耽美にしてシュール (00/1/31) 次へ 前へ
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2000年も1月が終わろうとしている今日このごろ、
結局2000年問題はたいして障害にならなかったすね。
うちのパソコンもほとんど変な症状は出てないし。
焦ってソフトをバージョンアップしなくて良かった良かった。
……いや、よーするに金が無かっただけなんだけど(汗)。

ところで、数日前に発売になった「日経netn@vi」でここが紹介されてます。
ネット雑誌大手のあのnetn@viすよ。いやー、出世したもんだ(笑)
雑誌とかに載ってもあんまり宣伝効果が無いと言われてるけど、
さすがにここは別格だけあって、ちゃんと効果があるよーです。

そこでは「新刊情報」ってタイトルで紹介をされてたりして。
でも純粋なコミックス新刊情報としてはちょっと使えんと思われます(笑)。
1ヶ月遅いわけだし。全部読んでから載せてるから当然ではあるけど。
ま、純粋な新刊情報は太洋社とかへ行って勝手に見てってカンジやね。

いや、そーいう話じゃなくて。
考えてみたら、お薦めマンガや評論のサイトは他にも山ほど有るし、
新刊を中心とした読書感想サイトも山ほど有るけど、新刊に限定した
お薦めマンガをセレクトしてコメントつけて紹介するサイトって
もしかして他に無いかもしれない。少なくともある程度以上の規模のは。
そっか、けっこー凄いことやってたのだな(笑)。<自分で言うな


てなわけで、さっさとビデオ見まくり大作戦!まだまだ進行中へ。

今週の映画は「シンドラーのリスト」
一言で言うなら、スピルバーグってホント映画が好きなんだな、ってカンジ。
やろうと思えばいくらでも万人向けの映画を作れるヒットメーカーなのに、
あえてこんな重くて痛いモノを作ってしまうのだから。

全編のほとんどがモノクロなのは、昔の映画に似せた雰囲気にしたかったのも
有るだろうけど、カラーだととても正視に堪えない内容だからかもしれない。
最近の映画なら、当たり前のように使われるスローモーションもリプレイも
全く使われてなくて、どんな残酷なシーンもひたすら粛々と流れ続ける。
ドラマ仕立てにはなってるけど、質的にはドキュメンタリーみたいなものかも。
そこにはリアルという名の重さと戦争という名の狂気が大量に詰まってる。

これを見るまでシンドラーという人はもっと高潔なイメージがあった。
でもこの作品では、どこにでもいる野心のあるふつーの人として描いてる。
もともとは自分の利益になるからユダヤ人と組んでただけだし、
助けようという気は無かった。それが最後には利益を全て投げ出してしまう。
そこにはどんな心の変化があったのか。その過程が描かれてるのです。
それはあまりに凄惨で、そしてほとんどが実際にあったコトなんだけど。
だからラストの方はとても涙なしでは見れないよ。

実はスピルバーグ作品って、どれもそれなりに面白いとは思うんだけど
好きって思えるのはフックぐらいしかなかったんだよ。
でも、これは今まで見た中で一番好きかもしれん。
スピルバーグなんて、と思ってる人にこそ見て欲しい作品すね。
ビジネスとしてやることはちゃんとやってから、やりたいこともやる。
なんともクリエーターの鏡だよ。


続いてアニメ編。
「少女革命ウテナ」はついに3クール目に突入しました。
今にして思うと最初の方はカワイイ内容だったよな(笑)。
ここまで来て、この作品は大変な問題作だと認識したです。
比較してもエヴァやlainとかと十分に匹敵する作品だと思うよ。
最初から手札を全部明かさずに、少しずつ深みに潜ってくって手法は
とっても正攻法ではあるけど、ここまでディープな内容とはね。
エヴァのテーマがパーソナル(自我)ならこれはジェンダー(性)か?

