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初めて旗を見たのは保育施設の頃。微笑んだ顔の保母さんの旗は鬼の顔だった。
それからいろんな人の旗を見た。多くは僕を恐怖させた。外に出れなくなった。
日高だけは旗が見えないから怖くない。優しいし喧嘩もしない。そう思ってた。
[徳間書店・Charaコミックス]
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耳にしたのは奇行の噂ばかり。知り合ってみたら結構子供っぽかったりもした。
それでも僕は彼に引かれたのだ。近づきたいと、踏み込みたいと、願ったのだ。
過去の出来事に囚われバラバラになった彼の心を、拾い集めたいと思ったのだ。
[大洋図書・CRAFTコミックス]
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僕たちは小さい頃に天使に助けられた。だから人に尽くして初めて生かされる。
僕たちは天使も奇跡も信じないけど。育ててくれたあなたがそう言うのだから。
困っている生徒を。小部屋の奇跡にすがる生徒を。陰ながら手助けしています。
[新書館・ウイングスコミックス]
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学ぶことが、知ることが、聞くことが、君と僕の夢への道筋だとそう信じてた。
けれども、知識を積み重ねるたびに、音楽だけが僕の指からこぼれ落ちていく。
ただ奏でることが楽しかったのに。忘れてしまった。僕の音が分からないんだ。
[徳間書店・Charaコミックス]
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● プライベート・ジムナスティックス 全3
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藤たまき
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君は悪くない。悪いのは僕だ。確かに君を愛していたよ。愛していた、けれど。
この恋は後ろめたくて。みんなを裏切っていて。親不孝をしてる。それが辛い。
疲れてしまった。未来図が描けなくなってしまった。だから、お終いにしよう。
[新書館・DEAR+コミックス]
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僕は美しいものになりたかった、汚い過去を洗い流し、神の子になりたかった。
だけど僕は相変わらず汚いままで。それを知られることは死ぬよりもつらくて。
いつか自分自身に、そして彼に、全てを告白し、許しを請うことができたなら。
[徳間書店・Charaコミックス]
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告解すれば聖人になれるわけじゃない。許されても罪が無くなる訳じゃない。
許して欲しいと願い、許しますと言われ、でもそれが救いじゃないとしたら。
人と、人でないものの想いが、暗闇の中の淡い輝きの言葉となって堆積する。
[徳間書店・Charaコミックス]
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● 銀のバッチ
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藤たまき
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● ロングスロー
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藤たまき
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家族になることを恐怖したから、別のずっと一緒にいられる関係を選んだだけ。
許されず祝福されず、追いつめられて。少しずつキモチがすれ違っていく二人。
流れ落ちる涙をキャンバスに塗り込めるように、想いが世界の彩りを変えてく。
[桜桃書房・GENEROUSコミックス]
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欠けているから無垢なのか、無垢だから神様に取り上げられてしまったのか。
まるで一遍の濁りもないようなキレイで純粋な想いもあるのかもしれない。
針が心のひだをチクチクと刺すように痛み。あふれる感情が止められない。
[新書館・DEAR+コミックス]
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それは滅びの悪しき力と言われてた。再生の良き力と言ってくれる人もいた。
でも元は同じ一つ。側面が違っただけ。そして意味を選んだのは他ならぬ自分。
暗闇の中の一筋の光の輝きのような。優しい感情が充満した世界って気がする。
[講談社・Amie KC]
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こんなにも彼に逢いたかったことに、こんなにも好きだということに。
文字として書いてみて、初めて見えてくる想いがあったりする。
まるで春の陽射しに包まれたような淡い淡い少年達の想いのカケラ。
[新書館・WINGSコミックス]
