答えないという答え (09/1/26) 次へ 前へ
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毎度お約束のように更新日が遅れてます……
てゆーか今年に入ってから連続して予定日をぶっちぎってます。
年明けからこれでは先が思いやられます

というわけでコミックお薦めを更新しました。12月分です。
更新日が遅れてるのでコメントを追加する余力は当然ありません。
このフレーズをいったい何度書いた(コピペした)ことでしょう(爆)

時間がなくてタイトルを追加できないので簡単なフォローを。

「ローゼンメイデン」(PEACH-PIT)
ヤングジャンプに移籍して再開した分がコミックスになりました。
単純な続きかと思ったらパラレルワールドな世界だったりして。
でも今までの作品世界とも繋がってるみたいです。
今後どんな形で今までの内容とリンクしてくるのか楽しみです。
しかし……区別できるようにタイトルは少し変えて欲しかった。
例えば「ローゼンメイデン Re:」みたいに。
バーズ版もヤンジャン版も全く同じタイトルなんで紛らわしいよ。
(バーズ版もYJコミックスで再発されてるし)

「いとこ同士」(のぞみ侑海)
のぞみ侑海さんの何年ぶり?とか言いたくなる3冊目のコミックス。
たまにばんがいちを買うことがあったけど一度も載ってなかったから
もう描いてないのかと思ったのに寡作だけどまだ描いてたようです。
相変わらずの他の人とは明らかに違う作風のまま。
ホントはなんとか時間を作ってコメントを入れたかったんだけどね。

「それ町」や「まり†ほり」も賞味期限が切れる前に入れたいのに。
果たして入れられる日は来るのでしょうか……



「とらドラ! 11〜16話」
この作品って……好きだ。とても好き
今までも凄く面白いと思ってたし繰り返しそう言ってきたけど。
今回の二つのエピソードの終わらせ方を見ててそう思ったのです。
自分の中の印象が今までよりも一段階上がったとでも言うか。

なんで好きだと感じたかを一言で説明すると魂に響いて来るからです。
大河や竜児やみのりんや亜美や北村クンの感情が強く伝わってくるから。
もちろんキャラ描写は生っぽいし作品世界に生活感が溢れてたから、
今までのエピソードだってびんびんにキャラの感情は伝わってきてた。
今回は今までより感情が強く吐き出されるエピソードだったってだけです。
キャラが生っぽいからこそより強い想いがストレートに響いてくるのです。
最初は軽く叩いてくる感じだったのがここへきてグサグサ刺さってきます
初見で何とも惹きつけられる作品だと思った印象は正しかったんだなと。
(好きになる作品はいつも最初から何か感じるのです)

今回見た中で一番印象的だったシーンは
14〜16話の北村クンの生徒会をやめてやる騒動エピソードでの一場面。
大河はこれは北村クンと会長との関係を絶つためのいい機会だからと
北村クンのやめるという意思を尊重する方向で元気づけようとするのです。
その目論見は上手く行って北村クンは元気になったと思っていたのです。
でも寝ながら涙を流す北村クンを見てひどくショックを受けるのでした。
自分勝手に何を喜んでたんだろうと。北村クンの気持ちを考えなかったと。
北村クンの助けになれないこんな自分の至らなさがイヤになるのです。
自分が苦しいときに助けてくれた北村クンの救いになりたいと思うのです。
その行為が結果的に自分の利益にならなかったとしても。
今までの自分のことだけを考えていた、それだけで精一杯だった恋から、
相手を想って包み込む愛に変わった。このシーンはそんな瞬間なのでした。
※恋とか愛とかは便宜的に使い分けてるだけなので念のため

その後の大河の行動はちょっと凄かったね。まさに規格外と言うか。
自分や竜児のイメージの悪さを逆手にとってあんなことをするとは。
竜児と出会う前の暴れん坊だった大河の場合は多少は自業自得とはいえ、
手乗りタイガーという呼び名もそのイメージにも傷ついていたわけで。
(プロレスショーでもあんな悪役はやりたくなかったわけだし)
それが好きな人のため率先して自分が泥をかぶる役を演じたんだから。
選択した行動のインパクトと共に大河の想いの深さを実感させられたよ。

にしてもこの作品は時々予想の斜め上を行く展開になりますな。
普段は表情も行動もわりと生っぽいのに時々予想を大きく外れるというか。
生っぽさとインパクトの絶妙なコントラストこそが面白さの理由なのかも。

その14話からのエピソードでついに出てきたけど
北村クンはやっぱりあの男前の会長さん(女)が好きだったようで。
どーやら亜美には他人の気持ちがほとんど見えてしまってるみたい。
みのりんにも「罪悪感はなくなった?」とか言ってるし。
竜児の気持ちが自分に向いてないのも当然見えてしまってるのでしょう。
友人たち(木原&香椎)に亜美は大人っぽいし美人だしスタイル抜群だし
迫ったら落ちない人は居ないよ〜って言われてへらへら笑ってたけど、
本当はちっとも簡単には行ってないよ!って言いたかったのかもね。
それでも可能性はゼロではないとマメにアプローチしてるのが健気だよ。
対する竜児のリアクションがたまにみょーに優しいのも何とも言えず。
今日元気ないし顔色悪かっただろ肉喰えとか言ってお裾分けしたりとか。
予想外の優しさに亜美の顔がほんのり赤くなってるのが印象的でした。
このシーンを見ててキミのその無自覚な優しさは罪だとも思ったけど。

罪悪感〜なセリフがどこかで出てくることはすでに知ってました。
(質問サイトの問いがちらっと見えてしまったから)
でもこのシチュエーションで出てくるとは全く予想できなかったよ。
もっと違うシーンで違った意味で使われるんだと思ってたから。
この流れでそのセリフってことはみのりんは気付いてるって意味で。
竜児の気持ちにどこかで気付いてでも気付かないふりをしてるわけで。
文化祭の二人の写真を買うところでそれっぽいそぶりが見えるけど、
あそこで気付いたというより薄々感じてたことを確信したっぽいなと。
好意を寄せられればよほど鈍くなければある程度は感じるものだから。
みのりんが気付いてるとわかると15話のセリフの意味もわかるのです。
竜児に言った「私は傲慢でずるいんだよ」ってセリフの意味が。
(竜児はみのりんのそのセリフの意図が全く理解できてません)

竜児とみのりんの関係に大きな変化もありました。
と言っても竜児の想いが通じたとかそういう意味ではないですが。
みのりんは竜児の想いに気付いたわけだから通じたとも言えるけどね。
でも気付かないふりをしてるから二人の関係が進んだわけではない。
じゃあ何が変わったのかというと喧嘩をする関係になったということ。
普通なら惚れた相手に喧嘩を売るような真似なんて出来ないわけで。
亜美にも好きな相手にいったい何やってるんだと呆れられてたし。
それでも喧嘩をできるほど互いの距離が近づいたとは言えるわけです。
恋愛関係としては進展がないけど友達関係として一つ進展したのです。
喧嘩しても壊れなかった関係なら前より強い絆になっただろうから。
もちろん一回の喧嘩でこじれてそれっきりって展開もありえたのだけど。
だからこそ大河は竜児に正しいとか間違ってるとかは問題じゃなくて
とにかくみのりんに謝ってと言ってたのでした。二人が心配だから。