そーそー、ウテナってどこか舞台のような表現が多いけど、
検索してたら寺山修司とか出てきてビックリした。
何でも決闘の時の唄って全て「万有引力」って劇団の曲で
J・A・シーザーってその劇団の主宰の人らしい。もしや日本人?(笑)
で「万有引力」と言うのは、寺山修司さんの主催してた「天井桟敷」の
流れをくむとかなんかそんなコトが書いてあったです。
そしてウテナ本編でも「天井桟敷」の舞台を彷彿とするシュールな演出を
やっているそーな。確かにシュールが炸裂してるっすね。いやホント。
ちなみにNAVIは寺山修司さんは凄いらしい、ぐらいしか知らんが(汗)。
詳しくは「万有引力初心者のための用語辞典」へ。無断リンク(爆)

ところでシュールな演出と言うと「うる星やつら」を思い出すですよ。
アニメでしかできない映像というのを模索して「演出」と言うものを
見る人にはじめて意識させたといっても過言ではない作品。
押井さんの名前を世の中に轟かせたビューティフルドリーマーなんか特に。
原作者の高橋留美子さんをして「これは私の作品じゃない」と言わしめた。
そーいう意味では攻殻機動隊のアニメも押井さんの作品だけど(笑)。

で、ウテナも「うる星やつら」の影響を受けてるのかなとか思ってたです。
いや受けてます間違いなく。「暴れ馬が出た〜」の回なんてまんまだし(笑)。
そーじゃなくてシュールな演出が「うる星やつら」を彷彿とするんだよ。
でも「うる星やつら」の方が寺山修司さんの舞台を引用したのかも。
そもそも「うる星やつら」は膨大な引用の固まりだったんだよな。

エヴァの引用がよく語られるけど、そもそも庵野さんの手法自体が
押井さんそっくりと言うか、怒涛のように影響を受けてるように見える。
それにエヴァって「うる星やつら」の画面をあちこちそのまま引用してる。
別にそんなのは知らなくても楽しめる。ってゆーか楽しめなきゃイカンけど。
まーそんなワケだ。<何が?


続いて「ダロス」OVAの初期の作品すね。
当時は30分×4部構成だったのが1本にまとまってる。
まず最初の1部を見て、あまりにヒドイんで「やっちまったか」とか思った。
2部以降はまるで別の作品かのようにマシになって一安心だったけど。
スタッフはほぼ同じなのに、なぜこんなに品質に差があるのだろう??
ストーリーは地味です(爆)。ちょっと一昔前のSFもの、ソノラマあたりの(笑)。
なんとゆーかダグラムの一部を切り取ったカンジかも。
作品としては完結してるけど中途半端なカンジは拭えないかな。
ま、それなりに見れるけど、それなり。あと最初の30分はガマンじゃよ(汗)。

「魔法使いTai!」最近テレビでもやってるらしい?けど、これはOVA版。
いきなりSFチックなメカアクションに、えっ?とか思った(笑)。
内容は映像も細かいシチュエーションもけっこーちゃんと作って有る。
ただ、内容はナイっす(笑)。そーいうのを期待する人は見ないか(爆)。
にしても、わざとだろうけど露骨に宮崎アニメのパロディをやってる。
まーええけど。この作品そのものがお遊びなんだし。
しかし!!たったの30分じゃモノ足りんですよ!社長!
これで数千円なんだから、買ってる人は凄いと思ったね。マジで。

「ブラックジャック」OVAもあるけど、最初の映画版のやつ。
これ映画館で予告編を見たことが有ったんだよ。ずっと気になってた。
しかも監督が出崎統さんですよ!知る人ぞ知るアニメ界の重鎮(?)。
それはもーアニメの黒澤明か市川崑かってなカンジで。<大袈裟すぎ
この名前を見てすぐ分かる人はけっこーいい歳かもしれないね(笑)。
あの「あしたのジョー」や「エースをねらえ」や「ガンバの冒険」の
監督をした人だし。今でもまだ覚えてるよこのへんの作品は。

ストーリーは完全オリジナルみたいです。マンガで読んだ覚えないし。
20世紀の終わりに人間の能力を遥かに引き出せる画期的な新薬が生まれた。
でもそれには致命的な副作用があり、そしてさらに他人に伝染すらする。
そんなカンジのバイオハザード物です。イメージ的にYASHAに近いかな。
映像的にもストーリー的にも十分ハイレベルで満足できる内容で。
少なくともブラックジャックという世紀の名作に相応しいデキ。
見て損はしないと思います。よかったらどーぞ。

