妹の幸せのため世界を壊す (06/11/26) 次へ 前へ
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今週も時間がないのでいきなり感想で。

「あさっての方向。 5〜8話」
続きを見る前に倉庫から原作の1巻を持ってきて読み返しました。
で気づいたんだけど、アニメの内容って原作と全然違うよ……
確かに原作の大枠には沿ってるしキャラ描写も原作に忠実だけど、
ストーリーの展開もキャラの設定もかなり大幅に変えてしまってる。
原作の意味を描くために大胆に再構成してしまったって感じすね。
どことなく劇場版AIRのアプローチに似てるかもしれない。
なので原作ファンにはいろいろ言われるんじゃないかなと。

原作と比べて特に大きく違うところはプロセスの描き方かな。
アニメは一つ一つのプロセスをとっても丁寧に描いてるのです。
例えばからだと淑子さんが自分の変化を受け入れるプロセスとか。
姿が変わってしまった後の生活を組み立てていくプロセスとか。
尋兄が姿が変わってしまったからだを受け入れるプロセスとか。
原作だとあっさり流してる部分をじっくり丁寧に描いてるのです。
そして緻密で現実的な空間描写と丁寧なプロセス描写の相乗効果で
原作とは比較にならないぐらい感情が伝わってくるようになってる。
大胆に変えちゃってるけど、決して原作を無視してるわけではなく、
原作の持つエッセンスがより伝わるようにアレンジしたって感じ。
だから忠実ではないけど素晴らしい映像化だと思う。
原作ファンがこれで納得するかは知らんけど。

原作と全然違うので原作を知ってても先が全く読めません。
知ってると言っても1巻だけだけど。
(続きはアニメが終わったら読むかもしれない)
その1巻分の内容はかなり違うけどほぼ6話までの内容で。
ラストが願い石の手ががりを求めて旅行に出ようとしたところ。
アニメは8話までに旅には出てないのでその展開が有るかどうか。
それとは別に全てを知ったからだが家出をする展開になってるし。
おそらく1クールだと思うけど物語がどこに至るのか未だに予測できん。
でも4話や8話に大きな山場を作ってあるシリーズ構成から考えて
物語の最後に大きな見せ場があってしっかり終わらせると思われます。
何らかのカタチで終わらせるために内容を再構成したんだと思うから。
(そもそも原作はまだ終わってないはず)

今回見た部分のあらすじ。
尋兄が二人の姿が変わったのを納得したけど、
でもやっぱり互いにぎこちなさみたいのが残ってるわけで。
姿が変わったことでの生活や周りの変化にもまだ戸惑いがあって。
それでも三人で一緒に暮らすことでだんだんと慣れていった。
そして些細だけど二人にとっては大きな意味のあるイベントが訪れる。
過去にやりたくてもできできなかったことを二人でやり遂げたことで、
この奇妙な三人の共同生活は心地よい関係になったような気がした。
このままいつまでも続くんじゃないかと幸せな錯覚をした。
しかしからだは知ってしまったのです、尋兄と淑子さんの過去を。

今回の内容の中で特に印象的なシチュエーションは
からだと淑子さんが尋兄の誕生日のケーキを作るプロセス。
からだにとっては小さい体ではしたくても出来なかったこと。
そして淑子さんにとっては昔やろうとして出来なかったこと。
冒頭の(付き合ってた頃の)尋兄をつれて食事に出るシーンに
前と後の部分があるのが後でわかる構成には脱帽だったよ。

この部分に関しては同じ回の中でそのままカードを開いてるけど
他にも断片で見せたシーンの前後を後で見せる手法を多用してる。
断片のシーンにもその時点での意味がもちろん存在してたけど、
前後のシーンが追加されることでより深い意味を持ってくる
断片と断片の隙間が次第に埋まりキャラの存在感がどんどん増してくる。
「よみがえる空」もそうだったけど今回も脚本の上手さが光ってる。

そして「よみがえる空」同様にあまりヒットはしなそうだ(爆)。
てゆーか普通の人間模様を描いた作品を面白いと思う人たちは
あまりアニメを見てないというか、間違いなく少数派だというか。
ARIAのアニメ企画もチャレンシャーだなとは思ったけど
ARIAはまだ見た目が萌えアニメっぽく見えなくもないから。
だけどこの作品に関してはえっ?マジでやるの?と思ったぐらい。
でも結果としてこんな素敵な作品になったのだから嬉しい限りです。


「コードギアス 反逆のルルーシュ 1〜7話」
10月からTBS系(10局)で金曜日の深夜に放送してる新番組。
アニマックスでも11月からやってるので地上波で見れない人はそちらで。
※セル・レンタルDVDのリリースは1/26から
現実に近い世界。世界には唯一の超大国ブリタニア帝国が君臨していた。
そしてブリタニアの侵攻によって日本は歴史と文化と名前を奪われた。
かつて日本のあった場所は今はエリア11通称イレブンと呼ばれている。
主人公のルルーシュはイレブン内の租界の学校に通う(一見)普通の高校生。
頭脳明晰でボードゲームに秀でた彼には友人には見せない野望があった。
ある日、レジスタンスのテロに巻き込まれた彼は偶然にギアスの力を手にする。
ギアスそれは一見すると些細だけど使い方次第で大きな効果を発揮する力。
ギアスの力を手に入れたルルーシュは予定表を繰り上げ野望へと一歩踏み出した。

いきなり始まった内容があまりに皮肉にみちていて苦笑を禁じえない。
超大国の専横に対抗してレジスタンスが高層ビルへテロをするとか。
そのテロに対して「正義」「正義」と連呼するブリタニアの総督とか。
つーか唯一の超大国ブリタニア帝国の位置がまんまあそこだしな。
アニメ世界のフィクションだとはいえ、無茶やるね。
※ちなみにダグラムはアフガニスタン内戦がモデル

ルルーシュが王家の血筋なのに現体制をぶっ壊そうとする展開なので
ああなんか銀河英雄伝説みたいだなと思ったり。特に銀河帝国側の。
ルルーシュはさながらラインハルトの若い頃って感じかも。
みょーに潔癖で無能な人間は死んで当然みたいな性格も似てるかも。
全体にキャラ描写が仰々しいのと戦いを戦術で描くとこも銀英伝と似てる。
ロボットが作品のウリと思わせて実はただの道具に過ぎなかったりするし。

ルルーシュが手にした力(ギアス)は無条件に無敵だったりしない。
(最初に力を与えられるシーンではもっと凄い力のように思ったけど)
使い方次第で強い力にはなるけど、それでも全てを覆せるわけじゃない。
相手がただの愚か者ならその場しのぎの戦術だけで何とか打開できるけど、
相応の力の持ち主ならそれ相応の手駒を揃える戦略が必要になる。
信頼のない関係では戦術を組み立てたとしても上手く機能しないから。
実際に戦術を運用するための信頼のできる仲間が必要になってくる。
レジスタンスは自分の目的のための道具だと思ってたルルーシュが、
コーネリアにボロ負けしてやっと仲間が必要だと気づいたところ。
特別な能力や圧倒的な新兵器や根性とかで状況が変わりはしないという、
みょーに現実的なパワーバランスの考え方も銀英伝を彷彿とする。

ルルーシュが望んでるのは自分の妹のナナリーの幸せになれる世界で、
そのためには他人を犠牲にすることも厭わない冷徹な性格だったりとか。
同じ世界を求めながら体制の中から変えようとする親友のスザクとか。
王家にありながら今のやり方に疑問を持っているユーフェミアとか。
(ルルーシュよりも性格が穏やかなので違う手法を選びそうだ)
今の秩序を破壊してでも新しい未来を求める役者が揃いまくりです。
今後ルルーシュの側につくのは誰なのか考えてみるのも楽しいよ。

この作品は役付きのキャラがやたら多くて見初めてすぐは目が廻ります。
でも何話か見れば見分けがつくようにはなるので描きわけはできてるね。
キャラ絵の特徴がハッキリついてるというのも見分けやすい理由かも。
そのキャラ絵、キャラデザの人のクセも入ってるけど確かにCLAMPの絵だ。
ZEROのフォルムとかルルーシュやナナリーの顔が特にそれっぽいし。
「ちょびっツ」や「xxxHOLiC」に比べるとCLAMP絵っぽさが薄いけど
それでも平井久司キャラよりはずっと好みっすね。

ルルーシュの目的が凄く大きいのでストーリー展開は速めです。
なにしろ第三皇子のクロヴィスなんか2話で死んじゃうし。
かと思えば5話でローマの休日をやったり、6話で猫を追いかけたり、
前後の展開のわりにえらくのんびりした回が挿入されたりもします。
ストーリーの本筋が革命なら駆け足でも2クールでは厳しいだろうし
もしかして1年ぐらいやるつもりなのかな?


