見えないのにそこにいるのがわかる (11/6/27) 次へ 前へ
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いくつか書きかけの記事が有ったけど、整形してる時間が無いし、
すでに十分すぎるぐらい遅れてるので、いきなり感想にいきます。


「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。 1〜11話」
4月からフジテレビ系(3局)とBSフジで深夜に放送してた全11話の新番組。
7月からはフジテレビ系地方局2局で放送する予定。
※セルBD/DVD・レンタルDVDは6/29からリリース
その昔、6人がまだ小さかった頃。とても仲が良くて、いつも一緒にいた。
小屋を秘密基地にして6人に超平和バスターズなんて名前をつけたりした。
だけとある日のある出来事をきっかけに5人の距離は次第に離れていった。
高校生になった今では言葉を交わすことすらしないほど離れてしまった。
距離が離れただけではなく姿も中身もあの頃とは変わってしまっていた。
みんなのリーダーだった宿海仁太は受験に失敗して引き篭もっていた。
そんな仁太の前にあの夏に逝ってしまっためんま(本間芽衣子)が現れた。
あの頃より成長した姿で現れためんまは他の人には見えないようだった。
最初はめんまを幻影だと思ってたけど次第に存在を実感するようになった。
めんまはお願いがあると言った。それはみんなでしか叶わないと言った。
だから仁太は、めんまの願いを叶えるため、すっかり距離が出来ていた
かつての超平和バスターズのみんなと、再び関わろうとするのだった。

圧倒的じゃないか我が軍は!、、、じゃなくて圧倒的なデキだよコレ。
今期ぶっちぎりNo.1どころか今年のベスト1すらほぼ当確っぽいですよ。
とらドラ!とレールガンで素晴らしい仕事をした長井龍雪さんが監督だし、
それどころか監督と構成とキャラデザがあのとらドラ!と全く一緒だし、
スタッフの顔ぶれで期待するなと言う方が無理、って感じだったのです。
さらに確認のために見た1話の印象は文句無しに今期の大本命だったし。
だからこの結果は予想通りです。期待した以上のものが出てきただけで。
最大級の期待をしながら見てたのに期待以上のものが出てきただけです。
やっぱ本物だ長井さんは!リアルに正攻法にキャラを描かせたら最強だよ。

宣伝スチルを見て数人の男女による現実的な人間模様を描くのだと思った。
だから1話でいきなり幽霊が登場してちょっと面食らったのを覚えてます。
でもファンタジーな仕掛けを使ってた以外はほぼ予想した通りだったです。
めんまが登場したことでそれそれの心が曝け出されたのは見事だったです。
めんまのおかげであの夏に止まってしまった時間が動き出したみたいで。
変わったと思ったみんなが最後に昔のように一つになるのが素敵だったよ。
めんまも幽霊なのに生き生きとしてて、まるで生きてるような存在感で。
普通なら儚げだったりするのに元気だしモノも持てるし料理もできるし。
じんたん(仁太)以外には見えないだけでまるでそこにいるみたいだった。
じんたん以外のメンバーには見えないのにまるで見えているようだった。
だからとっくに死んでて消えるのを知ってたのに消える時は凄く辛かった。

実はめんまがじんたん以外にも見えるようになるのは予想していました。
めんまのコトに関わりながら肝心のめんまが見えないのは悲しすぎるから。
視聴者にカタルシスを与えるためにも絶対に見えるようになると思ってた。
それぞれの気持ちが当時に近づけば見えるようになるのかなと予想してた。
まぁ、ある意味その通りだったと言えるかも。タイミングが違っただけで。
あのタイミングで見えるようになったのは見事すぎて脱帽としか言えない。
さらにじんたんまでめんまが見えなくなる予想外の展開を入れてくれたし。
否が応でもじんたん達と同じ気持ちでその場に臨んでしまうわけですよ。
とめどなく溢れてくる感情はどんなに抑えようとしても止まらないのです。
1クール作品でこんなに感情を揺さぶられたのはef1期以来じゃなかろうか。

この作品はかつての出来事が心に深い棘として刺さってる人たちの話です。
幽霊として登場するめんまが死んだあの夏に囚われてるってコトなのです。
死んだ人に囚われてる設定はクロスゲームに結構似てるようなと思ったよ。
てゆーか、これ、もしかしてクロスゲームを意識して作ってるのかな!?
だってクロスゲームのメインの二人がじんたんとあなる(安城鳴子)だよ。
さらにゆきあつ(松雪集)は東だし6人中3人が偶然被ることはありえないよ。
あの夏とか言ってるし、川で溺れてるし、偶然にしちゃ一致しすぎだし。
クロスゲームの作中で幽霊でも会いたいと言ってたのを物語にしたのかも?
実際のところはスタッフに直接問いただしでもしないとわかりませんが。

この作品はキャラの配置やキャラの行動にもちゃんと意味が有るのでした。
偶然とかただの設定と思ったことが偶然ではなく意図した結果なのでした。
過去に囚われながら足掻いた結果として今のそれぞれの位置が有るのです。
あなるが引き篭もったじんたんに宿題を届けたのは偶然ではないのです
じんたんとあなるが同じ学校(高校)だったのは決して偶然じゃないのです。
つるこ(鶴見知利子)がゆきあつと常に一緒にいたのも偶然じゃないのです。
つるこがゆきあつと互角の成績なのも気付いてたのも偶然じゃないのです。

全て胸に秘めた気持ちに従って行動した結果としてのポジションなのです。
物語が進むにつれて次第にそれぞれの秘めていた心のうちが明かされて、
見事なまでに計算し尽くしたキャラ造作とキャラ配置が見えてくるのです。
特にぽっぽ(久川鉄道)が秘めてきた心のうちは目から鱗が落ちまくりです。
少しずつ断片をちらつかせて最後に一気に曝け出すとこは見事だったです。
自由奔放な生き方だと思ったそれらがまさか苦しさの裏返しだったとは。

それぞれは心の中に秘めた想いを持ちながら違う自分を装っているのです。
その中ではじんたんば別として、あなるとゆきあつが分かり易かったなと。
あなるは見た目こそ凄く変わったけど中身はたぶん一番変わってないから。
レアのけモン(≒ポケモン)を探す手伝いをしてる時は楽しそうだったし。
でもみんなから外れてまで自分のスタイルを貫ける強さは持ってなくて。
表面的に合わせるような付き合いだから酷い目に会わされそうになった。

ゆきあつは冷静にキメてるようで過剰なまでに反応してるのが見えていた。
じんたんの言ってること(真実のめんま)と正反対なことばかり言ってたし。
夜中にクローゼットを開けめんまを呼びながら何かの匂いを嗅いでるし。
実のところあのシーンを見るまでもなく溜め込んでるのは分かっていた。
ゆきあつ変態と言われてたのがまさかアレとは想像しなかったけど(笑)。
じんたんばかりに見えるのは納得行かないってストレートで清々しいね。

ぽっぽの秘めてきた心のうちが目から鱗だったのは上に書いたとおりです。
そしてつるこも予想してたのとは違う心のうちを曝け出してくるのでした。
近くにいるけど無関心と思わせて、ゆきあつがしっかり好きだったわけで。
だからゆきあつとあなるが会話してるのを見てショック受けると思ってた。
でもつるこはそれすらも気付いてて、だからこそみんなに協力をしていた。
何故かあなるにだけキツイ態度をとるなと思たらそーいう理由だったとは。
私は代わりでも良かった、という言葉に切実さが滲み出てると思ったよ。
どんなプロセスだろうと結果が同じならそれでいいと割り切ってるのです。

