとマズイなと。
そう思って携帯用テンプレートの改造を始めたら止まらなくなった(汗)。
なんか性格的に中途半端なレベルで終わらすことが出来ないというか。
結局10数時間かけて現状で出来る最も使いやすい形に辿りつきました。
カラーリングもPC版に近づけたので似た感じで閲覧は出来るはずです。
PCの画面サイズに特化した改行作法は携帯では逆効果で読みにくいけど。
それでも同テーマ記事に辿れなかった今までよりはずいぶんマシかなと。

他のエントリーへと辿る方法として注目作品と新番組索引もつけました。
新番組の索引に関してはPC版をほぼそのまんま流用(表示)してますが。
でも実はPCと携帯で記事のレイアウトが変わるようにしてあったりする。
改行タグにスタイルを適用してPCで見るときだけ無効にしてあるのです。
(携帯ではスタイルを設定してないのでそのまま改行する)
やうと思えばPCで見たときだけ改行するようにも出来るんじゃないかな。

タイトル検索とタイトル索引はそのままでは実現できませんでした。
検索の方はブログ内検索が何故か携帯モードでは動かないので……
単純に検索結果に携帯テンプレートを適用すればいい話だと思うのに、
携帯モードにした瞬間に検索機能自体が無視されるようになってたり。
PC用テンプレートで検索した内容を携帯テンプレートに表示する細工を
自前のCGIを介して実現するかなり面倒な方法があるには有るのですが。
携帯うんこブラウザ(おいおい)のためにそこまで手間かけてられるかよと。

全タイトル索引はページのサイズが大きすぎるみたいです。
PCで携帯モードにして見ると表示はされるけど変換されてないみたい。
(ある一定のサイズ以上は携帯用の変換が動作しない模様)
これはタイトル索引のページを分割するしか手がないっすね。
でもPC用と携帯用の二つのタイトル索引をメンテするのは手間なわけで。
そもそも既に本家とブログで二つのタイトル索引をメンテしてるわけで。
一つのソースから上手く変換する方法を考えないと続けられそうにない。
とりあえず「調整中」と書いたけど、永遠に調整中だったりして(爆)。


と言うわけで、コミックお薦めを更新しました。2月分です。
時間がないのにさらに余計な作業をやったので当然追加はありません。
てゆーかついに再び1ヶ月遅れになってしまいました……

タイトルは追加できないけど今月も簡単なフォローを一つ。

「犬夜叉」
いつまで続くんだろうと思ってたこの作品がついに完結しました。
この作者の作品としては今まで一番(それも圧倒的に)長くなりました。
だらだらと内容を引き延ばしてくれたので巻数のわりに中身薄いけど。
内容を整理して20巻ぐらいで完結させてれば名作だったのにね(爆)。
まぁ、少年誌はそう言いたくなる作品が腐るほど有りますが……


「CD とらドラ! 未収録サウンドトラック」
放送が終わったので全楽曲リストの残りの分を追加しました。
そしてリストを作りながら抜き出した(セリフつきの)未収録曲素材から
より曲が聞きやすいのを選んでいい感じに編集しCDにまとめてみました。
これがあればサントラの2枚目が出るまで何とか凌いでいけるよ。
ちなみにアニメの20話以降の感想は今回は間に合わないので次回に。
(前回の小説のところにもアニメのこといろいろ書いたけど)

放送を最後まで見て使用曲のリストを作ってて思ったんだけど、
単品では無かったとしてもサントラはもう1枚出るんじゃないかなと。
だって終盤の20〜26話に使われてる曲からオレンジのイントロ違いと
次回予告を除いた延べ57曲の中でサントラ収録曲は3割しか無いから。
つまり終盤の重要なシーンで使われてる曲が大量に落ちてるわけです。
序盤ならともかくクライマックスの重要曲が落ちまくりなわけですよ。
これで2枚目が出なかったらシャレにならん……

もう一つ、もう1枚出る可能性を感じさせる状況証拠が。
主題歌シングルとサントラのレーベルを見てて気付いたのです。
それぞれがとらドラ!のロゴ(丸に文字が入ってるアレ)なことに。
プレパレードが「と」でサントラが「ら」でオレンジが「ド」。
※バニラソルトとsilky heartは堀江由衣仕様になってる