「ネギま!? 1〜8話」
10月からテレビ東京系(6局)で水曜日の夕方に放送してる新番組。
BSジャパンとAT-Xでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は少年誌(マガジン)のマンガで1巻だけ読んだことがあります。
※セルDVDのリリースは1/31から(レンタルは3/7から)

てなわけで始まりました「ぱにぽにだっしゅ!月詠remix」
えっ違う?見た目はまんま「ぱにぽに」+月詠なんだけど(笑)。
それに麦人さんと(斎藤)千和さんもちゃんと出てるじゃん。
確かにキャラはネギまで設定もネギまっぽいけど……
パロてんこもりだし、ハッタリと極端な配色の新房カラー炸裂だし、
どーみてもこれが記憶にある「ネギま」とは繋がらないんですが(爆)。
もしかして今回の「!?」ってネギま「かもしれない」って意味か?

なんか今回は最初からオリジナル展開で!って注文だったそうで。
このスタッフに頼む時点で原作に忠実なのは期待しないだろうけど。
(原作に忠実な内容をオーダーされればそれっぽく作るだろうけど)
だから原作と違うのがイヤな人は最初から見ないほうがよろしいかと。

そんな原作とは違う内容のネギま!?でずが、
どことなく原作の冒頭に通じる内容も散見されたりもする。
と言うかこれ前シリーズの続きではなく最初からやってるので。
転任初日の登校シーンとか、明日菜にいきなり正体がバレるとか、
一緒の部屋になるとか、明日菜のベッドに無意識にもぐりこむとか、
のどかがネギに助けられて惚れるとか、なシーンを再利用してたりして。
(1〜3話はエヴァ編をリミックスした内容らしいし)
最初からやってるから再構成してやり直すのかと思ったけど
一つ目のエピソードの3話が終わった時点で3年生に進級。
どうやら仮契約とバトル(とギャグ)を主軸に据えてるみたいなので
原作として前シーズンより後のエッセンスが中心になる感じ。

最初からやるってことは前作を見てるのを前提としないわけで。
つまりクラス全員のキャラ紹介を一から始めてるって意味でもあります。
明日菜、のどかの順にクローズアップされる展開は前シリーズと同じすね。
そしてクローズアップされたキャラがネギの正体に気づいて、
なしぐずし的にネギと仮契約(つまりキス)するというパターンに。
ラブストーリーではキスというのはわりと重要な意味を持つけど
この作品はラブの要素が希薄なので仮契約以外の特別な意味はないです。
多少意味があるのはキスを躊躇した明日菜とネギに惚れてるのどかだけ。
このへんだけラブコメの痕跡が残ってるね。

メインの扱いになるキャラ以外にもサブとモブのキャラが出ますが、
今回はキャラづけをより記号化してるので見分けやすくなってたり。
例えば千鶴と夏美のずれた受け答えをパターンにして繰り返すとか。
単純なキャラの属性ではなくてより特徴的な行動で印象付けてる。
そーいやキャラの凄く多い「ぱにぽに」も同じ手法でやってたっけ。
それぞれのキャラを内面まで掘り下げて印象づけていく手法だと
2クールで31人は無理だし、記号キャラに徹するのは正しい選択かなと。
記号キャラなんでキャラの実体感が薄くて感情移入はしにくいけど。
「ぱにぽにだっしゅ!」と同じくノリとネタで楽しむ作品っすね。
月詠ばりの凄いアクションシーンもなかなか見ごたえがあるよ。
(今回はなのはA'sのスタッフも入ってる!?)

ラブの要素が薄いのでエッチぃ要素もほとんどありません。
テレ東なんで前シリーズもあまり露骨な描写は無かったけど、
今作はお風呂や水着やパンツやらのライトエッチな要素もほぼナシ。
契約を発動するシーンが唯一エロい雰囲気が感じられるとこかな。

比較の意味もかねて前シリーズも見返してみました。
最初の4話分を(4話分しか残ってないので)。
改めて見た印象はおぼろげな記憶と同じくちゃんと面白かったよ。
そして方向性が全く違うから単純にどっちがいいとはいいにくい。
確かに映像センスを含めた見た目は今回のほうが圧倒的だけど。
少なくとも明日菜は前シリーズのほうがずっと可愛く描かれてるよ。
まぁラブコメのメインヒロインなんだから当然ですが。
もちろん明日菜は今作も毎回必ず出るし一番いい扱いではあるけど
どー見ても姫子(ぱにぽに)的な扱いです(笑)。そしてネギはベッキー。
なので明日菜のファンの人は前シリーズのほうが良かったかもしれん。


「Kanon 2006版 1〜4話」
10月からBS-i(のみ)で木曜日の深夜に放送してる新番組。
原作は美少女恋愛ADV(18禁)でやったことはありません。
※セルDVDのリリースは1/1から(レンタルは2007/9/5から)
親の都合で7年前までよく訪れていた親戚に厄介になることにした祐一。
しかし祐一は何度も訪れていたはずのこの北の街の記憶が曖昧だった。
そんな祐一の前に次から次へといわくありげな女の子が現れるのだった。
一人は7年前に再会の約束をした、そして何かを探している女の子。
一人は名前以外を忘れてて、だけどなぜか祐一を憎んでいる女の子。
一人は流行性感冒(つまり風邪)で長期に学校を休んでるらしい女の子。
彼女たちとの出会いは祐一に何をもたらすのか。そして物語の行方は。

原作は知らないけど東映アニメ版は最初の2巻3話分を見てたわけで。
そのせいでみょーに既視感のあふれるストーリーだったりして。
確認してみたら(当然なんだろうけど)ストーリーもそっくりだったよ。
※今作の4話分と前作の3話分がほぼ対応する内容
ここまでそっくりってことはたぶんどちらも原作に沿ってるだろうし
わざわざ作り直すほどの不満って何があったんだろうか?
(AIRのスタッフが作るという商業的な意味だけなのかもしれんが)
さすがに映像のクオリティは京アニなので前作とは段違いだけど。
見た目が凄く違うという以外にはそんなに変わってないような。

もちろん作品における見た目の違いは大きいとは思います。
特に今作は空間描写が緻密で現実的なので物語世界に説得力があるし。
キャラの動作の細かいところをきっちり描いてて生き生きしてるし。
しかし見た目の実体感を大幅にレベルアップしてしまった結果、
逆にヒロインキャラの作り物っぽさが際立ってしまってる……
(名雪の髪型で陸上部の練習シーンは違和感がありまくりです)
東映版を見たときはエロゲーでも興味深いのがあるなと思ったし、
今作は前作よりもマシだし、エロゲーアニメの平均よりも上だけど、
今やD.C.がキャラ描写の基準を大幅に引き上げてしまった後だから。
(今やってるなんちゃってD.C.なGiftの方がキャラ描写が生々しいよ)

このスタッフはあのハルヒを作ったスタッフでもあるわけだから
ヒロインキャラを生々しく描くことだってできたはずなんだよ。
でもそうしてないのは原作のキャラを逸脱しない方針だからだろうね。
現実的なキャラに修正しちゃった劇場版AIRなんかいろいろ言われてるし。
ちなみに主人公の祐一だけは大幅に現実的なキャラに修正されてたりして。
台詞回しと杉田智和さんの語り口があいまって抜群の実体感があるよ。
※祐一以外のキャストはおそらく前作と同じ
そのうち延々と語りだしそうな気までしてくるけど(笑)。

今作は2クールやるらしいので展開が遅めです。
前作の3話分の内容が今作の4話分と対応してるのなんかまさにそう。
展開が遅いのでキャラのやりとりとかがとっても丁寧に描かれてます。
名雪とうぐぅな人(おい)以外の登場シーンが前倒しされてたりするし。
よーするに通行人としてすれ違ったり挨拶したりと顔を見せてるのです。
いかにもわざとらしい初登場シーンの印象を薄めようとしてるのかな。
でも、原作に沿ってる以上どーしたってわざとらしいような気が。

前作より意味深なポイントが少ないのも展開が遅いせい!?
ヒロインキャラが続々登場するのは前作も同様だったけど
前作ではそこに気になるポイントがいくつも見え隠れしてた。
例えば栞が荷物を拾うときにカッターを隠してたりとか。
栞は美坂香里と同じ苗字なのに香里は妹がいないと言うとか。
(今作は今のところ栞の苗字が出てきてない)
祐一の荷物にあった謎のカチューシャとか。
あゆが何かを探してるとか真琴が(なぜか)祐一を憎んでるとか。
(これは今作でもすでに描かれてる)
物語が進むに従って謎めいた記号が増えていって興味深かった。
しかし今作はみょーにまったり展開なのでいまいち引きが弱いよ。
ディテールを丁寧に描いてるので凄く生活感はあるんだけどね。

