時間との追いかけっこ (07/2/26) 次へ 前へ
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コミックお薦めの2週間更新が継続中。今週は10月分です。
当然のようにコメントは全て使いまわしで新規追加無しですが。
すでにストックが尽きて更新と未読処理の追っかけ状態なので、
このところ毎週の更新日も押しまくりで実質3週間経ってたり……
このペースでも実は結構負担が重かったりします。
追いつくまではずっとこの状況でしょう。現在の見通しでは5月頃かな。
(じわじわ遅れてるのでもっと先になると思う)


てなわけで今週のアニメネタへ。

「東京魔人學園剣風帖 龍龍 1〜6話」
1月からアニマックス(のみ)で金曜日の深夜に放送中の新番組。
原作はPSのゲームで体験版をやったことが有ったはず。
※セル・レンタルDVDのリリースは5/25から
舞台は現代に近い日本。東京は新宿(らしい)にある真神(まがみ)学園。
ここに緋勇龍麻(たつま)が転校してきたことから物語は始まる。
ただならぬ気配を漂わせる龍麻の力量を測ろうと京一はちょっかいを出し、
それに興味を持った醍醐を含めた三人で手合わせをすることになった。
御札の大量にある教室で三人が暴れたことで何かの封印が外れてしまう。
この時から街には人ならざる力による怪異が頻発するようになったのだ。
そして封印が外れた時にそこにいた三人と騒ぎを収めようと顔を出した
葵と小薪には、人ならざる不思議な力が与えられてしまったのである。

まず思ったのが、映像として映える題材でアニメ向きの作品だなってとこ。
ゲームにこーいう作品って結構あるのになぜかあまりアニメにならんやね。
もっと微妙な作品は続々とアニメになってると言うのに……
前に見た「夜が来る!」だってエロ抜いてテレビに持ってくればいいのに。
ペルソナだってまともに作れば今でも結構ウケる(売れる)と思うんだけど。

東京魔人學園のゲームは何作かあってこれは最初のを再構成した内容みたい。
おそらく体験版をやったのもこれの原作だったはず。
会話の返事を喜怒哀楽で選ぶってのが面白い発想だなと感心した記憶が。
戦闘がタクティクス形式でかったるかったので製品版は買わなかったけど。
なので原作の内容は全く知らんです。当時の紹介記事も忘却の彼方だよ。

原作ゲームでは主人公は龍麻らしいけどアニメは特に主人公はいないような。
正確に言うと一人称はいなくてメインキャラによる集団劇な感じになってる。
龍麻とゲームで常に仲間になる(らしい)京一と葵・小薪・醍醐がメインです。
今のとこは京一と葵の存在感が多少大きめで龍麻は少し引いた感じかも。
3〜4話に出てきた雷人はゲームだと展開次第で仲間になるキャラだそうで。
アニメでは誤解から少し戦ってたけど今後の内容では助けに登場するかも!?

ストーリー構成は導入になる1話だけちょっと変わってます。
視聴者の興味をがっちり掴むために怪異を倒す派手な佳境部分を見せてる。
舞台とかキャラとかの説明は2話で時間を遡ってじっくり見せてくれます。
インパクト勝負で説明は後回しでもなく、舞台説明ばかりで退屈でもない、
インパクトと説明のバランスがとれた上手い構成だなと感心したよ。
3話以降は今のとこ2話ごとに一つのエピソードを見せる構成になってます。
と言っても完全にエピソードで切れてるわけではなく内容は繋がってますが。
事件を目撃してショックを受けたアン子があるキッカケで立ち直ったりとか。

映像的なこと。とにかくよく動いてる。そして動きにとてもキレがある
アニマックスオンリーでここまでまともな映像の作品は初めて見たよ。
と言うか今放送してるアニメの中でも動きはトップクラスだと思われる。
この手の作品はアクションシーンがカッコいいと受ける印象も段違いっすね。
似た題材と言えなくもない「Venus Versus Virus」とは動きに差がありすぎ。
キャラ絵も今風のスマートな絵柄でいい感じです。よーするに好みです。

映像と言えば5〜6話の夢の世界のビジュアルは凄くインパクトがあったよ。
現実の空間描写を丁寧にやってるからこそ非現実の大胆な映像が生きてる。
「夢使い」だって本来ならこーゆー作品になってたはずなのに……
オープニングも滲んだり染みたりする色彩を散りばめてて凄くカッコイイし。
なんかAICスピリッツとは思えない映像の出来の良さだなとか失礼なことを。
そんな感じで予想以上に面白く仕上がってるなと思った。
せっかくだから地上波でもやればよかったのに。その方が売れるだろうし。

サントラについて。
どーやらこの作品もDVDの初回版にサントラが付くようです。小分けで。
ってことは単品のサントラは出ないのかな……
[追記] (ミニ)サントラが付属する初回限定版は1巻だけでした。
サントラは単品でリリースされてます


「ひまわりっ!! 1〜4話」
1月から一部の民放(7局)で深夜に放送中の新番組。
ファミリー劇場でもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
※セルDVDのリリースは2/21から(レンタルは4/25から)

「ひまわりっ」の2期目です。
ぱっと見はタイトルが同じようだけどよく見ると「!」が二つです……
って、もう少し区別しやすいタイトルをつけようよ。
それから、前シリーズは商業的にはあまり芳しくなかったと思われる
(製作委員会は赤の可能性も有る)のになんで2期目をやってるんでしょ?
※今シーズンもAmazonの順位を見る限りかなり芳しくない
それはアンジェの2期目にも言えることなんですが。
最初から2クールだったけど制作の都合で1クールずつ放送してるだけとか?