竜児とみのりんの喧嘩は11〜13話の文化祭のエピソードでの一場面。
今まで大河を放置してた父親が突然現われ一緒に暮らしたいと言うのです。
大河は今までにしてきた父親の行いからいったんは拒絶するのだけど、
竜児の言葉を受け入れてもう一度だけ信じてみようと考えるのでした。
どれだけ裏切られても、それでも子供は親を信じたいと思うものだから。
それと大河が信じようとしたのは竜児がそう言ったからってのもある。
でも結局、父親は大河の信頼をまたしても裏切るのでした……
みのりんはその結果に気付いてたから(前に同じことをしたって言ってるし)
大河が傷つくとわかってて信じようとするのを止めようとするのです。
でも竜児は父親の本性が見えてないからみのりんの言うことが理解できない。
二人とも大河のことを想うがゆえに意見が譲れず衝突してしまうのでした。

今回登場した大河の父親の印象を一言で言うと胡散臭いだろうか。
物腰は柔らかくて一見すると優しくていい人っぽく見えるんです。
でも竜児と会った時にご飯を一緒に食べるよう仕向けた態度を見て
見た目の甘さも含めてむしろ喰えないやつなんじゃないかなと思ったり。
強引には見えないのに搦め手で結局は自分の我を通してしまうあたり。
竜児も後で気付くけど結局この人は自分のことしか考えてないんだよね。
大河と暮らすために再婚した相手とは別れるなんて話をしていたけど
それも何か不倫相手に気を持たせるための嘘話のように聞こえたよ(笑)。
仮にそれが本当の話だとしたら今度は再婚相手に対してひどい話だし。

話は戻って罪悪感〜なセリフが出てきた流れのこと。
北村クンが会長さんに告白をしたのに答えをはぐらかされたその流れ。
北村クンはその対応でふられたんだと解釈をして天を仰いでたけど。
※天を仰いだのは涙がこぼれそうだから
このふられたという解釈はある意味では正しくてある意味では正しくない。
true tearsのところにも書いたけど「答えない」ことこそ答えなのです。
好きとは答えられない、でも嘘でも嫌いとは言えない。それこそが答え。
教室で声を押し殺して泣いてる北村クンのそばに自分の居場所はないから
せめて自分にできることをと大河が会長に殴り込みをしたのには驚いた。
ビックリはしたけど実に大河らしい行動だなとも思ったね。
そしてそれは会長さんが最後まで隠し通そうとした本音を引き出すのです。
相手(北村)のことを想うがゆえに答えられなかったんだという本音を。
結果的に大河の行動は北村クンにとって大きな救いになったのでした。
それが大河にとって好ましい結末だったかは別として。


「PERSONA -trinity soul- 1〜26話」
2008年1月から一部の民放・アニマックス・BS11で放送した全26話の新番組。
原案は女神転生(通称メガテン)の派生シリーズのペルソナの3作目(PS2)。
ペルソナの1作目は持ってます。途中までプレイして止まってますが(汗)。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(9巻までリリース済)
現実に極めて似てるけどほんの少しだけ未来っぽい世界。
10年前の大災害からの復興で未来的に生まれ変わった北陸沿岸の都市。
この綾凪市ではこのところ人知を超えた不可解な事件が続発していた
※綾凪市の場所は富山市のあたり(らしい)
海中で調査中の密閉された潜水艦の中から乗務員が消えてしまったとか。
皮膚の表裏が裏返った死体になるリバース事件と称する連続殺人事件とか。
そしてこれらの事件は情報統制により決してメディアで伝えられなかった。
現場の警察官の中にはそんな対応の胡散臭さをいぶかしむものも居た。
疑念は綾凪市の若き警察署長の神郷諒(かんざとりょう)へと向けられた。

二人の兄弟はそんな状況を知らず綾凪市へとやって来る。
兄の名は神郷慎(しん)、弟の名は神郷洵(じゅん)。二人は諒の弟だった。
預けられていた叔母に恋人が出来たので邪魔しないよう実家へ戻ったのだ。
(理由はそれだけではなかったのだけど)
二人がこの街へと帰ってきたのも、兄の諒に逢うのも実に10年ぶりだった。
10年ぶりの我が家は懐かしい記憶と優しい兄の記憶を呼び覚ました。
しかし兄の諒は慎と洵の想像と違って再会を喜んではくれなかった
家を手配するからすぐにもこの街から出て行け!と冷たく言い放ったのだ。

実は放送時に4話まで見てコメントが落ちていたやつです(汗)。
そのうち再見してコメントをと思いつつ新番組の洪水に押し流されました。
と言うわけで放送終了どころかDVDのリリースも終わる頃になってます。
4話までだと見えそうで見えない先が気になる感じで終わってたので
ある程度状況を見極められるところまで見るつもりで見始めたのです。
だいたい8話ぐらいまで見れば全体の3分の1だし気極めが出来るかなと。

しかしこの作品は何とももどかしい感じの構成になってたのでした。
謎めいた部分をいっぱい提示するだけして一向に見えてこないのです。
日常のディティールを丁寧に描いてるので生活感は凄くあるんだけどね。
中盤を過ぎるぐらいまで物語が動いてる感じがあんまりしなくて。
すっきりしないので1話また1話と見ていくうちに17話になってました(爆)。
そこまで見ればさすがに作品の方向性も設定もある程度は見えますが。
そしてそこまで見たからどうせだし最後まで見てしまえと思ったのです。
緻密で現実的な空間描写でキャラの行動が生っぽいので雰囲気がいいし、
シャープなキャラ絵が結構好みなのもあって勢いで見てしまったのです。
キャラの見た目だけではなく中身もとても魅力的だったしね。
まさか一日で2クール26話分全部を見るとは自分でも思わなかったけど。
ほぼ13時間ぶっ通しで見たので、見終わった後に頭痛がしたよ……
最後まで見れる状態で続き物を見始めるのは危険だと思い知りました(汗)。
だってほら放送中なら見たくても見れないじゃん。

最後まで見て特に思ったのが設定が緻密に組み上げてあるってこと。
一見は本筋に関係ないと思われたことが実は全て繋がってるのです。
叶鳴(かなる)が影抜きに執着する理由や影抜きという遊びさえも。
息抜きエピソードと思った社長の子息の誘拐事件すら繋がってるし。
(〜こりんが続々と出てきたのには思わず吹いてしまったけど)
全ての始まりになった10年前の事件すら当然のように繋がっていた。
中盤以降に伏せられていたカードがどんどん開いていく展開になって
とても緻密に組み上げられた設定なのだと実感できるようになります。
最後まで見れば中盤までの展開も本筋を描いてるのがわかります。
でもそこを見てる時は物語が動いてる感じがしないのも事実なわけで。
いきなり謎を大量に提示しながらその答えはずっと提示されないし。
見ててとってももどかしいという印象になってしまうのでした。
まとめて見てもそう思うんだから毎週見てた人は相当に焦れただろうね。
中盤までももう少し物語が動いてると実感できる構成なら良かったのに。
これから見る人はそのへんを念頭に置いて見ることをオススメします。
中盤までも動いてないように見えてちゃんと意味はあるので。

もう一つ思ったのがバトルの比率が思ったより小さかったってこと。
前に見た最初の4話中には結構戦ってるシーンがいっぱいあるので、
てっきりペルソナを持った人たちによる戦いが中心の内容なのかなと。
神郷慎とその友人たちと稀人(マレビト)が戦うのがメインなのかなと。
しかしこの作品の中での戦いの要素って全然メインじゃなかったりして。
最初の方に戦うシーンが目立つのはインパクトを重視したからだろうね。
いきなり大量に謎を見せたのも視聴者の興味を引こうとしたからでしょう。
しかし5話以降は戦いの要素が薄れ謎もちっとも明かされていかないので
物語が同じところを廻ってるような印象を受けてしまうのでした。
(上にあるように動いてないように見えてもちゃんと意味はある)