この作品に出てくるキャラはみんなみっともない心の内を晒してるのです。
人を好きになることは決してキレイ事じゃ無いのだと見せつけてるのです。
人間関係がロジックのように簡単に割り切れないことを見せてるのです。
スマートじゃなくて、キレイじゃないからこそ、とても魅力的なのです。
じたばたと足掻いてるからこそ、キャラが生きてるように見えるのです。
見てて(シリーズ構成が)同じ岡田麿里さんのtrue tearsを思い出したよ。
関係の絡まり具合も心の曝け出し具合もさらにパワーアップしてるけど。
表情のつけ方もとらドラ!・レールガンからさらに深化した感じだし。
(キャラの見た目もその二つを足して割った感じです)
それぞれのスタッフの過去の作品を積み重ねて生まれたのを実感します。

物語はじんたんの元にめんまが出現してお願いすることから始まります。
お願いを叶えるという展開はよくある定番パターンのひとつと言えます。
よくあるそれらと違っているのはめんまがお願いを忘れてるところ(爆)。
肝心なめんまが叶えたい願いを忘れてるので推理するしかないわけです。
とは言え、じんたんは最初めんまをストレスによる幻影と思ってたから、
めんまのお願いは心の底にある引っ掛かりのようなものかなと思ってた。
それほど本気で考えようとも実行しようとも思ってなかったのでした。

肝心のめんまもあんまり真剣にお願いを思い出そうとしてなかったし。
適当に思いついたようなことを、もしかしたらそれかもとか言ってるし。
ただ、じんたんと一緒にいられるだけで楽しい、みたいな感じだった。
だけど、妄想だと思ってたじんたんも次第に存在を実感していくのです。
何しろめんまは幽霊のなのに物を持つし料理を作るし風呂にも入るから。
幽霊としては常識から外れた存在、という表現はちょっと変だけど……
じんたんにしか見えないだけで、そこに存在してるとしか思えなかった。
じんたんの視点で世界を見てるから、めんまが生きてるように思えた

じんたんにとってめんまはそこにいて、話すことも触れることもできた。
だけど他のメンバーにとってめんまは見えないし、声も聞こえなかった。
めんまが抱きついた時に、何だかわからない気配を感じてるだけだった。
じんたんと他のメンバーで見ている世界が大きく異なっていたのでした。
見ている世界が違うからどうしても同じ意識を持つことが出来なかった。
そりゃあ幽霊とか言われたって本気で信じる方がどうかしてるわけだし。
めんまが見えたじんたんですらストレスによる幻影と思ってたんだから。

じんたんをあっさり信じて乗り気になったぽっぽが普通じゃないのです。
後でぽっぽの心の内を知って、話を信じたかったのだとわかるのだけど。
あなるも、信じられないけど、じんたんの話だから信じたかったのです。
信じられなくても、信じたいと思ってくれれば、それで良かったのです。
でも、ゆきあつはじんたんにだけ見えるなんて決して認められなかった。
めんまの目の前でめんまが思っていないことを勝手に代弁したのでした。
じんたんにだけめんまが見えていて、めんまが傷ついたのも見えていた
めんまの本心を伝えたようとしたのだけど、どうしても伝わらなかった。

ゆきあつの言い分は(思惑は別として)それなりに筋が通ってたわけで。
一度は集まりかけてたみんなの意思がバラバラになってしまうのでした。
客観的に見ればじんたんの話を信じられないのも仕方ないことだったし。
じんたんもそれがわかってたから、一人でも何とかしようとするのです。
じんたんが一人で頑張ってるのを見てめんまはあることを考えたのです。

めんまがあることをして他のメンバーにもめんまが認識されるのです。
(見えなくて)すっと一方的だっためんまのアピールがついに届くのです。
気持ちが通じた瞬間は見てるこっちも凄く嬉しくてこみ上げてきたよ。
正直なところこの展開は全く予想できなかった。やられた、と思った。
もっと早くにやってくれればって言い分は確かにもっともだと思った。
でも後で分かるけどめんまは関わりが深いものしか干渉できないようで、
最初から試していたらできないで諦めていた可能性が有ったのでした。
あそこにアレがあってめんまがそれを使わなければデキなかったのです。

めんまのお願いを考えてヒントを集めて一つの可能性に思い至ります。
みんなはいつのまにかそれがめんまの願いだと思い込んでいくのです。
でもそれがめんまの正しいお願いか確かめなくていいのかなと思った。
肝心のめんまは思い出してないから期待した答えは無かっただろうけど。
結構ちゃっかりしてるから、きっとそれだよぐらい言った可能性も(笑)。
めんまはそれを楽しみにしてたから、間違っててもいいのかなと思った。
みんなが一緒に一つの目的に向かって協力していく姿は素敵だったし。
実はそれこそがめんまが本当に望んでいたこととも言えたわけだから。

物語の終盤にめんまのお願いと思ってたあるイベントが実行されます。
でもじんたんは自分から始めながらやっていいのかと思っていたのです。
めんまのお願いを叶えるということは消えていなくなるということで。
いつのまにかじんたんにとってめんまは当たり前の存在になってたから、
幽霊でもいいからこのままずっといて欲しいと思ってしまったわけです。
スッキリしない構図のまま、ある一点に向け物語が集約していくのです。
みんなの気持ちが一つになることはなく、思惑だけが一つになりながら。
だからイベントの結果は予想通りだった、と言えないこともないです。

普通の構成だったらこの大きなイベントがクライマックスになります。
ここまで盛り上げて物語を集約しながらそうでないのは珍しいです。
もちろん大きな区切りではあるし結末への大きな布石にもなりますが。
とっつき易いしわかり易いし、終盤に向けて盛り上がっていくという、
実に正攻法な物語構成だけど、要所でちょっとずつ外してくるのです。
既定路線をなぞってるように見せて意外なところをついてくるのです。
そこが並みの作品と並でない作品の違いかもしれないなと思ったよ。

終盤の大きなイベントの後に本当のクライマックスがやってきます。
超平和バスターズの気持ちが本当に一つになるときがやってきます。
お見事としか表現のしようがない真のクライマックスがやってきます。
何が起こるか分かってても感動してしまうあるシーンがやってきます。
見始めたなら是非最後まで見て、そこを自分の目で確かめてください。


「電波女と青春男 1〜10話」
4月からTBS系(3局)とBS-TBSで深夜に放送してる新番組。
原作はライトノベル(電撃文庫)で読んだことはありません。
※セルBD/DVDは6/22からリリース(レンタルDVDは7/27から)
父親の転勤で都会の叔母の家へやってきた主人公の丹羽真(にわまこと)。
15年過ごした田舎と違い都会ならクラスに女子が10人以上いるだろうし、
叔母には家族はなく仕事をしてるから一人暮らしの気分も満喫できる。
そんな青春を謳歌する期待を胸いっぱいにして都会に降り立った彼は、
いきなり出迎えの叔母・女々(めめ)の年齢不相応のキャラに驚かされる。
宇宙人が見守る町というみょーなキャッチコピーに心の中で突っ込んだ。
でもそんなことはこれからの新生活の期待の前には些細な問題であった。
女々さんの家に入って玄関の端に足の生えた布団の簀巻きを見るまでは。
普通ではないソレを見えないように振舞う女々さんの態度も妙だった。
都会で普通の出会いを期待した真はこーして普通ではない出会いをする。

電波女ってタイトルだから変なことを口走る女の子は出ると思ったけど
予想以上に強烈なキャラが出てきてビックリ、というのが第一印象かな。
まさか布団ぐるぐる簀巻き(すまき)にしたキャラが出るとは思わないし。
布団ぐるぐる巻きのまま走るし喋るしご飯も食べるもはや謎生物ですよ。
確かに自分のことを宇宙人と言ってるから電波キャラには違いないけど。
布団から出した手か細かったので予感はあったけど中身は凄い美少女で、
性格は美貌に対するペナルティって独白に妙に納得してしまったりして。
凄いインパクトのある設定だとか思いながら見始めたのでありました。

