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今回も時間切れスレスレなので前文なしでさっさといきます。 「ef - a tale of melodies. 1〜6話」 10月から一部の民放(3局)で深夜に放送してる新番組。 11月からAT-Xでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。 原作は18禁のインタラクティブノベルでやったことはありません。 ※セル・レンタルDVDのリリースは12/26から その女の子は唐突に今でもあなたを憎んでいると言った。 あなたが初恋だった。今でも初恋は続いてるとも言った。 彼女の名は雨宮優子。そしてオレの名は火村夕。 二人は小さい頃、少しだけ一緒に過ごしたことがあった。 二人ともあの震災で身寄りをなくして同じ保護施設にいたのだ。 しかし彼女はすぐに遠い親類に引き取られた。その程度の関係だ。 あの当時、彼女はやけに懐いていた。お兄ちゃんと呼ぼうとした。 それがとても腹立たしかった。オレの妹は震災で死んだのだから。 オレは彼女の差し出した手をはねのけた。想いを知ろうとしなかった。 それがどんな結果に結びつくか、その頃のオレには考えられなかった。 クラスメイトの嫌がらせを、こんなの大した事じゃないと笑う理由が、 なぜ好きという言葉がどこか嘘臭いのか、オレには想像つかなかった。 今度は性的虐待ですか…… このシリーズはアニメで表現できる内容の限界にでも挑戦してるのか? しかもセックス描写自体が大きく制限されるテレビアニメでやるとは。 直接的ではない独特な表現技法を使ってることが良い方に効いてるなと。 過激な表現手法のおかげで告白のシーンのインパクトも強烈だったよ。 正直なところ、1期の千尋パートは凄すぎで、もはや奇跡的なレベルで、 技巧だけでは同じレベルのものは絶対に作れないと思ってたわけで。 だから今回のにはそんなに多くを期待してたわけではないんです。 単純に続きをやれば蛇足になるから別の話になるのも予想してた。 濃厚な映像と人間描写さえ堪能できればいいぐらいに思ってたのです。 こんなインパクトのある設定を投げてくるとは思わなかったのです。 1期と比較されるのを承知で2期を作っただけのことはあるんだなと。 思ったよりやるじゃないか!というのがここまでの印象です。 さすがに千尋パートには敵いませんが(だからあれは奇跡だと)。 2期は別のキャラを中心にした別の話。 と言うのは1期が見事に完結してたので最初から予想ついてました。 別のキャラと言っても大半は1期にも出てきたキャラですがね。 1期で脇に廻ってたキャラが今回は中心に据えられているのです。 そんな関係なので当然ながら1期の中心キャラも出てきたりします。 さりげなく1期のフォローというか後始末的なシーンがあったりします。 (千尋と景が再会するシーンなんかが有ったりする) それとは別に1期の場面やセリフを意図的に似せて使ってたりします。 なので1期を熱心に見てた人なら感慨深いんじゃないかと思います。 雰囲気も表現スタイルも同じだし今回のメインも知ってるキャラだから そういう意味でも感慨深いだろうし見て損は無いと思われます。 1期を知らない人がいきなり見た場合どう感じるかはわかりませんが。 1期は2つの話が平行して進む展開でした。 そして今回も2つの話が平行して進む展開です。 と言っても前回と違って今回は全く別の時間軸のお話です。 一つは1期よりも(少し)未来のお話。もう一つはずっと過去の話。 未来は久瀬さんと羽山ミヅキの話で、過去は火村さんと雨宮優子の話。 久瀬さんと火村さんはどちらの話にも共通して登場しています。 わりと美形な男キャラ二人の存在感がやたらと大きいわけです。 これはもはや美少女アニメとは言いがたいのではないかと(笑)。 1期もいわゆる美少女アニメとはかなり趣が異なっていたけどね。 1期を知らず普通の美少女アニメを期待してるとアレって思うかも。 そんな人ははなからお呼びでないのでとっととお帰りください(爆)。 久瀬さんと火村さんがいる1期より少し未来の話ってことは 千尋や蓮治と距離がとても近い場所での話ということになります。 ※久瀬さんは蓮治のお隣さんで火村さんは千尋の保護者 当然ながら脇のキャラとして千尋や蓮治が時々出てくるわけです。 あの物語の後の幸せな二人の姿を見れるのです。凄く嬉しかったよ。 (紘パートのメンバーもちょっとずつ出てきます) そして1期では別パートの登場人物だったミヅキの登場によって この作品の予想もしなかった仕掛けを知ることになるのでした。 ちなみにミヅキが蓮治の従兄弟なのはすでに知ってました。 ※コミック版にはその設定が出てくる 予想もしなかった仕掛けとは音羽の町のこと。 実は1期を何度も見返しててある疑問が浮かんだのです。 紘パートと千尋パートは同じ音羽の町なのになぜ季節が違うのだろうと。 1話の紘パートでは雪が降ってるし服装からして冬の話なわけです。 それどころかクリスマスというピンポイントな日時までわかるわけで。 しかし千尋パートでは雪はないし服装も冬とはとても思えなかった。 ふとこの2つの話は時間軸が全く別なのかもと考えたりもしたけど、 千尋と景が互いにメールをやりとりしてるからそれは有り得ない。 同じ町なのに景と紘が全く千尋に会わないのも疑問だったんだよ。 ※景は千尋の双子の姉妹で紘は二人の幼馴染 会わないのではなく、簡単には会えない場所だったとは…… 全く同じ風景の音羽の町が二つ有るなんてとても考えつかないよ! つまり千尋と蓮治のいる音羽は紘たちとは別の場所にあるのです。 オーストラリアにあるんだそうな。だから季節が逆なのです。 1期の2つの話が全く交差しなかったのも当然だったわけです。 蓮治が景のことを学校で見たことがないのも当然だったのです。 だって蓮治と景の通う学校はそっくりだけど別の学校だったから。 恐らく千尋はあの時点で別の場所に居るという事実を知らないか 教わったけど記憶から抜け落ちてしまってるのでしょう。 両者の接点の千尋が不完全な記憶しか持たないのは絶妙だったね。 考えてみたら1期で千尋が電車のこない音羽の駅に座っていたのに 最後に電車から火村さんが駅に降りたのもアレ?って思ったんだよ。 ※紘パートには他に駅が出るシーンはない あれは何かを吹っ切って日本の音羽に行ったって意味だったのだなと。 火村さんが紘たちを優しい視線で見てるのも深い意味があったのだなと。 (同じ町だと思ってたから特に深く考えたりしなかったよ) まぁ、2期を見て初めて理解できるシーンが有るのもなんですが…… そのへんは1期の本筋ではないのでそんなに問題ではないっすね。 そこに関係する火村さんと雨宮優子の話はまさに今回の内容だから。 今回のメインである火村さんと久瀬さんは前作と大差ないけど、 前作では人間に見えなかった優子さんはずいぶん印象が違います。 今回はちゃんと人間に見えるから。なんて表現もアレですが。 コミック版やドラマCDではみょーにお茶目なキャラだったけど、 それとはまた違った軽いようででも決して本心を見せない感じの。 理由は6話でドーンと火村さんと(視聴者の)目前に突きつけられます。 何かは具体的には書きませ……いやバッチリ書いてありますね。 ここを見れば今回も並みの作品じゃないってことを思い知るはず。 最初から何かありそうに匂わせてるわりに出し惜しみをしてるので、 きっと中盤に強烈なのを繰り出してくるんだろうとは思ってたよ。 6話の優子さんの告白シーンを見ながらやっぱりやってくれたなと。 (もう一度見返したら凄く丁寧に伏線が散りばめてあって驚いた) そんな感じなので 作品の方向性が嫌いでないならなるべく6話まで見た方がいいです。 1期に比べてインパクトが弱いからと序盤で切らない方がいいです。 (序盤から久瀬さんのこととか結構インパクトはあるけど) 1期だってホントに凄いことになるのは中盤以降だったわけだし。 千尋パートが序盤からあまりにインパクトが有りすぎなだけで。 だから千尋パートは奇跡なのだと(以下略) アレを基準に考えてはいけません。見れるものなくなるから。 「スキップ・ビート! 1〜8話」 10月からテレビ東京系(6局)で日曜日の深夜に放送してる新番組。 11月からAT-Xでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。 原作は少女誌(花とゆめ)のマンガで大ファンです。 ※セル・レンタルDVDのリリースは2/4から キョウコはオシャレ一つせず日々バイトを掛け持ちで働いていた。 彼女はそんな日々の生活を全く苦だとは思っていなかった。 世間も羨む王子様と一緒に暮らしててとても幸せだと思ってた。 学校時代から周囲の女の子たちに凄い人気のあった王子様・不破尚は 歌手として芸能界にデビューした今では世間の女子たちに大人気だった。 そんな王子様と一緒に都会へ出る相手として選ばれたのが嬉しかった。 ※キョウコと不破尚は幼馴染 不破尚の生活を影で支える生活こそが生きがいだと信じていた。 そう、あの日、あの瞬間、尚の口から本当のコトを聞かされるまでは。 実はこの作品の作者もかなり初期(MVPの頃)からずっと追いかけてました。 アニメ化される日が来るとは全く考えもしなかったのでビックリしました。 凄い数のアニメが放送されてるとは言え少女マンガ原作のは限られるし。 (実写ドラマ化される作品はいっぱいあるけどね) コミックスは既に20巻まで進んでるのにまるで完結する気配もないし。 せいぜい2クールで収める深夜アニメにするのはちょっと難しいようなと。 だから話を聞いたときはいったいどう構成するんだろうと思いました。 もしやラブ★コンとかイタKissみたいな超高速展開にでもするのかなと。 だからここまできっちり原作をトレースしてきたのにも驚いたよ。 上に書いて有るけど原作は既に20巻まで進んでます。 通常の1巻4話のペースで映像化すると実に80話分に相当します。 どう考えてもそんなにやるとは思えない(せいぜい2クール)ので、 エピソードを端折る高速展開にするかキリのいい途中で終わるしかない。 8話まで見る限りは原作を端折らずにきっちりトレースしてるようです。 多少急いだ3話で1巻ペースなので2クールだと9巻の途中ぐらいまでかな。 原作をじっくり確認した感じでは「月籠り」の前あたりまでかなと。 「月籠り」は15話ぐらい有って多少詰めたぐらいじゃ収まらないから。 