ではこの作品は何をメインに描いてるのかというと、
簡単に言うなら人間模様、人と人の関わり、人の心のうちです。
ペルソナという存在も自分の中にあるもう一つの自分の顕現だから。
※ペルソナとは仮面をかぶった人格という意味
人の無意識が奥底では繋がってるというのも心理面でのアプローチだし。
それを海の底のくじらというファンタジーな表現にしてるのも興味深い。
その昔ペルソナの1作目を途中までとはいえやったことが有るので、
この作品が描いてるものは確かにペルソナ的なものだと感心しました。
※ストーリーはアニメオリジナルらしい
つまり神郷兄弟の話や学校での友人たちとの話こそがメインなのです。
物語が動いてないように見える中盤までの展開こそがメインなのです。
そしてこの日常の光景があるから叶鳴の話がより衝撃的に見えるのです。

恐らくこれを最後まで見た人の10人に9人は同じことを思うでしょう。
この作品で最も衝撃的な内容は叶鳴の正体とその結末だと。
それを知ったときになんて残酷な話(叶鳴にとって)だと思ったよ。
そもそも残酷だったのは叶鳴に限ったことではないんだけどね……
妄執にとりつかれた人間はどこまで残酷になれるんだろうって感じで。
ただの悪い奴に見えた稀人たちだって言ってみれば被害者なわけで。
(人間を道具として使うために孤児院を買い取るとか凄いことしてる)
でも彼らは加害者でもあって自分のなしたことの自覚はあったわけで。
泰市の慎に頼んでペルソナを切り離して貰おうなんて提案に対して、
沙季は私たちは(この罪を)背負っていかなきゃいけないと言ってたり。

この作品は人と人の関係をメインに描いてるのだけど、人と人の関係の
最も鮮やかな瞬間とも言える恋愛の要素はほとんど無かったりします。
全く無いわけではないんだけど穏やかだったり密やかだったりするので。
それでも一番ハッキリとした感情が出ていたのが叶鳴だったのでした。
いつのまにか生まれた淡い感情も次第にハッキリした形になっていき、
終盤に至っては想い人の慎以外にはバレバレになるほどだったのです。
20話で結祈(ゆき)にもお兄ちゃんとお似合いだとか言われてたし。
恋愛要素の少ないこの作品で数少ない恋人同士になるかと期待したのに。
それがあのやるせない結末なわけで……
こんなヒドイ話ってないよ。という印象に尽きます。
考えてみたらもう一組の恋人同士の諒と映子さんも途中でアレしちゃうし。
この物語を考えた人は恋人同士になんか恨みでもあるのか?と思ったり。

ラストシーンは明るくて前向きな感じに描かれてはいるけど
考えてみたら慎にとってこの物語って結構ひどい結末だよね。
諒兄ちゃんがいなくなって、憧れの映子さんもいなくなって、
仲の良い友達で自分に想いを寄せてくれた叶鳴までいなくなるという。
自分が慎ならこの物語を作った人に謝罪と賠償を!とか言いたくなる(爆)。
再会後の冷たかった諒兄ちゃんの態度の真意には深い愛があったなんて
居なくなった後に知ったって嬉しくもなんも無いんだよと……
もちろん視聴者はかなり序盤から諒が二人のことを思ってるからこそ
離れ離れになっても街から早く出ろと言ってるのはわかっていましたが。
(危険だからだと思ってたけどそれだけでは無かったのでした)
これで洵まで居なくなってたらこんな世界無くなっちゃえとか思いそうだ。
連れて行くつもりだった洵を戻したのは慎の気持ちを考えたからだろうね。


「ONE OUTS -ワンナウツ- 1〜9話」
10月から日テレ系(5局)で火曜日の深夜に放送してる新番組。
原作は青年誌(ビジネスジャンプ)のマンガで読んだことはありません。
※セルDVDのリリースは3/18から(レンタルは1/21から)
埼京彩珠リカオンズはオーナーの方針で貧弱な戦力での戦いを強いられた。
そのため優勝には縁遠く毎年のように最下位争いをする体たらくだった。
しかし球界を代表する打者の児島を要することで観客はリーグ上位だった。
つまり金に汚いオーナーはろくに金は出さずに利益を得ていたのである。
利己的なオーナーのせいで児島は不遇の日々を過ごしていたのでる。
しかし児島も何もせずただ手をこまねいていたわけではなかった。
優勝するために必要な何かを求めて必死にトレーニングを続けていた。
そんな児島は沖縄での自主トレの最中にある人物と出会うことになる。
人物の名は渡久地東亜(とくちとうあ)。賭け野球で無敗の青年だった。
東亜と対戦した児島は彼こそチームを優勝に導くための鍵だと確信した。
児島は彼を連れ帰るため自らの選手生命をかけた勝負に挑むのだった。

ナレーションの入れ方がとっても古くさい……
それも含めて何とも野暮ったい表現スタイルです。
そしてキャラメイクもストーリーもあまりに極端過ぎてしらけます。
まぁ、青年誌にはこの手の極端な内容の作品って珍しくもないですが。
つまりこの手のスタイルの作品を求める人は少なからず居るわけです。
でもキャラやストーリーに生っぽさやバランス感覚を求める人間としては
とてもじゃないけど価値観が相容れないスタイルの作品でもあります。
よーするにこの手のは趣味じゃないってことです。
現実味の欠片もない絵空事として一応楽しむことはできますが。

あと見てて凄く気になったのが渡久地と対する相手のバカさ加減だね。
渡久地を駆け引きの天才として表現してるつもりなんだろうけど、
相手のレベルを落としすぎると並外れた洞察力という実感がしないよ。
少年誌とかもそうだけど何故に相手のレベルを常人以下に落とすかね。
例えば球界を代表するバッターである児島が相対した時のエピソード。
中根と木野崎を簡単にあしらった相手という事実は知ってるはずなのに、
相手の力量を全く見極めもしないで簡単に打てるとか言い切ってるし。
そんな低次元な人が球界を代表するバッターになれると思えないんだが。
ここなんか特にだけどキャラ設定と行動に整合性がまるで取れてません。

オーナーの彩川もそう。
無茶な条件をあるデータを元にこちらが有利だとか言い出すし。
現実的な防御率のデータを元にして損得を計算したわけです。
一見すると彩川の目論みは説得力がありそうに思えますが、、
この作品は現実離れしたキャラが登場して現実離れした結果を出すわけで。
現実の防御率なんてこの作品世界では大して意味のない数字だろうよ。
現実離れした行動を取る彩川が現実を語るのも片腹痛いって感じだし。
何億もの金額を渡久地の借金として計上しようとするのもかなり無茶だ。
返しきれないほど借金を作ってその分をただ働きさせる気みたいだけど、
普通なら返しきれない金額の借金なんて自己破産されたら終わりじゃん。
彩川には払えても渡久地には払えない金額って時点で勝負あったんだよ。
にも関わらず1度や2度ならず何度も何度も嵌めようとして嵌められてるし。
そんな学習しないアホたれが一代で財を成せるとも思えないのですが。