電波な内容を口走るキャラはアニメではあまり珍しくはなかったりする。
かの有名な(憂鬱な)涼宮ハルヒだって電波なことを口走ってたわけだし。
そーいうキャラ付けという説明だけで終わりにするのも有りなのでした。
でもこの作品は珍しく電波な発言や行動の理由を説明してるのでした。
実は意外とまともな理由(エリオにとって結構深刻な理由)があるのです。
布団ぐるぐるが自分(の心)を守ろうとした結果なのは驚いて感心したよ。
主人公ハーレムな量産型萌え作品のようでちゃんと考えて書いてるなと。
エリオの事情を中心に描いたら全く違うシリアス作品になってたかもね。
もちろん現状でもエリオの事情はそれなりに描かれてはいますが。

4話で1つ目のエピソード(1巻分?)が終わって一応の決着がつきます。
エリオの事情を知った真がその幻想をぶち壊す!みたいになります(笑)。
(同じ電撃文庫だからセーフなんだろうけど露骨に元ネタがわかるぞ)
オレはそんな熱血キャラじゃないと言いながらやってることが同じです。
そんな真の余計なお節介な行為によってエリオは地球人設定に戻るけど、
戻った後のエリオの本来のキャラも普通の女の子からは遠かったりして。
電波とは違うけどわりと天然系というか行動がちょっと変なキャラだし。
世間から離れてたせいも有るだろうけど元々のキャラがそれっぽいなと。
だから自衛のためとはいえあそこまで電波なキャラになれたのでしょう。
電波女のキャラを脱いだら天然キャラが出てくるとは油断大敵ですな。
ちなみに宇宙人設定は4話で終わったけど布団ぐるぐるは以降も続く(爆)。

エリオは一応高校生ぐらいの歳なので普通なら高校に行ってるわけです。
でも布団ぐるぐる巻きで宇宙人と言ってる人が学校に行けるわけはなく。
(本当に宇宙人だったら上手く偽装して学校に通うだろうけど)
つまり学校を退学して(布団ぐるぐる巻きで)引き篭もっていたわけです。
深刻な事情が有ったとはいえ客観的に見たらあまり触れたくはないです。
目が醒めるような美少女じゃなかった助けようなんて思わなかったかも。
女々さんにカワイイから構ってるなら放っといてとか釘刺されてたね。

4話で真がエリオの幻想をぶち壊して現実に引き戻して区切りを迎えて、
5話以降はエリオが現実社会に復帰するためのリハビリを始めるのです。
てっきり学校に復学するとばかり思ってたのにそうはしなかったすね。
高校は義務教育じゃないから改めて入試して1年からやり直しだから!?
辞める前のエリオの行動を考えたら同じ学校に戻るのはキツそうだね。
休学ではなく退学して引き篭もるほどいい思い出はなかっただろうし。
いとこ(真)と一緒だったら学校も楽しかったかもと少し後悔してたけど。

学校に戻らないで何をしたかというとアルバイトをしようとするのです。
まさしく引き篭もりからの社会復帰を絵に描いたような展開なのです。
しかし、意気込んだエリオの前に厳しい現実が立ちはだかるのでした。
布団ぐるぐる巻きで変なことを口走る姿は街中に知れ渡ってたのです。
アルバイトの面接に行ったら結構厳しいことを言われたんだろうなと。
その後の絵面は落ち込んでるではなくうつ伏せで討ち死にだったよ……
軽い感じの萌え作品をイメージしていたのに意外と現実的でビックリだ。
いや、凄いキャラなのにみんな気にしない大半の作品が変なんだけどさ。

電波女というタイトル通りこの作品には変な言動のキャラが登場します。
自分のことを宇宙人と言ってたエリオだけではなくて他にも登場します。
4話(ワンエピソード・1巻分?)ごとに一人ずつ登場してる感じがします。
奇妙な言動をする人が登場するたびに真が「あっそ」と返しています
3つ目だと誰が見ても一目瞭然の宇宙服を着た自称超能力者ヤシロです。
2つ目の話だと田村商店のお婆ちゃん(エリオの曾祖母?)がそうですね。

お婆ちゃんの言動は確かに変だけど孫の女々さんの方が変度は上かも……
前川さんとか女々さんは普通の生活ができるのに意図して行動が変だし。
素でズレてる人と違って狙ってやるから変さのインパクトが強いのです。
一般人の代表のはずのリュウシさんも行動が微妙に奇妙だったりするし。
リュウシさんは微妙なズレ具合が全てカワイイ印象に繋がって凄いけど。
これ狙ってやってるとしたらリュウシさんとんでもない策士ですがな。
そんな感じでこの作品は出てくるキャラがどいつもこいつも変なのです。
特徴的なキャラばかりの作品は結構有るけどこの作品は「変」なのです。
エリオ以外は電波女とは言いがたいけど、なるほどと思うタイトルです。

この作品は真くんが都会に出てきて出会いに胸を膨らませる展開です。
いきなり玄関先で布団ぐるぐる簀巻き少女と出会う超展開ですが(笑)。
それは別として学校でいきなりリュウシさんや前川さんと接近します。
確率的に有り得んだろうと思うほどに出会いのイベントを消化します。
真くんからは大したアプローチをしないのにフラグ立ちまくりです
いつの間にやらリュウシさんは真くんに気がありまくりな状態だし。
一目惚れと言われても信じられるぐらい好かれる理由がわかりません。

エリオもそげぶ(その幻想をぶち壊す)の後に真に頼りまくってるし。
女々さんの冗談きつい態度も含めてとってもハーレムモードなのです。
リュウシさん以外はお断りしたいほど変な人ばかりなのが違うだけで。
(ぎりぎりでエリオまでは何とか許容できるかも)
青春を期待して青春真っ只中の状況になったのに何か違う、みたいな。
つまりタイトルは内容をこれ以上ないぐらい的確に表現してたのです。

映像は新房アニメにしては普通です。かなり正攻法の表現技法です。
まどか★マギカも日常は正攻法だったけどイヌカレー空間があったし、
たまにSDキャラが出てくるだけでほとんど正攻法なのは始めてかも。
ただ正攻法とは言ってもやっぱりらしいところは散見されるのでした。
首をクイっとやってみたり部分をクローズアップして見せたりするし。
リアルでもデフォルメでもない絶妙にバランスした動きやポーズだし。
肌の色のつけ方とか目線とか執拗に可愛く演出するのも実にらしいし。
異彩を放つ表現だけではなく正攻法な表現でも他と一線を画してます。
エリオの重い事情のわりにはストーリー展開があっさりしてるけど、
ノベルっぽさを実感させる真の語りを含めた切れのいい演出スタイルと
エリオを筆頭にした執拗な可愛さの表現で凄く面白くなってる感じです。


「神のみぞ知るセカイII 1〜8話」
4月からテレビ東京系(6局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
ShowTimeで最新話(と1話)無料配信中。
原作は少年誌(サンデー)のマンガで1巻だけ読んだことがあります。
※セルBD/DVD・レンタルDVDは7/27からリリース
分割2クール放送の後半シリーズで内容も1期目のそのまんま続きです。
隠れた駆け魂を捕まえるため女の子を攻略する展開も全く変わりません。
一人攻略するたびに関係がほぼリセットされるので変化もしないしね。
だから間のエピソードが抜けてるのに全く問題なく見れてしまいます。
下手するといきなりここから見ても大丈夫だったりして!?