2期目なので1期目とは多少スタンスが変わってます。
1期目はひまわりの忍者としての修行が内容のメインだったはず。
その過程でそれぞれの仲間のいろんな面を描きつつ交流を深めてた。
そしてどんな結末にシリーズが至ったかは見てないから知らんけど。
2期目の冒頭を見る限り多少は成長したようなあまり変わってないような。
物語の舞台も特に変化はないような。ひまわりたちに関しては。

そうなのです、一見すると変わりなく始まった2期目ですが、
近くにある男子校では大きな異変が起きてたのでした。
学校が突如として爆発して生徒は全て行方不明になってしまう。
さらにひまわり達も変な能力を持つ忍者に幾度も襲われることに。
つまり裏で何かを企む勢力とひまわりたちの戦いという展開です。

確かに戦いがメインなんだけど……あまり緊張感はないというか。
土日の朝にやってる戦う魔法少女モノのような変なテイストだったり。
変なキノコを食べたら頭から芽が生えて最後には体が乗っ取られるとか。
良くも悪くも個性的な作品っすね。マニアには売れなそうだけど(爆)。
いわゆる美少女モノっぽい媚びた感じはないし、エッチっぽくもないし、
okamaさんの変なデザインも含めて、小さい子向けにした方がいいような気も。
お子様仕様という意味ではなく、子供でも理解できそうだって意味で。

主題歌のこと。OP曲もED曲も1期と同じ組み合わせの人が歌ってます。
さらに今回はED曲をそれぞれの主要キャラが歌うバージョンがあります。
と言うかeufonius自身が歌ってるのは1話だけで以降は全てキャラバージョン。
(eufonius版は上手すぎて落差があるので使わないほうが良かったかも)
歌ってる人が違うだけじゃなくてアレンジも人によってずいぶん違います。
「ネギま」と同じことをやってるね。比較になるほど売れないでしょうが。
と言うか各キャラバージョンをシングルカットする予定はあるのか?


「家庭教師ヒットマンREBORN! 1〜4話」
10月からテレビ東京系(7局)で土曜日の朝に放送中の新番組。
BSジャパンでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は少年誌(ジャンプ)のマンガで読んだことはありません。
※レンタルDVDはセルDVDと同時リリース(2巻までリリース済み)
内容は説明する気になれないので省略(おい)。

最初の2話は見続けるのが苦痛なほどにつまらなかったよ。
2話終了の時点で見るのをやめようかとすら思ったぐらいで。
3話のランボと4話のハルのおかげで以降は多少はマシになったけど。
マシと言っても面白いにはほど遠いんですが……
てゆーかこの作品の笑いのセンスはツボとかけ離れすぎてて笑えない。
謹んで「何が面白いのかさっぱりわからん!」って形容を贈ります(爆)。
以上。


時代の開拓者 (07/2/16) 次へ 前へ
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すぎ恵美子さんが胃がんで亡くなったんだそうです。
なんの冗談かと思ったけど、そうじゃないらしい……
ついこの前まで一線で活躍してて頻繁にコミックスが出てたのに、
ここ1年ほど新刊が出てないなと思ったら、そんなことだったとは。

お薦めに入れてるぐらいだし、もちろん好きな作家さんだったから、
コミックスを再発分以外は全部持ってるよ。その数なんと98冊!
少女マンガ家としてはトップクラス(10位以内かも)の数です。
※小学館によるとトータルで約1800万部も売れてるんだそうで
20年以上一線で活躍し続けたんだからそれだけでも凄いよ。
凄く大ヒットしたことはないから一般的な知名度はそんなにないけど
少女マンガの実績と言う意味では超ビックネームに相当すると思うよ。
エッチな少女マンガの開拓者だし、少コミがああなった原因の何割かは
この人にあると言えるので、そんな意味でも凄い実績の持ち主です。
※新條まゆさんはこの人より後の世代です

少女マンガは現実を描くという構造上、作品も作家も陳腐化が早いし、
読者も歳を取ると上の雑誌に移るか読むのをやめるかするわけで。
大半の作家も歳を取ると上の雑誌に移るか消えてしまうのです。
そんな中、すぎ恵美子さんだけは20年以上も少コミからCheese!と
対象年齢のほとんど変わらない雑誌で描き続けてたわけです。
しかも20年以上続けてて感性が全く古くなってないのが凄いです。
読者はどんどん入れ替わってるから親子でファンなんて人もいるかもね。
一時期熱心に読んでた人を合計すると100万人ぐらいはいるかもしれない。
(現役のファンは10〜20万人程度で大半が10代〜20代前半でしょう)
ブログの書き手を考えると昔ファンだった人が多くても不思議はないです。

マンガを熱心に読み始めてからだいたい20年ぐらいになるけど、
その間に描いてる作家の顔ぶれはどんどん入れ替わっていきました。
その昔に一時代を築いたけどあの人は今?みたいな人も何人もいるし。
次第に作品の魅力が薄くなっていく人や感性が古くなっていく人など
今でも描きつづけてるけど読まなくなってしまった人も少なくない。
そんな中で熱が冷めることなくずっと新作に付き合って来たんだよ……
現在進行形で熱心に読んでいた人で亡くなったのは初めての経験です。
今でも何かの冗談だと思いたいぐらいだよ。

月並みだけど、謹んでご冥福をお祈りします


てなわけで今週のアニメネタへ。

「ひだまりスケッチ 1〜4話」
1月からTBS系(3局)で木曜日の深夜に放送中の新番組。
BS-iでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は4コマ誌(きららキャラット)のマンガで雑誌で読んでます。
※セル・レンタルDVDのリリースは3/28から
美術系の高校に進学したゆのは「ひだまり荘」で一人暮らしを始める。
そこで同級生の宮子や先輩の紗江、ヒロと出会い仲良くなるのでした。
そんなゆのたち四人のまったりとした日々のアレコレを描いた作品です。

きららは今買ってる数少ない(と言っても月3回出る)マンガ雑誌だったりして。
1誌しかない初期からずっと読んでただけにアニメ化は感慨深いものがあるよ。
でもなんできらら本誌じゃなくてキャラットの「ひだまり」が?とも思った。
※人気はきらら全誌でもトップクラスでしょうが
この作品の醸しだすまったり感が他との差別化に有効だと思ったのかなと。
作者が女性なので多少の誇張はあるけどキャラが等身大なのも売りかも。
ちなみに女キャラだけでわいわいやってるのは雑誌(きらら)全体のカラーで
この作品に限ったことじゃないです。作品によっては男キャラもいるけど。