駆け引きをウリにするならもっと相手のレベルを上げてください。
結果の見えてる勝負なんて面白くもなんもないぞ。
ちなみに見た目の質はとても高いです。見た目だけは


「絶対衝激 〜PLATONIC HEART〜 1〜2巻」
現在リリース中の30分×全5巻のOVA。DVDレンタル。
アニメ・ゲーム等マルチに展開するプロジェクトの一つらしいです。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(3巻までリリース済)
プラトニックハートと呼ばれる宝石にまつわる都市伝説が有った。
プラトニックハートを集めることで何でも願いが叶うという伝説が。
それは小さいころに流行ったいくつかの他愛のない噂話の一つだった。
しかし今のプラトニックハートの伝説は実際に存在するのだという。
そしてこの伝説には続きがあった。
女の子だけが参加できるルール無用のバトルトーナメントに参加して
勝ち続けて宝石を集めることで一つだけ願いを叶えることができる。
ただし戦いに負けたらどこか闇の世界に連れ去られる。そんな話。

伊勢島綾は清純女学院(エロアニメですか)に在籍する普通?の女子高生。
彼女は元気で正義感の強い性格で周囲には人気があった(らしい)。
母親譲りの天才的な格闘センスを持っていることは学校では内緒だった。
かつてその力を見せたせいで学校で孤立してしまったことがあったから。
そんな彼女はある日、学校の帰り道に戦いの現場を目撃するのだった。
女同士で服がボロボロになるほどに激しく戦う奇妙な戦いの現場を。
すでに巫女の服を着た女の子が一方的にやられつつある状況だった。
事態を見過ごせなかった綾はその戦いに割り込んでしまうのだった。
そしてそれは綾の運命を大きく変えることになる。

とりあえず見て思ったよ。
アクションシーンが少しもカッコよくないバトルアニメってどーなの?と。
見せ方のセンスがないのか作画品質が今ひとつなのか動きにキレがないし。
セクシーバトルってことで服が破けて下着や乳がばんばん出てくるけど
この程度なら一騎当千でもごく当たり前に有ったのでインパクトもない。
その一騎当千と比べてもパトルシーンの見栄えがかなり落ちるわけで。
(1期のJ.C.STAFFも2期3期のARMSもアクションは強いからね)
テレビアニメより質の低いOVAって売る気が有るのかなとか思ったり。
マルチ展開で金ばら撒くよりアニメにもっと金かけた方が良かったのでは?

質がイマイチなのはアクションシーンだけじゃないです。
バトル以外の綾とか棗の日常のシーンもそれなりに挿入されるんだけど
その日常のシーンの表情とか動きもなんともパッとしないのです。
絵は小ギレイだし明らかに崩れてはいないんだけど微妙な感じなのです。
やたら気合の入った最近の深夜アニメを見慣れてるので余計にそう思うよ。
そしてストーリーがこれまた実に微妙でして……
クソというより1本が30分とは思えないほど中身が薄いのです。
ストーリー自体もクソったれとか言いたくなるようなレベルですが(爆)。
これより似たようなジャンルの一騎当千の方がずっと面白いよ。
せっかく演技力抜群の名塚さんを主役に使ってるのにコレじゃ勿体無い。

1巻には特典として声優さんのコメンタリーがついてます(レンタルにも)。
よくある別音声バージョンとは別に顔出しバージョンなんかもついてたり。
※内容は(たぶん)同じ
顔出しバージョンでは本編映像が子画面で小さく重ねてありました。
聞きたいなら別音声版よりそっちの方がいいんじゃないかなと思ったよ。
だって本編とは全然関係ない話をいっぱい話してるから(爆)。
まぁ、わざわざ買ったり借りてまでして聞くべきほどの内容ではないけど。
それを言ったら本編すら……

2巻は絵つきのサウンドドラマがついてました(レンタルにも)。
こちらは聞いてないからどんな感じかは知らん。
2巻を見終わった段階でもう結構という気分だったので。


キレイ事ではなくキレイではいられない (09/1/13) 次へ 前へ
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明けましておめでとうございます
本年もどうぞよろしく。

と、年明けから何日経って書いてんだって感じですが。
前回の更新を一日遅らせればちょーど1日だったんだけど、
そうすると更新する部分が大量に増えてしまうので……
なんとか頑張って去年のうちに更新をしたのでした。
10日(以上)も間隔をとっているけど毎回時間との戦いなので。
たぶん今年もずっとこんな感じだと思われます。
なんだかとってもいやーんな年頭の所感ですよ。

続いて時間がなくて落ちてたネタを新年ということでまとめてフォロー。


まず私的ベスト(アニメ)ランキングのこと。
いつものように去年のうちに暫定ページをアップする予定だったのに
時間がなくていきなり完成版をアップする展開になってしまいました。
作りかけのページ自体は11月頃から有ったんですがね……
そして実はそのページのリストを見て愕然としてたのでした。
なんと全てが続編や第2弾、第3弾みたいな作品ばっかだったので。
すっかり守りに入ってるみたいで(自分的に)ヤバイんじゃないかなと。

深夜枠の新番組に続編みたいのが目立って増えているのは事実ですが、
それにしたって純粋な新作も1年に50本以上は少なくともあるわけで。
にも関わらず1本たり最後まで見た作品が無いのは、内容が問題ではなく
単純に見てる時間が足りて無かったと考えるのが妥当だろうなと。
※私的ベストには最後まで見た作品が全て入れてあります
よーするに好きな作品の続編を見るだけで時間が尽きてたってことです。
2007年のベストよりも2008年の方が作品が多いのでまさにそれっぽい。

さすがに私的ベストに純粋な新作がないのはアレだなと思ったので、
正式版を載せる今回の更新までにいくつか見ることにしてたのです。
続きを見たかったけど時間の都合でそのままになってたやつから、
特に優先度の高いのを何作か視聴スケジュールに捻じ込んだんです。
それが前々回の夏目友人帳と今回のtrue tearsってことです。
他にも候補はあったけどさすがにこれ以上見るのは無理でした。
そのへんは時間に折り合いがつけば近日中に追加されるかも。

肝心な私的ベストの内容については実際に見てくれってことで。
※ブログは→にあります
一言だけ触れるならコードギアスは雪辱を果たしたって感じですか。
あと見たのに途中からコメントが落ちてる作品がいくつもある(汗)。


続いてブログパーツのこと。
ブログとアニメの索引ページにはef1期のブログパーツが貼ってあります。
数ヶ月ぐらいとか言いいながら既に1年近くそのままずっと貼ってあるね。
たぶんこれからも代わりにしたいと思うのが出るまでそのままでしょう。
もしかしたらブログパーツが反応しなくなるまでそのままかも……

でも最近はちらほら他の作品でもブログパーツが用意されるようになって
注目作品でもブログパーツが存在するのがいくつか出てきています。
今のやつの代わりになるほどの出来がいいかと言われると……だけど
せっかくだからブログとかに貼ってみたいなとか思ったりしたのです。
てゆーか12月頃にブログに一時的(試験的)に貼ってたんですよ。
特定の作品のカテゴリーページだけ今のブログパーツと差し替わる感じで
その作品のブログパーツが表示されるようにしてたのです。
※「夏目友人帳」と「とらドラ」と「ひだまりスケッチ」
もしかしたらその現場を目撃した人もいるかも。

なんでそのブログパーツ切り替え機能を止めてしまったのかというと、
(うちの非力マシンでは)ページの表示がみょーに重くなってたからです。
ブログパーツの切り替えはJavaScriptを使って実現してたんだけど、
どーも表示されてない分のパーツのスクリプトも毎回動いてるらしく、
負荷の大きい「夏目友人帳」のパーツの影響が常に出てしまうようで。
これを除外すればマシになるけど今回使ったので一番良かったから……