放送がこのまま原作をトレースして「月籠り」の前までと仮定すると、 尚との仕事での初対決エピソードや蓮に仕事を認められるエピソード、 モー子さんに親友として認められるエピソードなんかがあるわけで、 「無くした愛を取り戻せ!」的なテーマでなら区切りはいいのかも。 原作をきっちりトレースしてるので内容に関しては全く違和感ないです。 少しハイペースで少しずつシーンが削られてて少し説明が足りないけど、 原作と見比べた限りはそんなに問題にはならないかなと。 原作の内容を膨らませたりなんて展開も今のところ全くありません。 原作の物語構成の完成度が高いのでいじりにくいと言うのはあるかもね。 表現が原作のテイストを踏まえて多少アレンジされてる程度の違いです。 ※「かんなぎ」ほど原作そっくりではない 見た感じあまり凄くはないけどポップな原作の雰囲気はよく出てるし、 内容はまぎれもなくよく知るスキビ!なので結構楽しんで見てました。 しかしまぁ、人気が無いね。アニメだとこの手のはダメか…… 声に関しては一部の人に多少違和感を感じました。 モー子さんと社(やしろ)さんは特にアレ?って感じがしたよ。 でも勝手な脳内イメージとの違いなんてスタッフの責任じゃないし。 見てるうちに慣れました。ド下手な人を使ってるわけじゃないから。 キョーコなんかいつのまにか原作を読むときもこの声で喋ってる(笑)。 ちなみに尚と蓮に関しては最初から全く違和感が無かったよ。 特に尚の宮野真守さんは二枚目だけどバカっぽい感じがよく出てます(爆)。 てゆーか宮野さんってこのところそんな役ばかりじゃないですか。 凄くカッコよかったWOLF'S RAINの頃のイメージは何処へ…… 肝心の内容について。この作品を一言で説明するなら、 よーするにキョーコが芸能界に入ってスターダムを登っていく話。 その手の作品は古今東西良くあるし珍しくも有りません。 だけどこの作品にはそれらのほかの作品には無い特徴があります。 それはキョーコは芸能人になりたくて芸能界に入るのではないとこ。 自分をボロゾーキンのように捨てた(芸能人の)尚に復讐するために 同じ世界に入って尚より上の地位から嘲笑ってやろうと考えるのです。 単純な嫌がらせではないあさっての方向過ぎるバイタリティに脱帽だよ。 当然ながらそんな動機で目指した人間が入れるほど甘くはないわけで。 最初の関門の芸能事務所のオーディションにもあっさり落ちるわけです。 でも他の人にはない執念と行動のユニークさを買われて拾われるのです。 LME社長発案のラブミー部なるみょーな活動をすることになるのです。 超恥ずかしいネーミングかつドピンクつなぎを着たラブミー部の趣旨は キョーコに奉仕活動を通じて愛する気持ちを育んでもらおうということ。 ようするにラブミー部はキョーコ一人のために作られた部署なのです。 (後でモー子さんもラブミー部に入れられて二人になる) 芸能人とは人に愛される仕事でそのためにはまず自分から人を愛すこと。 だから愛する気持ちを失ったキョーコは根本的な資質が足りないわけで。 (それは芸能人として以前に人として足りてないのだけど) 足りないものを補うためにラブミー部という活動をするわけです。 このストーリーの持っていき方にもすっかり意表をつかれたけれど、 愛されることは愛することみたいな心構えを描いてるのにも感心したよ。 当たり前のことだけど当たり前のことをちゃんと描いてるの少ないから。 裏技に近いカタチでなんとか芸能界に潜り込むことは成功します。 でも芸能人を目指してたわけじゃないキョーコは当然技能も有りません。 素晴らしい才能を秘めていたみたいな少年マンガ的展開もありません。 能力と言えるのは多少は人より目の付け所が鋭いところぐらいだろうか。 あとは小さい頃に事情があって女将修行をしてたその残りカスぐらい。 どちらも運とタイミングが良ければ使える程度の能力なわけで。 当然ながらそのままでは一流の芸能人なんて夢のまた夢なわけです。 だから養成所に通うという凄くまっとうなルートに進んだりもします。 ※本来は芸能事務所に入る前に通うところ 演技が上手くなりたい理由がすっかり手玉に取られた蓮を見返したいから みたいに動機が不純なあたり期待通りというかセオリーの斜め上というか。 でもそのうち演技の面白さに目覚めて自分で追及していくようなります。 尚に尽くす以外に何もなかった自分ができることを初めて見つけるのです。 動機も手段もルートを外れすぎてたのにいつのまかど真ん中を走ってます。 最終的には希代の女優みたいなレベルにまで登りつめるのかもしれないね。 アニメだと恐らくCMで人前にデビューしたというレベルまででしょうが。 先の展開に興味がわいたなら原作を読んでください。放送が終わったら。 ※内容が全く同じなので先に読むとネタバレになります 先の展開にほんの少しだけ触れておくと 8話からのマリアちゃんの話が2クールなら一番感動的なエピソードです。 ここまで見たなら是非そこまでは見ませう。 「タイタニア 1〜7話」 10月からBS2(のみ)で木曜日の深夜に放送してる新番組。 原作はSF(なのか?)小説で読んだことは有りません。 ※セル・レンタルDVDのリリースは1/30から 人類が宇宙に進出してから数え切れない時が流れた時代。 宇宙には幾多の星系国家が生まれ星間都市連盟という秩序が生まれた。 そして今から200年ほど前この宇宙には新しい秩序が芽生えた。 それはタイタニア一族による全宇宙の国家の実効支配である。 名目上はヴァルダナ帝国の一臣下にすぎないタイタニア一族だったが、 強大な軍事力により多くの国家を支配下におき帝国の実権をも支配した。 タイタニアの意向が全世界の意思と言っても過言ではないほどだった。 そんなタイタニアによる星間連盟所属の都市国家エウリヤへの攻撃は いつものように完璧な勝利によって幕を閉じるはずだった。 圧倒的戦力のタイタニアに対してエウリヤは指揮官すら無名であった。 戦う名目だけ整るためで勝つ気はないのだとアリアバート公爵は思った。 しかし簡単に勝利するはずのその戦いは思わぬ展開を見せる。 エウリヤの無名の指揮官ファン・ヒューリックの奇策に嵌められて タイタニア軍は壊滅的な大損害を被り撤退を余儀なくされたのである。 この戦いこそタイタニアの歴史の中で初めての敗北であった。 永劫に続くと思われたタイタニアの権勢が綻び始めた瞬間であった。 銀英伝(銀河英雄伝説)の外伝です! とか言いたくなるぐらいに見た目も雰囲気もそっくりですな。 原作者が同じで似たような原作だし監督も同じだから当然だけど。 ヒューリックが奇策で戦局をひっくり返すのなんかまんまヤンだよ。 銀英伝を知ってる人間なら圧倒的に不利な状況で余裕の態度だから これは何か策を仕込んでるなと容易に想像がついてしまうほどです。 そしてヒューリックの奇策を見ながら、ほらやっぱりやったなと。 まぁ、そんな感じの銀英伝と極めて似たテイストの作品です。 科学的な仕掛けを用いたSFではなく単に宇宙を舞台にしてるだけで。 主軸は政略であり戦略であり戦術であり、そこにある人間模様です。 (単に宇宙を舞台にしてるだけのSFは腐るほどありますが) 銀英伝とは全く違った側面もあります。 銀英伝は物語の開始当初は2つの大きな勢力が対峙している構図でした。 対してこちらは唯一の圧倒的な勢力とそれに屈してない勢力と言う構図。 戦術レベルでは勝敗はあっても戦略レベルではもはや勝敗は決した状態。 その磐石なはずのタイタニアの権勢が崩れ始めるという展開。だと思う。 その大きな切っ掛けになったのが冒頭のヒューリックの奇策なわけです。 つまり彼はタイタニアの覇に異を唱える人たちのカリスマとなるのです。 たぶん大きなうねりの中で彼は意図せず祭り上げられていくのでしょう。 でも物語が始まった当初は戦勝の英雄どころかいきなり失業してたり。 そもそもエウリヤは冒頭の戦いに勝つ気などなかったのだから。 余計なことをしてくれた、と逃げたことにして放逐してしまうのです。 さらにはタイタニアから指名手配されて逃げるはめに陥るのでした。 ヤンとラインハルトという二人の天才による物語だった銀英伝と違って 今のところはタイタニアを中心に変革を求める人が蠢いているだけ。 ヒューリックは放浪をしながらいろんな人と出会っているだけです。 もちろん彼がタイタニアを負かした人間なのは知る人ぞ知る事実で、 タイタニアに反抗しようとする勢力は引き入れようとするのです。 でもヒューリックは積極的にその手の誘いから逃げてたりして。 消極的サボタージュをしてたヤンと違って覇気のある遊び人な感じで。 だから7話まではタイタニアと再び本格的に戦うシーンはありません。 あと銀英伝と大きく違う点は役者の絶対数が少ないところでしょうか。 タイタニア側もヒューリック側も役付きのキャラがそんなにいません。 場を動かすリーダー以外の脇を固める中堅キャラがあまりいないのです。 今回もキャラにクレジットが入ってるけど無くても困らないぐらいです。 たぶんガンダム00の方がはるかにキャラが多い(多すぎ)と思われます。 キャラが少ないせいもあって銀英伝に比べてこじんまりとしています。 銀英伝の本編ではなく外伝と比べると丁度いい位のスケールです。 最初に外伝とか書いたのは、暗にそういう意味でもあったわけです。 銀英伝のようにもっとキャラの層が厚ければいいのにと思ったよ。 作品の内容ではなく見た目について。 最近の緻密に描きこんだ絵ではなく銀英伝レベルのあっさり品質です。 装飾は煌びやかだしキャラ描写は仰々しいし見た目も麗しいですが。 繊細で艶っぽい美樹本絵は美学を体現する作風に合ってると思います。 個人的には銀英伝のバタ臭い清水恵蔵さんの絵柄のほうが好きだけど。 ただキレイなのよりクドイいぐらいが仰々しいキャラに有うと思うから。 作品の見せ場である艦隊戦は手描きではなく3DCG描画になってます。 テレビシリーズのスケジュールを考えると仕方ないかなとは思います。 CGのクオリティ自体はサンジゲンなんで問題は無いレベルだし。 ただタイタニア側の戦艦がみょーにスマートでカッコよすぎなのです。 指揮官が載る旗艦だけはシンボル的にそんなデザインでもいいけど、 大多数の船はもっと無骨なデザインで渋い配色にして欲しかった。 今のテイストだと戦闘シーンがみょーに安っぽく見えてしまうから。 このへんはCGを使ったことが問題ではなく使いかたの問題っすね。 