このデザインだとあと「ラ」と「!」が有っても不思議じゃない。
サントラがもう1枚とよくあるキャラソング集みたいのが出るとか。
少なくとも「ホーリーナイト」を収録する何かは1枚出るはずだよ。
(ドラマCDはリリースタイミングから考えて別扱いだろうか)

この作品は終盤に向かって雰囲気が大きく変わっていくのです。
そこまでも穏やかだったり切なかったりする曲を重点的に使ってたけど
日常系のノリノリな曲やネタっぽい曲もそれなりに散りばめられていた。
しかし終盤は遊びの要素が大幅に減って切ないモードに突っ走っていく。
雰囲気を作るために音楽をつけないシーンも目立つようになっていた。
使ってる音楽も穏やかで静かで切なくてキレイな曲がほとんどになって。
最後の2話なんか冒頭の「Startup」以外は全てがその手の曲になったし。
ここまで雰囲気作りを徹底してたことにちょっと感動してしまいました。

終盤で未収録曲がやたらと多いのは1枚目のサントラに収録された曲と
シチュエーションが求める雰囲気がかけ離れてしまったせいでしょう。
ちなみにサントラ収録曲で後半(17話〜)に最も多く使用されてたのは
キラキラした旋律の繰り返しが凄く印象的な「雨色ロンド」です。
なんと16話以降では20話と21話以外は毎回のように使われてました。
まさにこの曲こそが後半の雰囲気を象徴してると言えるかもしれない。

あと後半に重点的に使われてたのは21話で初登場した2曲のピアノ曲。
ピアノだけの静謐な響きの中にどこか悲しさ切なさを感じさせる曲。
この「M21-1」と「M21-2」の2曲はなんと21〜25話まで毎回使ってます。
使用頻度と曲の印象と使用シーンを含めて終盤の象徴と言える曲っすね。
この2曲を収録してないサントラなんてサントラとして不完全だよ。

終盤の重要シーンで使う「M19-1」「M20-1」「M22-4」「M24-1」「M25-1」
中盤やそれ以降に印象的に使ってる「M1-3」「M11-2」「M13-1」
序盤から中盤に印象的に使ってる「M2-1」「M3-2」
そして使用頻度の凄く高い日常系の曲「M2-2」「M4-1」「M4-2」「M5-3」
最低でもこのへんの曲まで収録したサントラを出さないと許されないよ。
てゆーか他の誰が許してもあてが許しまへんえ(誰よ)。


以下、未収録曲の全曲紹介と実際に曲を抜き出したシーンを説明。
サントラのとこに書いたやつに追加・修正をした完全版です。
詳細な使用リストは「とらドラ! 全楽曲」を参照してください。
※Mxx-xxの横の()は便宜的につけた曲名です

「M1-1」(手乗りタイガー)
16話のアバンの大河が会長立候補宣言のシーンで使ってます。

「M1-2」(カワイイ顔)
穏やかでキレイな曲。Tears of dragonのバリエーション
印象的なシーンで使ってるので聞き覚えがあるはず。
1話の私のために何でもしてくれる?なシーンで使ってます。

「M1-3」(ひとり)
キラキラした寂しい感じの曲。Tears of dragonのバリエーション!?
印象的なシーンで使ってるので聞き覚えがあるはず。
18話のみのりんが壊れた星を直してるシーンで使ってます。

「M2-1」(心の距離)
ピアノベースの物悲しい曲。Lost my piecesのバリエーション
印象的なシーンで使ってるので聞き覚えがあるはず。
16話の北村クンのホント馬鹿だよ俺ってなシーンで使ってます。

「M2-2」(スラップスティック)
ノリノリの変な曲。
シリーズ全体で13回も使われてるので聞き覚えあるはず。
4話のお弁当を持ち寄ってご飯を食べてるシーンで使ってます。

「M2-3」(プレパレード 次回予告mix)

「M3-1」(Happy Monday type.B)
Happy MondayのスキャットなしVer。
シリーズ全体で11回も使われてるので聞き覚えあるはず。
5話の体育の授業の(亜美の天然演技の)シーンで使ってます。