てなわけで肝心の作品について。
ああやっぱり新房さん、って感じの作品(おいおいおい)。
4コマは舞台背景が希薄でアニメにする時の表現の制約が少ないので
それを生かして多彩な表現スタイルを使いまくった映像になってます。
回によっても表現スタイルが違うので表現技法の博覧会のようだ(笑)
特に2話の表現スタイルなんか突き抜けててもはや芸術の粋に達してる。
この回のコンテ演出の尾石さんってぱにぽにとネギま!?のOPの人っすね。
その2話と1話がかなり演出が濃い目で3話4話はわりと薄めになってます。
ネギま!?と2本立てでスタッフが足りないのか意図してるのかは不明。
3話以降のほうがまったりなこの作品としては丁度いい気もするけど。
それに3話以降でもアニメの平均からすれば十分に演出は濃い目です。
(3話にはどっかで見たようなコスプレが……)

新房作品と言うと赤と黒とかの極端な色使いが特徴的だけど
この作品は濃い目の配色は使わないで白っぽい画面が多かったり。
そこに鮮やかな赤青黄色緑と言った原色を散りばめて使ってる。
原作コミックは美術系学校なわりに美術っぽいシーンが少ないけど、
アニメでは色の組み合わせからくる雰囲気そのものが美術系っぽいです。
特にひだまり荘のドアの色はキレイに塗り分けられてて印象的だった。
原作もそーだった気もするけどドアが出ることが滅多にないので。

ぱにぽにでもやってた実写の物体をアニメに埋め込む手法も多用してる。
これって決して手抜きじゃないし、むしろ描くより面倒だと思われます。
それでもあえてやるのはテイストの違いによる違和感を利用したいから。
実写の物体は下地の絵から浮いてるからこそ強く印象に残るのです。
(意図的に)雰囲気を壊すからシリアス作品では使えない手法だけど。
テイストの異なる素材のパッチワークな感じも実に美術系っぽいなと。

あと特徴的なのはシリーズ構成かな。
1回の放送で細切れのエピソードを3本立てとかにはしないで、
エピソードを組み合わせて1日の出来事みたいな体裁にしてある。
ぱにぽにの時も思ったけどネタの再構成がなかなか上手いっすね。
さらにこの作品の放送順は時間軸にそってなかったり。
※おそらく1月1話で12話で1年分やるんだと思う
と言っても毎回完結してるので混乱することはそうそうないけど。
床下の乾燥剤と雨漏りの話とか逆だからこそ楽しめる部分もあるし。
あいかわらず見る人を楽しませようとアレコレやってくるなと。

音楽について。
まったりした雰囲気を醸しだす画面に変な調子の音楽がついてます。
まったりのんびりというより、まさしく変!って感じの音楽っすね。
わかり易い例をあげると「苺ましまろ」の音楽のテイストに近いかも。
ちなみに音楽は菊谷知樹さんで「となグラ!」をやってた人です。

この作品の主題歌・サントラの全てがランティスなのも少し驚いた。
だってアニプレックスはソニーミュージックの関連会社だから。
いつも音源は自前でやってるし。作品と合わないタイアップも多数(爆)。
「かみちゅ!」の主題歌がブロッコリーだったのが例外だったかな。


「京四郎と永遠の空 1〜6話」
1月から一部の民放(5局)で深夜に放送中の新番組。
AT-Xでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は角川系(ドラゴンエイジ)のマンガで読んだことはありません。
※セルDVDのリリースは4/25から(レンタルは4/27から)
この作品には絶対天使という戦うための人型の兵器が出てきます。
パートナーからマナを分けてもらってそれを力に変えて戦うのです。
(マナは一種の生体エネルギーなので与えたほうは消耗する)
マナの補給はパートナーとの口移しで、よーするに濃厚なキスなわけで。
そして絶対天使は自分が傷ついたとしてもパートナーを守ろうとする。
この二人の関係は傍から見たら素敵な恋人のようにしか見えないのです。
恋に憧れ王子様とお姫様を夢見てた空(くう)にとって理想の関係だったのです。
でも二人は恋人ではなく。人ではない絶対天使は恋人にはなれない
そんな京四郎とせつなの関係は見てて切ない、と空は思うのでした。
空にとってそれは決して他人事では無かったのだけど……

なんか、ずいぶん昔の少女マンガのようなノリで始まったよ……
空っぽの私とか王子様とか機動風紀とかシャレなのかそれともマジなのか
ちょっと理解に苦しむような設定やシチュエーションが続々登場するし。
絶対天使の力が発現すると鋼鉄の手足だったりとビジュアル的に微妙だし。
(サイキックみたいな方が見た目が良かったような)
絶対天使とパートナーの関係のように興味深い設定を持っていながら
大半の視聴者は置いてきぼりと言うか視聴者を選びまくりな感じです。
「神無月の巫女」を知ってるからこれが芸風なんだと理解はしてるけどね。

芸風といえばこの作品の舞台設定のリアリティの無さもそうかも。
一見すると現実っぽい風景で始まるのに、そこは世界の大崩壊から
復興した限られた人の生活する巨大な学園都市とか言ってるし。
(世界の大崩壊の絵面がまんまセカンドインパクトです)
「神無月の巫女」も山奥にある学園のくせになぜか都会的だったし。
夢見がちな恋する乙女モードの空の行動も現実的な舞台なら似合うけど
こんな舞台設定ではシャレでやってるようにしか見えなかったりするし。
全く興味のわかないストーリーなら躊躇なく切れたのにと思ってしまう。

もう一つ見てて気づいたのは、どっかで見たキャラが続々と出てくるとこ。
「たるろって」って見た目も喋りも声もまんま「たると」なんだけど
※「魔法少女猫たると」の主人公
「かおん」は千歌音だし、ワルテイシアはワルキューレっぽいし。
絶対天使は鋼鉄天使をさらに進化させたものとか言ってるし。
※「鋼鉄天使くるみ」という作品がありました
毎週手紙を書いてるのは「鍵姫物語 永久アリス輪舞曲」を思い出すし。
過去の作品のキャラを登場された集大成的な作品ってことなのかも。
このへんもシャレでやってるように見えてしまうところすね。

絶対天使についても気になることが。
絶対天使は人に似た人でないモノで、どーやら自我があるっぽい。
それ自体は実現性とかは置いといて設定としてはよく使われるっすね。
しかし、戦うための道具をわざわざ人に似せる必要は無いような。
100歩譲って開発した人の趣味だとしても、自我はもっといらんだろう。
そもそも戦う道具に自我は必要ないし(当人に)残酷ですら有るんだけど。
(愛玩タイプなら必要性は理解できるんだけど)
現実でも米軍とかでは兵士に考えずに反応するように訓練してるわけで。
意図して自我を持たせたなら、そいつは相当な悪趣味だと言えるよ。
まぁ、この設定を否定すると作品そのものが成り立たないんだけどな(爆)。
物語の仕掛けとしてなかなか使えるのも事実だし。