「CHAOS;HEAD 1〜7話」 10月から一部の民放(4局)で深夜に放送してる新番組。 キッズでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。 原作は妄想科学ノベルゲーム(だそうな)でやったことはありません。 ※セル・レンタルDVDのリリースは2/25から [追記] 製造の都合でセルDVDだけ3/4に延期(レンタルは予定通り) 西條拓巳は他人との関わりが不得手で引き篭もりがちなオタクだった。 学校にこそ通ってたが落第しない最低限しか授業には出ていなかった。 他人との関わりを極力避けていたので学校での存在も無いに等しかった。 家族から離れ好きな物が詰まったコンテナハウスで一人で暮らしていた。 そんな彼の唯一の楽しみはネットのゲームに興じることであった。 ゲーム世界では彼は多くの人たちに崇められる神にもなれるのだった。 そんなある日、彼は世間を騒がすニュージェネ事件のことを知らされる。 チャットで「将軍」と名乗る人物から怪しい画像のURLを示される。 嫌な予感から見る気はなかったのだがちょっとした事故で開いてしまう。 開かれた画像は十字架の杭が多数刺さってる死体の写真だった。 そして次の日、渋谷の裏路地でその写真と全く同じ光景を目にする。 死体の前には手に十字架の杭を持ち血を浴びた女の子の姿が有った。 この瞬間から、いやこの少し前から彼の現実は少しづつ歪んでいた。 彼の信じる現実が次第に信じられないことで侵食されていくのだった。 なんという電波ゆんゆんアニメ…… これはあれか、カオスなのは主人公の頭の中ってことですか?(爆) いきなり主人公がアニメのキャラを顕現させて会話してたりするし。 ※視聴者から見るとそんなビジュアルって意味 現実のシーンがいきなり妄想のシーンに摩り替わったりするし。 どこまで現実でどこからが妄想なのか判断に困ってしまうのでした。 まぁ、そもそもこの作品の現実自体が現実離れしてたりするけども。 この作品の主人公の拓巳は引き篭もり気味で対人関係不全なオタクです。 まるでげんしけんから抜け出したようなリアルな痛さがプンプンです。 そんな彼の周りになぜかカワイイ女の子がいっぱい接近してきます。 一人だけみょーに見栄え良くて女扱いに長けた同性の友人がいます。 よーするに、いかにもな美少女ハーレムラブコメ的なキャラ配置です。 げんしけんキャラがハーレムアニメの世界に入ってしまった感じです。 相手役の女の子たちにまるで現実味がないのも実にそれっぽいです。 そんな現実離れしたラブコメ世界を拓巳も楽しんでしまえばいいのに、 こんなことは有り得ない何かの罠だ、とか言って逃げてしまうのでした。 自分の妄想キャラと会話してるくせに変なところだけ現実的なんだなと。 三次元は嫌いだ、二次元は落ち着くとか言って自分の城に引き篭もるし。 変にリアリストと言うより変化を受け入れる勇気が無いだけなのかも。 変化に身を任せた方が波乱万丈で人生楽しいと思うんだけどな。 心配しなくてもオマエも相手もみんな二次元の存在だ(爆)。 死んじゃったら途中のセーブポイントからロードすれば(おいおい) 話を戻して作品の仕掛けについて。 この作品には拓巳の見てる現実の世界というのがあります。 現実なのに主人公以外は現実っぽくないぞというのは置いといて。 そこで起きた事件にちょっと興味を持ったことから世界が歪み始めます。 現実なのに現実ではありえないことが起こるようになります。 カワイイ女の子が次から次へと接近してくるのもその一つなのです。 そこまでは実はキャラ絵はともかくわりとリアルっぽい雰囲気でした。 あ、最初から出てくる妹もいかにも美少女モノっぽいキャラだったっけ。 途中から出てきてこんな妹はいなかった筈とかやったら完璧だったのに。 それまでだったら有り得ない美少女が寄ってくる、だけの変化なら ちょっと違った切り口の美少女ハーレムラブコメに過ぎないのです。 でも、これは拓巳のまわりで奇妙なことが次々と起こって、 自分の認識のどこまでが現実なのか分からなくなっていくのです。 彼の無意識に現実から妄想を膨らませる性癖も状況を酷くしてたりする。 (ラブコメシチュエーションなのに現実でやらず妄想でしてしまう) まぁ、妄想の外の現実も十分妄想レベルだろうとツッコミたいけど。 次第に自分の存立する足場が揺らいでいくスリラーを味わえるのです。 こんな感じで物語の仕掛けとしては結構興味深いのです。 仕掛けは興味深いんだけど、実際に見てみるとキャラがアレ過ぎて。 主人公の拓巳はリアルであるが故にアイタタタだし。 (妄想してしまうのが重要な仕掛けなのは理解してるけど) 周囲の女の子キャラは現実味ないしセリフが電波ゆんゆんな人もいる。 しまいにはディソードとか言う見えない剣まで出てきたりして。 見てて苦痛とは言わないけど苦笑してしまうような作品になってます。 先の展開が凄く気になるのに見続けるべきか考えちゃう代物なのです。 もう少し女の子をそれっぽくして作品の現実に現実味を持たせれば ダイナミックに現実が歪んでいくプロセスを実感できたと思うし、 拓巳の嫌悪感を薄めれば視聴者が入り易くなったとも思うのですが。 この作品にこそバランス感覚が欲しかったなと。 いきなり拓巳ととても仲のいい設定になってた梨深(りみ)のこと。 自分にはそんな記憶は全くないから梨深がみんなの記憶を改竄したとか、 よくある設定だけど現実ならありえないことを本気で考えるのです。 そこまで有り得ないことの連続だから考えちゃうのは理解できるけど。 でも梨深の存在がイレギュラーであることを全く実証しなかったよね。 なぜ過去の名簿とかイベントの写真とかを調べなかったのかなと。 少なくとも現状は拓巳の記憶がおかしいとも解釈できるわけで。 ニュージェネ事件とFESの歌の歌詞との符合についてもそう。 予言とか犯人とか考えるよりまず歌詞の通りに実行したと思わないか? よーするに何かの歌詞になぞらえて連続殺人を行うよくあるアレですよ。 「その目誰の目?」だってFESがライブ会場で言ってたセリフなわけで。 FESを心酔してるサイコパスによる連続殺人と思うのが普通だと思うよ。 そう考えるのがこの場合は正しいという意味で言ってるのではなくて、 普通考えるであろうことが欠落してることに違和感を覚えるってこと。 だから拓巳の思考が正常に働いてるように見えないのです。 まさかそれこそがこの物語の核心だったり!? 「ケメコデラックス! 1〜4話」 10月から一部の民放(5局)で深夜に放送してる新番組。 AT-Xでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。 原作は角川系(電撃大王)のマンガで読んだことは有りません。 ※セル・レンタルDVDのリリースは12/26から 高校生になる三平太には10年前の淡い恋の思い出があった。 再会したら結婚しようと約束をして転校したいった美少女がいた。 今でも彼女の写真を大事に持っていて再会できることを夢見ていた。 そんなある日、三平太の前に嫁を自称するケメコが現われたのである。 かつての美少女が成長した姿とはとても思えない2頭身のソレは、 突然攻撃してきたメカをあっさり撃退し三平太に結婚を迫るのだった。 この日から三平太はわけのわからない騒動に放り込まれるのだった。 騒動の理由が自分の中に眠る力の争奪だとは全く知りもしなかった。 凄く勢いがあって、激しくわけがわからない。 この作品を一言で評するならそんな感じだろうか。 いちおー内容らしきものは有るし見てればそれなりに理解はできます。 正確には理解したのではなく、強引に頭の中に叩き込まれたのですが。 なにしろ怒涛の勢いで変な設定と変なストーリーを見せられるので。 理解しろとか納得しろとかではなく、考えるな!感じるんだみたいに。 次から次へと繰り広げられる喧騒を前に考える暇を与えないのです。 おかげで激しくわけがわからないわりに楽しめました。途中までは。 3話の途中でシリアスっぽい展開が有ってそれはそれで盛り上がります。 でも、ナンセンスな設定でシリアスな展開って響いてこないのだった。 ナンセンスな内容について考える隙を与えてしまったのも減点かも。 シリアス展開がなかったとしても話数か進むとインパクトは薄れます。 どんなにエキセントリックな刺激でも繰り返されると慣れてしまうから。 テイストがそっくりな撲殺天使ドクロちゃん!なんかがいい例ですが。 ※監督と制作会社が同じです だんだん勢いが落ちてると感じるのも恐らく見てる側が慣れたせいです。 キャラが魅力的に感じたなら勢いが落ちても楽しめるんだけどね。 (この手の記号キャラには全くそそられません) 声について。 この作品の主人公の三平太(少年)の声って最初さっぱりわからなかった。 エンドロールで今旬の喜多村英梨さんと知ってビックリしました。 ※こどものじかんとこはるびよりの主ヒロイン、とらドラ!の川嶋亜美 女性が少年をやるのは珍しくないけどここまで声が違うのは珍しいよ。 言われてみれば川嶋亜美のドスの効いた喋りに似てるかもって感じで。 あ、ぽてまよの素直(主役の少年)もそうなんだ、言われれば確かにそうだ。 あの当時はまだ名前を認識してなかったから結びつかなかったよ。 天然な女の子(嘘)から完璧な少年声までずいぶん芸の幅が広いんだなと。 まぁ、川嶋亜美だけでもえらく幅の広い声色を使い分けてますが。 この人って最近頭角を現してきた人の中では抜群に演技力があるね。 相手(ケメコ)役の(斎藤)千和さんは言うまでもなく演技力は抜群なわけで。 みょーに太い声から鼻にかかった甘え声まで縦横無尽に使い分けてます。 生身の人間ならこんなに声が変えることはまずないんだろうけど、 ケメコは人型の着ぐるみ(パワードスーツ?)なのでやりたい放題です。 つーか着ぐるみのまま一緒の布団に入る夫婦生活とか何の冗談かと。 まぁ、この作品自体が冗談のかたまりみたいなもんですが。 千和さん一人で声使い分けまくりなのに、さらに中の人は別声です。 もちろん中の人(エムエム)の喋りがケメコから聞こえるわけなのですが わざわざ別の人が声を当てててさらに口調まで違うのでとっても変です。 まぁ、この作品自体が変の集合体みたいなもんですが。 この中の人の声も今旬の戸松遥さんだったりして。 ※かんなぎとToLOVEるの主ヒロイン つまり今まさに赤丸急上昇中の二人が主役コンビとして揃って出てます。 中の人よりガワ(ケメコ)の方がいっぱい喋ってるけどな。 この他にも主要キャラは主役級の有名どころが並んでるので 声優さん目当てで見るなんてのも一興かも!? |