「M3-2」(帰り道)
穏やかで物悲しい曲。Hey! You are lucky girlのバリエーション
印象的なシーンで使ってるので聞き覚えがあるはず。
3話の大河が頑張って自転車に乗ろうとしてるシーンで使ってます。

「M4-1」(ポクポクポクポク)
変なビート(ポクポク)が目立つコメディ曲。
シリーズ全体で10回も使われてるのでたぶん聞き覚えあるはず。
10話の洞窟に入ってすぐのボケパートで使ってます。

「M4-2」(まったり気分)
ゆるい感じの日常のシーンって感じの曲。
シリーズ全体で14回も使われてるので聞き覚えあるはず。
17話の能登がファミレスの席を指示してるシーンで使ってます。

「M5-1」(カンチガイアワー type.B)
カンチガイアワーの旋律の無いVer。
カンチガイアワーと同じ曲とは思えないほど印象が違います。
5話の大河の前で黒い亜美が出現するシーンで使ってます。

「M5-2」(ゴージャス哀愁)
ピアノと弦楽器のゴージャスで哀愁を感じさせる曲。
14話の亜美がゆりちゃん先生をおだててるシーンで使ってます。

「M5-3」(昼下がり)
軽快で洗練された雰囲気の曲。
シリーズ全体で9回も使われてるので聞き覚えあるはず。
15話の亜美の心配したって馬鹿みるだけ〜なシーンで使ってます。

「M6-1」(なんとなく戦隊系)
こてこて戦隊モノっぽい曲。
6話の食らえコンビニ神拳!のシーンで使ってます。

「M6-2」
軽快な日常系の曲。
6話でゴミ集めに行く下駄箱のシーンで(1回だけ)使ってます。

「M6-3」(恐怖ワカメの霊)
同じフレーズを繰り返すテンション系の曲。
印象的なシーンで使ってるので聞き覚えがあるはず。
6話の亜美がストーカーに恐怖するシーンで使ってます。

「M7-1」
7話のおまえ貧乳なのか?なシーンで(1回だけ)使ってます。

「M8-1」(壮大なスケールみたいな)
いかにも壮大って感じの曲。
8話の大河が練習するカットを並べてるシーンで(1回だけ)使ってます。

「M9-1」(タタタタタターン)
バチで叩いたような音で始まる変な曲。
11話の北村が景品を説明してるシーンで使ってます。

「M9-2」(Magic of love type.B)
Magic of loveのスキャットなしVer。
9話の亜美の別荘に到着するあたりで使ってます。

「M10-1 (バニラソルト イントロ パターンB)
中盤のバニラソルトのイントロがピアノになってるVer.
10/11/12/13/14/16話で使ってます。

「M11-1」
11話の生徒会の会議のシーンで(1回だけ)使ってます。
M7-1かM9-1の別パート!?

「M11-2」(スノーファンタジー)
ふわふわした幻想的な曲。
11話以降に8回も使ってるので聞き覚えがあるはず。
13話のアバンのミスコンの準備のシーンで使ってます。

「M11-3」(カーニバル)
サンバなリズムの曲。
11話の大河の抗議から練習に突入するシーンで(1回だけ)使ってます。

「M12-1」(プロレスショー)
12話のプロレスショーの劇パートのバックでかかってる曲。

「M12-2」(大河VS亜美)
12話のプロレスショーのメインエベントのバックでかかってる曲。

「M13-1」(走れ)
決めどころで使う、走り出すみたい(Startupと同じ系統)な曲。
印象的なシーンで使ってるので聞き覚えがあるはず。
13話の行ってやらなくちゃなシーンで使ってます。

「M13-2」(キャンプファイヤー)
13話のキャンプファイヤーで流れてるローファイな曲。

「M17-1」(構内放送BGM)
17話のお昼の放送のバックで流れてる曲。
はっきり識別できないのでよくわからないけど3曲ぐらいあります。
これだけは曲が識別できないので自作サントラに入れませんでした。

「M17-2」(silky heart 次回予告mix)

「M18-1」(オレンジ イントロ パターンB)
18/24/25で使ってるオレンジのイントロがギターになってるVer.