AIRの時も思ったけどこの展開だと一見さんにはきついのでは?
ぱっと見の視聴者の首根っこをつかんで強引に引っ張っていくように、
ストーリーを大胆に再構成してもよかったと思うのに。ハルヒみたく。
まぁ、それやると原作ファンは怒るだろうけど。

最後にちょっとした補足。
TBSとポニーキャニオンの組み合わせはレンタルがすぐには出ません
AIRなんかセル版が出てから1年以上待たされたし。
なのでこの作品も長く待たされる可能性が十分にあります。


「少年陰陽師 1〜6話」
10月から一部の民放(5局)で深夜に放送してる新番組。
AT-Xでも1月からやるので地上波で見れない人はそちらで。
原作はライトノベル(ビーンズ文庫)で読んだことはありません。
※セル・レンタルDVDのリリースは12/22から
昌浩はかの安倍晴明の孫で通称「安倍晴明の孫」口癖は「孫言うな!」
その昌浩は希代の陰陽師の孫でありながら「見鬼」の才がなかったのだ。
実はそれには裏があったりするけど、とりあえずここでは置いといて。
彼は陰陽師以外の道を選ぼうにも、どんな仕事もあまり得手ではなかった。
そんなある日、彼は変な姿の物の怪、昌浩命名「もっくん」と出会った。
もっくんには真の姿があったりするけど、それもここでは置いといて。
昌浩はもっくんと出会ったことで再び陰陽師への道を進むことになる。
「見鬼」の才がない昌浩はもっくんを目の代わりにして妖と対峙する。
半人前の陰陽師の昌浩に果たして妖は調伏できるのだろうか!?

平安時代が舞台の陰陽を扱った退魔モノはわりと定番っすね。
それらの作品の中でこの作品ならではのウリはと言われると……
ぶっちゃけて6話までではさっぱりわからん、って言うか。
ノベル原作で多少セリフが目立つけど凄く印象的って程ではないし。
題材に興味があれば楽しめるけど。それなりで。可もなく不可もなし。
明らかに作り方に不備がある作品に比べればマシだけど
作品数バブルのご時世で凌ぎを削る現状ではちょっと分が悪いかも。

印象がもうひとつに感じるポイントをいくつか挙げると。
一つ目は序盤は存在感のあるキャラが少な過ぎるってところ。
ずっと昌浩ともっくんを軸に物語が進むので単調に感じてしまう。
恐らくエピソードを重ねればキャラは増えては行くんだろうけど。
二つ目は最初の2話までは物語の連続性が希薄なところ。
1話はプロローグの舞台説明みたいな内容で2話からが窮奇編だけど
3話を見るまで物語が動き始めた実感があまりしないから。
つまり4話あたりから物語が盛り上がってきて面白くなってくる。
もっと序盤から引きを強くしないと原作ファン以外は投げちゃうぞと。

あと気になったのは陰陽道の見せ方かな。
そこそこ動いててそれなりのクオリティでは有るけど
映像センスは月詠に比べるとワンランク落ちるかなって感じ。
見てて月詠を見習って欲しいとか失礼な感想を抱いたり。
真似ろとは言わないからも少し映える見せ方を工夫して欲しいよ。
この作品は人間模様が希薄で退魔シーンこそが見せ場なんだから。


「D.Gray-man 1〜4話」
10月からテレビ東京系他(12局)で火曜日の夕方に放送してる新番組。
BSジャパンとAT-Xでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は少年誌(ジャンプ)のマンガで1巻だけ読んだことがあります。
※セル・レンタルDVDのリリースは2/7から
AKUMAという悪性兵器を駆って世界を破滅に導こうとする千年伯爵と、
AKUMAに対抗できるイノセンスを用いて世界を守るエクソシストたちの物語。
主人公のアレン・ウォーカーは師匠の紹介でエクソシストの団体である
黒の教団へと向かうところから物語は始まる。

オープニングがわたなべひろしさんの手法に似てると書いたけど
その中でも特に王トロボウJINGを彷彿とする色合いだったりする。
そして1話の内容もなんかそれっぽい表現スタイルだなと思ったり。
結構しっかりした映像だし、トムスらしくないとか失礼な感想を(爆)。
アクションだけではなくストーリーでもなかなか見せてくれたし。
これは意外といいかも!と思いました。1話は。

しかし2話で映像もストーリーも大幅に落ちた……
絵が回を追うごとに荒れていく作品はイマドキ珍しくもないけど
1話と2話で表現レベルが格段に落ちる作品は久しぶりだなと。
(少し前は1話だけで力尽きる作品が結構あったけど)
キャラを崩すギャグ表現があまり上手くないのも印象を悪くしてる。
つーかなんで少年マンガは雰囲気をぶち壊すギャク表現を使うかね。
この手の雰囲気が大事な作品はセリフで遊ぶ程度に押さえるべきです。
まぁ、原作からこれだからアニメだけのせいではないんだけど。

この作品は描いてる内容の関係で画面がとっても暗いです。
暗い色を使いすぎで明度を押さえてると黒潰れしまくるよ。
でその暗い画面でアクションをするものだから何が何やら。
雰囲気を大事にしたいのは理解できるけど、映画じゃないんだから
もう少し明るめの配色をお願いしたい。このままだと目が痛いので。


「乙女はお姉さまに恋してる 1〜6話」
10月から一部の民放(7局)で深夜に放送してる新番組。
キッズでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は美少女恋愛AVG?(18禁)でやったことはありません。
※セルDVDのリリースは1/11から(レンタルは1/26から)
財閥の御曹司の瑞穂は祖父の遺言で男なのに女子校に編入することになる。
(てっきり女形の修行とかそんな設定だと思ってたんだけど)
しかも女子寮のピンク一色の部屋で生活することまで決められていた。
幼馴染のまりやの手助けで見事な女に化けた瑞穂だが内心はビクビクしてた。
そんな瑞穂の心配をよそに彼は素敵なお姉さまとして注目を浴びることになる。
いつのまにか学院を代表するお姉さまであるエルダーにまでされてしまうし。
さらには多少の縁があった幽霊の女生徒にまて慕われてしまったり。
(もはや彼とは言いがたい)瑞穂の学院での生活の行方は?
てゆーかこの作品の向かう先はいったいどこ?

まず第一印象が絵が凄くキレイになったストロベリーパニック(爆)。
(ストパニは設定画に比べて本編の絵がわりと不安定だったし)
女装して女子高に入るってことで、知られざる女子の生態を覗き見とか、
バレるかもしれないスリルみたいな内容かと思ったら全然違うし。
主人公が女装した男子という設定はほとんど意味が無いと思ったり。
主人公も含めて(見た目は)女の子ばかりが画面を埋め尽くしてるし。
その女の子キャラが全て記号キャラで生っぽさに欠けまくりだし。
お姉さまがどうとか学校を代表するお姉さまであるエルダーだとか。
(このへんの大元は「マリみて」だけど)
作品の設定もキャラの印象もストロベリーパニックとそっくりです。
※オリジナルはどっちが古いとかは関係なく
主人公が女装した男なのもエロゲーなら意味はあったかもしれないけど
プラトニックな関係なら男である意味は全く無いんですが。

これと同じスタッフが作ってたD.C.S.S.の時も思ったけど
絵がキレイなのにまるでキャラが魅力的に感じられなかったり。
でもこのキャラ描写はシスタープリンセスあたりと同じ手法なので
世の美少女モノを求める人たちはこーゆー作品がいいのかも!?
ワタクシ的にはこんな魂のないマネキン人形は勘弁して欲しいけど。
(幽霊の)一子が出てくるまでホントどーしようかと思って見てた。

4話でその幽霊の一子が登場してやっと見れる作品に。
出現したときから唇からマシンガン状態で楽しかった。
これぐらいハッキリしたキャラ付けがしてある方が楽しいよ。
それに6話までに登場したキャラの中では一番生身感があるし。
一子の存在自体に現実味がないのでコメディ色が強いのも良かった。
さらに一子のエピソードのラストには感動的なシーンもあったり。
その後にオチが有ったりするけど……

この作品を見てて思ったんだけど、もっとコメディ色を強くすべきだよ。
随所に挿入されてるSDキャラでのコメディ表現は面白い見せ方してるし。
整った綺麗なキャラ絵とSDキャラのコメディ表現の落差が際立ってるし。
だからもっとコメディ色を強めたほうがメリハリがついて良くなるはず。
それにキャラの生身感の希薄さはコメディ基調のほうがごまかせるから。
実際6話は3話までに比べてコメディ色が強い分まだ楽しめるし。


「くじびきアンバランス 1〜4話」
10月から一部の民放(7局)で深夜に放送してる新番組。
キッズでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
元々は「げんしけん」の中で放送されている架空のアニメ番組で、
内容を一新したマンガ版を青年誌(アフタヌーン)で連載してます。
※セル・レンタルDVDのリリースは12/22から