ちなみに空の正体についてもかなり序盤に気づいたよ。
わざわざ京四郎とせつなの関係を見せてるから恐らくそーだろうなと。
いつ本人がそれを知るのかなと思ってたら、えらく引っ張ってくれました。
なんと5話の最後になってやっと空が自分の正体を知るのです。
だから何じゃコレ?と思っても5話までは頑張って見た方がよろしいかと。

音楽について。
この作品のスタッフはほとんど神無月の巫女と同じです。
音楽も同じ窪田ミナさんで、クラシック基調の楽曲って感じです。
そして今回はちゃんとサントラが単品でリリースされるようです。
いや、カレイドスターも神無月の巫女もDVDに付属してたからね……
※窪田ミナさんが音楽をやってる他の作品


「北斗の拳 1巻」
1985年頃に放送された全152話のテレビシリーズ。DVDレンタル。
※110話以降は「北斗の拳2」になっている
原作は少年誌(シャンプ)のマンガで読んだこと有ったかも知れない。
今よりも未来……って199X年はもはや過去ですが(笑)。
核戦争によって世界は破滅して数少ない人だけが生き残った世界。
世界は荒廃し秩序は破壊され暴力が支配する、まさに世紀末な時代
そんな世界での北斗神拳の継承者であるケンシロウの戦いを描いたもの。

超有名な作品なので改めて書くまでもないと思うけど簡単に解説を。
まず全152話と言っても一本筋の通った長い物語ではないです。
これはいわゆるジャンプマンガに特徴的な延々引き伸ばし仕様というか、
なし崩し的に連載を延長し物語を継ぎ足した結果的に章立てな構造です。
序盤は北斗のケンシロウと南斗のシンとユリアと言う単純な図式で。
それ以外のキャラは基本的に中ボスも含めてやられキャラなわけで。
悪役の激しくバカっぽいキャラ描写と「おまえはもう死んでいる」とか
「ひでぶ」とかの喜劇的・誇張的な表現で視聴者にウケていたような感じ。

シン編に続くラオウ編では北斗神拳・南斗聖拳の面々が続々と登場して、
ケンシロウが悪者を倒すという単純な構図ではないストーリー展開に。
思い入れのできるキャラが増えてキャラの魅力でも引きつける感じに。
序盤はそうでもなかったけどラオウ編は熱心に見てた覚えがあります。
と言っても大昔なんでハッキリ記憶が残ってるわけではないけど。

アニメはラオウ編の後も少しだけ続いてる(110話〜)し、
原作に至ってはさらにだらだら何々編と続いてたりするんですが……
ワタクシ的にはラオウ編のラストで気分的に終わりました(爆)。
そもそも次から次へと設定を継ぎ足してるので辻褄合わないしな。
(ラオウ編も序盤の内容に設定を継ぎ足したものだけど)

そんな感じでまだ面白さが本調子ではない最初の数話を改めて見た感想。
ものすっごく古い(爆)。20年も前の作品だから当然ではあるんだけど。
絵の古さや色合いの昔っぽさよりも、表現スタイルの古さが目にしみる
ケンシロウに金魚のフンな少年の行動とか動きなんか懐かし過ぎですよ。
バカバカしく誇張した悪役キャラはこれが元祖なんで古さは感じないけど。
少ない枚数でそれっぽく見せる技法はむしろ今より上手いかもしれんね。
(動くとまともだけど動かせないとボロボロなのが今のアニメ)
体が破裂するとこは表現を工夫してショッキングに見えないようにしてるし。
おかげでゴールデンタイムに放送できたんだけど。
でも今ではこの程度の表現でも無理なんじゃないかな……
(蒼天の拳では破裂する絵が画面にほとんど出ない)

当時は熱狂的にウケていたし、(序盤も)今でもまぁまぁ面白いけど、
イマドキの作品群と比較して面白さが勝ってるかと言われると微妙。
あくまでも昔の名作だなと。


「蒼天の拳 1〜8話」
10月からテレビ朝日系(2局)で水曜日の深夜に放送中の新番組。
原作は青年誌(バンチ)のマンガで1巻だけ読んだことがあります。
※セルDVDは3巻までリリース済み(レンタルは半月〜1月半遅れ)
北斗神拳の出てくる北斗の拳の過去(1930年頃)の話という設定らしい。
けどキャラ設定に繋がりがある以外はほぼ別世界の話です。
よーするに北斗神拳とケンシロウが出てくるパラレル世界の物語
この世界の拳志郎の弟がリュウケンってことになってます。

列強が中国を蹂躙していた第2時大戦より少し前の時代の上海で
青幇と紅華会というヤクザが裏社会の覇権を巡り対立をしていた。
青幇の客人をしていた霞拳志郎は朋友のため一人で紅華会を壊滅させ、
累が及ばないように上海を離れ日本で教師として暮らしていた。
そんな拳志郎のもとに上海から懐かしい顔の老人が訪れる。
再開を喜ぶ拳志郎に老人は信じられない事実を語るのだった。
壊滅したはずの紅華会に上海は支配され青幇の仲間はみんな死んだと。
青幇の総帥で拳志郎の朋友だった潘光琳も恋人だった玉玲も死んだと。
(実際は死んでなかったりするんだけど……)
話を聞いた拳志郎は亡き朋友のため、上海の大掃除を決意するのだった。

とりあえず第一印象。めっちゃクサい。鼻つまみたくなるほど(爆)。
悪役のキャラがバカっぽいあたりはジャンプマンガを彷彿とするけど、
やたらと朋友を強調するとか人情色が強くて涙もろいのでオヤジくさい。
毎回のように回想シーンがあるのも過去ばかり振り返る年寄りみたいです。
つまりジャンプマンガから賢くならずバカなまま歳取ったって感じだね。
拳志郎は北斗の拳のケンシロウよりは多少は落ち着いて見えるかな。
山寺宏一さんのトーンを押さえて凄みを出す喋りが上手くハマってるよ。
(神谷明さんは声がかなり年老いてるので今となっては厳しいと思う)