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10日間隔でも5つ見てコメントを書くのは結構キツイな。 (しばらくこのペースで見ないとディスクが溢れるのです) とりあえず書いたものの納得いかなくて書き直したりするし。 延々と書いた後にやっぱり冗長だとバッサリ削ったりする。 少なくとも載せてる分と同程度は没にした文章があったりして。 なんと5本トータルで17時間もかかってたりします(マジです)。 17時間もかけただけ素晴らしい文章かと言われると……(汗) もう少し感じたことを手早く上手く文章にできるといいのにな。 そんなわけでコミックお薦めを更新しました。10月分です。 上に書いてある状況なんでコメントを追加する余力は当然ありません。 「かんなぎ 1〜6話」 10月から一部の民放(10局)で深夜に放送してる新番組。 アニマックスとBSジャパンでも放送してるので見れない人はそちらで。 原作はスクエニ傍系(REX)のマンガで1巻だけ読んだことがあります。 ※セル・レンタルDVDのリリースは11/26から 御厨仁(みくりやじん)の住む神薙町にはとても大きなご神木があった。 しかしご神木のあった神社は取り壊されて木も切り倒されてしまった。 不思議な縁でそのご神木の一部を手に入れることに成功した仁は それで昔ご神木の傍で出会った不思議な女性の姿を彫ることにした。 突然現われ突然消えた彼女はまるで木の精霊のようだと思ったから。 完成した木彫りの像は自分でも驚くほどに会心の出来ばえだった。 それはまるで木の中に見える姿を彫り出したかのような感触だった。 だからって、その像が突如人になり動き始めるとは予想できなかった。 彼女は自らを産土神(うぶすながみ)と称し、やけに態度が大きかった。 神を自称するくせに自らについた小さな穢れすら払う力がなかった。 人には何もできないはずの穢れを仁はあっさり掴んで捨ててしまった。 次の瞬間「なんでじゃー」という叫びと共に彼女の蹴りが仁に炸裂した。 ※公式サイトの「おはなし」の方が雰囲気がわかりやすいです とりあえずの第一印象。またオープニングで踊ってるよ(笑)。 ヤマカン(山本寛)と言えばキャラを躍らせる人として定着しそうです。 ※ハルヒのEDの踊りをやった人&らき☆すたの4話までの監督 躍らせるしか能がないのかよ!みたいに言われたりもしますが。 今回の作品は今までのと違って躍らせることに多少の意味があるので。 ナギがオープニングのようにアイドル活動をするわけではないけど。 アイドル的な存在を目指して頑張るという意味には違いないから。 アイドルはアイドルでもご町内のアイドル、学校のアイドルですが。 このオープニングの映像ではナギがアイドルの活動をしてるけど、 よく見るとマネージョーやスタイリストや振り付けの人やカメラマンとか、 それぞれのカットに出てくるモブ以外の人がレギュラーキャラだったり。 アイドル(っぽい存在)になる方向性と主要のキャラを紹介するという 作品の顔としてのオープニングの役割をきちんと果たしてて感心したよ。 らき☆すたなんか踊ってるだけで画面の流れに何の脈絡もなかったから。 見せ方のセンスと言う意味でも今までで一番良いんじゃないだろうか。 肝心の本編については、一言で言えばとても面白いです。 どこが面白いのかと言うと……バランス感覚なのでしょうか!? 萌え系っぽいけどいかにもなキャラ描写でもキャラ配置でもないとか。 異性と同居ネタなんだけどドキドキ感は薄めであっさりしてるとか。 面白おかしく誇張されてるけど嘘っぽい記号化キャラではないとか。 かといって生臭かったりドロドロしてるわけではないあっさり感で。 萌え系だけどテイストがライトでポップだから嫌悪感を感じにくい。 バカみたいなことをやってるようで、ちゃんと中身もあったりする。 一つ一つは些細な要素なんだけどそれが上手く噛み合ってるみたいな。 だから目を引くほど凄い要素はないのに、とても面白く感じるのかなと。 少なくともナギの太腿だけがウリってことはないと思います。 まぁ、この異常な人気は太腿のせいもあるのかもしれんが(爆)。 ※今期1番人気の作品 漠然とした話ばかりではアレなんで具体例としてナギのことを。 この作品のヒロインにして面白さを凝縮した存在のナギのことを。 一言で説明するとナギは女子高生にしか見えない神様です。 神様なんだけど行動とか能力とかあまり神様らしくない神様です。 木(御神木)と土塊から顕現したのにトレイに行くしご飯も食べます。 神様のクセに息をするように嘘をつきます。二重人格のふりもします。 ちゃんと料理を作れるのに面倒だからと料理を知らないフリをします。 (料理をしたらそれはそれで凄い結果が待ってるわけだけど) 神様のクセに自分についた穢れひとつ満足に払うことが出来ないし、 みんなの気持ちを集約して新たに使えるようになった力も光だけ…… てっきり何か凄い効果でもあるのか思ったらステッキが光るだけ(爆)。 ナギは何と素晴らしい力だ!と喜んで懐中電灯代わりに使ってたよ。 服装も自由になるわけではなく顕現した時に着てた一着だけなので 別の格好に着替えるためにはお店で買ってこないといけません。 1万円じゃ男物だって大した物は買えないと思いますが。 体型も自由にならないのでブラのサイズで右往左往をしたりします。 地面にめり込むような唸りと切実過ぎるやり取りが印象的だったよ。 「育ち盛りですから!」ってこれから育つんですか?神様なのに(笑)。 なんか神様というよりいい性格をした生身の女子のようですな。 もちろんナギにも神様らしい部分はあります。 神様らしく態度は尊大だし、世間知らずで服の値段を知らなかったり、 味噌汁に牛乳を入れたものを平気で食べるほど味覚が曲がってます。 にしてもとても美味しそうな料理が出てくる作品は世の中に数有れど、 明らかにジャンクな料理を食べるシーンばかりってかなり異色かも。 魔法少女の番組を見てこれだ!と魔法のステッキをオオヌサにするとか。 穢れを払う前にポーズとって魔法少女風の前口上を口走ってみるとか。 行動パターンが人間の一般的な感覚からかなりかけ離れてたりします。 迷惑をかけられても、神様だからしょーがねーな、と諦めるほどです。 なんか有り難いところではなく、駄目なところばかり神様だ(爆)。 こんな感じでとても面白いのです。 ただ、原作ほとんどそのまんまなんですよ、このアニメ。 いわゆる原作のテイストや内容に忠実とか言うレベルではなくて。 手持ちのコミックスの1巻とアニメの内容を詳細に比較してみたら カット割りからセリフからキャラの表情までほとんどそのまんま。 1話のAパートの冒頭5カットなんか原作のコマ割りと構図も同じだし。 (他にも原作のコマ割とカットの構図が連続して同じところがある) 原作より少しカットを追加してディティール描写を深くしてあったり、 カットの流れが原作と入れ替わってたり場所が動いてるのもある。 セリフも少し削ったり追加してあったりもする、けど9割方同じです。 キャラの表情やギャグ表現なんか原作由来のカットは99%同じだよ。 ここまで原作の表情をそのまま再現したアニメは前代未聞かも!? 良くも悪くも原作を忠実に再現したアニメとは言えると思います。 つまり面白さもキャラが生きてるのもほとんど原作に由来するのです。 アニメで追加した部分がないわけではないです。 1話のBパートなんかほとんどオリジナルの内容だったりするし。 ただ、この作品は原作1本分がアニメ半パートに完全に対応しているので、 原作にはほとんど手を加えずに1回分を間に挿入してある感じなのです。 だからオリジナル要素があるにも関わらず原作ほぼそのままって印象に。 このBパートは原作ではわりとあっさり流したナギとの同居の始まりを じっくりと描いたと言う意味でそれなりに意味が有ったのかなと。 特に美少女と同居のドキドキ感を原作よりずっとパワーアップしたのが メインの男子視聴者の共感性を補強すると言う意味でとても効果的かなと。 原作は美少女ハーレムっぽい構図にも関わらずあまりそれっぽくないし。 あくまで女キャラを可愛くそして面白おかしく描くという方向性なので。 男キャラはチヤホヤされるのではなく女の子に振り回される役回りで。 男性向けのサービス的なシシチュエーションってほとんど無いのです。 (原作者が女性で女性視点で描かれてるから) つまりナギの太腿がどうとかはアニメでの色づけってことです。 原作にそっくりなので原作を知ってるとインパクトが薄いです。 原作ファンならキャラが動いて喋ってるだけで楽しいでしょうが。 原作そっくりなのでアニメから原作でも全く違和感はないはずです。 雰囲気どころか内容までそっくりなので新鮮味は無いですが。 それは原作→アニメでも全く同じなので勘弁しろってことで。 つまりアニメが気に入ったからと原作を買ってきて読んだりすると 放送内容を純粋に楽しめなくなる可能性が高いって意味でもあります。 すぐ買ってもいいけど読むのは放送が終わってからがいいと思うよ。 「夜桜四重奏 -ヨザクラカルテット- 1〜6話」 10月からTBS系(3局)で木曜日の深夜に放送してる新番組。 BS-iでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。 原作は少年誌(シリウス)のマンガで1巻だけ読んだことが有ります。 ※セル・レンタルDVDのリリースは12/17から その昔、この地に妖怪たちを元の世界へと送るための桜が植えられた。 妖怪たちは元の世界へ帰るためにこの地に集まるようになっていった。 妖怪の中には元の世界へと戻らずこの地に残って暮らすものもいた。 そして時を経てこの地は世にも稀な人と妖怪が共に暮らす街となった。 今ではこの桜真町に住む住人のほぼ半数が人に化身した妖怪であった。 そのため町には妖怪たちの生活をサポートする窓口なんかも存在した。 主人公の比泉秋名が所長を務める比泉生活相談事務所がそれである。 また町の秩序を破るような危険な妖怪は強制的にあの世へと送られた。 それを行えるのは比泉のお役目を継いだただ一人の人間だけであった。 そう、比泉秋名には影で町の治安を守るというもう一つの顔が有った。 秋名は幼馴染で竜の化身で高校生で町長の役割を継いだ槍桜ヒメや 事務所仲間のさとりの七海アオや言霊使いの五十音ことはと共に、 日々桜真町で起こる妖怪絡みの事件を解決しているのであった。 