げんしけんのおまけOVAをテレビ用にリメイクしたのではなく
設定を多少変えたパラレルワールド的な作品だったりします。
キャラデザインも変わっててOVAよりも自然になってます(これでも)。
特に秋山時乃はキャラ設定も含めてほぼ全面差し替えな感じに。
そしてキャストも山田薫子をのぞいて(たぶん)全員入れ替わってる。

設定の違いと言えばまず根本的なとこから違う。
OVAはクジでチームを決めてトーナメントを勝ち抜くと生徒会になれる。
今回はくじで次期生徒会候補を決めて1年間の試練をクリアさせる。
課題をクリアできなかったり相応しくない行いをすると退学らしい。
もしも候補者が失格した場合は次の生徒会はどーするんだろうね?
人間関係については千尋と会長が幼馴染なのはOVAと変わらないけど、
今回はそれに加えて秋山時乃も幼馴染という設定になってたり。

生徒会候補のメンバーもOVAとは違います。
千尋と時乃はOVAでもいたけど他の二人が差し替えに。
上石神井蓮子はOVAでは時乃と因縁のあるライバルだったのでした。
そして朝霧小雪はOVAではメンバーの小牧(今回は親?)の妹だった。
上石神井蓮子はOVAでも強烈なキャラだったけどさらにパワーアップ。
ただの解説とツッコミ役だった薫子を(まさに)手足にしてるし。
上石神井蓮子をレギュラーに入れたことでOVAより突っ走ってます。

作品のテイストはそんなに変わってません。
ただキャラ絵の印象が自然になって、空間描写が凄く丁寧になって、
無駄に派手に動かしまくりで、クオリティはOVAよりずっと高い感じ。
毎回のようにハイテンションに暴走してぐいぐいと見せてくれるし。
なので普通に楽しめるとは思います。
が、根本的なところ(設定とかやキャラの魅力とか)で面白くない。
クオリティが高いので余計にベースのダメさを実感してしまう。
(OVAが良かったって意味ではない)
クズ素材に調味料を大量に加えて美味しそうな料理に仕上げた感じだよ。

あ、次回予告で「げんしけん」面々が作品にツッコミを入れてます。
コスプレの人が私には副会長の魂がとか言っててちょっとウケた。
※OVAの副会長のキャストは川澄さんだから


愛を取り戻せ! (06/11/19) 次へ 前へ
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今月もなんとか終わりました。
先月に比べて10日も後ろにずれてますが……
その恒例のヤツに行く前に一つだけ。

「DVD 涼宮ハルヒの憂鬱 4巻」
新番組の洪水に飲まれて気づいたら5巻の発売日まであと数日(汗)。
つーわけで急いでチェックしました。
(届いてすぐに視聴はしてたけど)

3巻までは本筋の「憂鬱」で4巻以降は読みきりエピソードになります。
そして原作の構成をかなり忠実になぞってた「憂鬱」と違って、
読みきりエピソードはずいぶん原作と違ってたりします。
例えばこの巻の「退屈」はストーリー展開こそ原作そのままだけど
セリフやキョンのモノローグなどテキスト部分が大幅に違ってる。
違和感がないテキストをオリジナルで書き下ろしてるのには感心したよ。
そして「あんたがそれでいいなら、まぁいいわ」が原作とは違うのに驚き。
原作に比べてハルヒの本心が見えるように言い回しを修正してあるのです。
ここに関してはアニメスタッフGJ!って感じ。まぁ、ここに限らないけど。

ではセレクタで切り替えながら詳細に比較したその結果を。
※「退屈」(放送4話)は違いが見つからなかった

「ミステリックサイン」(放送7話)の追加シーン

(1) 19'11"〜19'25"
(2) 19'33"〜20'10"
キョンの「できすぎてる」ってモノローグの直後の夜道カットの前半と
それに続く部室の俯瞰のカットと長門に話し掛けるカットの間。
DVDだとこのカットされた部分にモノローグがずっと続いてたり
そしてBGM(M6-03 ミステリーの予感)もずっとついてたりします。
長門に話し掛けるカットの動きもその前のカットから繋がってるし。
いかにも放送の尺に合わせて切り刻みましたって感じすね。

今回は追加シーン以外の細かい修正が全く見当たらなかった
見落とした可能性はあるけどほぼ同じと言っていいかと。
たぶん制作順が早い話数ほど放送までにミスが修正されてたのでしょう。


映像特典のメイキング第五弾はポスター撮影の裏側。
一言で言うなら、ただカメラ回してるだけかい!って感じ。
なんかファンではないアイドルのグラビアDVDでも見てる気分です。
あの手のはファンじゃないとまるで面白くないんだけど……
声優さんを出すにしてももう少し楽しめる工夫があってもいいような。
ハピレスの映像特典はこれよりもずっと楽しめたよ。
こんなのならスタッフやキャストのインタビューの方がずっとマシ。
この作品は本編の気合の入り方とDVDの体裁に落差が有りすぎです。


では肝心の(限定版の)付属CDのサントラ部分。
サントラ部分には計7曲収録されてて、以下になります。
[]の部分は使用リストで便宜的につけてたタイトル。

(1) 野球は青春との接触 [M4-10 ミステリアスボール]
ミステリアスボールのところで使ってるシチュエーション曲。
あまりにコテコテなんで最初「夕陽に向かって走れ」とかつけたっけ(笑)。
これ放送時は気づかなかったけどタッチの最初のOP主題歌のパロディです。
と言うには似すぎてたりして。実際に聞き比べると唖然とするほどに。

(2) 特訓あるのみ [M4-03 千本ノック]
千本ノックのシーン用のシチュエーション曲(他でも使ってるけど)。
アメリカ映画とか軍隊の特訓・行進シーンとかで使ってそうな曲調。
メロなしビートのみの曲なんでわりと幅広く使えそうな曲すね。

(3) ザ・強引 [M2-08 ハルヒビート・3]
この作品のメインテーマとも言えるハルヒビートの3曲目。
「何かがおかしい」と並ぶ使用頻度の最も高い曲でもあります。
つまりこの作品を見てたら必ず記憶に残ってるであろう曲ってこと。
(ベーススタイル曲はどれも覚えてる可能性が高いけど)
ちなみに「退屈」のOP直後にほぼ全フレーズ使用してます。

(4) 激烈で華麗な日々 [M2-02 ハルヒビート・1]
この作品のメインテーマとも言えるハルヒビートの1曲目。
そしてハルヒビートの中でも最もテンションの高い曲です。
不思議な踊りを踊ってる(ブロックサイン)シーンが最も長く使ってて
ほぼあれが全曲だけど真ん中へんに未使用のフレーズがありました。

(5) SOS団始動! [M2-12 SOS団出発]
SOS団始動とクルーザーで島へ出発するときに使う曲。
この巻の収録話には使ってないのでてっきり5巻に入れると思ってた。
実はこの曲も「ちょびっツ」の「かたことの恋」と構成がそっくりです。
使われ方を見る限りはパロディのつもりはないみたいだけど。

(6) やれやれおいおい [M3-01 ハルヒビート・5]
この作品のメインテーマとも言えるハルヒビートの5曲目。
前に他は「やれやれ」とかじゃないだろうな?と書いたらその通りに(笑)。
「憂鬱II」の冒頭の曲と言うとわかりやすいかも。
「孤島前編」の遊戯室で遊んでるシーンでほぼ全フレーズ使ってます。

(7) カマドウマ [M7-08/M7-09 VSカマドウマ]
巨大カマドウマが出現するときに使ってるシチュエーション曲。
実は切り出すときに1曲か2曲か判断がつかなかったのでした。
「孤島後編」で前半部だけ使ってたから別の曲かと分割したのに……
ちなみにカマドウマのシーンの最初から最後までがこの1曲です。

てなわけで予測した曲はパーフェクトに収録されてました。
ハルヒビートを3曲も入れてくるとは思わなかったけど。
待ちに待ってた曲なので余分に入ってる分には大歓迎ですが。
あと「SOS団始動!」がここに入ってくるのは予想外だったよ。
たぶん5巻のみの使用曲が多くてはみ出てしまったんだろうなと。
確率半分といった「M4-09 長門有希の呪文」はもう収録は無いと思う。
「長門 VS 朝倉」のトラックを削った微妙なバージョン違いだし。

さて、5巻に収録される曲の予想ですが。
「M5-14 古泉一樹の解説」「M6-03 ミステリーの予感」「M6-12 殺人事件」
「M8-03 再現フィルム」「M8-07 犯人はおまえだ!」は可能性が高いと思う。
「M2-05 ハルヒビート・2」「M6-08 トロピカルサマー」は曲数次第かなと。
※あくまでも予想なんで保証はしません