「M19-1」(幸せな瞬間)
ピアノベースの穏やかで優しい感じの曲。
19話で大河とサンタが踊ってるシーンで使ってます。

「M20-1」(ずっとこのまま)
ピアノベースの静かでキレイな曲。
20話でみのりんのずっとこのままなシーンで(1回だけ)使ってます。

「M20-2」(オレンジ イントロ パターンC)
20/23話で使ってるオレンジのイントロ違いVer.
ピアノとビブラフォンを重ねたような音!?

「M21-1」(届かない想い)
ピアノの静かでキレイな曲。
終盤の印象的なシーンで何度も使ってるので聞き覚えがあるはず。
25話の大河と竜児が何度もキスをするシーンで使ってます。

「M21-2」(偽りの笑顔)
ピアノの静かでキレイな曲。
終盤の印象的なシーンで何度も使ってるので聞き覚えがあるはず。
23話の亜美のでもホントは私がいなけりゃなシーンで使ってます。

「M21-3」(オレンジ イントロ パターンD)
21話で使ってるオレンジのイントロ違いVer.
これもピアノと何かを重ねたような音。

「M22-1」
軽やかで穏やかな日常系の曲。
22話のラーメン屋の前で待ってるシーンで(1回だけ)使ってます。

「M22-2」(マカロニウエスタン)
マカロニウエスタン!?って感じの曲。
22話のラーメン屋のオヤジが舞ってるシーンで(1回だけ)使ってます。

「M22-3」
22話のみのりんが亜美を脅かしたシーンで(1回だけ)使ってます。
もしかしたら別荘に行った回にも使ってた(曲と認識しなかった)かも。

「M22-4」(決意)
穏やかでどこか物悲しい感じの曲。
23話の大河が落ち込んだ竜児に大丈夫!と言ってるシーンで使ってます。

「M24-1」(見えていること)
弦楽器ベースの穏やかで優しい曲。
24話のみのりんの見えてるものに走り出せなシーンで使ってます。

「M25-1」(信頼)
ギターベースの穏やかでどこか寂しい曲。
25話のあいつは俺を信じてくれてるなシーンで(1回だけ)使ってます。


「舞-乙HiME 0 S.ifr 1〜3巻」
去年リリースされた30分×全3巻のOVA。DVDレンタル。
※レンタルDVDは全巻リリース済

舞-乙HiMEの番外編OVAで乙HiMEより過去の話で。
アリカの母親で伝説のマイスターオトメであるレナ・セイヤーズが
シフル・フランというヴィントブルーム王家の血を引く少女を
その血に秘めた力を悪用しようとする者たちから守って戦う話です。
(乙HiMEの後日談的な乙HiME ZweiというOVAもあります)

これを見た後に乙HiMEの最初の数話を確認のために見てみたんだけど、
レナ・セイヤーズってオープニングにも本編にもしっかり出てるね。
1話でレナが川に流してたのはアリカ=自分の娘だったわけですな。
当時は王女だと思っててアリカが本当の王家の血筋?とか考えてたよ。
(乙HiMEは最初の方しか見てないのです)
マシロが本当に王家の血を引いてるかわからないとか強調してたしね。

この血がどうとかってシフルの子供だからそう言われてたんだろうか。
その力ゆえに両親以外の多くには望まれなかった存在だったわけだし。
このへんが乙HiMEを最後まで見れば出てくるような内容ではないなら、
このOVAを見た方が乙HiMEの理解を深めることに繋がると思います。
アリカの母親の華麗、、、と言うには圧倒的過ぎる活躍も見れるから。
(作中でガルデローベ始まって以来の怪物呼ばわりされてるよ)
とてもスペクタクルな内容なので理解云々抜きでも見る価値はあるよ。
ちなみにこれを先に見てから乙HiMEでもたぶん大丈夫だと思います。

にしても久しぶりに見た乙HiMEはなんだかとても面白かったよ。
最近またライトファンタジーなアニメがずんぶん増えてきてるけど、
それらと比べても一ランク上の面白さだと思ったね。これも含めて。
何と言ってもカッコイイし、そしてカワイイ。という印象に尽きます。