これやアマガミSSの2〜4話とかでキャラの関係をリセットするのって
最初に思ったよりも便利な手法かもしれないなと見てて感じたりする。
キャラやエピソードに今ひとつ乗れなくてもすぐ次に切り替わるから、
ずっとイマイチだったりしない限りずるずる見続ける可能性があるし。
(アマガミSSも途中2話ほど飛ばした以外は最後まで見ちゃったし)
1話の当番回方式よりはキャラをしっかり掘り下げることができるし。
ハーレムモードのようにキャラ同士の関係が無茶苦茶にもならない。
女の子をいっぱい出したいならベターな方法なのかもと思えた来たよ。
(アマガミSSは構成の問題か説明が足りてない部分が結構有ったけど)

今回見たのでは同じクラスのちひろのエピソードが一番面白かったかな。
(時々エルシィと会話してた役名つきのモブキャラみたいな存在)
特に秀でた特徴があるわけではないその他大勢の中の一人な位置づけで。
だからこそ輝いてる相手に憧れるみたいな話の持っていき方が良かった。
これを見ててウテナでも似たようなテーマをやってたのを思い出したよ。

振られてもすぐに次にいけるのは、本気で好きなわけじゃないからで。
本気の好きがよくわからないから憧れを好きなんだと思ってるだけ。
好きがわからないのを自覚してて、本気で好きになりたいと思ってる。
ろくに説明はされなかったけど、ちひろの心の隙間ってそこでしょう?
ちひろの言う輝きたいって人を本気で好きになりたいって意味だから。
人を本気で好きになれば、一人称視点で自分や世界も輝いて見えるし。

このエピソードで桂馬は最初特徴のないちひろの攻略に困るわけです。
ギャルゲーにはちひろみたいなその他大勢的な攻略キャラはいないから。
さらにちひろは自分とは別な人が好きという最悪の属性も持ってたし。
(現実だとそんな相手にアプローチすることも普通にありそうだけど)
でもふと気付くのです、心の隙間を埋める相手は誰だっていいことに。
ちひろの恋の成就を自分が手伝えば目的が達成されるだろうことに。
実際のところは桂馬の目論見どおり心の隙間が埋まったか微妙だけど。

桂馬の(ギャルゲーを応用した)緻密なアプローチのマニュアルによって
ちひろは確実に相手との距離を縮めて成功は間違い無しになるのです。
しかし肝心のちひろは状況を喜びもせずやめたいと言い出すのでした。
これ桂馬は気付いてないけどちひろが見てる相手が変わってるじゃん。
桂馬ってたまにみょーに鋭いけど、基本は人の心にとても鈍いなと。
ギャルゲーの中にあるシチュエーション以外は分からんという感じ!?
毛嫌いしてた相手を遊びに行こうと誘ってるんだから凄い変化なのに。
自分のためにここまで尽くしてくれてることに惹かれたのだろうか?
(桂馬とちひろのような関係で結ばれる展開は意外とよくあります)

このエピソードは面白いとは思ったけど見てて多少不満が残ったかな。
告白をやめにしたちひろに対してある言葉を言ってキスをするけど、
そこに至るプロセスと心情の説明をすっ飛ばしすぎだろうと思ったし。
上にも書いたようにちひろの気持ちは桂馬に向きかけていたわけです。
だからそれをちゃんと視聴者に分かるように見せて欲しかったなと。
例えば桂馬のあの言葉に対して、ちひろは桂馬への気持ちを吐き出して
ちひろから桂馬にキスする展開だってありだったはずなのです。
(ちひろが何か言うんじゃないかと期待してたからガッカリした)
ラブコメ作品なんだからキスシーンはもっと大事に作って欲しいよ。


「Aチャンネル 1〜5話」
4月からTBS系(3局)とアニマックスで深夜に放送してた全12話の新番組。
ShowTimeとニコニコ動画で最新話無料配信中。
原作は萌え4コマ誌(きららキャラット)のマンガで雑誌で読んでます。
※セルBD/DVD・レンタルDVDは5/25からリリース
トオルは幼馴染で朝が超弱くてスーパー天然娘のるんが大好きだった。
るんに近づく男を蹴散らすほど大好きで同じ高校を受験して合格をした。
合格を確認したトオルはるんに知らせるために家へとやってきたのだが、
るんの部屋には見知らぬ女の子がいてるんと抱き合ってるように見えた。
それはトオルの勘違いで、見知らぬ女の子たちはるんのクラスメイトで、
眼鏡でツッコミキャラのナギと背が高くておっとりしてるユー子だった。
ナギもユー子もるんと変わらないぐらいにトオルに親しく接してきた。
二人がるんととても仲が良いから受け入れてくれてるのだと分かった。
でもトオルはるんが自分を置いて先に行ってしまったようで寂しかった。
※トオルも女の子です

エンディングだと思ったら劇中歌だったでござるの巻……
何だあの劇中歌は?しかも毎回欠かさず書き下ろしの歌でやってるし。
同じきらら系で系統も近いけいおん!みたいに歌を売りにしたいのかね?
でもけいおん!と違って内容とリンクしてないから売りはならんような。
さらに歌を流してる分だけ時間を浪費して間延びした印象を与えてるし。
アニメ自体が原作を水で薄めた感じだけどその象徴のような感じですね。
何曲も歌を使いたいならエンディング曲を毎回変えれば済んだ話なのに。

と言うわけで1話を見て感じた第一印象はちょっと微妙かな、でした。
内容は間違いなく原作通りなんだけど、悪い意味でも原作通りなので。
4コマ作品は1回のページが少ないので映像化するには内容が足りません。
だからアニメにする際に内容を足すか再構成をする必要が有るのです。
だけどこの作品はディティールだけ足して内容はほぼそのまんまでした。
特に1話はディテール描写に力を入れすぎで間延び感がMAXになってます。
(内容もトオルがるんに執着する内容だけでほぼ終わってしまう)

1話は時間配分も劇中歌も、これはちょっとどうよ?って感じだったけど、
2話以降は内容のせいかテンポに慣れてきたのかそこそこ見れる感じに。
日常的だけど面白いエピソードが入るようになったのが大きいのかも。
なにげないけどちょっとした視点の違いで面白おかしく見せてるのです。
なにげないエピソードが楽しいのがまさにこの作品(原作)のウリなのです。
1話はトオルの心情にウエイト置きすぎで面白おかしさが出てないのです。
だから1話で微妙と思っても何話か見て判断することをオススメします。

あまりメリハリが無いとこのアニメを見た結構な人が思うことでしょう。
なにげない日々のちょっとした内容を描いてるだけだからその通りです。
実はけいおん!だって原作に忠実に作っていたらこんな感じだったはず。
毎回がイベント仕立てなのも、ハッキリしたメリハリがついてるのも、
メイン視点を固定して共感性を増してるのも全部アニメのアレンジです。
つまり、この作品もやり方次第でけいおん!に成れたかもってコトです。
けいおん!のアニメから目的とメリハリをとって薄めるとコレだしね(爆)。
日常の描写だけなら密度が薄いのを除けば今でもいい勝負かもしれない。

ナギがパンツじゃないから恥ずかしくない?恥ずかしいわ!と言います。
体育着が未だにブルマでブルマはパンツだという話から何故かその話に。
念のために説明すると、スト魔女のキャッチコピーへのツッコミですよ。
(何の因果かスト魔女を作ったスタジオがこのアニメを作ってるね)
原作を読んでていきなりこの発言が出てきたので驚いた記憶が有ります。
ナギがアニメを見る設定はないので作者のツッコミを代弁したのかな!?
それぞれのキャラの趣味って原作ではあまり出てこなかったはずだし。

本編はそれなりな感じだけどOP映像なら今期のトップクラスのデキだね。
誰だ?と思ったら石浜真史さんじゃないですか!R.O.Dやかみちゅ!の。


「日常 1〜4話」
4月から一部の民放(16局)で深夜に放送してる新番組。
ニコニコ動画で最新話無料配信中。有料配信は過去2週分のみ。
原作は角川系(少年エース)のマンガで1巻だけ読んだことが有ります。
※セルBD/DVD・レンタルDVDは6/24からリリース
日常とは、歩いてると空からこけしや赤べこやシャケが降って来ること。
日常とは、背中にゼンマイつきの女の子が魚を取り戻すため猫を追うこと。
日常とは、貴族のような振る舞いの農家の息子が山羊に乗り登校すること。
日常とは、(この作品世界では)取るに足らない、ありふれた日々のこと。