もちろん「涼宮ハルヒの音楽」(全楽曲の使用リスト)は
とっくの昔に更新してあります。5巻の分も発売日頃に更新する予定


では恒例のオススメに行きます。6月分です……

女性誌の今月の1冊は仲村佳樹さんの「スキップ・ビート!」に。
今月はあまり差がなかったので迷ったけどこれかなと。
この巻が今後の展開の大きなターニングポイントになりそうだし。
一番最後のシーンを見てると物語の行方もある程度見えてくるし。
と言ってもそこに至るまでにはきっと紆余曲折あるのでしょうが。
二人とも感情をストレートに自覚できないだけの理由があるので。
だからあそこのモノローグも回りくどい言い回しになってるわけで。
ここ連載では誤解した人が多くて言い回しを修正したんだそうです。
まぁ、これでも誤解する人はいると思う……

ちなみに、既に次の巻が出てます(汗)
たいして状況は進展してないのでご安心を!?
「プラチナガーデン」と「のだめカンタービレ」も次が出てるよ。

「海に墜ちるツバメ」
表題作の印象としては登場人物が恐怖に追い込まれるスリラーです。
そして物語の構成としてミステリーのフェイクを使ってたりする。
つまり目に見えてる展開が物語の本当の姿では無いということ。
いったいどんな仕掛けなのか推測しながら読むとより楽しめるかも。
ちなみに最後の作品も同様にフェイクなスリラーです。


男性誌の今月の1冊はなし。4冊だし。

「メディックス」
なんと15年前の作品です。絵が多少違うし時代の空気も違う
しかもこの巻の終わりにブチっと物語が中断してたりして。
まぁこの人はあまり太い筋に沿って描くスタイルじゃないので、
途中で切れててもこれで終わりだと思えないこともない。かも。


もしも願いが叶ってしまったなら (06/11/7) 次へ 前へ
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たまに検索でたどり着く人がいるので書いておくけど
「かしまし 〜ガール・ミーツ・ガール〜」の13話はレンタルがありません。
放送は最初のほうしか見てないのでどう引いてるかはよく知らないけど、
(「あのね」がどうとかいう話は聞いたことがある)
引いて終わって未放送なうえにレンタルもないとはやってくれるね。
※「よみがえる空」の未放送話はレンタルがあります

たぶん批判されるのを覚悟の上でDVDを売るためにやってるのでしょう。
でもレンタルしないと売れ行きが伸びるって傾向は残念ながら出てないよ。
レンタルを遅らせると売れ行きが伸びるって傾向も残念ながら出てない。
ヒットチャートの上位に並んでる作品の大半は(ほぼ)同時レンタルだし。
最近ずば抜けて売れてる「涼宮ハルヒの憂鬱」に至っては中身も同じだし。
作品の人気がそのままストレートに売れ行きに繋がってると言うか。
レンタルは関係なく買う人は買うし買わない人は買わないって感じです。

つまり売れ行きなんか大して変わらんのだからレンタルを出せ!と。
「かしまし」の続きを見る日が来るかは何ともいえないけど(爆)。


てなわけでいつもの感想を。
しばらく書いてなかったけど、だいたい面白かった順に並んでます。


「あさっての方向。 1〜4話」
10月からTBS系(3局)で深夜に放送してる新番組。
BS-iでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
原作はスクエニ傍系(ブレイドMASAMUNE)のマンガで1巻だけ読んだことあります。
※セル・レンタルDVDのリリースは1/26から
小学6年生のからだ(少女)は社会人の尋と兄妹二人だけで暮らしていた。
からだは年齢のわりに小さかったが、中身は逆に少し大人びていた。
両親がいなくて自分たちだけで全てやらなければいけなかったから。
そして兄の尋に負担をかけて自由を奪っていると罪悪感を感じていた。
だから願い石に願ったのだ。早く大きくなって兄を自由にして欲しいと。
切実だけど他愛ない願い。叶って欲しいけど時間以外では解決しない願い。
そんな願いがもしも今すぐに叶ってしまったならどーなるだろう。

うん、いい!凄くいい!
なんて感想もどうかと思うけど率直な意見だよ。
ちなみに原作は知ってたから印象的な内容になるのは予想がついてた。
スタッフの顔ぶれである程度しっかりした映像になるのも予想できた。
つまり見る前から今期のトップクラスの作品になるのは十分に予想してた。
そしてまさに予想通りだったわけですが。
期待を裏切らない素晴らしい仕事をしてるスタッフに乾杯って感じです。
描かれてる空間がとっても心地よくて入ってみたいとすら思うよ。

原作を知ってたので二人の姿が変わるのは当然知ってました。
(細部はかなり忘れてたけど・汗)
知ってはいたけど実際に動くものとしてみるとインパクトが有るなと。
空間やキャラの動作がしっかり描かれててとっても実体感があるので、
現実の中のたった一つの「if」(もしかしたら)が際立ってくるのです。
そして「if」の状態で現実の物語が展開するのがとても印象的なのでした。
確かに突然姿が変わってしまうといろんな面で不都合が出てくるわけで。
元に戻るという保証がない以上、お金(生活費)の問題は特に切実だね。
二人一緒に変わって互いを補えたのが多少の救いとは言えるかも。

姿が変わっても顔の輪郭とかはそんなに変わらない。
だったら気づきそうなもんだと思うかもしれない。
でもそれが普通にありうる世界ではなく現実にはあり得ないことで。
現実にありえない可能性を人は容易には理解できないから。
目で見ても信じられないことは見てない人ならさらに理解できない。
言葉ではどれだけ説明されても恐らく納得することはないと思う。
からだだと理解したのが言葉ではなく味覚なのはよく考えられてるよ。
(一度帰ろうとして戻ってきたのもその前に食べた料理が理由だし)
より感覚的な部分で理解(納得)したってことだから。

この作品はからだと対になった椒子さんの二人か主人公です。
そのもう一方の主人公の椒子さんのこと。
最初に出てきたときは完全に終わった話のように匂わせてたのに、
話が進むにつれて全然そうでなかったことが明らかになってくる。
正確に言うと気持ちに整理をつけたと自分では思ってた。
でも実際はちゃんと終わってなく新たに始まってもない半端な状態で。
会うはずのない場所での再会に混乱してる。
この先いったいどーしたいのか自分でもわかってないと思う。

にしても、昔の話を見たらちょっと付きあってたレベルじゃないし。
あのまま結婚しても違和感がない勢いだったわけで。
それなのにいきなりあんな状況になるし。とても深く傷ついたと思う。
それでも何とか気持ちを整理して新たな生活を始めたら再会って……
見てて椒子さんがとってもかわいそうな気分になったよ。
尋の所業を考えたらからだに意地悪したのも許せる気がした。
姿が変わった後にはとても親切にしてたから十分に償ってるしね。

音楽のこと。
この作品は直接的な言葉ではなく仕草や行動で感情を表現するスタイルで。
音楽も表面的な喜怒哀楽を奏でるのではなく少し引いて空間に充ちている。
引いてても決して印象が薄いわけではなく、場の空気をしっかり主張してる。
光宗信吉さんの十八番の透明感と緊張感のあるピアノが画面を彩ってる。
とってもキレイでどこか物悲しい旋律の素晴らしい音楽です。
光宗信吉さんのファンでピアノ曲が大好き人間だから最高!の一言すね。
今すぐにもサントラが欲しいよ。


「xxxHOLiC 14〜18話」
放送はとっくに終わりましたが見るのはまだまだこれから(汗)。

てなわけで座敷童が再登場しました。
そしてやっぱりヒロインみたいな扱いだよ(笑)。
実はこの後にもっと重要な見せ場があるけどアニメではやらなそうだ。
24話が番外編で最終回の23話があの話で19話が雪合戦みたいだし。
蜘蛛と目のエピソードは長いから3話でやれるとは思えないし。
ても、その代わりに他のエピソード(18話)に出てきたりして。
次回予告によると19話にも出てくるようで。雨童女と一緒に。
その雨童女の出番も原作に比べてずっと増やしてある。
(原作では雨童女の出番は何度もない)
座敷童が出てくると雨童女も出てくること多いから。
いい友達って表現をちゃんと絵にしてあるのがいい感じ。

14話からエンディングが変わりました。BUCK-TICKに。
男性ボーカルなら甘ったるい声&メロよりこっちの方が好みっすね。
一時期ビジュアル系にどっぷりつかってたこともあったしな(爆)。
でも、アニメソングに今さらB-Tっていったい誰の意向なんだろう?
ついこの前の作品(トリニティ・ブラッド)でも使ってたけど。
マルとモロのライブ演奏をデフォルメした動きもそれっぽくてイイね!
(ライブアライブみたいな正確で精密な描画ではない)