「AIka」なんてゆーか18禁じゃない美少女エロアニメ?(笑)
ひたすらパンチラが多くって、数えようかと思ったぐらいだし(爆)。
出てくるキャラも女ばっかです。それはもー不自然なほどに。
ちなみに内容は女の子とメカアクションとパンチラだけです。<おいおい
や、だってホントにそれしか内容がナイんでスよ(汗)。30分だし。
パンチラが三度の飯より好きな人に(笑)。


行動プロファイリングと人気 (00/1/24) 次へ 前へ
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今週は一気に冷え込みましたな。
場所によってはまるで吹雪のよーな状態で。
テレビを見ながら、あんな状態でも仕事は滞りなく進行するのか?
進行しなきゃしけないのか?とか、考えてしまったり。
と言うわけで、NAVIはいろいろ滞りまくっております(汗)。


ところで、レンタルビデオ屋に行くとよく考えるのが、
「どれから手をつければいいじゃよ!誰か教えて!」ってコト。
いや、ホント。
あまりに知らない作品が多すぎて、何から見たらいいのか途方にくれる。
1週間に1本づつ映画を見たとしても、1年でたったの50本しか見れないし。
たいして品揃えがよくないレンタルビデオ屋だって、その十倍以上は
余裕で置いてあるから。棚を眺めながら、ちょっと目が泳いでたり(笑)。
そーすると、とりあえず話題作とかヒット作とか聞き覚えが有るやつを
必然的にチョイスすることになるのだった。みんなもやるでしょ?
ある程度ヒットすると、そこからは連鎖的に売れるのはこんな理由かも。

マンガなんかもやっぱそーいう状況があるんだろーね。
だいたいコミックスの新刊だけで毎月500冊って尋常じゃないよ。
ってゆーか500冊も新刊が出てること自体ほとんどの人は知らないか(爆)。
そこそこの広さの本屋さんでは、まず500冊の半分も置けないだろうし。
500冊をほぼ全部が入荷する本屋なんか、東京でも10店舗ないかもね。
置いてもらえないと売れるわけがないから、なかなかシビアな現実が。

ちょっと話はずれるけど。
今どんな作品が売れてるかって、みんな知ってますか?
マンガに関しては意外にみんな知らないんだよ。
メジャーとかマイナーという以前に、どれが売れてるかを知らないから。

オリコンのランキングとかあるけど、これって週間ランキングだし。
マンガって多品種小量生産の最たるもので、幅広く売れるものだから、
毎週毎週ランクインするタイトルが入れ替わっちゃうのだった。
つまり、だいたい発売週かその次の週にしかランクインしないんだよ。
で、少年週刊誌で年6冊、少女誌だと年3、4冊しか出ないから。
ずっと継続的に見ていて、しかもしっかり集計でもしない限り、
何が売れてるかなんて、ちゃんと分かりはしないのです。

例えば「花より男子」(はなよりだんご、と読む)なんかネットでは
あんまり話題に出てこないけど、少女マンガで一番売れてる作品だし。
平野耕太さんの「HELLSING」はマイナーだけど素晴らしい……って
書いてあったりするけど、オリコンチャートのベスト10に入ってたり。
ちなみにベスト10でだいたい1冊20万部以上(推定)です。
これでマイナーなんて言ったら、石が飛んでくると思う(笑)。


さてさて、すっかり恒例のビデオ見まくり作戦。

今週の映画は「メン・イン・ブラック」でした。
ま、よくあるハリウッド映画っすね。
金は掛かってるけどストーリーはチープな映画です。
それなりに楽しめると言えば、言えないこともないか(爆)。
あと黒メガネはマトリックスの方がずっとカッコイイやね。
てなわけで、そんなカンジ。わざわざ語りたいことナシ。

続いてアニメ編。
「少女革命ウテナ」は2クールめに突入してちょっと変わった。
最初から意図的な仕掛け映像が目立つとは思ってたけど、
2クールめに入ってさらに目立つようになったカンジ。
にしてもドロドログログロの人間模様がステキです(爆死)。
絵(外面)が美しくて、人間(内面)がえげつないって実に少女マンガやね(笑)。