考えてみたらこの作品ってコスチュームもキャラ描写のスタンスも
プリキュアとかの戦う少女モノと極めて似通った路線だったりして。
でも対象が小さい女の子じゃないのでグッズ展開用のチープさはない。
それだけならそのものズバリの「なのは」も条件は全く同じわけですが。
この作品はコスチュームや世界のデザインにえらく力が入ってるのです。
(なのはも杖の設定には凄く力が入ってたけど)
いわゆる制服とメイド服を組み合わせたようなガルデローベの制服とか、
シンプルな機能美のようでちょっとした装飾が施されたローブとか。
現代モノとファンタジーのシンプルと過剰装飾のいいとこ取りみたいな。
コスチュームデザインは見ててとても楽しかったよ。舞-HiMEよりも。
キャラも生き生きとしてて見てて楽しいよ。嫌がらせしてるとこもな(爆)。
確認のために見返してたらとても続きを見たくなってしまいました。

そういえば、このOVAにはオトメが生まれた理由なんかも出てきます。
なんと乙HiMEの世界ってHiMEの世界のはるか未来の時間だったとは。
(このへんって乙HiMEにも出てくるのかね)
ファンタジーっぽいのにナノマシンとかSFの記号が存在すると思ったら。
自らも破滅させる科学の力を封印した世界に残されてた力だったわけで。
テレビみたいな現代的なモノが存在してたのもそんな理由だったわけか。
設定を知ってみればなるほど!と思えるのだからよく考えられてるよ。
オトメというシステムが一種の茶番劇だというのも凄い設定だ……
茶番劇にも関わらず演じるオトメたちにとっては命がけなんだから。


「みなみけ おかえり 1〜5話」
1月からテレビ東京系(6局)とAT-Xで放送してた全13話の新番組。
原作は青年誌(ヤンマガ)のマンガで3巻まで読んだことがあります。
※セルDVDは4/8からリリース(レンタルは4/24から)

約1年ぶりのみなみけ3クール目です。
制作会社は何故かおかわりと同じだけど監督は変わってます。
キャラの目が小さくなってたり、1回あたりショート4本構成だったりと、
作品の体裁的には(人気があった)無印にかなり近づけてあります。
主題歌なんて無印のオマージュかよって感じだし(作詞・作曲は同じ人)。
変なオリジナル要素もかなり薄くなったので内容も無印に近いです。
(お隣の人は存在を抹消したのかな?)
無印から続けてみる場合はこっちの方がはるかに違和感は少ないです。
なので作品の内容とかは「みなみけ」のところを参照(おいおい)。

ただし似せてるだけで完全に無印と同じテイストではないですが。
顔がいきなり劇画タッチになる表現手法は全く踏襲してないし。
演出レベルも頑張ってはいるけど無印より多少落ちるかなって感じで。
(つまり「今日の5の2」TV版の方が演出レベルはずっと上ってこと)
総合的な印象はおかわりよりは上、無印よりは下って感じでしょうか。
カレーの妖精はとても面白かったよ。保坂先輩の気持ち悪さも含めて(爆)。

基本は無印に似せてるけどおかわりを引きずってる部分もあったり。
それは南家の間取りやら(高校の)教室の構造とかの空間設定のあたり。
恐らく(大月)プロデューサーは無印に似せろとはオーダーしたけど、
そのへんの細部に関してまでは指示をしなかった(任せた)んだろうね。
そもそも無印とおかわりで南家の間取りが違うのはどうかと思ったが。
この南家の間取りをおかわり仕様にしたのは失敗だった気がするよ。

無印の間取りは。
玄関を入って廊下を突き当たったとこにリビングがあって。
キッチンはリビングの手前を右に入ったところにある。
リビングとキッチンはアコーディオンカーテンで仕切られてる。
玄関から見てリビングの左側の襖を開けると千秋の部屋。
廊下はリビングに突き当たって左(キッチンの反対)に曲がってて。
曲がった先の右(奥)側には夏奈の部屋がある(千秋の隣)。
おそらく春香の部屋は夏奈の部屋の反対側(手前)の扉だと思う。
玄関からリビングまでの廊下には右に一つ、左に二つ扉がある。
サイズ的に右のが風呂&洗面所で左の一つがトイレな気がします。
(確認した4話までには使ってるシーンが存在しない)
ベランダは当然ながら玄関からちょうど反対側にあります。