日常というタイトルで京アニはまた日常系かよ、とか言われてたなと……
原作を知ってる人ならこのタイトルが出オチだって知ってたんだけどね。
日常系どころか萌え系ですらないシュールな非日常系ギャグ作品だから。
萌え4コマが主流になる前に青年誌に多かった笑いのツボのわかりにくい
ボケとツッコミの噛みあわないエキセントリックなギャグ作品だから。
アニメ化を聞いた時にプロデューサーは何考えてる?と思ったほどです。
「そふてにっ」も売るの難しいと思うけどこっちはもっと難しいだろう。
(作品の内容を考えたら現在のデータは爆死じゃなくて上出来です)
そーいうわけで何か期待してたのと違うと思った人が多いと思われます。
かなりクセのあるギャグ作品なので合わない人は諦めて他に行きませう。

原作を知ってたので見る前は(他の人と違い)全く期待してませんでした。
上に書いた通り笑いのツボのわかりにくい作品で、わからなかったから。
確か原作コミックスは読んだ後にさっさと処分して残ってないはずです。
京アニはいつも正攻法の演出をするから原作がダメならダメだろうし。
だから1話を見たときにはいつもの京アニと全く違う路線でビックリした。
全く趣味じゃないと思った原作が意外と見れるものになってて驚いたよ。
なんだ京アニもやろうと思えばデキるんじゃん!と失礼ながら見直した。
けいおん!でも見直したけど、あれ監督が石原さんじゃないからね。

クドいぐらいに演出過剰にすることで見る人の感覚をねじ伏せる手法は、
京アニのライバル新房さんの十八番で多少ぱにぽにを彷彿としました。
(原作を知ってた人は新房×シャフトの方がいいと言ってた)
細切れネタと内容のシュールっぷりはあずまんがに似てると言えるかも。
内容や演出的にはあずまんがとぱにぽにを足して割った感じでしょうか。
(あずまんがよりはずっと演出が濃くてぱにぽによりは普通)
アニメ作品として評価するなら予想外にいいデキではないか思われます。
とはいえクセが強いギャグ作品なので合わない人は合わないと思います。
私は「らき☆すた」よりもこっちの方がずっと楽しめると思ったかな。

事前の予想に反して楽しめる作品になったけど問題がない事もないです。
それは原作に起因するのでアニメスタッフのせいとは言いにくいですが。
でも大胆に内容を再構成してでも原作の問題を補うべきだったような。
このへんは原作を尊重する京アニの方向性が裏目に出てしまった感じ。
少なくともコマ切れのネタをそのまま繋ぐのはやめるべきだったなと。
意外と楽しめてる私でも4話見たらお腹いっぱい(もう結構)だったので。
キャラが固定してる「らき☆すた」はぐだぐた会話風で何とかなるけど、
この作品はキャラがバラバラだからギャグだけでキャラが立たないし。
思い切ってキャラを整理するかネタを再構成して流れを作るべきだった。
なのと博士のパートと3人娘のパートの2本立てにすれば良かったのでは。

この作品は時々ギャグが滑ってるとか、から回ってると言う人がいます。
全くもって正解です。と言うか、上に書いたように本質はそこなのです。
ボケとツッコミがかみ合わないこと自体がこの作品でのギャグ手法です。
だからむしろ、常に滑っててから回ってる、と感じる方が正しいのです。
それを面白いと思う人のためのギャグ作品です。決して皮肉ではなく。
アニメはくどい演出によって趣味でない人でも見れてしまうだけです。
アニメが時々滑ってると思った人は原作を読んだら唖然とするかも(笑)。


「戦国乙女〜桃色パラドックス〜 1〜4話」
4月からテレビ東京系(6局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
あにてれの全提携サイトで最新話(と1話)無料配信中。
原作(ほぼ原案)はパチンコのCR戦国乙女でよくは知りません。
※セルBD/DVD・レンタルDVDは7/6からリリース
日出佳乃(ひでよしの)は携帯やファッションに夢中な普通の女子中学生。
興味があることがいっぱいで夜更かししては学校に遅刻する毎日だった。
試験が近いのに全く勉強をしてなくて、もはや神頼みしか無いと思った。
普段は気にとめなかった通学路にある人気のない神社へ足を踏み入れた。
社の中の光が気になった佳乃は覗こうとしてこけて中へと入ってしまう。
気がついたら佳乃は森の中にいて変な格好の人が剣を振るう姿があった。

内容の確認のために1話だけ見たときはかなりイマイチだと思いました。
冒頭の現実世界の描写がなんかチープだし過去の世界もパッとしないし。
ヒデヨシ(日出佳乃)を現代の女子っぽく描いてるのも噛みあってないし。
これも前期のRioと同様にパチ原作の糞ったれアニメなのかと思ったよ。
でも見続けてるうちに第一印象ほどはヒドくないかなと思えてきました。
ライトな娯楽作品としてはそれなりにまとまった内容になっているので。
と言うわけで1話で切り捨てず何話か見て判断するのをオススメします。

この作品は戦国時代の有名な武将がみんな女の子として登場するという、
ありがちな作品というかというか、コンセプトの分かり易い作品です。
アニメで言えば恋姫無双みたいな作品と言えばほぼ説明が終わります(爆)
恋姫無双ほどバカバカしくはないけど、それほどシリアス路線でもない。
そこそこ真面目でそこそこバカバカしい、なんとも中途半端な感じです。
メリハリの足りない最初の恋姫無双よりももっとメリハリが少ない感じ。
恋姫無双と比較すると劣化コピーみたいな位置づけの作品って感じです。
戦国武将の女子バージョンだったら百花繚乱の方がずっと面白かったなと。

ヒデヨシが現代から過去(の異世界)に飛ばされるのはアニメの設定らしい。
と言うかパチンコが原作だしちゃんとしたストーリーなんてないのかな?
現代人のヒデヨシは現代の知識を持っているし感覚も引きずっています。
だから行動とか言動が過去の人には奇妙だったり斬新に見えるのです。
それでノブナガに興味を持たれたり感心されるのはなるほどと思ったよ。
(ずっとその路線でいくのかと思ったからそうでもなかったり)
カンフーアクションを見ただけで真似するのはちょっと無理があるけど。
携帯もそんなに頻繁に確認してたらすぐバッテリー無くなると思ったよ。
まぁ、あまり真面目に内容の整合性を追及をするような作品ではないし、
整合性とか説得力とか細かいことは気にせず気楽に見るのが宜しいかと。


「デッドマン・ワンダーランド 1〜4話」
4月から一部の民放(8局)とBS日テレで深夜に放送してる新番組。
ニコニコ動画で最新話と1話を無料配信中。
原作は角川系(少年エース)のマンガで1巻だけ読んだことが有ります。
※セルBD/DVDは6/24からリリース(レンタルDVDは7/29から)
中学生の五十嵐丸太(がんた)はその日までごく普通の日々を送ってた。
その日の朝も仲の良い友人達と修学旅行の話で盛り上がったりしてた。
窓の外(空中)に奇妙な格好をした赤い男が出現して丸太に笑うまでは。
赤い男が笑って教室は滅茶苦茶になり友人は変わり果てた姿になった。
赤い男は丸太へと近づいてきた、もうダメだと思いながら気を失った。
次に目覚めた時、丸太はクラスメイトを惨殺した凶悪犯になっていた。
やっていないという主張を誰も信じてくれず死刑を宣告されてしまう。
こうして丸太は完全民営刑務所デッドマンワンダーランドへ送られた。

これ原作を読んだ時にとても嫌悪感を抱いて叩き捨てたんだった……
内容をすっかり忘れてたけどアニメを見てて当時の印象を思い出したよ。
安易に暴力を多用するし意味もなく人を殺しまくる胸糞悪い作品なのを。
絵は上手いんだけどストーリーがヒドい典型的な絵だけの作品というか。
でも、こーゆー作品は青年誌では珍しくないので需用は有るのでしょう。
この作品の原作も結構売れてるし。アニメはまるで売れなそうだけど。
ちなみにアニメの方も絵や動きに関してはとても良いと思います。