ふと思い出したことがあった。
少年マンガのバトルって基本的に相手がどんどん強くなっていって、
「強さのインフレ状態」になるって言ってた人がいたけど、
少女マンガの場合は相手が強くなることってあんましナイっすね。
何かの目的のために戦うのであって、戦い自体は目的じゃないから。
結局は自分自身の問題で、相手の強さにあまり意味が無いってコトか。

表面的に見れば、あまりたいしたことはやってないのかもしれない。
ってゆーか、そもそも設定にはまるで現実味はないのじゃよ(笑)。
でも、イチイチ意味深なシチュエーションとかセリフが多いし。
極限まで記号化した人間描写はあまりにも説得力が有りまくりです。
これってどのへんがターゲットなのかはよく知らないんだけど、
あんまり小さい子に見せても意味はワカラナイのと違うか?

ところで、2クールめに入って思ったこと。
「クレセントノイズ」ってウテナにとっても似てる
最初は「X」に似てると思ってたんだけどウテナの方がずっと似てる。
人の行き場のない「マイナスの想い」を利用してしまうとこが特に。
意図的な仕掛け映像を多用するところも似てるし。
時期的に言って影響を受けたかは、なんとも微妙だけどね。


続いて「スプリガン」うーーんなんてゆーか……
実に大友系の作品に仕上がってるカンジです。
映像的にはレベル高いっすね。しかしまたしてもストーリーが。
やたらとアクションシーンが多くって、中身が無いって言うか。
ずいぶん大それた設定のわりに、超能力に根性で対抗したりして(笑)。
ま、よくあるハリウッドのアクション映画みたいなもんかも。
これに比べれば「AKIRA」の方が面白いっす。低次元の争い(爆)。

「ガンダムW」1週間経たずに正式名称忘れました(汗)。
すでにガンダムの全容はさっぱりわからん今日このごろ(笑)。
やけに話題になってたこれを見てみました。
正直言って、なんだかなー、ってカンジ。サンライズらしからぬデキ。
映像的にはふつーです。でも、このシナリオには難ありってゆーか。
リアルっぽい設定のわりに、まるで説得力のないストーリーだし。
キャラがわざとらしいのはまだ良いとしても、全体のコーディネートが
バラバラだよ。アニメだと思って見る人をナメてないか?

「海がきこえる」ジブリのでこれだけ見たこと無かった。
さすがに丁寧な作りでクオリティは全般に高いっす。
一人の少年と少女の恋人未満の物語ってカンジで実に青春だねぇ(笑)。
ネタ的にはかなり地味めなんだけど、アニメならではの鮮やかな画面と
爽やかな雰囲気で、それなりの作品に見えちゃうのが不思議だよ。
こーいうのはテレビドラマや洋画じゃなくて、いわゆる邦画すね。
ま、アニメも邦画と言えば邦画なんだけどさ(笑)。

にしても、この主人公(少年)は相手(少女)にさんざん振り回されてる。
ちょっと可哀相ではあるけど、現実もかなりそんなもんだ(笑)。

「ガサラキ」日曜日の朝にやってました。
本放送の時に1度だけ珍しく朝起きて見たことがあったすね。
改めて見てみたけど、やっぱなんか凄い濃ゆい内容じゃよ(笑)。
気合の入ったミリターな内容とオリエンタルな舞を組み合わせてるし。
特にメカとかの描写はエヴァ以降を実感するようなシロモノで。
能かなんかの舞のシーンも音楽とか映像とか、すんごい迫力。
ただ人間の存在感が薄いので、人によって興味はわかないかも。

ここまでアニメをいろいろ借りてきて。
やっぱ、作り手側がアニメの表現とかをイロイロ足掻いてるのは
それなりにちゃんと結果として残ってる、とか思ったですよ。
アニメだったらこの程度、と思って作ってるのは、やっぱその程度だし。
クリエーターの人達は、結果が後々まで残るってことを忘れちゃいかん。

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