仕方ないのでそのやり方をやめてCGIで切り替える手法を試したのです。
設定ファイルで作品が増えても対応できるようなスクリプトを自作して。
思い立ったのが1月1日で元旦から何してると言う気もかなりしたけど(爆)。
そして出来上がった切り替えスクリプトをブログに貼って完成……
と思ったのに試したらefのパーツだけ不具合が出ることが判明しました。
正常ならプレイボタンでウインドウが出てムービーが流れるはずなのに、
なぜか通信中のままで動画が始まらないのです。通信してないのです。
スクリプトの中でスクリプトを呼び出してる副作用かなんかだろうか?
IE6だと動かないのにFirefoxだとちゃんと動作するのも不思議だし。
パーツのスクリプトのソースを切り刻まないと原因はわからなそうです。
そこまでする根性はないので自動切換えはとりあえず諦めました。

その切り替えスクリプトをせっかくだからここに貼っておきます。
作ったのに使わないのも勿体無いのでリサイクルで。
・ランダムモードにしてあるのでリロードすると4種が切り替わります
・上に書いてあるとおりefのパーツはIE6だとムービーが流れません
・夏目友人帳のは夏目関係のキーワードがないので反応しません

[追記]
JavaScriptとCGIを併用して切り替えれば上手く行くことに気付いたので
改めてブログのサイドバー(→)に設置しました。
※ここに貼ったのは撤去しました



レンタルのこと。
先にレンタルのないページを更新したので見た人もいるかもだけど
ローゼンメイデン トロイメントのレンタルがやっと出るようです。
2/4と3/4に半分づつ(3巻)で2ヶ月で全部リリースされるみたい。
オーベルテューレのレンタルも3/4に一緒に出る模様。
(ぽすれんの表記では16:9になってるので今回はフルサイズ!?)
このまま永遠に放置プレイかもと思ってたので良かったよ。

で、RECのレンタルは?ウィンターガーデンのレンタルはまだですか?


ぷちエール!の話。
まず「ぷちエール!」とはなんぞやと話から。
破竹の勢いのマンガタイムきららから派生誌のエール!が生まれました。
「男子向け少女マンガ雑誌」なるみょーなコンセプトを掲げた雑誌が。
確か先行するコミックハイ!にも似たようなコピーがついてたはず。
※「女子高生GIRL'S-HIGH」「こどものじかん」の掲載誌
そのコミックハイ!に比べるとより少女マンガ色が強いかなって感じ。
純粋な少女誌より生々しさが抑えられててファンタジー色が強い感じかな。

そんなエール!という雑誌のコミックス発刊を記念して
「ぷちエール!」という小冊子を抽選で300名にプレゼントしてたのです。
対象のコミックスの帯のマークを切り取って送るよくあるスタイルで。
初回と翌月の5冊の新刊が対象で2枚で1口だったらしい(もう忘れてた)。
そして対象になるコミックスは5冊とも買ったので2口送ったのでしょう。
そこまではよくある話ですが……ぷちエール!が二つ届いたわけです(爆)。
他にも二つ出したら二つとも来たって人が何人かいるみたいで。
応募数が300にいかなくて出した人全員に来たんじゃないかと言う説も。
抽選作業のミスじゃなくてホントに余ってたとしても2冊もいらんよ。
さて、どうしようコレ。


というわけで今年一発目の感想です。
true tearsの感想にはえらい手間取ってしまいましたよ。
そして書きたいことの全貌はこんなもんじゃなかったりする(爆)。
実は内容を再構成して読みやすく整理したんです。これでも。


「true tears 1〜13話」
これだけは是非続きを見たかったけど時間がなくてすっかり今頃に。
と言っても今も視聴スケジュールに余裕は無かったりするわけですが。
2008年の私的ベストに突っ込むために無理やり捻じ込んで見ました。
序盤の印象がかなり薄れてたので念のために1話から。
※セル・レンタルDVDは全巻リリース済

(注)以下ネタバレ大量なのでこれから見る人は読まない方がいいよ

まず、最後まで見て思ったのが変わった構成の作品だなってこと。
いわゆる物語的な作法に則ったストーリー展開になっていないので。
おかげで見てて物語の着地点がイマイチ見えてこなかったのでした。
10話の最後に眞一郎が自転車で比呂美を追いかけるシーンが有るけど
これってよくある物語的な構成ならクライマックスシーンなわけで。
麦端祭りのシーンがクライマックスかと思ったらそれも違ったし。
この作品ってどんな意図の構成なのかさっぱりわかりませんでした。
そして最後まで見てやっと理解できたのです。
この作品は意識的にいわゆる物語的な展開を外しているんだと。
関係の糸が絡み合ってからほぐれるまでの時間を切り取ったみたいに。
生っぽさを追求するために物語的な巡り合せの良さを排除したんだと。

もうひとつ思ったのが、収まるところに収まった、という感想かな。
そもそも眞一郎は最初から比呂美が好きだったわけで。
比呂美の方も眞一郎が好きっぽいのは序盤からかなり匂わせてたわけで。
でも比呂美は事情があってその態度を表に出さなかったわけです。
むしろ次から次へと嘘をついたり全く気のないそぶりをしてたりして。
この事情は比呂美の責任ではないしむしろ同情に値するのだけど。
そんな比呂美の態度のおかげで状況は混乱を極めていったのでした。

眞一郎の母が比呂美に辛く当たる理由ってやっぱり浮気かなと思った。
比呂美が比呂美の母に似てるとか写真の顔だけ切り抜いてたりとかだし。
でも比呂美の母と浮気した結果についてまでは考えが至らなかったよ。
浮気なら二人は血が繋がってる可能性があるんだと……
比呂美は気持ちを隠してたのではなく無いことにしようとしてたのです。
眞一郎の気持ちが自分に向いてることにもちろん気付いていたからこそ
これ以上先に進まないように気のない態度をとってたわけです。
それでも自分の感情を無かったことに出来てない比呂美からしたら
先に進めなくてもそばに居られるだけでささやかな幸せだったのかも。

比呂美の事情にはなんと思いもよらぬオチがついてきます。
眞一郎の母が言うとおりどうにも合わない人間関係というのは有るし、
つい何の根拠もなく思ったことを勢いで口走ることも有るわけです。
眞一郎の母自身すら比呂美がそこまで思いつめると思わなかったようで。
比呂美が眞一郎が好きじゃなければ大した問題でもなかったしね。
「忘れたことなんてありません。一時も」って言葉にとても驚いていた。
考えたら比呂美が眞一郎の母に感情を吐き出したのはここが初めてです。
それまで比呂美はどんなにひどい態度を取られても静かに従ってたから。
そしてそれは二人の関係に大きな変化を与えるのでした。
確かに変化のキッカケなんて案外こんなものだったりする。

思いもよらぬオチによって比呂美の事情はクリアになるのです。
もう自分の感情を隠さなくても良くなるのです。
そして比呂美はある決心を行動に移したのです。
眞一郎の家から出て一人暮らしを始めたのです。
これって眞一郎を諦めたのではなくむしろ先に進むつもりだからだね。
淡い想いのままならひとつ屋根の下でもいいかもしれないけど、
先に進んで恋人同士になりたいなら同じ家はあまり好ましくないから。
都会ならともかく人間関係が密な地方だと外聞も悪くなるわけだし。
アニメだと一つ屋根の下で上手く行っちゃう展開が少なくないけど、
生っぽさを追求したこの作品であえてそうしなかったのに感心したよ。