最初の4話は舞台が東京で5話から上海に移ります。
つまり4話までは作品の舞台説明のプロローグと言えなくもない。
この4話分は人情色がやたら濃くて回想シーンが多いのでウンザリ気味で。
でも上海に移ると悪者を懲らしめる色彩が強くなって見やすくなります。
劇画を忠実に再現したクドい見た目や変な動きにも見慣れてくるし(爆)。
なるべく5話以降を見てから作品を見るかどうか判断したほうがいいよ。
4話までの内容をもっと圧縮すべきだったんじゃないかとは思うけど。

北斗の拳が好きなら見てみたら?って感じの作品かな。


自己プロファイリング (07/2/6) 次へ 前へ
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コミックお薦めの2週間更新が継続中。今週は9月分です。
当然のようにコメントは全て使いまわしで新規追加無しですが。
そしてそろそろ未読本の山に差し掛かってきます……
果たして2週間後に次回の更新はできるのか!?って感じです。

それと関係が有るような無いようなことだけど。
今起きてから寝るまでの全ての行動に要する時間を詳細に記録しています。
よーするに、どこにどれだけ時間がかかってるかを調べてるのです。
いくつか負荷の重い要素に関しては試算をしたことがあったんだけど、
それだけなら余裕があるはずの生活にいつも余裕がないのは何故かなと。
もしかすると予想外の部分で大量に時間を消費してるかもしれないし。
全ての消費時間を洗い出せば改善の余地も有るだろうってことで。

そして実際に思わぬとこで20時間(1ヶ月に)とか使ってて唖然としたり。
あと無駄に浪費してる時間が結構多かったりして……
無駄なく時間を配分すれば、もっといろいろ出来そうな気がしてきたよ。


てなわけで今週のアニメネタへ。

「のだめカンタービレ 1〜4話」
1月からフジテレビ系(9局)で木曜日の深夜に放送中の新番組。
原作は少女誌(Kiss)のマンガで大ファンです。
※セル・レンタルDVDのリリースは4/13から
世界的な音楽家を両親に持ち自身も天才と呼ばれた千秋真一(音大生)は、
小さい頃のトラウマが元で飛行機も船もダメで海外へ出られなかった。
同級生が先に進んでいくのに立ち止まってる自分に焦りを感じていた。
そんなある日、いつものように他の生徒の練習を聞きながら歩いてると、
まるでデタラメなのに楽しそうでそして凄く上手く演奏するヤツがいた。
それが千秋真一と野田恵・通称のだめとの第一種接近遭遇であった。
二人の出会いは音大の個性豊かな面々を巻き込み大きな波を起こしてく。
そして千秋とのだめ自身の新たな道への一歩となるのだ。がそれは先の話。

ノイタミナと言うと変な商売っ気が匂ってくるのがアレだったりします。
例えば知名度がある役者だけど声優としてはアレな人を主役級に使うとか。
つまりは獣王星のサードとかサードとかサードとかの話ですが……
その点、今作は主役の二人が川澄(綾子)さん関(智一)さんの実力派コンビで
過去の作品を見る限り演技力に関しては全く心配はいらんって感じだね。
川澄さんはあまり天然ボケキャラの記憶がなくてイメージ湧かなかったけど、
実際に見たら想像してた以上にのだめのキャラに合っててビックリした。
特徴的な奇声も変幻自在の演技力で完璧に再現されていて嬉しかったよ。
※川澄さんは原作の大ファンだそうで
関さんもわりと3枚目キャラっぽい印象が強くてイメージ湧かなかったけど、
これまた実際に見たらカッコよさとカッコ悪さの落差が絶妙にハマってる。
たぶん今後原作を読むときはアニメの声が頭の中で響いてくる気がする。

もうひとつ心配だったのは主題歌。
夕方のアニメと違ってイマドキの深夜アニメは作品のための曲が多いけど、
一部に作品のイメージから外れたタイアップをしてるのもあったりする。
この枠の曲はそれなりに合ってるけど微妙って感じの曲が多かったよ。
それに関しても、今作のオープニング曲はかなりいい感じにハマってた。
自由奔放でかつ技巧をみせつける感じのピアノが作品に良くあってるし。
てゆーかそもそもこの曲は「のだめ」にインスパイアされた曲だそうで。
そりゃ、いわゆるタイアップと違って作品にぴったりなはずです。

そしてオープニング映像がまた素晴らしい!
手描きとCGを縦横無尽に織り交ぜた手法で。楽曲とシンクロするスピード感で。
空に抜けるような明るい色彩で。爽やかでカッコよくてスマートな印象がする。
誰じゃコレ作ったの?とクレジットを凝視してたら幾原さんじゃないですか!
※幾原邦彦→ウテナの監督さん
アニメでは久しぶりに見たような。今まで何をやってたんでしょう?

肝心な本編のこと。
見た感じはおそらく原作にきっちり沿った内容だと思われます。
設定が変わってるとかは無いはず。見てて違和感は感じないし。
エピソードが端折られてるかは、記憶がおぼろげでわかりません(汗)。
オリジナルのエピソードが挿入されてるのは今のとこは無いと思う。
原作はまだ倉庫から持ってきてないので内容の詳細な比較はできません。
いちおー最後まで付き合う予定なので、そのへんは次回以降の更新で。
※2クール23話の予定

原作ファンだし原作にそった内容なので特に新たな発見はないけど、
実際にキャラが喋ったり動いてたりするだけでとっても楽しいっすね。
川澄さんの絶妙な演技でのだめの強烈なキャラが生き生きとしてるし。
二人の周囲のクセのあるキャラたちも声で命を吹き込まれた感じだし。
映像としてのテンポも絶妙なので中身知ってるのに笑い転げてたよ。
原作ファンとしては文句なし!と言える映像化っすね。

アニメになって原作と最も大きく変わった部分と言うと音です。
この作品は指揮者やピアニストなどの音楽家を目指す人の物語なので、
原作でも音楽のイメージを絵で表現しようといろいろと工夫をしてた。
それを読んだ人の頭の中には人の数だけ(勝手な)音楽が流れてました。
アニメでは実際に音楽を使えるという利点と、そして欠点があります。
利点はイメージをより直接的に具体的な音として伝えられること。
そして欠点は不完全さゆえの想像の余地を無くしてしまうこと。
それぞれの読者の(勝手な)イメージと一致する保証はないってこと。