この作品は主人公がいきなり死刑囚になるという展開で始まるのです。
いきなり数奇な運命に翻弄されるのは良くあるのでアリだと思います。
赤い人が現れて教室中の人を皆殺しにするのもまぁヨシとしましょう。
でも人間技ではない現場から丸太を犯人に仕立てるのは無理有りすぎる。
いくら玉木が有罪になるよう仕組んだとしても状況証拠が足りないよ。
(ビデオで心象を悪くしたって証拠がなければ有罪にはできない)

シロの行動についても違和感が大きすぎる。精神があまりにも幼いし。
精神が幼いのはきっと意味が有るのだろうと好意的に解釈したとして、
それでもドッグレースショウの時のシロの行動は全く意味わからない。
シロはただ楽しんでるように見えたのに、実は丸太を助けてたとかさ。
危険なのを知っててフォローするような頭があるように見えないのに。
動物の本能的に危険を感じて守るならもっと直接的になるだろうし。
説得力がないと言うかキャラの性格づけと行動に一貫性がないのです。
いい話っぽくまとめているけど違和感が大きすぎて共感できないよ。
死刑になる流れもそうだけど頭で考えた筋をなぞってるだけって感じ。
絵は良い(とても上手い)けどストーリーがヒドいというのはそこです。

さらに安易に暴力を使うし大した意味もなく人を殺しまくるし……
シロと丸太の関係とかシロがあそこにいる理由とか多少気になるけど
それだけを目的に見続けるにはあまりに趣味じゃない内容なのでした。
作中で理解されないもんですとか言ってたけど、理解したくないよ!


「星空へ架かる橋 1〜4話」
4月から一部の民放(5局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
ShowTimeで最新話(と1話)無料配信中。他でも有料配信中(1話は無料)。
原作は18禁の恋愛アドベンチャーゲームでやったことはありません。
※セルBD/DVD・レンタルDVDは7/6からリリース
星野一馬(かずま)は喘息の弟の歩の療養で田舎の山比子町へやってきた。
いずれ家を買って両親も越してくる予定だけど仕事の都合とかもあるし、
一馬たちは学校のことも有るので先に二人だけでやってきたのだった。
父が先代の女将と知り合いの旅館・よろづよにお世話になることにして。
一馬にとって山比子町は小さい頃に訪れたことのある懐かしい町だった。
と言っても記憶は薄ぼやけてて、いきなり乗るバスを間違えてしまう
戻ろうとバスを降りたら1時間待ちで。待ってたら猿に帽子を取られて。
猿を追って道に迷い途方にくれてた一馬の前に一人の女の子が現われる。
こうして一馬の田舎ライフは幕を開けた。

何だかとっても薄いです。作品の印象も内容もキャラも。
1話を見て絵はキレイだけどキャラ紹介だけで中身が無いと思ったら、
4話まで見てもキャラと簡単な舞台の紹介だけだったでござるの巻(爆)。
田舎ライフがウリと言ってるわりに特徴的な雰囲気が有るわけでもない。
キャラ紹介もいわゆる当番回方式みたいに掘り下げてるわけではなくて、
キャラと会ってちょっと会話して少しだけ特徴を見せるという程度です。
日常メインの作品だって小さなエピソードでメリハリをつけていくのに、
この作品はただいつもの生活をやってるだけでメリハリが無さ過ぎるよ。
時たまみょーにノリの良いシーンはあるけど土台が平坦すぎるのです。
4話まで見て記憶に残ったのが初(うい)の大食い設定だけなんだけど……


合言葉はエル・プサイ・コングルゥ (11/6/10) 次へ 前へ
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新作アニメのブログパーツや統一デザインを作ってて思ったんだけど
それぞれのブラウザの挙動の違いがとても厄介だなということでした。
IEが他といろいろ挙動が違うというのはわりと知られてることだけど
他のブラウザだって細かいところが結構違うので……
(標準的な書き方をすれば大丈夫とか言ってるやつは寝ぼけてるよ)
結局はそれぞれのブラウザで実際に見て問題を潰していくしかない。
正しい書き方よりも変な書き方の方が上手く行くこともあったりする。

そんな感じでそれぞれのブラウザに対応するのがとても大変なのです。
さらに最近はChromeやSafariが(一応)メジャーブラウザに追加されたし、
Chromeなんか短い間隔(毎月のように)でバージョンアップを繰り返すし、
対抗して他のブラウザまでバージョンアップ競争を始めてるし……
古いバージョンをいつまでもチェックしてると負荷が半端無いのです。
なのでそれぞれの古いバージョンを一気に切り捨てることにしました。
これ実は今回ではなくて少し前に決定したことですが。

古いバージョンを切り捨てる手法でよくあるのは現行と1つ前までで
2つ前以前のバージョンをばっさり切り捨てるというやり方ですが、
そんなそれぞれの事情も状況も無視した杓子定規なやり方ではなくて
(アクセス解析で調べて)実際に使ってる人がいるかで判断してます。

ちなみに現在の(放送中アニメの人気ランキングの)アクセス比率だと
IEがだいたい62%でFirefoxが18%、Chromeが7%、Safariが6%ぐらい。
今までしっかり対応してたOperaは3%すら行ってない……

IEの内訳は8が68%で大半を占めてて9は11%でまだ導入され始めな感じ。
いろんな意味で問題が山積してる6と7も無視できないほどいるみたい。
(IE5以前は全く記録に出てきません)

Firefoxは最新の4.0が67%で1つ前の3.6が31%でほとんど全部。
Chromeは最新の11が78%で1つ前の10が18%でほとんど全部。
どちらも一つ前まで対応しておけばほぼ問題ないという感じかな。
新バージョンが出てしばらくは移行があるので二つ前までがより安全。

Safariは最新の5が51%で1つ前の4が15%で謎バージョンが33%。
6533.18.5とかいう謎バージョンはスマートフォンっぽいです。
Operaは最新の11が68%でモバイル用?の8.7が24%でほとんど。

上のデータはgoogleアナリストのPC用で携帯はほとんど拾えてません。
自前解析だともっと携帯のアクセスがあるっぽい感じでしたが。
(自前解析にはブラウザを分類表示する機能をつけてない)

以上の解析結果からIEは6以降で他は1つ前までの対応で大丈夫な感じ。
念のためにFirefoxだけ3つ前までで他は2つ前までチェックをしてます。
以前はOperaも3つ前まで対応してたけど3つ前の8.xxは問題が多いわりに
アクセスはほとんどなくてまるで手間に見合わないので切り捨てました。
(新作アニメ情報のブログパーツも8.xxだと全く動きません)

新たに追加した方針は完全に同じに表示しなくても許容するということ。
ブラウザの仕様の違いやバグでどうにも同じにならない箇所が出た場合
汚いな手法を使って完全に同じにすると後々のメンテが凄く困難なので。
初期のサイトはそれやったのでデザインの変更作業が遠い道のりに……
表示を同じように合わせる際に汚い手法を可能な限り使わないかわりに、
致命的ではないデザイン上の違いは諦めるということにしました。
IEの8までは見出しとかの角が丸くならないのはその方針に従ってます。
(サイトロゴとトップのバーだけはイメージ化してるのでIEでも丸い)

窮余の策の方針としてはIE6のみの不具合で回避不能な場合は諦める。
いろいろやっててどうにもならない不具合が多いのを痛感したので……
さすがに操作や表示で致命的なものだけはなんとか対策してますが。
IE6よりはずいぶんマシになったけどIE7でも結構な不具合が出ます。
こちらもIE6同様な判断基準でやってます。利用者は大差ないので。


各IEのバージョンに関して表示や動作チェックしてて思ったこと。
IE6に問題(特に不具合)が極めて多いのは周知の事実だと思うけど、
IE7もIE6ほどではないけど十分すぎるぐらい問題が多いということ。
と言うかチェックをしてて思ったけどIE6と7ってエンジン同じでは?
たぶんIE6のバグを減らして少しだけ改良したのがIE7ですね。
IE6固有のバグ以外の問題の大半はIE7にも変わらず存在してるので。
特にメモリーリークしてJavaScriptが異常に遅くなるのは困りもの。
(新作アニメのブログパーツを作ってて凄く問題になりました)