見てるときは違和感がなかったので気づかなかったけど 原作コミックスを確認したら内容がずいぶん違っててビックリ。 違うと言っても原作を無視して勝手にやってるとかではなくて 原作の内容を使いながら大胆にリミックスされてるって意味ですが。 6話までのエピソードで2話と4話以外の4回分は1巻の内容なので、 少なくとも原作の内容は端折らずにきちんと映像化はしてるのです。 ※1巻分はその4回分でほぼ全て しかしその映像化した内容が原作とはずいぶん違ってるのでした。 ずいぶんと情緒や内面を掘り下げたアレンジがなされてるわけです。 おかげで原作1巻よりもずっと心に響いてくるようになってます。 (作者も原画を描いてるので恐らくこのアレンジを許容してる) 原作はコマの見せ方やキャラ描写とかポップでセンスがいいけど 物語の組み立てとかの技巧面はまだまだって感じだったから。 アニメで原作の足りない部分を上手いこと補完したなという感じ。 原作のアレンジが絶妙に効いてるのはまず2話でしょう。 1話で桜真町にやってきた東鈴(りん)って設定がまず原作とは違うから。 2巻以降で過去の話として出てこない限りこれはオリジナルってことです。 原作だと最初から宝蘭でバイトしてて配達などでよく出てくるだけです。 (原作の1巻にはアニメと違ってお店は全く出てきません) 人間に酷い目に合わされて人間が嫌いという話も1巻にはないのでした。 人間だから秋名を嫌ってたけど助けられたことで気を許すようになった、 みたいな結構感動的だったエピソードも1巻には全く存在しないのです。 秋名の役割である調律(チューニング)能力も1巻には影も形も無いので、 お役目の覚悟を決めたはずなのに揺らいでしまうという話も無かったり。 つまり2話で印象的だった要素の大半は恐らくアニメで追加したものです。 1話は舞台説明と主要キャラの能力を含めた紹介の色彩が強かったので、 2話がこの作品がホントに描きたかった方向を初めて示した回とも言えます。 ※3話以降は2話同様にキャラを心情面で掘り下げる路線 舞台説明と言えば1話で簡単に桜真町の特徴を説明してました。 町の周囲に7本の柱があるとか妖怪と人が平和に共存してるとか。 実はこのへんの設定はアニメで見て初めて知りました(爆)。 そもそも原作の1巻にはろくに舞台設定の説明がないから…… 妖怪と人が平和に暮らしてるのは言われればそうかなとも思うけど、 アオ以外は人間に見えるから人の中にまぎれて存在してるのかなと。 アニメはそのへんの設定を最初に説明してくれたので親切だったね。 比泉生活相談事務所が町長直属の公的な組織みたいな位置づけも、 原作だとかなり曖昧だったけどアニメではハッキリ示してます。 原作だと表向きは便利屋で裏でヒメの指示で除魂をやってる感じ。 アニメだと冒頭から町内のアナウンスの仕事なんかもしてるので 実質はあそこが桜真町の町役場みたいな役割を担ってるのかも。 なんか桜真町はいわゆる行政区分とは違った位置づけっぽいし。 役場の人間はヒメと恭助の二人だけって言ってたし。 たぶん妖怪たちの管理とサポートが桜真町が担ってる役割なのかなと。 (人間の行政区分の中に妖怪特区みたいに存在してるみたいな) 2話で鈴の町への転入手続きや町での生活の手配をしてるたりするし。 作中の描写を見る限りはそう考えるといろいろ筋が通ってくるから。 生活相談事務所が公的な機関だと実感するのが、ヒメ町長ごり押しの 町歌「ツンツンデレツンデレ」を放送設備を使って町中に流すとこ(爆)。 こんな凄い行為は桜真町の公的な機関でなければ許されないだろう。 公的な機関だとしても苦情は来るだろうけど。苦情窓口のアオに…… にしても、原作に出てくるとはいえちゃんと歌に起こすとは恐るべし。 原作だとツンデレ断片しかなかった歌詞に変なフレーズを大量に追加して ゆるいメロディーラインに載せた典型的な脱力ソングに仕上がってます。 ちなみに原作には鈴作の「どんぶり回収のうた」なんてのもあるよ。 あと原作1巻と目立つ違いと言えば桃華が毎回出てくるところかな。 恭助の妹として名前だけは出てくるけど姿は無いのです。1巻には。 つまりアニメで頻繁に出て来るのも全て追加された部分ってことです。 秋名を慕ってるっぽい態度とか原作も2巻以降で見れたりすんのかね? 桃華の兄貴の恭助も原作の1巻と比べるとはるかに見せ場がありますよ。 登場シーン自体はヒメに付いてるので原作にもいっぱいあるけどね。 鬼の力を顕現させて問題に対処するみたいな展開は無かったから。 まるで秋名、ヒメ、アオ、ことはに続く5人目って感じの存在感です。 アニメから入るとなんでカルテット(四重奏)?とか思いそうだ。 1話の次回予告で恭助が狙うなら秋名かとか言っててちょっとウケたよ。 (解説すると間抜けだけど秋名を押しのけて俺が4人目にって意味) 話は戻って4話「キミヲマツ」のアレンジの話。 この回にクローズアップされるジュンタの設定が違うのは置いといて。 アオが読心術を使うのを躊躇する理由が曖昧な原作コミックに対して アニメの方がハッキリしたきっかけを見せてるのが上手いなと。 読心術を使うことで上手く子供たちの心を掴んで調子に乗ったけど、 ジュンタには裏目に出てしまった自分の力が嫌になってしまうとか。 サトリは自分がサトリであることを嫌になる瞬間があるみたいな。 調子に乗って失敗して人を傷つけて落ち込んで学んでいくプロセスに、 サトリという妖怪の特質を組み合わせたのが実にお見事な感じでした。 原作のパーツは使ってるのにもはや別次元の内容になってて驚きだよ。 こんな感じで荒削りの原作をよく磨いた感じの作品に仕上がってます。 ぱっと見は凄いわけじゃないけど、じわじわ良くなってくる感じです。 顔見せの1話だけでなく2話以降も見て判断するのをオススメします。 「とある魔術の禁書目録(インデックス) 1〜6話」 10月から一部の民放(5局)で深夜に放送してる新番組。 AT-Xでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。 原作はライトノベル(電撃文庫)で読んだことはありません。 ※セル・レンタルDVDのリリースは1/23から 現実にわりと近い世界。現代より少し科学技術が進んでる世界。 この世界では超能力の仕組みが科学によって解明されていた。 そして素質は必要だけど訓練によって会得できるものになっていた。 この学園都市では学校の授業として超能力の訓練までも行っていた。 主人公の上条当麻はそんな学園都市のある高校へ通う少年である。 彼は学校での授業の甲斐もなく全く超能力を使うことができなかった。 さらに不運に魅入られてるかのような出来事に日々見舞われていた。 それは実は彼の右手に宿った極めて特別なある力が原因だったのだが。 ある日、彼はベランダに妙な格好をした女の子がいるのを発見する。 まるでゲームの中の僧侶のようにひらひらした服を着たその女の子は、 自分は10万3千冊の魔道書を管理するインデックス(禁書目録)だと言う。 着ている服はどんな力にも絶対的な防御を誇る「歩く教会」とも言った。 この科学の発達した世ではおよそ信じがたいことを口にしたのだった。 話が信じられない彼は軽い気持ちで右手でその服を触ってみたのだった。 ※彼の右手には全ての力を相殺して消してしまう能力がある 次の瞬間彼女の服は消え去り、彼女の悲鳴が響き、ビンタが炸裂した。 そして彼は途方もない彼女の話が全て真実であることを知ったのだ。 魔術が決して物語の中の存在ではないことを知ったのだ。 オープニングを見たときにシャナと似たような路線?って思った。 実際に見てみた第一印象は思ったよりコメディ色が強いな、だった。 ノリやリアクションがずいぶんギャグっぽいので面食らいました。 それを除くとシャナと似たような路線には違いないと言えるかな。 超能力とか魔術みたいな超常の力を使ってバトルしてたりするし。 主人公が何の力も持たないと思わせて実は無二の力を持ってたりとか。 バトルシーンがやたらとダイナミックで見栄えがいいのもそっくり。 作品の舞台が現代の日本ととても近似してるのも似てるところですね。 ※こちらは一応SFっぽい世界観らしいですが テイスト以外でシャナと大きく違うのは釘宮さんがいないところ?(笑) シャナに比べて今ひとつ面白くないのは釘宮成分が足りないせいです。 ってのは冗談だけど(同じ電撃文庫の)とらドラ!に釘宮さんが出てて、 そっちはこれよりずっと面白く感じるので真顔でそう言いたくもなるよ。 少なくともメインヒロインの印象で面白さが変わるのは違いないですし。 シャナとは違うこの作品ならではの見せ場はもちろんあります。 特に印象的なのは魔術を発現する時の術式とかの仕掛けでしょうか。 魔法を行使するときに本格的な表現をする作品だと術式を描くけど、 この作品はさらに模型で擬似空間を作ってリンクしてみせたりする。 魔法発動の仕掛けを見せるという意味ではとても見応えがあるのです。 特に3話のインデックスが自らを治癒する魔法を発動するところが。 仕掛けはチープだけど威力は絶大だった90年代ライトファンタジーの アニメと見比べれば表現の進化(と深化)が実感できるかもしれません。 つい最近スレイヤーズの(全く進化してない)新作もやってたしね。 作品世界の描写はリアルを模倣してきっちり構築してあるし、 バトルシーンは表現に凝ってるしダイナミックで見栄えがするし、 日常の軽いノリとバトルの張りつめる緊張でメリハリがついてし、 インデックスの記憶を消さないために頑張る内容も興味深いです。 普通に楽しんで見れる作品ではあるのです。あるのですが、、、 アレ〜?思ったより面白くないような、と感じる作品でもありました。 ストーリー展開で引っ掛かる部分が有るのが原因のひとつですかね。 例えばインデックスの治癒のために小萌先生の家を訪れるところ。 超能力の訓練をしてる学園都市の生徒は魔法を行使できないけど、 小萌先生は生徒じゃないから魔法を行使できるって考えだそうで。 でも先生(大人)と生徒(子供)って別の生き物ではないわけで。 生徒が成長した先に先生がいるわけで。つまり昔の生徒なわけです。 先生は訓練してないとも解釈できるけど知識があるなら同じだろう。 訓練しても超能力が全く使えない当麻みたいのがいるんだから。 特殊能力を持つ当麻はともかく生徒はみんな駄目とも言ってたよ。 だったら先生だって駄目なのが筋の通ってる話だと思いませんか? 