恒例の原作との対比シンプル版。
以降の内容は比較の性格上多少ネタバレしてるのでご注意。
※原作にはエピソード番号・タイトルが存在しません

14話「フウイン」原作4巻のエピソード
原作には買い物の前にひまわりちゃんがチョコをくれるシーンが。
ちょーどバレンタインの時期のエピソードなので。
買い物のシーンは原作ではデパ地下ではなくスーパー(なので大幅に違う)。
コンタクトの後の料理は原作では鳥の鉄板焼きだし。
4人で行ったお店はひまわりちゃんがチョコを買った場所という設定も。

15話「カイホウ」14話の続き(原作も同じ)
四月一日が作ってるお菓子は原作だと和菓子です。
そしてひまわりちゃんへのホワイトデーのお返しという意味合いが。
ちなみにお菓子を作ってるシーンは原作にはありません。
そのシーンのセリフは少し後の別のシーンから移動したものですが。
最後の百目鬼のリクエストは栗とか讃岐うどんだったりします。
あと最後のシーンに侑子さんは出てきません。

16話「サイカイ」原作5巻のエピソード
原作はバレンタインのお返しなので油揚げ絡みの全てはアニメのみです。
(プレゼントの)買い物をするシーンも原作にはありません。
原作では四月一日が出かけてる間に侑子さんが何かをしてたりします。
このへんの思わせぶりでよくわからない内容はアニメでは全部カット。
座敷童にプレゼントを渡して鴉天狗が襲ってきた後は全部追加シーン。
原作だとハリセンを食らいそうになった瞬間に戻ってしまうので。
つまり雨童女が出てくるのも髪につけるのもアニメのみってことで。

17話「ジショウ」ノベル版が原案になってるらしい。
ほとんど動きがない部屋の中での話だったのはそのせいか!?

18話「ホオズキ」原作6巻のエピソード
宝物庫の掃除をしてるシーンでどっかで見た杖が出てきたりするけど
原作(のこの回)には出てきません。他の回にしっかりと出てきますが。
原作だとバレてもすぐに仔ギツネが助けに入るので追いかけ回されません。
なので座敷童や鴉天狗が出てくるシーンも当然ながらありません。
にしても百鬼夜行のシーンは(いろんな意味で)凄い絵になってるよ(笑)。


「Gift 〜eternal rainbow〜 1〜4話」
10月から一部の民放(8局)で深夜に放送してる新番組。
BS朝日とAT-Xでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は美少女恋愛AVG(18禁)でやったことはありません。
※セル・レンタルDVDのリリースは12/22から
海に面するこの楢崎町には不思議な現象が存在する。
それは空にかかった消えない虹とギフトと呼ばれる魔法のようなもの。
この街に生まれた人なら誰でも一生に一度だけギフトを贈ることができる。
ただし贈る者と贈られる者の気持ちが通じていないとギフトは暴走する。
素敵な魔法のようで、でも使い方を誤ると悪夢のような力のギフト。
そんな不思議が同居した楢崎町に住むこの物語の主人公の天海春彦。
毎朝のように彼を起こし朝食まで作ってるお隣さんで幼馴染の木之坂霧乃。
二人の関係はほぼ兄妹だったが、霧乃の胸のうちには別の感情があった。
そんなある日、離れて暮れしてた春彦の義妹の深峰莉子が帰ってきた。
表向きは莉子との再会を喜ぶ霧乃だが、心の中は穏やかではなかった
多くの男子に言い寄られる莉子の姿に春彦は自分の想いを隠せなかった。
そして莉子は約束を破ったからと、自分の想いを殺しつづける。
春彦と莉子と霧乃。3人の絡み合ったの想いの行方はどこへ。

どー見てもD.C.です本当にありが(以下略)
とか言いたくなる作品なんですが(笑)。
空にかかる消えない虹とか。ギフトという不思議な力とか。
1話の霧乃が起こしにきたシーンが既視感満点だったりとか。
海に行ったときの水着披露のシーンはわざとやってるのか?とか。
血の繋がらない妹と隣に住む幼馴染との三角関係とか。
そのうちの片方が帰ってきたことで物語が動き始めるとか。
春彦の悪友の真紀のキャラがまんま杉並だとか。
D.C.だと思って見てると呆気にとられるほどあちこち似てるよ。
音楽が七瀬光さんで(当たり前だけど)曲の傾向まで似てるし。
サブタイトルの入れ方がさりげないところもそっくりだ。
そもそも春彦の声が朝倉兄と同じなのは狙ってやってるとしか。

それ以外にも冒頭の回想シーンとか、他のヒロインキャラとか、
どっかの美少女アニメで見たような設定がてんこもりで……
エロゲーのパターンを組み合わせて自動生成したのか?と言いたくなる。
てな感じのお約束てんこもり、既視感バリバリの美少女モノで、
作品数インフレなこのご時世には珍しく正攻法な作り方の作品です。

最初のうちはオイオイまたこの手のキャラ?とか思いつつ見てました。
でも見続けてたら意外とキャラがしっかり描けてて面白かった。
特に三角関係が見えたあたりからわりと生々しい描写が増えたし。
華やかな美少女アニメ的シーンと生々しい描写が上手く両立してるし。
表情のつけ方も抜群に上手いって程ではないけど結構しっかりしてるし。
物語の構図が見えてくる最初の4話分はメインの3人の関係を描いて
サブヒロインは賑やかしに徹してお当番回をやらないのも好感触すね。
(やらないのかと思ったけど5話がサブヒロインのお当番回っぽい)

ストーリーは予想外に面白かったけど見た目にはちょっと難が……
みょーなクセが有るキャラデザインに関しては好みの問題として、
デザインの関係か絵が荒れてるのがとっても目立つのでした。
2話からロングのキャラ絵が時々ずいぶんテキトーになるし。
3話に至ってはわりと大き目のキャラ絵がカット毎に別人になるし(爆)。
(「明け瑠璃」よりは全然マシだけど)
エンディングも1話は未完成品っぽいし。制作体制にちょっと問題あり!?
せっかく話が面白いんだから見た目はDVDでちゃんと修正しろよと。


「ギャラクシーエンジェる〜ん 1〜4話」
10月からテレビ東京系他(7局)で日曜日の深夜に放送してる新番組。
AT-Xでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
※セル・レンタルDVDのリリースは1/26から

お馴染みギャラクシーエンジェルの新シリーズです。
新シリーズってことで新キャラが登場……どころか主要キャラ全交代
キャラが今までのムーンエンジェル隊からルーンエンジェル隊に。
ムーンエンジェル隊は別に存在するらしいけど今後登場するかは不明。
ちなみに主人公のアプリコット(リコ)はミルフィーユの妹らしい。
作中で「お姉ちゃ〜ん!」と何度か叫んでたのはそーいうことか。

主要キャラが全交代したからかは知らないけどスタッフも全交代。
制作会社も変わって路線も変更……かと思ったけど実際は見ての通りで。
いきなり冒頭からKEEP OUTテープだし。相変わらずのネタアニメだった。
でもいちおー紋章機で戦闘するシーンがあったりと仕事もしてるようで(笑)。
制作会社がサテライトなので無駄にCGに気合が入ってるし。変形するし(爆)。
アクションシーンも無駄に動きまくってるよ。だけどやっぱりネタアニメ。
なにしろ1万隻の艦船を要する宇宙海賊の親玉は巨大なぬいぐるみ風だし。
ただネタアニメとしての方向性は前作とはずいぶん変化したようです。
前作までが芸が細かいギャグだとすると今作は勢いで突っ走るギャグ。
印象を一言で表現するなら「デタラメだなぁもう」って感じ。

ネタといえばキャラ設定も一部みょーにネタっぽい。
ナノナノは口調も含めてネネコ(ゆめりあ)だし。
1話のゲストキャラのガレットなんかマジカノに出てた通販のあの人だし。
いきなり通販風の喋りを始めてオイオイ!とツッコミそうになったよ。
自分の作品のパロもやるのかよ!って意味をこめて。
今作の監督はマジカノと同じ人だから(音楽も同じ人)。
ちなみにマジカノと比較すると暴走っぷりはマジカノ以上すね。
でもキャラの濃さでは(某オカマを除いて)マジカノに負けてる。
エンジェル隊の面々よりも1話限りのゲストのほうが濃かったりするし。
暴走っぷりのわりに面白さが突き抜けてないのはそこらへんが理由かも。


「金色のコルダ 〜primo passo〜 1〜5話」
10月からテレビ東京系(6局)で日曜日の深夜に放送してる新番組。
AT-Xでも11月からやるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は女性向け恋愛・育成(?)SLGゲームでやったことありません。
直接のベースはマンガ版でそちらは1巻だけ読んだことあります。
※セル・レンタルDVDのリリースは1/24から
ある出来事から音楽の楽しさを伝えるために設立された星奏学園。
それは昔の話。今は音楽科と普通科の併設された歴史あるただの学校。
しかしその伝統は人知れず、というか人に見えないけど伝わっていた。
この学園にいる音楽の妖精リリは自分が見える生徒を待ちわびていた。
そしてついに見える生徒が現れた。普通科に通う日野香穂子だった。
彼女はリリを見たことで楽器の経験もないのにコンクールに出ることに。
音楽科の生え抜きばかりのメンバーに普通科のド素人が混じるなんて、
と最初は固辞していたけど、リリの熱意(嘘泣き)にうたれ参加を決める。
リリの反則気味の手助けを借りながらコンクールの練習する香穂子。
果たして香穂子はコンクールで音楽の楽しさを伝えられるだろうか?
そして他の参加者とのバイオリンロマンスは訪れるのか!?