そのへんを踏まえて、実際に音を聞いた印象はと言うと。
のだめの凄く上手いけどデタラメに弾くって感じがよく表現できてる。
オリジナルの演奏を知らないとデタラメさはわからないでしょうが。
上手いのはわかり易い、というか原曲より無駄に難しくなってるし(笑)。
本来の楽譜に音を余分につけて、テンポが微妙にスイングしてるし。
※のだめは楽譜を見ずに耳で覚えて弾く
クラシックの曲にジャズの即興演奏を組み合わせた感じだね。
この演奏とあのキャラで天才となんとかは紙一重を地で行ってます。

どーでもいい話。
原作を読んだ人なら知ってる話だけどのだめにはモデルがいます
名前なんかまんま「野田恵」(通称リアルのだめ)だったりします。
と言ってもここまで凄いキャラでは無い(らしい)けど。
のだめが作った変な歌のクレジットの野田恵はつまりとはこの人のこと。
偽名でキャラの名前をクレジットしてあるわけじゃないよ。


「がくえんゆーとぴあ まなびストレート! 1〜4話」
1月からテレビ東京系(6局)で日曜日の深夜に放送中の新番組。
AT-Xでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
ufotableのオリジナル企画で先にマンガが発表されました(原作ではない)。
※セルDVDのリリースは4/11から(レンタルは4/27から)
今よりも少し未来。学校に行かなくても勉強ができて就職もできる時代。
生徒による自治というお題目は無気力な生徒たちによって崩壊しつつあった。
(なんか昔行ってた高校を思い出すような設定だ)
そんな高校のひとつ「私立聖桜学園」に雨宮学美(まなび)はやってきた。
学美は転校の前日に学校に侵入したり、転校早々生徒会長に立候補したり、
と常軌を逸した大胆な行動で先生や他の生徒たちを驚かせるのだった。
そんな破天荒な学美の行動は次第に他の生徒たちを巻き込んでいった。

まず最初に思ったこと。一部の層にピンポイントな見た目だなと(爆)。
よーするにロとかリな人たちを狙ったとしか思えんキャラデザってこと。
そして女の子ばかりが出てくる狙いまくりのスターチャイルド路線だし。
主役は毎度の堀江由衣さんだし……

一部の層以外は置いてけぼりみたいなビジュアルだけど
ストーリーはむしろ一般向きで広く共感を呼びそうな内容だったり。
活気のない学校を盛り上げて学園生活を楽しもうとする内容だし。
学美(まなび)のやってることはハルヒのまともバージョンとも言えるし。
(ハルヒはまっとうな方法を知っててあえて外れたことしてるけど)
どちらも一般人の枠を大きく踏み外してるのも似てるとは言えるね。
4話の芽生(めい)の話みたいに見た目の可愛さとは裏腹に重い内容をやるし。
フタコイのufotableらしくすっごく変化球なアプローチの作品だなと。
狙い過ぎのスタチャと作家性が暴走気味のufotableは相性がいいのかも。
互いの悪い面を打ち消しあって良い面が上手く表に出てくる感じで。

あと見ててなんとなく思ったのが「かみちゅ!」に似てるってとこ。
作品そのものは全く似てないんだけどアプローチとかテイストがね。
学美を中心に生徒会の人たちが学校を盛り上げるために頑張る話だし。
この作品の見た目が「かみちゅ!」みたいで男子もちゃんと出てくれば
もっと幅広く受けたんじゃないかと思えるので勿体無い気がするよ。
現状では見た目で拒絶反応を起こす人が少なからずいると思うので。
(ダフネもあのコスチュームじゃなければって思ったし)
フタコイオルタナティブの時は普通に見れるキャラデザだったのに……

アニメ制作がufotableと言うことで凄く気合の入った映像です。
オープニングは凄くデキがいいし本編もテンポ良くて見せ方が上手い。
わりと現実的な世界を描いてて作中も現実的な空間描写が多いけど、
カメラワークを工夫したりエフェクトを使ったりしてメリハリをつけてる。
時にはイメージを膨らませた大胆な仕掛け映像を使って印象づけることも。
4話の芽生の過去の記憶なんか新房さんかよ!って感じの凄い色彩で(笑)。
立て続けにヘボいのを見た直後だったのもあって凄さを実感してしまう。
直後にやってるMoEと同じ時代のアニメとは思えないぐらい違うんですが。

作品の舞台は一見すると現代で、でも実は今より少し技術が進んだ時代。
皆が持ってる生徒手帳が携帯端末(今のケータイの高性能版)みたいだし。
学美が使ってる浮上型キックボードも普通に存在する世界のようです。
1話冒頭のカットが「学美星人」だったので特別なのかと最初は思ったよ。
萌え系のマンガではなんの脈略も説得力もなく普通にあったりするから。
ってわざわざ触れたのには理由があって。つまりアレあったら欲しいなと。

OPとEDの曲って作詞・作曲が岡崎さんで、ってことは新曲じゃない?
もしかして林原さんのアルバムからシングルカットした?とか思ってたら、
何でも既存の曲のカバーなんだそうで。さらに大元は別のアニメの曲らしい。
元が10年以上も前の曲なので最近のアニソンとはずいぶん感じが違いますな。
まぁアニソンは何でもアリだから毛色の違うのは時々あるけど。


「月面兎兵器ミーナ 1〜4話」
1月からフジテレビ(のみ)で土曜日の深夜に放送中で新番組。
2月からBSフジでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
※セルDVDのリリースは4/6から(レンタルは5/25から)
17歳の佃美奈は少し前まではごく平凡な女子高生であった。
しかし今日からは世にも珍しい現役女子高生のアナウンサーになる。
局のえらい人の思惑はわからないけど、美奈はアナウンサーになるのが
ずっと夢だったので、与えられた機会を生かすべく頑張るのであった。
そんなある日。球場での選手のインタビューの仕事をしてる時。
突如としてウサギ型の宇宙人が球場に乱入し暴れ始めるのだった。

そう一見現実に見えるこの世界は、日々宇宙人の干渉を受けていたのだ。
そして悪者がいるならもちろん正義のヒーロー……いやヒロインもいた。
巨大ウサギメカで暴れる宇宙人の前にいつものように大月ミーナは現れた。
※宇宙人が暴れるのも大月ミーナが出現するのも日常らしい
外の騒ぎは他人事と思ってる佃美奈の前に赤ちゃんに似た何かが出現する。
そしておまえにはミーナとして戦う使命がある!と告げたのだった。
強引に口に人参をねじ込まれた美奈は月城ミーナに変身して戦うことに。
※佃美奈は人参を口にすると月城ミーナに変身する
高校生をしてアナウンサーをする二束のわらじですら大変だったのに、
さらに正義のヒロインまでやる羽目になった美奈の明日はどっちだ?