6話で当麻が記憶を失ってしまうところもそう。 忘れたのではなく脳細胞が死滅して完全に記憶が消えたって…… そんな展開はかなりムチャだけど有り無しでならアリだとは思います。 でも聞き捨てならないセリフを蛙顔の医者は言ってたね。 「君の脳の中には全く記憶が存在しない」とか。 世の中に記憶喪失の作品が山ほどあるから誤解してるみたいだけど 記憶を全部失ったら「ここはどこ?私は誰?」にはならないんだよ。 あれはあくまで過去の出来事(エピソード記憶)を忘れた状態なのです。 (少し前に作中で小萌先生が記憶について説明してたじゃん) 脳から全ての記憶が失われたら言葉を喋ることすらできないのですが。 たとえ喋るとか食べるみたいな基本的なことだけは覚えてたとして、 記憶を失った程度によっては確実に彼の性格も変わっちゃうわけで。 (インデックスだって記憶を消したら性格が変わっちゃうよ) 自分のことを説明されただけで以前の自分を偽装するのは不可能だよ。 そのへんefの1作目はちゃんとやってたのにね。 この作品はステイルの術式を破るときみたく随所で理詰めで見せるけど、 その理論がところどころ破綻してるのです。それも致命的なレベルで。 現実味が全くないファンタジーな作品なら気にならないことだけど なまじ理詰めで見せてるから理論の破綻が余計に際立ってくるのです。 しかもディティールではなくストーリーの根幹でやらかしてくれるから。 見てて、え?何でそうなるの?と感じてしまうわけです。 目の前の展開に違和感を感じるから物語への吸引力が弱くなるのです。 ※キャラ描写が変だとイマイチに感じるのも同じこと 思ったより面白くないと感じる最大の要因はおそらくそこかなと。 (他にも言いたいことは多々あるけど苦言ばかりもなんだから) 描いてる題材は興味深いのでもう少し考えて作って欲しかった。 「屍姫 赫 1〜4話」 10月から一部の民放(7局)で深夜に放送してる新番組。 AT-XとBS11でも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。 原作はスクエニ系(ガンガン)のマンガで1巻だけ読んだことはあります。 ※セルDVDのリリースは1/7から(レンタルは1/30から) 屍(しかばね)とは死してなお強い未練や妄執によって動きつづける存在。 人としての良識を失い人を襲うことが少なくないとても危険な存在。 そして屍姫とはその屍を倒すためだけに作り出された存在。 未練を持った死体に秘儀を施すことで作り出された屍を葬るための屍。 日々、闇で生まれる屍たちを屍姫を擁する僧正たちが対処して廻ってる。 この世界にそんな出来事があることなど大多数の人々は全く知らなかった。 物語は花神旺里(かがみおうり)がそれまで世話になっていた大麟館を出て 一人暮らしのために自らリヤカーで荷物を運んでるところから始まる。 ※大麟館は児童福祉施設 旺里は凶悪犯が学校の近くに潜伏してるというニュースは知っていた。 被害者は女性ばかりだから自分は大丈夫だろうなんて軽く考えていた。 幸い彼の前に何人もの女性を殺した凶悪犯が姿を見せることはなかった。 かわりに彼の前に女の子が落ちてきた。助かるとは思えない高さから。 手を取ったらやはり脈はなかった。しかし彼女は目を開け動き出した。 これが旺里と屍姫マキナが始めて互いを認識した瞬間であった。 見た目と雰囲気は悪くないんだけどね…… 緻密な空間描写だし、全体に暗かったり静かだったりとそれっぽいし。 ホラーっぽい話のときは見た目と雰囲気が効いてていい感じだし。 屍と屍姫のバトルアクションもよく動いてて見栄えはよいと思います。 だけど、、、根本的なところであまり面白くないのでした。 面白さがイマイチな理由はアクションに頼ってて中身は薄っぺらいとこ。 ただの化け物(屍)を屍姫が銃で破壊する以外の要素ってあまり無いし。 生きてた時の未練と妄執で動くと言うならそこを掘り下げて欲しかった。 屍が偽りの生に執着することをしっかり描けばそこに共感できたわけで。 でも屍で有り続ければ歪みが大きなるのでやはり狩らねばいけない。 狩ることが無条件の正義には見えないけど、それしか救う方法は無い。 みたいな方向でエピソードを組み立てればもっといい作品だったような。 4話の君(KUN)の話だって化け物色を薄くして情緒たっぷりに描いてれば 結構感動的な話になったかもしれないのに。ED曲なんか特別版だしね。 素材は決して悪くないので、もっと上手くやってればなってことで。 既に原作は残ってない(処分した)ので比較してどうとかは不明です。 原作はモンスターに変身しないとかAmazonに書いてる人がいるね。 中身が薄いのは置いといてアクション作品としての印象について。 動きがそこそこいいのでその点に関しては悪くは無いです。 が、マキナがアクションを決めるときに決り文句を喋るところ。 「人は私を畏怖と憐憫と侮蔑と嘲笑をこめて屍姫と呼ぶ」とか。 確かこの言い回しは1話だけで毎回違う口上を言ってた気がするけど、 重要なのは言い回しではなく屍姫の喋ってる口調。ド下手クソなんです。 この口上って張りのある声でビシっと決めると実にカッコいいんだけど 腑抜けた声でやられると逆にキャラの印象が地に落ちてしまいます。 これならむしろ黙ってアクションをしてくれた方が100倍マシです。 ストーリーが弱い分を派手なアクションで補う必要が有ると言うのに こんなド下手クソな人をキャスティングして台無しにするとは…… 誰ですか、秋山奈々とか言う人を主役に捻じ込んだ戦犯は。 (もう一人の主人公っぽい旺里の方もかなり微妙な腕前) 「あかね色に染まる坂 1〜4話」 10月から一部の民放(5局)で深夜に放送してる新番組。 AT-Xでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。 原作は18禁の恋愛アドベンチャーでやったことはありません。 ※セル・レンタルDVDのリリースは12/19から 主人公の長瀬準一はそのへんにいるごく普通の高校生(?)である。 だがしかし家庭の事情からかつてはかなりブイブイ言わせてたのだった。 そして友人はそれに多大な脚色をしジェノキラー伝説として吹聴した。 彼をよく知らない他校の生徒は姿を見るだけで逃げ出すほどだった。 そのおかげで今日は男たちに絡まれてた美少女を助けられたのだから 結果オーライと言うべきか。見栄張って名前を聞き忘れたのを除けば。 まぁラブコメの主役たる彼にはその程度のミスなど問題ではなかった。 まるで天が味方してるかのように(その通りだし)運命の再会を果たす。 準一のクラスに彼女がある目的を果たすため転校してきたのである。 片桐優姫(ゆうひ)という名の彼女は恩人の準一との再会を喜んでいた。 彼に好意を抱いていた。上手くやればハッピーエンドな勢いだった。 が、何を考えたのか準一はいきなり彼女に○○をしたのである。 その瞬間、彼女の中の準一の株は急降下し、もはやバッドエンド寸前に。 しかしラブコメの神様はまだ二人のバラ色の未来を諦めてなかった!? 親が決めた許婚として優姫を準一の家に住まわせることにしたのだ。 関係は最悪なのに一つ屋根の下で同居するようになった準一と優姫。 果たして二人の関係の行方はいかに?みたいな。 うーーん、なんじゃコレ?ってカンジです。 キャラ描写がとっても変だし、テンポも何だかおかしいし…… (1話の最後のいきなりのキスを筆頭にキャラの行動が滅茶苦茶) 1話なんか途中で止めたくなるほど見てて苦痛だったよ。誇張でなく。 2話で多少マシになってなんとか楽しめるようにはなったけど。 優姫のスーパーでの超お嬢様っぽい世間知らずっぷりは面白かったし。 随所にある変な遊び要素もチープなんだけどそれなりに楽しめはした。 でも、キャラは記号的で薄っぺらいし、ストーリーは薄いしヘボいしで、 やっぱりトータルでは面白いとお世辞にも言いがたい作品なのでした。 なんか見てて「明け瑠璃」のアニメ(通称キャベツ)を思い出したよ。 キャラが薄っぺらくて内容が遊びに走っててチープなのがそっくりだね。 絵はこっちの方が断然マシですが。そのわりに印象は大差なかったりして。 (つまりキャベツの絵がマシになっても状況は大差ないってことかも) School Daysもキャラの行動に納得いかないところが多々あったけど、 キャラ描写自体はここまで救いようがないレベルではなかったのに。 同じスタッフで何をどう間違うとこんなにアレになるのか不思議です。 ※この作品を作ってるのはSchool Daysのスタッフ School Daysはシリアスベースだから何とか様になってたとか!? それとも原作がこんな感じで忠実に作ったらこうなっちゃったとか!? とにかく「とらドラ!」で口直しとか思うようなのは勘弁してください。 ※これもメインヒロインが釘宮さんなので |
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今回から10月の新番組のチェックが始まりました。 7月の新番組で見てないのがまだ有るけど…… 「とらドラ! 1〜6話」 10月からテレビ東京系(6局)で水曜日の深夜に放送してる新番組。 AT-Xでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。 原作はライトノベル(電撃文庫)で読んだことはありません。 ※セルDVDのリリースは1/21から(レンタルは1/30から) 高校2年の高須竜児は父親譲りの鋭い目つきのせいで不良だと思われていた。 でも実際は見た目とは逆に働いてる母の代わりに家事をこなす孝行息子で、 勘違いで差し出された財布を落し物として届けちゃうほどに人が良かった。 (勝手にくれたんだから貰っとこうという人は少なくないはず) そんな彼だからまた最初からクラス中の誤解を解かなきゃいけないのかと、 今日から始まる新学年の教室へと向かう足取りがひどく重かった。 彼にとって唯一の救いは気心の知れた北村が同じクラスだったということ。 さらに幸運なことに密かに想いを寄せる実乃梨とも同じクラスであった。 それどころか彼女は竜児を既に認識していて挨拶までしてくれたのだ。 新学年の初めから望外の幸せに浮かれボーっとしてしまう竜児だった。 竜児はボーとしていたので目の前にいた小さな存在に気づかなかった。 衝突した何かが小さくてカワイイ女の子だと気づくのに時間がかかった。 