物語的な展開なら10話の最後がクライマックスとか上に書いたけど、
眞一郎が誰かを選ぶラブストーリーならそこで終わりでもいいわけで。
確かな言葉は何ひとつ無かったけど互いの気持ちを確信したわけだから。
だけど誰かを選んでそしてハッピーエンドで終わりにはならないあたり
物語的ではない現実からある時間を切り取ったような生っぽさがあります。
タイミング良くいかにもなクライマックスに至るなんて現実にはないから。
気持ちが通じ合った二人以外の関係はまだ絡み合ったままなわけだし。
絡み合った関係の糸をほぐしていく過程が二人には残っていたわけです。
それは決して楽しいことではない。一度は繋いだ手を離すということ。

この作品は眞一郎と比呂美と乃絵の三角関係のラブストーリーです。
正確には愛子と三代吉と乃絵の兄を巻き込んだ複雑に絡んだ関係ですが。
その三角関係のどちらを選ぶか?みたいな作品に一見すると見えます。
一見するとと表現してるのは実際はそうなってないからという意味です。
上にも書いてあるとおり眞一郎は最初から最後まで比呂美が好きなわけで。
にもかかわらず乃絵に好きだ付き合おう、と言ってしまったわけですよ。
まぁ、この時の乃絵を好きだという気持ちに偽りは無いとは思うけどね。
それ以上に比呂美が好きなだけで。好きって感情は一つじゃないから。
眞一郎が乃絵と最後に会った時にオレは比呂美が好きだと言ったけど
乃絵も好きだとは決して言わなかったのが誠意なんだろうなと思った。
(好きという言葉を使わず乃絵との関係も大事だったと表現してた)

実は眞一郎が10話の最後に決心をして自転車で追っかけるよりも前に
乃絵は自分から眞一郎のことを諦めて引いてしまってたりする。
バイクで事故った時の眞一郎の比呂美への態度で気付いちゃったから。
そして自分を選ぶ可能性が無いことにも気付いちゃったんだろうね。
乃絵って行動は変だけど直感的というか結論にたどり着くのが早いから。
そして相手に捨てられる前に自分から気持ちを捨てようと思ったのです。
それでもいきなり感情は無くならないから好意が向けば嬉しいわけで。
10話で「どうしてわたしのところへ来るの?」とポツリと言った後に
「今日は私のために踊ってくれる?」と言ってるのがズキっと来るよ。

この作品には3人のヒロインがいます。
三角関係の当事者である乃絵と比呂美とそして幼馴染の愛子。
この三人で一番の美人は比呂美という意見に反論する人はまずいないかな。
最も清楚で儚げでさらに不幸な境遇もあっていかにもヒロインって感じで。
でも比呂美はこの作品の中で最も見苦しい行動を取った人でもあります。
自分でも自分の行動をコントロールできてない迷走っぷりを見せてみたり。
乃絵に向かって思わず悪意のこもった言葉を発してしまったり。
(思わず口から出た言葉って本心だと思う?のところ)
自分が嫌な人間になってる自覚があるのにそれを止めることができない。
人を好きになるのはキレイ事ではなくてキレイではいられないみたいな。
たとえ見苦しくても、なりふり構わなくても、手に入れたいと思うから。
だから比呂美は手に入れられたんだと、そうも思ったのでした。

実のところ乃絵ももっとじたばたしてたら目が無かったわけじゃない。
見てて乃絵は恋をするにはまだキレイすぎたんじゃないかと思ったよ。
今回の失恋は乃絵の未来にとって必要な過程だったんじゃないかなと。
これからもっと多くの人との間に関係を紡いでいって、
もっとずっと見苦しくてみっともない恋をするようになって。
そしたら乃絵も愛を手に入れることが出来るんじゃないかと思うのです。

序盤の比呂美の行動が迷走してる部分もそうだけど
眞一郎から見て比呂美の行動が不可解に見える部分が少なくありません。
上にも書いたように比呂美自身にも不可解な行動だったりもするけど。
でも大半の不可解な行動にはそれなりに理由があるわけです。
眞一郎の視点だけだと見えてこない比呂美の心のうちと言うやつが。

男が主人公の作品だと女子は不可解で完結することも少なくありません。
特に美少女ラブコメアニメはその傾向が強かったりします。
(エロゲーアニメなんか中身の見せようのない変なキャラが多いし)
でもこの作品は男の側だけでなく女の側の視点も随所で挿入してあります。
眞一郎から見たら不可解に思える比呂美の行動の理由も見せてるのです。
外側は美人で儚げな比呂美の内なるドロドロしたものを見せてるのです。
だからこそ行動に説得力があるし、より深く感情移入ができるのです。

男と女の両方の視点を見せると言う意味でとても特徴的だったのが
5話の眞一郎が初めて比呂美の部屋に入った時のシーンです。
眞一郎の視点だけだと何でいきなり機嫌が悪くなるのかわからないアレ。
いや、そこまでの比呂美の内面を追えてればわからないことはないけどね。
でもそこまで読めない人は女の子はわけわからんという印象を持つはず。
でもこの作品は改めて比呂美の視点でリプレイしてちゃんと説明してる。
最初は初めて眞一郎が自分の部屋に入ってきて嬉しいのが滲み出てるし、
その後の話の内容で気持ちが上から下へと急降下してるのも良くわかる。
特に言いたいことをモノローグで何度も繰り返してたのが印象的だったよ。
面白い表現を使ってるなと凄く印象に残ったところでもあります。

比呂美についてはもう一つ感じたことがありました。
それは比呂美ってとっても嘘つきだなってこと。
もちろん嘘をつくのには理由がちゃんとあったりするわけだけど。
それに途中までは自分の本心を見せられない事情もあったわけです。
とは言えこんなに嘘をつきまくったヒロインは前代未聞かもしれない。
あまり嘘が多いので今の言葉は本当なのか?とか思ってしまったり。
最後のシーンで眞一郎に付き合おうとか言われてイヤと言ったのさえ、
これは言葉どおりの意味じゃないだろうなと思えてしまうぐらいだし。

比呂美の嘘で特に印象的だったのが小さい頃の祭りの思い出の話かな。
たぶん眞一郎にとって大事な思い出で好きのキッカケとも思われる話。
それを比呂美は「忘れちゃった」とか口走ってるわけです。3話では。
でも視聴者は比呂美がその思い出を忘れてないのをすぐ後に知ります。
そして11話で比呂美は家を出る前に眞一郎にその思い出を話すのでした。
あんな思い出を忘れるわけ無いじゃない、とかぬけぬけとのたまって。
つまり比呂美にとっても大事な思い出で好きのキッカケみたいな感じ。
(その思い出があったから眞一郎の家に来たと言ってたし)
ここなんか特にだけど状況で言うことがまるで変わるのが印象的でした。

朋与に問い詰められて好きな人は乃絵の兄だと言ったのももちろん嘘。
おそらくバスケの試合で目についたのをその場逃れで言ったのでしょう。
本気で眞一郎のことを諦めて他の人を好きになろうとしてたのなら
成り行きでの付き合いとは言えもっと真摯に向き合っただろうし。
眞一郎が紹介したことであそこまで機嫌が急降下したりしません。
(デートは露骨にやる気の無い態度だったしね)
そもそもあの眞一郎の余計なお節介も半分は比呂美自身のせいだから。
なにしろ眞一郎の前でぺらぺらと雄弁に嘘話を展開してたのは自分だし。
比呂美は嘘つくときほど雄弁だとかこのシーンを見てて思ったほど。
でも眞一郎はこの嘘話を額面どおりに受け取ったのでした……