ど素人がいきなりバイオリンで演奏って凄い設定だなと。
叩けば音が出て楽譜どおりに叩けばメロディにはなるピアノと違って、
音を出すのから大変だしメロ以前に音程をとるのも大変だろうに。
(ピアノだって簡単に上手く弾けるようになるわけじゃないけど)
それを頭で音楽をイメージすると指が勝手に動いて演奏できる
魔法のバイオリンとかいうステキ設定で覆してしまってる……
そんなの有ってたまるかゴルァ!オレにも一つよこせ!(笑)

この作品はいわゆる乙女ゲーで美少女モノの男女逆バージョンです。
そして相手役になる男キャラはコンクールの参加者たちっすね。
愛想が超絶に悪い月森(蓮)を筆頭にいかにもな絡みかたをしてるし。
愛想が悪くて印象最悪で、でも知ってみたら実は……な展開はお約束だし。
クラリネットの1年生の人はさすがに相手役ではないでしょうが(笑)。

参加者ではない土浦(梁太郎)がみょーに存在感があって謎だったけど、
実はピアノが凄く上手いという隠し属性(爆)を持っていたのでした。
なのに音楽科ではなく普通科で、表立って弾かない訳があるようで。
この話を聞いたときに香穂子の伴奏はきっと彼がやるんだろうなと。
今後、月森と土浦の二人で火花がバチバチ散る展開が期待できそうです。
最初から気さくで親切な火原(和樹)はイイヒト止まりな感じかも(笑)。

てっきり土浦が伴奏だと思ったので伴奏を希望する人の出現には驚いたよ。
でもこーゆータイミングで出てくる人は必ず裏があるんだよなと……
練習はちゃんとやってたから人畜無害な端役だったのかと思い始めたら、
本番ではやっぱりやらかしてくれました。期待を裏切らない人だよ(笑)。
そして伴奏なしで一人で舞台に立った香穂子を助けるために土浦が登場。
あまりにカッコ良すぎなんで惚れてしまいそうです(爆)。
お約束をやるなら劇的にかつ絶妙なタイミングで、って感じすね。

そんな感じで光栄の前2作よりはずっと面白いと思った。
絵やレイアウトが安定してるし、脚本もしっかりしてるし。
この手のキャラバランス(男女比)が偏ってる作品は構成が難しいのに
キャラの重みつけを工夫して違和感を感じないようにしてあるし。
題材が音楽(クラシック)なのも前2作より興味が持てるポイントかも。
今のところ耳にしたことがある超有名曲ばかりで親しみが持てるし。
OP主題歌も綺麗なメロと声でステキだし(EDの方はあいかわらずだけど)。

お約束ど真ん中な作品だし、最初はこんなもん?と思ったけど、
見続けたら意外とこれいいかも!と思えてくる作品だったよ。


「RED GARDEN 1〜5話」
10月からテレビ朝日他(2局)で火曜日の深夜に放送してる新番組。
AT-Xでも11月からやるので地上波で見れない人はそちらで。
※セルDVDのリリースは1/24から(レンタルは2/28から)
ニューヨーク(らしい)の伝統のある学校に通うタイプの違う4人の少女。
同じ学校だけど交流はないケイト、レイチェル、ローズ、クレアの4人は、
クラスメイトのリーズが死んだ日に見えない蝶に導かれて集った。
4人は互いをよく知らないのに昨夜の記憶がないという共通点を持っていた。
そしてそれは彼女たちの平穏な日常が終わったコトを意味していた。
理由も知らされず人のカタチをした化け物と戦うことを義務づけられ。
そもそも自分たちはすでに死んでいると告げられて。
戦わないで逃げれば命が終わり。そして、化け物に負けても死ぬ。
なぜ戦わねばならないのか?いったい何と戦ってるのか?
なぜこんなことになってしまったのか?まだ何もわからない。

これはまたえらく見る人を選びそうな作品というのが第一印象。
オープニング映像がまるでアニメ作品っぽくないとは思ってたし。
本編の絵柄もバタくさいというか欧米の漫画のような濃いタッチだし。
絵柄だけではなくストーリーも分かりにくくて取っ付きにくい内容だし。
かなり許容度の高い人じゃないと見続けてくれないんじゃないかと。
そもそもこの手の作品を好む層はあまり深夜アニメを見てないだろう。
ワタクシ的にはこんな感じに毛色の違う作品は大歓迎なんだけど、、
ここまで気合の入った映像を作って元が取れるのかと心配になるよ。

作品の内容について。
この作品は設定の大部分が視聴者から隠された状態で始まります。
土台となる作品の舞台や主要なキャラの設定はきちんと描かれるけど、
メインの4人が置かれてる状況がさっぱりわからないという状態です。
もちろん回が進む毎にピースをはめるように少しずつ見えては来るけど。
それでもやるべきことだけ理解して何故やるべきかわからない状況で。
その理不尽さは視聴者だけではなく画面の中のキャラにとっても同様で。
結果やり場のない感情が爆発して、こちらはそれまで見るハメに陥る。
楽しく見るとか癒されるとか、そんな感じとは全く対極にある作品です。
キャラに感情移入して見てると、理不尽さともどかしさでイライラするし、
繰り返される恐怖にドキドキハラハラするし、行為の理由を知りたくなる。
そんな感じで良くも悪くも刺激的な作品すね。

そーいえば叫んだり怒鳴ったりする作品ってあまり好きじゃないのに、
叫んだり怒鳴ったりしまくるこの作品はあまり嫌悪感を覚えなかったり。
大半の作品は未熟さゆえに感情をコントロールできなくて叫んでるけど、
この作品の場合は頭では理解してても感情がコントロールできない感じだし。
叫ぶプロセスは同じでも頭で理解してるかどうかは大きい違いなわけで。
よーするにキャラの未熟さが鼻につくと嫌悪感を覚えるようだ。


「銀色のオリンシス 1〜4話」
10月から一部の民放(6局)で深夜に放送してる新番組。
AT-Xでも12月からやるので地上波で見れない人はそちらで。
※セル・レンタルDVDのリリースは1/26から
36世紀の地球。人々の繁栄は遠い過去となり文明も技術も大きく後退していた。
地上には人を滅ぼそうするガーデナーと呼ばれる機械型のモンスターが跋扈し。
人はガーデナーの襲来に怯えながらも身を寄せ街を作り細々と生きていた。
そんな中で積極的にガーデナーに対抗するハンターという職業が生まれる。
壊れたガーデナーの部品を寄せ集め作ったクローラーという機動兵器を駆る
ハンターたちは、ガーデナーを狩ったり街を守ったりして生計を立てていた。
ある日のことハンターを生業とするトキトたちは破壊したガーデナー携え
賞金の受け取りと食料などの補給のためにタウンへと入った。
そこでトキトはテアと呼ばれる謎の少女に出会う
彼女はトキトをコウイチと呼び会いたかったと再会を喜ぶのだった。

最初はあまりにヘボいんでどーしようかと……
かなり予算をケチった感が画面から滲み出てるし。
特にアクションシーンの動きのへっぽこさが目に染みる。
てゆーか低予算でロボットが出てくるアニメは無謀すぎだろう。
ガーデナーのメカのような材質なのに有機的な形状ってのも、
へっぽこライトファンタジーっぽい印象を感じさせてマイナスだし。
テアのキャラもミステリアス感を前面に出しすぎで実体感に欠けるし。
まぁ、テアは人間じゃないみたいだし実体感に欠けるのは必然かもだけど。
時々ガーデナーが来襲してくる以外は緊張感や方向性に欠ける内容だし。
4話まで見続けたら多少は興味深い設定が見えて来たから良かったものの、
第一印象のままだったらクソったれ!で終わっていたことでしょう。
(4話はメカが全く活躍しないので多少マシに見えるのかも)