困ったことにIE7には新たな不具合がいっぱい混入していたりする(爆)。
で、この新たな不具合は標準モードでしか顕現しないという……
新作アニメのブログパーツはずっと互換モードでチェックしてたので
標準モードに切り替えて表示してみて愕然としたのを覚えてます。
WEB標準モードってどのブラウザでも同じに見えるモードじゃないんか!
昔、標準モードのほうが表示が同じにならないと書いたのを思い出した。

標準モードで表示がほぼ同じようになったのはそう昔のことじゃないよ。
(今でも細かいところは結構違ったりするし)
そしてIE6とIE7の標準モードは全く使い物にならないゴミって感じです。
他と表示が違いすぎるし変な不具合てんこもりだしbox-sizingはないし。
互換モードのほうが動作が枯れてて変な不具合が少ないのでマシですよ。
だからIEは7までを互換モードで8以降だと標準モードで見せてたりする。
(IE8以降を互換モードで動かすと角丸とかの新機能が動かないのです)
ページに変な記述をしてるのはそういった理由です。

IEだけ互換モードで他は標準モードで見せてたら問題が出そうですが、
実はボックスのサイズ解釈以外は記述次第で何とかなったりする。
そのサイズ解釈だって(IE6/7以外は)box-sizingの指定で何とかなるし。
IE6/7を互換モードにしてしまえば解決はむしろ早かったりするという。


では久しぶりのアニメの感想を。


「STEINS;GATE 1〜10話」
4月から一部の民放(6局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
ニコニコ動画とAnimateTV(2週遅れ)で最新話無料配信中。
原作は想定科学アドベンチャーゲームでやったことはありません。
※セルBD/DVD・レンタルDVDは6/22からリリース
狂気のマンドサイエンティスト鳳凰院凶真は世界の変革と混乱を目指して
同士と共に未来ガジェット研究所を設立し、日々研究を繰り返していた。
しかし凶真の思想に感づいた機関による妨害が次第に厳しさを増していた。
というのが岡部倫太郎(彼曰く世を忍ぶ仮の名)の脳内にある世界設定だが、
現実は厨ニ病をこじらせた大学生が幼馴染のまゆりや友人のダルと一緒に
研究所にほど遠い小さなビルの一室で変な発明品を作っているだけだった。

ある日のこと。中鉢博士の講演を聞きにラジ館(秋葉原)を訪れた倫太郎は
10代で科学誌に論文が掲載される才媛の牧瀬紅莉栖(くりす)と出会った。
一度目は中鉢博士の講演会場で。二度目はラジ館の一室で死体となって。
直前に生きて話した相手の死体に動揺した倫太郎は走ってその場を離れた。
彼は衝撃の事実を一人で抱えてられなくて携帯からダルにメールを送った。
その瞬間、倫太郎に奇妙な眩暈が襲ってきて、雑踏から誰もいなくなった
しばらく後、まゆりの声で現実に戻った倫太郎は、さっきまで居たはずの
ラジ館の上に落下した人工衛星を見た。それを見物しに二人は来たと言う。
彼は直前までの現実との齟齬に混乱したが、違いはそれだけではなかった。
極めつけは牧瀬紅莉栖と再会したことだった。全くわけがわからなかった。

これ凄く面白いね!1話を試しに見たらいろんな意味でインパクト抜群で
凄く興味を引く内容だったし。回を重ねるごとにさらに面白くなってるし。
時間経過やディティール描写が凄く丁寧で、いきなり風呂敷を広げないで、
主人公の手の届く身近な世界で物語が動いていくので臨場感が凄くあるし。
最初は取るに足らない些細で奇妙な現象や、多少気になる情報だったのが、
次第に一つの事象に繋がっていくし。1話毎に必ず新たな進展があるし。
見えることが新たな興味を生んで、オカリン同様もっと踏み込みたくなる。
そして自分の知的好奇心の結果として9話の最後の衝撃的な光景に至る。
(公式の記述からして今後の展開はそんなもんじゃ済まなそうだけど)

この作品は名前や構造の似てるCHAOS;HEADと同じ(原作)スタッフなのか、
主人公の性格がアイタタタ……なところがそっくりだったりします。
CHAOS;HEADは全てが内向きでこっちは外向きで行動的なとこが違うけど。
その違いのせいであまり嫌悪感がなくて滑稽に見えるのは良かったかも。
最初は生暖かい目で見てた痛いキャラも次第に微笑ましく見えてくるし。
言動はアレでマンドサイティストを自称してるわりに本質は善人だしね。
宝くじを買うときだって1等の1億ではなく3等の70万を選んだぐらいで。
たぶん大きい金額は歴史に与える影響も大きいと考えたんじゃないかな。
70万だったら自分の懐が少し暖まる程度で世界への影響も軽微だろうと。
しかし些細だと思ってた過去改変の影響は予想以上の結果を生んでいく。

この作品の中だとキャラがアレなのはオカリンに限らなかったりする。
ラボ(未来ガジェット研究所)のメンバーのダルはスーパーハッカーで、
デブで眼鏡でテンション低い喋りというオタク像を具現化した感じで、
そこまではわりと普通だけど喋り口調がほぼネット用語と言う……
ここまでネット用語を喋りまくるキャラはたぶん前代未聞だろうなと。
さらに聞きようによってはエロいセリフを復唱させてみようとするし。
「このバナナぶよぶよだよぅ」のところをもう一回言ってみてとか。
※このセリフを女の子が口にするのがポイント

まゆしぃ(椎名まゆり)もコスプレ作りが趣味でメイド喫茶でバイトして
雷ネットグッズを集めるためにソーセージを買ったりとマジオタクです。
おっとりしてるし痛い言動をしないのでオタクでも印象はいい方ですが。
天才少女の紅莉栖も時々どこかで聞いたような言い回しを口にするし。
フェイリスは凶真の厨ニ設定に真っ向から渡り合うような言動をするし。
萌郁(もえか)はボソボソした喋りとは裏腹にメールでは明るく饒舌だし。
この作品に普通の人はいないのか?と言いたくなるほど濃ゆい人ばかり。
そしてキャラの濃さと異彩さが物語の説得力とインパクトを増している。
強烈なキャラメイクが物語の内容と上手くかみ合ってるのが面白いです。

この作品は2クールの予定でこの手の他の作品よりも長丁場なわけです。
だから展開が遅いかと言うとそんなことはなく1話から物語が動きます。
紅莉栖とその後の記憶と現実の齟齬で、初っ端からインパクト抜群です。
とはいえ、この時点では事実を受け止める以上は理解しようがないけど。
その後に見えてくるちょっとした奇妙な事象の断片が本番と言えるかも。
最初のうちは奇妙な現象や気になった情報を追っていく展開なのです。
それは世間からすれば取るに足らないような些細で下らない出来事を。
でもオカリンやラボメンにとっては当面の興味は引く程度の出来事を。
そして1話毎に一つは他と繋がる新たな事実や事象を知ることになる。
一気に進むことはなく停滞することもなく着実に手札が開いていく。
バラバラの絵が次第に一つの絵になっていくので凄く刺激的なのです。

最初に書いたようにこの作品は時間経過が凄く丁寧で臨場感が抜群です。
だから視聴者はオカリンが感じたことを一緒に体験する感じになります。
アイタタタな言動をするときは一歩引いて生暖かく見守っちゃいますが。
(あえて言うならオカリンの守護霊みたいな視点だろうか)
1話の最初の衝撃は別として最初のうちは些細な発見を楽しむ感じです。
しかしいくつかの事象が繋がりある行為を確立すると状況は一変します。
軽い気持ちで試したその行為により予想しなかった結果が訪れるのです。
大したコトをやってなかったはずなのに大きな変化をもたらしたのです。
もしかしてとんでもないことをしてしまったのかと恐怖心が生まれます。
しかし時すでに遅く、想像を絶する変化が生じていた、のが9話の最後。