もうひとつ。これは厳密に言うとまんざら嘘ではないことだけど。
12話の麦端祭りの準備に愛子が遅れて参加してきたすぐ後のとこ。
その場所を乃絵が眞一郎がいないかと覗いてすぐいなくなるのです。
それを見た愛子が「彼女か〜」と複雑な想いの混じる言葉を発するけど、
そこで比呂美が「彼女は私です」と静かにでもハッキリと言い放ってた。
まだ互いに好きだとも付き合おうとも言ってない関係にも関わらず。
確かにこの時点で二人は事実上の恋人みたいな状態だったけどね。
そしてこの言葉を公式にも本当にするんだという強い意思を感じた。
この後の愛子の私はすっかり部外者なんだみたいなセリフも含めて
特に印象に残ったシーンの一つです。

比呂美の嘘もそうだけど、この作品は会話がとてもよく出来てます。
言葉のキャッチボールが単純な受け答えとは限らないあたりが特に。
これに関しても眞一郎と比呂美の会話によく特徴が表れてます。
比呂美は嘘をつく以外に結構眞一郎の問いをはぐらかしてるのです。
一見するとちゃんと答えてるようででもよく考えると全く答えてない。
話を反らしてることに気付きにくい絶妙なはぐらかし方をしてる。
答えられない、答えたくない、それこそが比呂美の答えなわけです。
むしろ今の自分が答えを出したくないって気持ちもあったのでしょう。
想いを消したいけど消せない複雑な感情が受け答えに表れてるみたいな。

そして物語は終わりを迎えます。
いかにもなラストシーンというより人間関係の一つの区切りとしての。
複雑に絡み合った人間関係の糸がキレイにほぐれたその瞬間としての。
或いは新しい関係に向けて走り出すための。

そんな物語のラストの印象を一言で言うと「とても好き」かなと。
素晴らしいとか、よく出来てる、って形容よりも「好き」って思った。
最後の眞一郎と比呂美の「これからはずっと隣にいるんだし」
「何それ?プロポーズみたい。まだ付き合うのOKしたわけでもないのに」
(字面だけだとわからないだろうけど比呂美は感極まってるのです)
ってやり取りでやっとここまで来れたんだって思って凄くじーんと来た。
キャラに思い入れが深かったのでまるで自分のことのように嬉しかった
さんざん紆余曲折があったし、一時は未来が絶望的であったわけだから。


「今日の5の2 (TV) 1〜8話」
10月からテレビ東京系(6局)とAT-Xで深夜に放送してた全13話の新番組。
原作は青年誌(ヤンマガ)のマンガで読んだことがあります。
※レンタルDVDは1/30からリリース(セルDVDのほぼ1ヶ月遅れ)
この物語は、リョウタとチカとその周囲の面々を中心にした
(小学校のクラスの)5年2組の平凡な日常を淡々と描くものです
過度な期待はしないでください。
あと、部屋は明るくして、TVから3メートルは離れ(以下略)

みなみけの作者のみなみけの前の作品です。
ハイエンド(系)小学生マンガなる妙なコピーがついてたのを覚えてます。
と言うかコミックスは読んだけどそれしか覚えてません!(爆)
確かみなみけ同様のショートのストーリーマンガの体裁だったはず。
そしてたったの1巻しかなかったはずです。
1エピソード8ページだとしても20数エピソードしか1冊には入りません。
原作そのままの内容ではとても1クールも映像化する内容は無いのです。
※アニメは1回4エピソードで全49エピソードもある
だから恐らく半分ぐらいのエピソードはオリジナルではないかなと。
原作は残ってないのでどれがオリジナルかはちょっとわからないけど。
OVAにもあるエピソードは間違いなく原作のですね。
※OVA版の感想は↓に

この作品もみなみけ同様に作り物の記号キャラによる絵空事ではなく
現実的なキャラによる現実を切り取った内容になってます。
舞台が小学校でメインキャラが小学生(のみ)なのが大きな違いですが。
みなみけほどキャラに誇張がなく際立った特徴がないのも違いっすね。
そのせいでストーリーもあまり変なインパクトがついてたりしません。
現実の出来事を誇張して面白おかしく描いた作品と言うよりは、
何気ない日常のひとコマを表情豊かに切り取った作品って感じかも。
そういう意味ではみなみけよりもスケッチブック(アニメ)に近いかも。

みなみけのようにキャラやストーリーに妙な特徴やインパクトがあれば
演出がわりとあっさりしてても面白さはちゃんと伝わってくるのです。
しかし普通の日常を切り取った作品は演出次第で印象が全く違います。
ただの日常だから演出がイマイチだとぱっとしない内容になります。
逆に演出次第でごく普通の日常なのにとても輝いて見えたりします。
そういう意味でこの作品は演出にとても力が入ってるなと思いました。
よく考えたら何でもない話なのに熱が入ってて印象的だったりするので。
1〜3話までならみなみけ(無印)やおかわりより断然レベルが上っすね。
※演出レベルの話です
みなみけの方が面白く感じるのはキャラの印象が強いからです。

そうキャラなんですよ。みなみけとこの作品の最も大きな違いは。
みなみけは南家3姉妹がメインでそのまわりに準レギュラーがいた。
それに対してこちらはメインキャラが8人(男子3人女子5人)もいます。
そのうえわざとらしい性格づけや外形的特徴をしてないのもあって、
最初のうちはキャラの見分けがつきにくいです。名前と一致しないです。
1話2話のうちは別エピソードの同じキャラが一致すらしてなかったよ(汗)。
見続ければさすがにキャラが識別できるようになりますが。
そしてキャラが識別できるようになると断然面白くなってきます。
(キャラが識別できるようになってから最初の回を見返してみた)
1話、2話だけ見てもこの作品の面白さはわからないよと言っておきます。
1話でやったエピソードの関係でとっつきが悪いってのも有りますね。

この作品はキャラの誇張を抑えたなにげない日常を切り取った作品です。
なにげない日常を演出力で面白そうに見せているわけです。
そしてなにげない日常を演出力で鮮やかに彩ると言えばひだまりスケッチ。
テクスチャーっぽい背景を多用してるのはひだまりっぽいなとか思ったよ。
それどころか2話では新房アニメのような表現がいくつも出てきたりして。
新房アニメの技法を真似たのか?と思ったらコンテ・演出が上坪さんだよ。
ひだまり2期のEDをやって以来名前を見ないなと思ったらこんなところに。
※ひだまり1期のチーフディレクター及び1期2期のEDとef1期のEDの人
この2話は演出のエッジが効いてるしスピード感もあってとても面白かった。
キャラが識別できるようになった後に見返したけどこの回は断然面白いね。
演出力による印象の違いと言うものをまざまざと思い知らされた感じです。
上坪さんの回に限ればみなみけ(無印)よりも面白いよ。