第一印象はなんとも変な作品と言うか。
いわゆる変身ヒロインなミーナの部分は実にしょーもないノリで。
見た目がヘボいのではなく全力でしょーもない作品に仕上げてる感じ。
小麦ちゃんをテレビに持ってきたような、という形容がわりと近いかも。
小麦ちゃんみたいなパロ全開ではないけど、間違いなくネタアニメです。

この作品にはそんなしょーもないミーナな部分とは別な側面もあります。
それは現役高校生の佃美奈が新人アナウンサーとして頑張るという話。
と言うか作品のストーリーの本筋はどっちかと言うとこっちの方です。
なので緻密で現実的な空間描写によって作品世界は構築されています。
キャラ描写も多少の誇張は入ってるけどわりと現実的だったりします。

そんなきっちりした世界観でしょーもない変身ヒロインをやってるので、
まさに全力でしょーもないって印象になるわけです。
強引に二つの要素を組み合わせた作品で、よく言えば一粒で二度美味しい、
ぶっちゃけると変化球過ぎて評価しにくい作品って感じ。
まぁ、それなりに面白いとは思うけどね。

面白いと感じる一番大きな要因はアナウンサーとして頑張るストーリー。
奇天烈なミーナの部分とは裏腹に、佃美奈が新人アナウンサーとして
一つ一つ仕事や心構えを覚えながら進んでく様がきっちり描かれてるし。
高校生アナを快く思ってなくて何か有れば首を切りたいディレクターの
視聴率の数字の前に簡単に態度を翻すとこなんかみょーにリアルだし。
ルナテレビの外見はまんまフジテレビだし「すぽるな」だし……
※この作品は深夜アニメだけどフジテレビが製作にタッチしてます
4話までの印象では最近やったお仕事アニメではかなりデキがいい方かと。

あとokamaさんの絵が好きってのもわりと印象に影響してるかな。
「ひまわりっ!」よりもストレートにokamaさんっぽさが出てるし。
変なオプションのついたミーナのコスチュームもそれっぽくてイイっす。
ミーナの部分の変なテイストもokamaさんのマンガに通ずるものがあるよ。
okamaさんのマンガが好きだった人なら結構楽しめるんじゃないかなと。

ちなみにミーナという変身ヒロインは一人ではなくて
佃美奈の月城ミーナの先輩として大月ミーナというのが既に出てます。
この人の正体は今のところ不明だけど翠怜さんのような気がする。
エンディングの最後の絵で対になってるし、4話で同じセリフを言うし、
翠怜さんがスタジオに居ると大月ミーナは来ないし(ざっと確認した)。

オープニング映像にはさらに他にもミーナらしきキャラが。
幼馴染の寛治とナコルの兄妹のナコルの方もミーナになるっぽい。
あとよく画面に出てくる能登カワイイよの人(役名不明)もなるっぽい。
さらにまだ登場してないあと二人の人もなるっぽい。
って1クールでそんなにミーナを出して収集つくんでしょうか?


「天保異聞 妖奇士 1〜7話」
10月からTBS系(全国ネット)で土曜日の夕方に放送中の新番組。
アニマックスでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。
※セル・レンタルDVDのリリースは2/28から
東京がまだ江戸と呼ばれていた時代。激動の維新まで少し時があった時代。
妖夷と呼ばれる異界の化け物が各地に出現し幕府の権威を揺るがしていた。
危機感を抱いた重臣は秘密裏に異形を専門に扱う「蛮社改所」を設立する。
それぞれに妖夷に対抗する特殊な力をもつ蛮社改所の奇士(あやし)たちは、
女装した神主だったり男装した巫女だったりと見た目も尋常ではなかった。
そしてもう一人上から必ずメンバーに加えるようにと言われた人物がいた。
彼の名は竜導往壓(ゆきあつ)。旗本の嫡男の立場を捨て浮民となった男。
※浮民=市民権のない人間
なぜ武士を捨て浮民に甘んじてたのか、いったい何から逃げていたのか、
それが明らかになった時、往壓の中に秘められていた力が発動する。
物の本質を文字として写し取り武器にする「漢神(あやがみ)使い」の力。
往壓の力を目の当たりにした蛮社改所の頭取である小笠原放三郎は、
ぜひ奇士に加わってその力を貸して欲しいと頼むのだった。

第一印象はもののけ姫?でした。
純朴な雰囲気とまるで神のような自然の中の巨大な力を持つ存在とか。
でも妖夷同士が激突するシーンは怪獣みたいでネオランガっぽい?とも。
※作品自体は全く似てないのでねんのため
自然っぽい力を描きながら大胆に嘘を織り交ぜるスペクタクルな内容で。
ああなんかいかにも會川さんらしい作品だなと思った。
ボンズのBBSに書いてあったけどヒヲウ戦記にも通ずるものがあるね。

ネオランガは熱心に見てたわけで、つまりこーゆー題材は好みです。
妖夷が出現する時の赤くてドロドロしたビジュアルにも惹かれるし。
往壓が見た蟲師に出てきそうな極彩色の異界の姿も興味を引くし。
江戸の地下の隠された社とか言霊から武器を生み出す発想も面白い。
一般的にどーかは別として、ワタクシ的には結構楽しめると思いました。

しかし一般的にどーかと言うのが商業的な観点では重要だったりします。
アニメ的ではない作品を放送して魅力を幅広く伝えたいのは理解できるし。
あえて安全パイではない冒険的な作品を夕方放送するのもアリだと思う。
いかにもな作品ばかりだと視聴層のパイはどんどん狭くなるばかりだから。
(深夜は結構いろんな作品をやってるけど大半の人は全く知らない)
まぁ、その手の挑戦はそう簡単に結果に結びついては来ないわけですが。
よーするにこの枠であるが故に売れ行きでいろいろ言われるだろうなと。
(バカ売れの)コードギアスと枠が逆だったら良かったのかもね。