キャラ描写で特に気になったとこがひとつ。
ズィルバーが攻撃されるとテアに痛みがフィードバックされる仕組みで。
(どっかで見たなこれとそっくりの設定)
それを知ったトキトがテアを傷つけられないと動作を止めてしまって、
ガーデナーの攻撃をひたすら受け続けるという間抜けた展開があるのです。
でもテアを傷つけたくないならさっさと逃げるか攻撃して撃退すべきで、
敵の前で動作を止めたらむしろひどい状況に陥るだけではないのかと。
トキトはそんなことも考えられないドアホだと表現したいのか?
でも誰もそのことを指摘しないってことは作ってる側も気づいてない?
こーゆー部分をちゃんと描くかどうかで説得力が全然違ってくるのだが。

(4話まで見ると)先が気になる内容なので、世界設定やデザインワークや
キャラ描写や作画(ってほとんど全部かよ)をもっときっちりとやってれば!
ともったいない気分になりました。


「らぶドル Lovely Idol 1〜5話」
10月から一部の民放(5局)で深夜に放送してる新番組。
AT-Xでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
原作はマジキューの読者参加企画(らしい)でよく知りません。
※セル・レンタルDVDのリリースは12/27から
その日「らぶドル」1期生と2期生の合同ライブが行われていた。
ライブはクライマックスになり観客の興奮も最高潮に達していた。
それを4人の少女とそのマネージャーの藤沢智弘は楽屋で見ていた。
彼女たちはらぶドルの3期生として今日デビューする。その予定だった。
しかし社長の判断でこの場でのデビューは突然中止になってしまう
彼女たちには足りないものがあるからと言うのがその理由だった。
才能は先輩に引けを取らない彼女たちにいったい何が欠けているのか。
分からなかったけど、分からないなりに何とかしようと智弘は奔走する。
新しい仲間を加えた6人の3期生(候補)も智弘に応えようと頑張った。
果たして6人は正式に3期生としてデビューできるのか?みたいな。

またアイドルのアニメですか、とか思いつつ見始めたら
いきなりコンサートステージをまる2曲分も見るハメに……
趣味じゃない音楽のライブを見せられるのはある意味拷問かも(爆)
アイドルだからとはいえ楽曲がイマイチなのがちょっと困りものです。
オープニング曲もエンディング曲もみょーに印象が薄いし。
(改めて見たけどやっぱりOP/EDの映像の作りが逆だね)
登場する声優が歌うのでも、もっとインパクトの強い曲は可能なはず。
よーするに「ぱにぽにだっしゅ!」の爪のあかを煎じて飲めってことで。
芸能界を描くのならもっと音楽を重視してください。

内容について。
最初はキャラが見分けられなかった(爆)。
この手の作品はもう少し極端なキャラつけをするの多いけど、
キャラデザインもキャラメイクもわりと特徴が抑え目で、
(3期生の)最初の4人に至ってはしばらく誰が誰やら……
メインの6人とも聞き覚えのある声なので声だけで判別してたよ。
でも最初のうちは声と姿すら一致してなかったり(汗)。
キャラデザインの幅が狭いので外見だけだとキャラを見失うのだよ。
さっき喋ってたのって誰だっけ?って感じで。決して誇張ではなく。
回が進んでそれぞれのキャラがクローズアップされるようになって
やっと辛うじて見分けられるようになったけど。

声優について。
最近のマニア向けアニメは声優を前面に出したプロモーションが多くて、
この作品もアイドルモノなのでキャラソングを含めた展開をやってます。
それどころか実際に作品を見るとメインは声優のような気すらする。
よーするにメインキャラの声優のプロモーションアニメのような感じ。
メインの6人がここ最近目立ってる人ばかりなので余計にそう思ってしまう。
それにこの作品ってキャラ絵や作品のテイストがギャルゲーっぽいんだよ。
アイドルの成長ストーリーじゃなくアイドル育成ゲームみたいってこと。
ギャルゲー風でキャラの実体感に欠けるので余計に声優の印象が強かったり。

作品自体はそれなりに見れるけど、アイドルモノとして評価するなら
この前やってたLEMON ANGEL PROJECTより落ちるかなと(絵は別として)。
ストーリーがミラクル(爆)な「ラブゲッCHU」よりはマシだけど。


「史上最強の弟子ケンイチ 1〜4話」
10月からテレビ東京系(6局)で土曜日の深夜に放送してる新番組。
BSジャパンでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は少年誌(サンデー)のマンガで前身の月刊版を1巻だけ読みました。
※セル・レンタルDVDのリリースは3/23から
いじめられっ子のケンイチはそれを変えるべく高校入学を機に空手部に入った。
しかしそこでも理不尽な扱いを受けちっとも練習をさせてもらえなかった。
それどころか同じ1年だけど有望だと特別扱いをされる(バカな)大門寺に
難癖をつけられ勝負をして負けたほうが退部することになってしまった。
(こんなクソみたいな部活なんか固執ぜずさっさとやめるべきだが)
勝ち目がないどころか命の危険すら感じてお先真っ暗なケンイチに
転校初日に偶然縁があって友達になった風林寺美羽が助け船を出した。
ある場所に行って修行すれば必ず強くなれると。ただし生きていれば
どーせ今のままでも死ぬかもしれない、とケンイチは梁山泊の扉を叩いた。

力も技もない主人公が何か理由があって強くなろうとする。
そして一つ一つ技術を積み重ねて強くなっていくハウツーっぽい展開。
(ここで描かれてる内容が実際に通用するかは別として)
この手のアプローチは少年マンガでは腐るほどある超定番スタイル。
ありがちで新鮮味はないけど教科書通りで安心して見れるとも言える。
梁山泊の師匠たちのキャラがみょーに濃いのでそこそこ楽しめるし。
格闘マンガが好きな人ならまぁ面白いのでは?

ただ、ケンイチと戦う相手方のキャラ(性格)がちょっと……
頭蓋骨の中に筋肉がつまってるのかと言いたくなるほどバカだし。
それも見てて笑えるおバカさんではなく、嫌悪感を感じるバカだし。
ケンイチも洞察力とか精神力とか人並みにすら達してないし。
「あんなに頑張って鍛えたのに簡単に負けた」って悔しがるけど、
あんたは悔しがるほどのことをまだやってないっつーの。
いくら成長する物語でもスタート地点が低すぎではないのかと。
同じ題材で描くにしたっても少しキャラを魅力的に描けるはずだよ。
見た目はともかく(同じ枠の)前の作品のほうがずっとマシだったね。
※この作品だって見た目はお世辞にも良くない

あ、作品の面白さとはあまり関係がないけど
この作品の主要キャストはそうそうたる顔ぶれです。


「夜明け前より瑠璃色な 1〜4話」
10月から一部の民放(7局)で深夜に放送してる新番組。
BS-iでもでもやってるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は美少女恋愛AVG?(18禁)でやったことはありません。
※セル・レンタルDVDのリリースは12/22から
人が月に移住するようになってからしばらく時を重ねた未来。
月に設立した国家と地球との長い戦争が終わった後の緊張状態にある時代。
地球で月との交流の窓口である満弦ヶ崎中央連絡港市に住む朝霧家に、
月のスフィア王国の王女フィーナがホームスティにやってきた。
彼女の目的は地球の文化を知り互いの未来の関係をよりよくするため。
そしてもうひとつ胸に秘めた目的があった(と思われる表現がある)。
朝霧達哉はいきなり我が家にやってきたフィーナとミアに驚くが、
挨拶をするフィーナを前にどこか懐かしい気分も覚えるのだった。

キャベツってそーいう意味か。
つーかキャベツの問題じゃないだろ3話は。
絵が荒れてるとか言うレベルではなくまさに「作画崩壊」って感じだし。
崩してるカットはまだマシで、崩してないカットの歪みっぷりが凄いよ。
こんな凄いのテレビアニメではMUSASHI以外に見たことがないんだけど。
(OVAだとヴァラノワールという超絶凄いのがあるけど)
見た目が重要なエロゲー原作アニメでこれは致命傷なのでは?

その致命的なキャラ絵に関してはとりあえず置いといて……
作品の内容についての印象を一言でいうならビミョー(爆)。
遊びを絡めつつシリアスな主題を描いてるごくオーソドックスな手法で。
キャラを崩したりリアクションが過剰だったりとギャグ色がかなり強め。
そして毎回どっかで見たような内容の露骨なパロディをやってたりして。
そのアプローチ自体は有りだと思います。過去にもそーいうの有ったし。
しかし見せ方がイマイチなのかノリがイマイチなのか、あまり面白くない。
これを見てると「φなる」やマジカノはいいデキだったのだと実感するよ。
シリアス路線はキャラ描写をしっかりしないとダメダメになるけど、
安易にギャク・コメディ路線に逃げてもセンスがなきゃダメなんだなと。
ハッキリ言って、これキャラ絵を直したぐらいじゃ面白くならないよ。

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