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海の見える小さな街と壊れかけの家族。息苦しさをタバコで紛らわし。
無性に街を飛び出したくなる。そして離れてみて見えてくるもの。
わけもなく苦しく、わけもなく自由が欲しかった。そんな瞬間が。
[ビブロス・ビーボーイコミックス]
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ラジカルハンズ。感情の起伏によって予想しえぬ力を発動してしまう手。
好きな相手を抱いたら壊してしまうかもしれない。好きだからこそ触れない。
そんな鮮やかな設定に感嘆させられた。男×男だけど(笑)。
[桜桃書房・GENEROUSコミックス]
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人に見えないものが見えたせいで、家族に疎まれ同級生には後ろ指を指された。
だから自分を必要としてくれるなら、そこに別の意味があってもいいと思った。
危険だからと遠ざけられるより、一緒に危険な目に遭ったほうがいいと思った。
[秋田書店・ボニータコミックス]
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誰かの犠牲で成り立つ繁栄なら壊れればいい。自分の命と共に終わらせてやる。
境遇を考えれば同情するし、自分が同じ立場なら同じ判断をしたかもしれない。
だけど死に急がないで欲しい。もっと良い選択肢を、生きる方法を、探そうよ。
[秋田書店・プリンセスコミックス]
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正義の味方は純白で。血で染まった手は許されなくて。資格は無いと思ってた。
罪を償っても罪が無くならないように、時を経てもきっと許せないだろうから。
それでも助けたい気持ちは止まらない。繋がって連なって。そして意味がある。
[秋田書店・プリンセスコミックス]
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他人の心が覗けたっていいことない。感情が突き刺さり疑心暗鬼になるだけで。
でもそんな力でも役に立つかもしれない。信じるのはさほど難しくないのかも。
誰かに認めてもらったから強くなれた。強くなれたから優しくなれるのだろう。
[秋田書店・プリンセスコミックス]
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今まで気が付かなかっただけで世界は優しさに満ちていたのかもしれない。
だから私も大事にしたい、優しくしてあげたい。なくしたくはないから。
あふれ出る感情を瑞々しく描いた、人と人との絆、家族のカタチ。
[秋田書店・プリンセスコミックス]
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病弱なのに血をだらだら流しながら踏ん張る少女、
なんてまるでマンガのよーな設定。ってマンガなんだけど。
誰でもやりそーな、でも結構鋭い視点で微妙な人の心の揺れを描いてる。
[秋田書店・プリンセスコミックス]
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痛々しい。この姿を見たら普通の人はそう言う。カッコイイ。彼はそう言った。
彼はなぜ私を誘うんだろう。この姿を気にしないから?それともこの姿だから?
フェティッシュ。偏愛の対象。例えば包帯をした女性とか。彼が好きなのは……
[祥伝社・大判]
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僕はまだ楽園を捜し続けている。もう壊れてしまった楽園の面影を求めている。
でも今度こそ本物かもしれない。彼女が楽園へ連れてってくれるかもしれない。
そして、今日も僕は楽園を捜し続ける。あの日の少女の幻影を追い続けながら。
[祥伝社・大判]
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イメージは見る人の中に形成されるモノ。意味も見る人それぞれが作るモノ。
創造の種子は身近にある。見るもの全て。感じるもの全て。意識するだけで。
さあ素材と道具は目の前に用意された。あなたはこの世界から何を見つける?
[ソニーマガジンズ・ソニーマガジンズコミックスきみとぼく・大判]
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ただの偶然だと思ってた。まさか全てが用意された必然とは思ってなかった。
こんなに愛し焦がれているのに、出会ったら殺してしまいたいほど憎んでる。
キレイで悲しい閉じた螺旋。この世界を壊せたら、二人で幸せになれるのに。
[ソニーマガジンズ・ソニーマガジンズコミックスきみとぼく]
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薄くフィルターのかかったような距離感。
色の付いてない無色透明な感じ。そして作り物のような感情。
リアリティはあるのに現実感の感じられない、そんな思考実験。
[ソニーマガジンズ・ソニーマガジンズコミックスきみとぼく]
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