構成は1〜3話が一つ目のエピソードで4〜7話が二つ目のエピソード。
一つ目のエピソードでは旗本の御曹司だった往壓がなぜ世捨て人みたいな
生活に甘んじてるのか、いったい何から逃げてたのかが明らかになります。
山神と呼ばれた巨大な妖夷の姿と、妖夷の出現する時の赤い筋が流れる絵と、
往壓の持つ妖夷から漢神を取り出す能力の映像にインパクトがありました。

二つ目のエピソードでは人の強い想いが妖夷を生み出すのだとわかります。
2話あたりから違和感を感じてた雲七の意外な正体も明らかになります。
そしてそれは往壓自身が忘れてた過去の所業を思い出すことでもありました。
神とは心の拠り所で人が願うからこそ神が存在すると言えなくもないので、
神のような力を持つ妖夷を人が生み出してしまうのは実に象徴的だったり。


「Venus Versus Virus 1〜4話」
1月からTBS系(3局)で木曜日の深夜に放送中の新番組。
BS-iでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は角川系(ガオ)のマンガで1巻だけ読んだことがあります。
※セル・レンタルDVDのリリースは5/16から
この世界にはほとんどの人には見えないヴァイアラスと呼ばれる存在がいる。
ヴァイアラスは人の魂を喰らい。魂を喰われた人もヴァイアラスとなる。
それはまるでウィルスが伝染するように、ヴァイアラスは増えていった。
そんな人に見えないヴァイアラスを見る目と狩る力を持ったものがいた。
表向きはアンティークショップを営んでいる名橋ルチアの真の仕事は、
助けを欲してる人の依頼を受けてヴァイアラスを駆除することなのだ。
必要な人にだけ見えるチラシを持った依頼人が今日も店のドアを開ける。

原作を読んだのは1年ぐらい前なので記憶はかなり曖昧だけど、
最初のエピソードって二人の出会い(4話)じゃなかったっけ!?
似たような作品がいっぱいあるので他の作品と混同してるかもだけど。
そんな感じでわりと最近よくあるタイプのマンガが原作のコレですが、
それらの作品の中でこの作品ならではの魅力はと言うと……なんだろう(汗)。
見てても「それなりに楽しめるけどそれなり」って感じだしな。
コミックスは処分せずに残ってるので惹かれるものも多少はあったようだけど。
※倉庫に行ってるので比較はしてない

その惹かれたものの一つは恐らく3話の月夜と陽司のエピソードだろうね。
物語の導入は忘れてたけど、このエピソードはしっかり記憶に残ってたよ。
つまりこのエピソードのフェイクな仕掛けを知ってたってことですが。
仕掛けを知ってたとしてもこのエピソードは結構くるものが有るなと。
全てのエピソードが3話と同じレベルなら結構いい作品だったと思われます。
他の回は3話に比べると1ランク落ちると言う意味でもありますが。
スミレが自分の中にある力を恐れるのもあっさり描きすぎてる感じだし。
(原作からこんな感じだった気がする)
1回毎に一つの話をやってアクションを絡めてるので物語がわりと薄いし。

そもそもこの作品のウリはと言うとみょーに可愛い服とかの見た目と、
ヴァイアラスを退治するアクションのはず。原作はそーだったような。
キャラ絵やゴスロリ入ってる服の可愛いさは十分に表現できてると思う。
(スミレが学校以外でも制服らしき服を着てるのはどーかとは思うけど)
毎回のように作監が何人もいるけど今のところ見た目は安定してるし。
※作監の人数が増えるほど制作体制がピンチの可能性が高い
少なくとも同じ木村真一郎×スタジオ雲雀のつよきすよりは断然マシすね。

しかしもう一つのウリのアクションに関してはちょっと……
見るからに動画が少なすぎなのが露骨に見えてしまってます。
演出テクニックを駆使して枚数少ないのを誤魔化してると言うより、
画面が破綻しないレベルで辛うじて何とか踏ん張ってるって感じ。
まぁ、少ない枚数でも画面が破綻しないだけオリンシスよりはマシかも。
アクションシーン以外も枚数が少ないので動きがわりと直線的だよ。
同じ枠の前番の「あさっての方向。」とは些細な動きに差が有りすぎです。
てゆーかアクションなしの「あさっての方向。」の方が枚数多いかも。
物語がわりと薄めなのでアクションをもっと映えるようにして欲しかった。


「Master of Epic The Animation Age 1〜4話」
1月からテレビ東京系(5局)で日曜日の深夜に放送中の新番組。
原作はオンラインRPGゲームでやったことはありません。
※セル・レンタルDVDのリリースは4/25から
内容は1話につき「前説」と6〜10本程度のショートで構成されてます。
一発芸みたいなネタからストーリーらしきものがあるモノまで多彩です。
同じ顔でもネタ(シリーズ)が違うと別のキャラ(名前)だったりします。
OPで目立ってる二人のうち大きい方の女の子は本編ではあまり活躍しません。
テイストは全てナンセンスなギャグで、さっぱり笑えません……

ええーーーーーーーと、
今シーズンはヘボアニメが流行ってるんでしょうか!?
オープニングチェックの時にヤバそうだとは思ったけど予想以上だよ。
てゆーか2003年以降に見た新作の中で文句なしに一番です。ヘボさが。
そのヘボいビジュアルで笑えないナンセンスギャグを延々と続けてるし。
素人が作ったショートアニメなら許されても、プロでこれはちょっと……
謹んでマスター・オブ・ヘボアニメの称号を送らせて頂きたいね。

たぶんこの作品がやりたいのは
原作ゲームのキャラを使った何でもありのギャグバラエティではないかと。
よーするに「ぱにぽにだっしゅ!」みたいのがやりたいのでしょう。
と言っても同じ土俵で評価できるレベルにはまるで達してませんが。
ナンセンスなギャグアニメを作るのって実は結構難しかったのだなと。
ネタ毎にキャラを使い捨てないようにすれば少しはマシになるんじゃない?

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