次の瞬間、女の子の鋭いパンチが竜児の顔面に炸裂し彼は床へと倒れた。 これが高須竜児と手乗りタイガーこと逢坂大河の出会いであった。 まず一言。これとても面白いよ! 設定自体は多少捻りがあるとは言えごく普通のラブコメなのに。 まぁ、その多少の捻りこそが他と差別化するポイントではありますが。 でもいきなり宇宙人やら未来人やら超能力者やら出てきたりしないし、 異世界で犬と呼ばれたり、オマエはもう死んでるとも言われない(笑)。 多少の誇張はあるけどそのへんにある現実とさほど違ったりしません。 このところやたらライトノベルからアニメになることが増えたけど、 こんな普通でとっても面白いラブコメアニメは初めてかもしれない。 今までのライトノベルのラブコメアニメってキャラ変なのが多かったし、 (女の子の)キャラ描写がまともだという意味でも初めてかもしれない。 なんとなく作者は女性っぽい?……と思ってたらやっぱそのようで。 シリーズ構成(とほとんどの脚本)をやってるのも女性だね。 ※「こどものじかん」「true tears」の岡田麿里さん この作品のどのへんが面白いのかということ。 一番大きいのはキャラが魅力的に描かれてるに尽きるでしょう。 いかにも記号化したキャラではなく現実を誇張した感じのキャラで そのキャラを喜怒哀楽をくるくる変えて表情豊かに見せてるところ。 さらに見せてるのが良い面だけではないってのもポイントです。 ヒロインの大河は高級マンションをゴミためにしてたしな(爆)。 ゴミために住んでたので初登場の日なんか鼻水すすってたよ…… 川嶋亜美なんか美人で無垢でちょいボケたキャラなのかと思わせて、 中身はめっちゃ腹黒で毒を吐いたり嘘ついたりといい性格してるし。 (美人だと優しさも性格悪さも印象が5割増になるね) こんな感じでちょっとドジをするとかカワイイマイナスではなく、 百年の恋も冷めようかという派手なマイナスの面を見せてます。 マイナス面も見せてるからこそよりキャラが生き生きして見えます。 特に川嶋亜美は性格悪い地が見える方がはるかに魅力的っすね。 (猫を被るのは女の子の基本スキルですし) 面白いと思った二つ目のポイントはメインの竜児と大河の関係だね。 ラブコメで一組の男女が出てきたら普通は互いに好き合っているか、 もしくはどちらかが相手を好きになるのがよくある展開なわけです。 しかしこの作品は竜児も大河も相手のことを好きではありません。 この「好き」というのは恋愛感情という意味での「好き」のことで、 友情という意味でならお互いに相手のことを好ましく思ってるはず。 そして竜児と大河はそれぞれが別の人に片想いをしています。 なんと二人とも互いの友人が好きという奇妙な関係なのでした。 お互いの想いを遂げるための手伝いをしあう共犯関係にあるのです。 だから恋愛関係ではないけど互いの距離は恋愛関係よりも近かったり。 恋愛関係じゃないからこそ見られる表情があるのが面白いのです。 互いが別の人に片想いをしてるって関係はアニメでは珍しいけど ラブストーリーの百貨店の少女マンガでは時々あったりします。 人間関係のバリエーションで少女マンガに無いものはないというか。 で、この手の関係だとかなりの確率で二人は結ばれたりします(笑)。 二人とも別の人が好きなんじゃないのかい!って感じですが。 親友といえるぐらいに互いの関係が近いなら有り得ないことじゃない。 そもそも友情とは何らかの無意識の障害(例えば同性だったりとか)が あって結ばれることが出来ない恋愛関係であるなんて定義もあるから。 ※吉野朔実「恋愛的瞬間」より 竜児も大河も今の片想いの相手と結ばれるのはかなり難しいし…… 実は北村の方が先に告白してて玉砕してもう気持ちは冷めてしまったのに、 想いを粉砕した大河の方がいつのまにやら北村を好きになってしまった。 なんて妙に現実味のあるラブストーリーをやってるのも面白かったよ。 恐らく北村は今でも大河のことは好ましく思ってるんじゃないかなと。 でもそこに愛は無いから。たぶん他に好きな人ができたんだろうね。 もしかしてみのりんか?それともあの雄々しい(女の)会長さんか? (大河はみのりんはともかく会長さんは敵だと認識してるようだ) 北村クンはポーカーフェイスなのでさっぱり本心が見えないですよ。 見えないという意味では竜児の想い人のみのりんの方がもっと見えん。 なんというか恋愛という言葉から遠く離れてる感じのキャラだし(爆)。 亜美が天然を自称してたけど、むしろ天然なのはみのりんだろうと。 いちおー8割方は普通に元気な女の子って感じの行動なんだけどさ、 残りの2割がそこはかとなくずれてるというか調子っ外れてるので。 アレを見て素敵とか言ってる竜児の目は曇ってます(笑)。モノ好きです。 好きになったらあばたもエクボと言うことわざを地で行ってます。 まぁ、変なところまで好きな方が恋愛としては説得力がありそうだけど。 「喰霊-零- 1〜5話」 10月から一部の民放(9局)で深夜に放送してる新番組。 AT-Xでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。 原作は角川系(エース)のマンガで1巻だけ読んだことが有ります。 ※セル・レンタルDVDのリリースは12/26から 極めて現実に近い世界、ほぼ現代の日本がこの物語の舞台。 この世界では心霊の存在が限られた人たちの間では公式に認知され、 政府により超自然現象に対処する部隊が組織され日々活動をしていた。 そして今日も都内某所で発生した悪霊の事件に対して部隊は出動する。 これ以上のあらすじは構成上書いてもあまり意味がないので省略! まず事前情報の騙しっぷりに呆気にとられました。 と言っても実際の放送を見るまで放映日時以外は意識的に避けてたので 内容を確認したのが実際に見た後のさっきという間抜けっぷりですが(爆)。 5話まで見た後に「放送開始直前企画 スタッフ特別座談会」とか読むと あまりに白々しい嘘話をひたすら展開してて苦笑するしかありません。 ※もちろん制作に関する話は真実です 1話の特戦四課のド派手で華々しい活躍の結末が衝撃のアレで終わって。 2話ではメンツが超自然対策室に変わり1話と似たことをやってた…… 原作を一部とは言え知ってる人間だから1話の超展開に唖然としたけど、 2話のオリジナリティあふれまくりの展開にもすっかり呆然としました。 神楽や超自然対策室が出るところは原作と同じでは有るんですが。 原作ではすっかり化け物と化してる黄泉がちゃんと人間に見えるし。 (むしろ好きだった姿のままで襲ってくるから余計に怖い) 2話の最後には黄泉が神楽をアレしちゃったみたいに終わってるし。 見た目は凄くインパクトがあるけどどう評価していいのやら困ったよ。 しかし3話からそれまでとは印象が一変する。 と言うかこの作品は事実上3話から始まるのです。 そして1〜2話は3話以降よりも未来の話なのです。 3話ではあんなに優しかった黄泉なのに。仲の良かった2人の関係なのに。 2話の最後に黄泉が神楽に「私を姉と呼ぶな!」と剣を振り下ろすまで、 いったい何があって黄泉は神楽への激しい憎しみを募らせていったのか。 そんな神楽と黄泉の二人の関係の行方を描いている作品なわけです。 事前情報はハッタリだったけどオリジナル展開なのだけは正しかったね。 ちなみに原作よりも過去の話みたいです。だから「-零-」ってことで。 設定に関しては原作と違ってる気がする部分も少なからず有りますな。 雰囲気に至ってはリアルな空間でシリアスに展開するアニメに対して 原作コミックは表現やノリがとてもポップなので全然違いますよ。 原作は技巧的には荒削りだけどセンスに光るものがあるって感じで。 まぁ、アニメの3話以降と原作1巻だったらアニメのほうが面白いかな〜と。 あまりに意表をつきすぎた2話までの展開に関しては…… 先の展開への期待を高めるって意味で2話は凄く効果的だったなと。 2話だけ見ると派手なアクションって以外はあまり印象はないけど、 3話以降を見ると2話の黄泉と神楽の構図が劇的に効いてくるので。 つまり2話までにイマイチと作品を切り捨てるのはちょっと待てと。 いい意味でも悪い意味でも2話までの内容は作品の本質じゃないので。 (逆に2話までのノリが好きなら3話以降はアレ?って感じると思う) 主人公の片割れの神楽が欠片も出てこない1話に関しては、、、 ぶっちゃけてしまうとこのテーマで描くならいらなかったなと。 悪霊になったらその人はもはやその人ではないを見せたのは理解できる。 でもそのために別のメンバーを出してアレしちゃう必要はあったのか? 視聴者の意表をつくという意味では確かにバッチリ効いてるけどさ。 人を襲う悪霊を組織的に退魔する作品世界の紹介って意味もあるけどね。 それなら2話の超自然対策室が1話からメインでやればいいわけだから。 1話も2話も見た目が凄い派手でインパクトはあるのは否定はしない。 でも1話と2話でキャラ変えて同じ事をやるのはかなりマイナスの印象が。 この構成だと気の早い人が2話で切ってしまう可能性も否定できない。 3話以降がいい感じなだけに2話までをも少し上手くやって欲しかった。 「テイルズ オブ ジ アビス 1〜5話」 10月から一部の民放(3局)で深夜に放送してる新番組。 アニマックスとBS11でも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。 原作はPS2のロールプレイングゲームでやったことはありません。 ※セル・レンタルDVDのリリースは2/20から 中世っぽい世界。剣と魔法が存在する世界。そして歪に科学が進んだ世界。 よーするに過去も含めて現実とは似つかないゲームファンタジーな世界。 舞台となるオールドラントという惑星はキムラスカとマルクトという 二つの大帝国によって二分され戦乱と束の間の平和を繰り返していた。 そして今、世界は何度目かの和平によるささやかな平和が訪れていた。 キムラスカの公爵家の子息であるルークも退屈な日々を浪費していた。 幼い頃に誘拐されたことで屋敷からの外出が許されなかったせいもあるが。 つまり彼にとって屋敷の外は他人の話の中にしか存在しなかったのである。 日々の楽しみといえるのも剣の師ヴァンとの稽古ぐらいだったのだ。 (時間は有り余ってたけど本とか読んだりしなかったようです) しかし一見は平和に見えるこの世界で少しずつ不穏な動きは始まってた。 