たぶんこんな感じ(サイズはテキトー)です。


おかわり・おかえりの間取りは。
玄関から入って手前の右側がリビング、左側がダイニングキッチン。
右の奥が千秋と夏奈の部屋で左奥がたぶん風呂&洗面所(&トイレ)。
ってことは突き当たりの部屋が春香の部屋だろうか。
ちなみにベランダは何故か玄関から入って右側に存在します。
右端みたいだからそこにあってもおかしくはないけど……
長辺の片側に玄関があるんだから反対側にもベランダがあるはず
そのへんの設定はちゃんとしてるはずなのになんか変ですよ。

おかわり仕様の間取りに違和感があるのはとりあえず置いといて。
おかわりの配置では全体の構造がわかりにくいのです。
キャラの動線をきっちり描かないと部屋の配置が見えないのです。
実際、1話構成だったおかわりではある程度把握できたんだけど、
動きが省略されたショート構成のおかえりではまるでわかりません
4話まで詳細に確認したけど玄関と廊下とリビングの関係しかわからんよ。
キッチンがリビングの反対にあるらしきことは何となく説明されるけど、
その間の動きが存在しないので実際のところは確証が持てません。
キッチンとダイニングがひと続きなのも絵が無くて全くわからんし。
おかわりを確認してて同じらしいと気付いて脳内で補完しただけです。
(おかわりとほとんど同じだけど一部設定が違うみたい)

無印の間取りは何と言っても視界がクリアなのが特徴なのです。
キャラがよく集まるリビングがあってその扉を開けると玄関が見える。
リビングとキッチンは行き来が見えるので位置関係がわかりやすい。
キッチンから廊下を見るとそのまま廊下のL字の奥が見える。
千秋の部屋はリビングと襖で繋がってるからこれも位置関係が見える。
ショートのようなキャラの動線が極めて制限される作品だからこそ
キャラをあまり動かさなくても配置がわかるようにしてあるのです。
1話で夏奈がキッチンから見える右奥の扉から起きてきてみたり、
千秋にキスしようと走り回ったりと配置を意識的に見せてもいる。
1話を見ただけでほぼ部屋の配置がわかるあたりよく考えられてます。

この手の設定って一見すると作品の面白さに関係ないようだけど
「みなみけ」みたいな限られた空間で展開するストーリーの場合、
空間の存在感はボディーブローのように効いてたりするわけです。
無印に似せているのに無印に届かないのはそのへんもあるのです。

※今回もDVDの初回版にサントラが付属する模様


「キャシャーンSins 1〜6話」
10月から一部の民放(5局)とキッズで放送してた全24話の新番組。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(4巻までリリース済)
人に生み出されたロボットが人に反旗を翻し人の上に君臨していた世界。
この世界には「月という名の太陽」と呼ばれたルナという少女がいた。
ロボットの支配の中で希望を求めた人々の拠り所だった、んだそうな。
※公式サイトにそう書いてあるけど6話までには全く出てこない
しかしルナの存在を快く思わない存在によってルナは暗殺されてしまう。
死なないはずのルナが死んだとき、世界は滅びへ進み始めたのだった。
修理すれば無限に動き続けるハズの機械たちが次第に朽ち始めたのだ。
それから長い時を経て、都市は朽ち果て頃、キャシャーンは目を覚ます。
自分の名前も、正体も、世界を滅びに導いた自分の行為も全て忘れて。
※キャシャーンは暗殺を実行しただけ

まず思ったのが、見る人は激しく選びそうな作品ってとこかな。
見た目から設定からストーリーまで全てがニーズから離れすぎてるよ。
他とは全く似ていない独創的な作品と言う意味で価値はあるとは思うけど。
作品が飽和してる時代に誰が見たいと思うのかわからない作品を作るなんて
プロデューサー達はチャレンジ精神が旺盛すぎだろうと思って見てました。
つーか昔の作品の名前と設定を継いでるのは売るためじゃないのか?(笑)
(その手の作品の多くは商業的にコケてるという現実もあるが)

元の作品である「新造人間キャシャーン」については良く知りません。
ガッチャマンは(再放送で)見たことあるけどこれは見たことが無いので。
まぁ見たことあったとしてもこんな大昔のはほとんど覚えてないね(爆)。
だからこの作品とどんな関係かも正確なことはよくわかりません。
DVD-BOXの宣伝用の特設サイトに書いてある作品の解説を読む限りは、
同じ世界設定で時間軸は元作品よりずっと未来ということみたいです。
ただ設定とかには多少の相違が見られるので続編ってのとは違うような。