ちなみに3話のスタジオパストラルも新房アニメではお馴染みッすね。
当然のことながらこの作画・演出スタッフも新房アニメでお馴染みです。
さすがに上坪さんの回のように新房アニメっぽくはなってませんが。
でも監督の演出方針のテクスチャー背景が目立つポップな表現スタイルは
他のスタッフよりも完璧にやってます。監督のやった1話よりも完璧に
※別の次元に行ってる上坪さんの回は別にして
まぁ新房アニメでさんざんやってたからこの程度は楽勝なのでしょう。
この3話もエピソードの出来も含めてなかなかに面白かったです。
演出はともかくイマイチ面白さの判断のつかなかった1話に続く2話と3話は
予想以上に面白くて「みなみけ」より多少落ちるけど結構イイと思ったよ。

しかし4話以降は面白さが安定しません……
演出レベルが1〜3話までに比べて1ランク落ちてしまったこともあって
エピソードの出来不出来による面白さの差がストレートに出ています。
面白いエピソードもあるんだけど、回の中でばらつきが大きいのです。
絵がそこそこ安定してるからこそ演出レベルの差を思い知ってしまいます。
7話なんかエピソードがイマイチな上に演出まで陳腐で超微妙だったよ。
次の8話がまた上坪さんで面白さが突き抜けてたので落差が凄かった。
※見てないけど9話はスタジオパストラル回
全部が上坪さんの2話や8話のレベルで統一されてれば秀作だったのにね。

表現についてもう少し。
この作品の表現スタイルの基本はリアルな空間とキャラ描写です。
キャラにあまり誇張がなくて演技も誇張がないのでとても生っぽいです。
キャラ絵も柔らかい感じにしてあるので年齢相応の子供っぽく見えます。
そしてみなみけでもやってた劇画タッチの絵が随所で挿入されます。
通常モードの絵が柔らかくなってるので落差がハッキリしています。
このへんはみなみけ(無印)のスタイルを踏襲したんじゃないかなと。
※同じスタチャで同じ大月プロデューサーだし

さらに今回は顔が違うときに声の感じまで大人っぽく変えてたりして。
背景が黒くなったり目が光ったりとみょーな表現も使ったりします。
だから上坪さんがさりげに異彩な絵を挿入しても違和感が無いのです。
あの手の表現は作品のスタイルによっては全く使いようが無いからね。
上にも書いたテクスチャーっぽい背景でポップな印象もつけてます。
ストーリーが現実に近いので表現技法でメリハリをつけてる感じです。
ベースはみなみけよりリアルっぽい画面だけどポップ表現も多いのです。

オマケで2話のどのへんが新房アニメっぽいか書いておきます。
リョータが鼻をほじるところでイラストっぽい画面になるところ。
次の画面でキャラ絵を切り抜いて載せたみたいなのもそれっぽい。
リョータがユウキの耳たぶをつかむ絵がポップアート風の色彩に。
(このポップアート風の色彩は新房アニメ以外ではまず使わない)
赤いパイロンが一つ二つ三つと増えていくのもそれっぽいっすね。
ポップ表現はよくあるけど他だとこんな感じにはしないので。
(この話はOVA版にもあるので見比べるとわかりやすいかも)
プリンがぷるるんとかたこ焼きの絵を挿入する代替表現もそれっぽい。
ユウキの円陣!のところの記号的な表現も他ではまず見ないっすね。
女子の着替え中にリョータが入ってきてキャラが色抜けになるとか、
それぞれのキャラのアップ画面の背景に洗濯記号が入ってたりとか。
(この背景にシンボルを埋めるのも新房アニメ以外ではまず使わない)
ブルマーだけの画面にレタリングのタグが入ってるのもそれっぽい。
プリンのスローモーションでアベマリアにはオイオイとか思ったよ。
しかもここだけプリンが手描きじゃないし(実写っぽい質感)。
最後の方のリョータが責められてる画面が網点トーンっぽい絵だし。
「よこしなさいよ」の画面がサイレント映画風表現だし。
最初のうちは気のせいかもと思ったけど途中から確信に変わりました。
こんだけあれば新房アニメを見慣れてる人ならみんなアレ?と思うから。


「今日の5の2 (OVA) 1〜2巻」
2006年頃にリリースされた30分×全4巻のOVA。DVDレンタル。
原作は青年誌(ヤンマガ)のマンガで読んだことがあります。
※セル・レンタルDVDは全巻リリース済
作品の説明はテレビ版↑のを参照してください。

リリース時期でわかるとは思いますが「みなみけ」より前の製作です。
今回のテレビ版とは製作も制作もスタッフもキャストも全く違います。
せっかくなのでテレビ版と比較するために借りて見てみました。
(実はずいぶん大昔に借りたんですが……)

テレビ版と比較した結論を最初に言ってしまうと、、、
放送してるテレビ版のほうがずっといい出来です。
動きも画面の密度も脚本の密度も演出レベルも全てテレビ版が上です。
1本あたり短いエピソードが5本というテレビ版とそっくりの構成だし、
それぞれのエピソードの内容もほとんど同じなので余計に実感します。
(エピソードのサブタイトルまで同じです)
スタッフのレベルの差とか、みなみけ以前と以後の違いなんでしょうか?
キャストはこっちの方が知ってる人が揃ってますが、
それすらもテレビ版のほうが声が若い感じなのでそれっぽいです。
※OVAはジュニアアイドル?と声優版の二重音声になってます

サブタイトルを見比べた限りでは2巻の最後のエピソード以外は
全てテレビ版にも入ってるのでわざわざ見る必要はないように思います。
1巻も2巻も最後にチカの話で〆てるところはいいかなとは思ったけど。
※2巻の最後の「オサソイ」はアニメオリジナルみたい
最初が「グラグラ」で最後が「ユビキリ」なとこも全く同じです。
わざわざ見比べたい人かお色気シーンが見たい人だけ見たらって感じ。

そうなんですOVAの方がやけに色っぽい描写が入ってたりします。
元々こっちの方が絵柄が色っぽいけどさらに随所でそれっぽいシーンが。
(テレビ版のほうはちゃんと子供っぽい絵柄になってる)
あとこっちはテレビ版では見えないパンツ(テレ東だし)が見えたりします。
例えば「スーパーボール」でスカートがめくれてしまうシーンとかで。
「メモリ」でメグミのブラが普通の形だったりな細かい違いもあります。
※テレビ版ではジュニアタイプ(スポーツブラに似た感じのやつ)
体重計に乗る前に全部脱いでるなんてどーでもいい違いも有ったりして。
と言っても前は見えないのであしからず

表現スタイルもテレビ版とは多少違います。
最も大きな違いは通常モードと劇画モードの絵柄の落差だろうか。
テレビ版はみなみけ(無印)を踏襲してるのに対してこちらは差が希薄。
みなみけおかわりよりは絵柄の変化が目立つかなってレベルっすね。
あとリアルな空間描写と自然な演技が多かったテレビ版に比べて
こちらは多少ポップでマンガチックな表現が目立ちます。
ポップ表現と言ってもテレビ版のと違って一昔前な感じですが
表現スタイルを見比べると時代の違い(ってほど製作年は違わないが)
とかセンスの違いみたいのを実感してしまいます。

参考までにOVAの全エピソードリストを。
1学期(1巻)
「グラグラ」「サコツ」「マケナシ」「メモリ」「ダマシウチ」
2学期(2巻)
「スーパーボール」「キセカエ」「カンサツニッキ」「エガオ」「オサソイ」
3学期(3巻)
「トショシツ」「ヌキウチ」「アマアマ」「メクリ」「ネコノテ」
春休み(4巻)
「ヌレギヌ」「セクラベ」「サンキャク」「ユビキリ(前後編)」
DVD-BOXのおまけ ※レンタルでは見れないと思う
「ミズカケ」

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