最初の兆しは人々の精神的支柱であるローレライ教団の最高指導者であり この世界の平和の象徴でもある導師イオンの失踪から始まった。 今までゲームファンタジーな世界観の作品をあまり面白いと思わなくて、 それは説得力のない世界観だから響いてこないんだと思ってたのです。 でもこれを見ててそれが大きな間違いだったと思い知ったよ。 単に今までのこの手の作品の作りがダメダメだっただけなんじゃん! このジャンルだってしっかり作りこめばとても面白くなるんだね…… てゆーかファンタジーなRPGのアニメでこんなに楽しめたの初めてです。 少なくともテイルズ オブ エターニアのアニメよりはずっと面白いよ。 ※最初の数話だけの比較ですが 論外な出来だったセガのアレとかアレとかは全く比較になってないし。 むしろこれを見るとアレとかアレがいかに酷いかを実感できます(爆)。 この手の作品はたいがい仲間で旅をするのことになってます。 それは原作のRPGのシステムがそうなってるからなわけですが。 物語構成としてはまずどーにかしてパーティを作る必要があるのと、 何らかの理由をつけて主人公たちを旅立たせる必要が有るわけです。 そのへんを端折っていきなり仲間と旅をしてる状態で始まるのも有るが。 ※テイルズ オブ エターニアがまさにそう この作品がしっかり作られてるなと感じたのもその二つのポイントです。 惰眠をむさぼるルークの日常にいきなり刀を持ったティアが乱入してきて それによって平穏から遠く離れた(物理的にも)場所に行ってしまう。 自分の意志で旅に出たわけではなく事故で家から遠く離れてしまっただけ。 でも家から遠く離れてしまった以上、家に戻るために旅をする必要がある。 まだ未熟で世間知らずのお坊ちゃまを旅に出す仕掛けとして上手いなと。 そしてルークが家に戻る旅の道筋で彼にとって重要な出会いをするのです。 あくまでも別の目的を持ってる人がルークと接点を持っていくのです。 その人たちが後の彼のパーティのメンバーになるというわけです。 ありがちな仲間が加わるだけのエピソードを積み重ねていくではなく、 全体の流れを構成するエピソードの中で自然に仲間が増えていくのです。 ひたすら目的地へ向かう旅みたいな直線的な構成でないのも好感が持てます。 内容で凄く印象に残ったのはルークが人を殺したことに衝撃をうけるとこ。 ヴァンに剣術の手解きを受けてそれなりに優秀な生徒だったみたいだけど その力を人に対して振るなんて考えなかったんだろうね。王子様だし。 追っ手に囲まれて自らに危険が迫ってもなお剣を振るうことに躊躇して、 代わりにルークを助けようと間に入ったティアが傷を負ってしまう…… 当然ながら、ルークは自分の弱さと行いを恥じてティアに謝るんだけど、 軍人は民間人を助けるのは当然とか傷ついたのは自分が無力だからとか、 もっともだけどこの手のアニメでまず聞けないセリフが出てきたりして。 (軍人ではない子供たちが剣や魔法で力を振るいまくる世界観だし) このへんのやりとりなんかまさにだけどゲームっぽいテイストは残しつつ できるだけ作品世界に説得力を持たせようって努力が感じられるのです。 ルークの味方になる人と敵となる人が同じ組織(オラクル騎士団)の人で 異なる思惑を持った派閥の違う人たちなのも面白い設定だなと思ったよ。 あと作品の特徴としては大作RPGっぽくハッタリが効いてるところ。 大作RPGならではのスケールの大きな構造物が出てくるところっすね。 考えてみたらアニメで派手な構造物が出るのってあとゼノサーガぐらい? 他は世界の命運を左右する物語でも出てくるものはチープだったような。 ハッタリが効いてると嘘っぽい世界でもずいぶん面白く見えるのだなと。 土台はマジメに作ってここぞでハッタリをかますのが面白さの秘訣かもと。 「鉄のラインバレル 1〜5話」 10月からTBS系(3局)で金曜日の深夜に放送してる新番組。 原作は青年誌(チャンピオンRED)のマンガで読んだことはありません。 ※セルDVDのリリースは12/24から(レンタルは1/23から) 現実にとても似た世界。アルマと呼ばれる人型の兵器が存在する世界。 この世界は今、加藤機関という謎の集団によって侵略を受けていた。 加藤機関の正体は総司令の姿以外は不明で世界を侵略する目的も不明。 分かってるのは多数のアルマと人知を超えた力のマキナを擁すことだけ。 この加藤機関から世界を守るため国連の後ろ盾でJUDA(ジュダ)は誕生した。 表向きは世界有数の医療機器メーカーであるJUDAの真の目的は この世界に出現するマキナを確保し加藤機関から世界を守ることだった。 ※マキナというのはこの世界の外からやってくるらしい こうして世界の各地で加藤機関と国連軍+JUDAの戦闘が行われていた。 なお加藤機関の存在及びJUDAの正体は多くの人々には知らされていない。 この物語の主人公で中学生の早瀬浩一は正義の味方に憧れていた。 悪いやつから弱いものを助ける正義の味方になりたいと思ってた。 だけど現実には非力で級友に侮られいいように使われる日々だった。 浩一の幼馴染の理沙子や矢島はその扱いが許せなくて手を出すのだが、 それは余計に浩一の自尊心を傷つけて彼らを疎ましくさえ思っていた。 彼は自ら得ようと努力もせず、力が沸いてくるのを待ち望んでいた。 そんな彼の上に彼の待ち望んでいた力がまさに天から降ってきたのだ。 偶然の悪戯で彼はずっと待ち望んでいた圧倒的な力を手にいれたのだ。 そして彼は正義の味方になった。自分勝手で。幼稚な自尊心の塊の。 バカで呆れてしまうのではなく、幼稚で自尊心が高くて見てて痛い。 そんなダメな主人公って少年誌や青年誌では珍しくもないけれど、 その手のって大概は痛さを描き手が自覚してなかったりするのです。 つまり幼稚な行為がまるで正当な行為のように描かれてるのです。 おかげで痛さが余計に鼻についてしまうわけですが…… それに対してこの作品は主人公の幼稚さを厭味なほど見せ付けてくれる。 主人公の幼さを、力を行使するに相応しくない精神を見せ付けてくれる。 正義の味方だと自称しながらむやみに攻撃し街を破壊していくのです。 毎週ヒロインの人に「あなた最低です」と言われ続けるのです(爆)。 未熟な主人公の未熟さをここまで徹底的に表現したのは画期的かも!? まさか最後までダメな主人公のままでいくのかとか思ったりしたよ。 さすがにそれはなく未熟さを自覚して少しずつ成長していくのです。 幼稚な正義を振りかざした大きな代償を支払って…… 誰かが死んでやっと言葉が届くのかなと思ったら、まさにその通りに。 (彼が死ぬ予感はなんとなくしてた) 幼稚でダメな主人公のダメさ加減を徹底的に描いただけではなく、 ちゃんと幼さを自覚して少しずつ成長するプロセスも描いてる。 そして多少誇張は入ってるもののキャラが生き生きと描かれてます。 例えば理沙子がカップケーキを浩一に作って家に持ってった時なんか、 家にいた絵美と鉢合わせになってなんだか楽しいことになってたし。 美菜(浩一の妹)が変態!とビンタしたり、とぉー!と起こしに来たり。 キャラクターを描くという意味でならいい仕事をしてると思われます。 主人公とその周囲のキャラの描写に関してはいい感じなのですが、、、 悪役側の加藤機関のキャラが今のところかなりアレですね。 世界征服の意図が今のところさっぱりで安っぽい悪役にしか見えません。 加藤側は服装に統一感がないのもお子様向け作品の悪役みたいだよ。 あとこの世界の外から現われた人が日本人の名前で言葉が通じるのも謎。 (世界中の人が同じ言葉を喋ってたりしますが) もしかして未来の世界から送り込まれたのか?とか考えもしたけど、 いまどきタイムパラドックスにひっかかることを素でやるのかなと。 こんな感じで舞台設定の方には今ひとつ説得力が有りません。 街中で戦ってるシーンに現実味がないのは舞台設定がうそ臭いからです。 (GONZOお馴染みの重量感のないCGがさらにその印象を補強してます) 実のところキャラが魅力的でなかったらクソったれ!で終わってたよ(爆)。 「まかでみ・WAっしょい! 1〜4話」 10月から一部の民放(6局)で深夜に放送してる新番組。 AT-Xでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。 原作はライトノベル(ファミ通文庫)で読んだことはありません。 ※セル・レンタルDVDのリリースは12/25から 学校では目立たないごく普通の男子の羽瀬川拓人にはもう一つの顔がある。 それは魔法使いたちの学園・マジシャンズ・アカデミイの生徒ということ。 つまり彼はこの世界で力を隠して生活してる魔法使いの一人なのである。 と言ってもまだ一人前ではなくて、学園で魔法の制御について学んでいた。 そして今日は召還術の追試をする日だった。追試はすぐ終わるはずだった。 しかし召還術の魔方陣が暴走して正体不明の女の子を召還してしまった。 魔力値十万以上神格値五千という桁外れの力を秘めた正体不明の女の子を。 女の子が現われたその日から拓人の日常はバカ騒ぎに彩られるのであった。 見事だ。見事なほどに中身がない(爆)。 よく動いてるし、勢いが有るし、凄くノリがいいので楽しめはする。 いちおー設定らしきものは有るし、ストーリーらしきものも有る。 でも毎回やってるのはあまりに中身のないドタバタばかりなわけで。 凄くノリがいいから見てる間だけは強引に楽しませてはくれるけど、 中身が全くないので見終わったら後には何も残らないのです…… まさしくナンセンス(無意味)という言葉を絵に描いたような作品っすね。 なので楽しめるけどあまり面白いとは言いがたいという評価を送ります。 どうせバカをやるなら全て4話ぐらいに突き抜けてくれれば良かったよ。 そーいや放送時は一部のシーンでぬいぐるみがジタバタやってます。 いつもならちょっとエッチなシーンは光とかで隠したりするんだけど、 この作品はキャラ絵の変わりに実写のぬいぐるみが演技をします(爆)。 新房アニメを彷彿とするかなり投げやりな動きの演技をします…… そのへんのシーンはDVDだとちゃんとキャラ絵になるらしいです。 「むき出し」なんだそうです(公式のPVのむき出しPVを参照)。 こんなナンセンスな作品でエロを補強しても意味ないような気もするが。 主人公の周りは美少女のハーレムなんだけどラブ要素が全くないしね。 むしろ実写のぬいぐるみの投げやり演技の方が作品に合ってるのでは? 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