元の作品はわりと王道のヒーローモノだったみたいです。
人類対ロボットの戦いで機械の体になって人のために戦う内容らしいし。
人のために戦ってるのに機械の体だからと人に嫌われたりもするそうな。
ロボット犬フレンダーはキャシャーンの相棒として一緒に戦うみたい。

それに対して今回の作品は戦ってはいるけどヒーローモノじゃないね。
キャシャーンが終末へと向かう世界の中で、自分の行為の結果を見つめ、
自分の正体と自らのなすべきことを求めて旅をするという内容なので。
つまり見た目や味付けが独創的すぎるだけの一種のロードムービーです。
そのへんを理解して見てればそれなりに楽しめたりするかも。
2〜4話の崩壊の中で生き方を選ぶロボットたちの姿とか興味深かったし。
ロボットの生き方って何?って気もするけどまさにそんな内容なんだよ。
4話の戦いでしか自分の気持ちを伝えられないって話は結構良かったね。

2話の滅びを受け入れ穏やかに朽ちていくロボットたちが集う教会と
そのリーダー(牧師?)のビジュアルは手塚テイストっぽいとも思った。
キャラ絵が聖闘士星矢な頃のタッチだし、雰囲気もとてもレトロなので、
技巧的には確かに今の作品なのにまるで今の作品って感じがしません
視聴者に媚びろとは言わないがもう少し親しみやすく出来なかったのか?
こんなのも興味深いとは思うけど、そう思う人は多くないとも思うよ。

※セルDVDは各巻2枚組でレンタルは1枚ずつ(リリースは2枚同時)


「ミチコとハッチン 1〜6話」
10月からフジテレビ系(3局)とBSフジで放送してた全22話の新番組。
※レンタルDVDはセルDVDと数日違いリリース(3巻までリリース済)
慈善家として知られる神父夫妻に引き取られた孤児のハナ(ハッチン)。
彼女に対する義理の家族の扱いは筆舌に尽くし難いほど酷いものだった。
世界名作劇場から抜け出してきたようなとでも言いたくなる日々だった。
(つまり神父夫妻の慈善家の姿は表向きの姿ってことです)
ハナはこんな地獄の日々から連れ出してくれる存在を淡く夢に見ていた。
そんなハナの前に一人の女が現われた。バイクで窓をぶち破って
彼女の名はミチコ。自分の生きたいように生きる前科無限大な女だった。
彼女は自らをハナの母親だと説明し、有無を言わさず連れ出すのだった。
こうしてハナの夢は叶えられた。思い描いたのとはかなり違った形で。

見た目は凄くいいね。見た目だけは
緻密で雰囲気抜群の空間描写にちょっとメリケンちっくなキャラ絵で。
いかにも売れ線の絵柄ではないけどこの手の絵も嫌いじゃないし。
キャラの動作やアクションにも予算いくら?と思うほど力が入ってる。
ビジュアル面に関しては文句なしの満点(以上)をつけられると思います。
しかし素晴らしい映像でやってる内容は、、、パッとしないんです。

この作品の内容を一言で形容すると、
胸に響くほどはリアルじゃなく、スカッとするほど嘘っぽくもない。
やな人間がいっぱい出てきてハナ(ハッチン)を苦しめる内容だから、
最後に気に入らない現実をぶっ壊す展開ならスッキリするだろうに。
ミチコはかなりダーティな性格でそれをやっても違和感がないのに。
変なとこでリアルを追求してそんな滅茶苦茶なことにはしないのです。
かといって感情移入できるほどの生々しい内容でもないわけで……
なんか小ギレイにまとまった「お話」を見せられてる気分なんです。
そこそこ見れるんだけど今ひとつ惹きつけるものが弱いのです。
雰囲気抜群だけど売れなかった頃の邦画でも見てるような気分です。

数話のエピソードを重ねて続くロードムービー的な体裁なんだから、
それぞれのエピソードの最後に花火を上げるような内容だったなら
ほぼ同じ見た目と内容だったとしてもずっと印象的だったと思うよ。

Copyright(C)1997-2009 NAVI All Rights Reserved.
次へ 前へ