今後どんな展開になるか予想すると純粋に楽しめないからしないけど、
一つだけもしかして?と思えることはあったりする。
ラボの下の店でバイトをしてる鈴羽は今まで出てきた情報から考えるに
間違いなくこの時代の人じゃないよね。普通の日本人の女の子じゃない。
世間知らずだし、流行を間違えてるし、オカリンの話を馬鹿にしないし、
ブラウン管好きだし(笑)、戦士とか口走るし、紅莉栖を敵視してるし。
ただの変な人にも見えるけど、そう片付けるには符号が揃いすぎだから。
恐らく見てる人の多くが未来(ディストピア)から来たのではと思うかと。

そして、これはあくまでも勘だけどジョン・タイター=鈴羽なのかなと。
たぶん最初に紅莉栖を殺したのも鈴羽だよね。勘なので保証しないけど。
と、ここまで書いた後に10話を見たんだけどもしや鈴羽の父親ってダル?
だとすると探し人のすぐ傍にいながら気付いてないのか……


「TIGER & BUNNY 1〜10話」
4月からMBS他(2局)とBS-11とUSTREAMで深夜に放送してる新番組。
各バンダイチャンネルで最新話(と1話を)無料配信中。
※セルBD/DVDは5/27からリリース(レンタルDVDは6/24から)
現実に似てるけど少し違う世界。現代よりも科学技術の進んだ時代。
特殊能力を使って犯罪者たちから街の平和を守るヒーローがいる世界。
この世界のヒーローたちは活躍の一部始終がHERO TVで流されていて、
ロゴ背負って活躍することでスポンサーの宣伝をする会社員でも有った。
ヒーローの一人ワイルドタイガーは会社員の判断より正義の心を優先し、
人を助けるためには手段を選ばないので、正義の壊し屋と呼ばれていた。
そんな彼を雇っていた会社が突然吸収されて新たな職場を紹介される。
向かった先では新たなスーツと新たなパートナーが用意されていたのだ。

見るまでは全く期待していませんでした。多くの人が思ったように。
事前に公式サイトを見た時にアメコミ風のデザインが目に入ってたから。
多くの作品がしのぎを削るこのご時世にアメコミもどきは無いだろうと。
HEROMANのように海外展開のついでに日本でも放送する作品と思えたから。
さとうけいいちさんに気付きながら安易に考えていた自分が恥ずかしいよ。
ビッグオーでレトロロボットを使いながら全く新しい方向を打ち出したり、
鴉 KARASでは特撮表現をアニメで再現させたりと意欲的な人だったのに。
過去の実績を考えれば十分予想できる結果が出ただけと言えるのだから。
にしても今期は過去にいい作品を作った人達が一番人気を争ってて面白い。
※あの花→とらドラ、シュタゲ→苺ましまろ+TEXHNOLYZE

この作品はアメコミヒーローという手垢のついた設定を使っています。
しかしただヒーローが活躍する勧善懲悪の安易な作品にはしていない。
偶然に生まれた超能力者が社会のため力を使うという科学的設定があり。
(その力を悪用する犯罪者も当然にいる)
ヒーローが会社に雇われてたり、活躍をテレビで放送して順位付けたり、
非現実的なはずのヒーローを泥臭い地に足のついた存在として描いてる。
アメコミヒーローという陳腐な設定を使いながら新しい作品になってる。
陳腐な記号から新たな価値を生み出したとこはビッグオーそっくりです。

キャラもいい味出してます。なんといい歳したオッサンが主人公だよ。
かつては人気ヒーローだったけど年齢と共にピークは過ぎた感じで。
他のヒーローより正義の意識が強いのも旧世代っぽさを感じさせるし。
いきなり登場した期待のルーキーには感覚が古いとバカにされてるし。
人間味の薄い完璧超人な主人公よりもずっと魅力を感じるのでした。
私が結構いい歳だからこんなオッサンが魅力的に見えるのかもだけど。
ゼノサーガの時も思ったけど平田さんの三枚目キャラは凄くイイね!

ワイルトタイガー(虎徹)とコンビを組むことになるもう一人の主人公が
バーナビー・ブルックスJr.という若くて目鼻立ちの整った超イケメン。
見た目だけでなく立ち振る舞いも洗練されてるし、行動に無駄がないし、
部屋はモデルルームのような整い具合でまるでいい男を絵に描いた感じ。
(ある一点以外は)合理的に思考するので虎徹と衝突することもしばしば。
人を助けることを優先するあまり手順や立場を無視したり無茶するから。
だから二人の仲もコンビネーションも酷いもんだったよ。最初の頃は。
バーナビーはある目的を果たすために顔出しヒーローをやっていたので、
たとえ馬が合わない相手でも仕事上の付き合いと割り切って接してたし。
しかし虎徹の人を助ける意識はバーナビーにも等しく向けられたわけで。
次第に二人はホントのコンビっぽくなっていくのです。いい感じに。

ワイルドタイガーとバーナビー・ブルックスJr.の組み合わせなので
タイガー&バーナビーという名称が二人の正式なコンビ名なのです。
作品タイトルのバニーは虎徹がバーナビーにつけたあだ名です。
ヒーロースーツに兎の耳みたいのがついてるからバニー(ちゃん)だと。
もちろん最初その呼び名を嫌がってたけどいつのまにか定着してたね。
それだけ二人の関係が近くなって互いに信頼するようになったのです。

この作品には8人ヒーローが登場します。そして1話から活躍してます。
特に1話は顔見せの意味合いが強かったので全員を活躍させてました。
さすがに2話以降は描くキャラを限定してちゃんと掘り下げてますが。
あくまでも虎徹とバーナビーの二人を基軸にして事情とか描きながら、
脇を固める他のヒーローのエピソード(事情)を織り込んでいってる。
無理に全員出してキャラも内容も薄っぺらくしてないのは好感触です。

ヒーロー側の事情がみょーに人間くさくて俗っぽいも面白いところ。
例えばヒーロー界のスーパーアイドルと呼ばれるブルーローズのこと。
ルックス的にもアイドルなんだけどステージ作って歌まで歌うのです。
どこぞのセーラー戦士みたいな恥ずかしいキメゼリフまで口走るし(笑)。
(カリーナはこのキメゼリフは恥ずかしくて嫌がってたりする)
なんでヒーローがアイドルみたいな活動をしてるの?って感じだけど、
実はカリーナは歌を歌わせてくれるからヒーローになったのでした。
ヒーローはあくまで目的を遂げたらついてきた副産物だったのです。
人前で歌が歌えるなら別にヒーローでなくてもいいと思ってるのです。
だけど虎徹のヒーローの考えに感化されて意識が変化するのでした。
虎徹の娘の話に凄い衝撃を受けてたのでちょっといいとか思ってた!?

虎徹とバニーが二人で仕事をしながら次第に関係を構築していって。
他のヒーローたちの事情が一人ずつエピソードとして掘り下げられて。
そしてこの作品の本筋のバーナビーの事情が次第に明かされていく。

上に書いたけどバニーはある目的のためにヒーローをやってるのです。
模様以外は手掛かりのない状況で手掛かりらしき人を見つけたのです。
しかしその人は突如現れた謎の人物によって殺されてしまうのでした。
謎の人物が手掛かりかと思ったけど、全く関係がなくて線が途切れて。
仕事で偶然に過去を再現したことで失っていた記憶が呼び覚まされて。
ついに目的にたどり着けると思った時、都市は謎の組織に襲撃される。
その組織こそバーナビーがずっと追い続けていたモノだったのです。
と言うのが10話の最後のシーン。いい感じに盛り上がってます。


「俺たちに翼はない 1〜10話」
4月から一部の民放(6局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
ShowTimeで最新話無料配信中。バンダイチャンネル他でも(有料)配信中。
原作は18禁の恋愛アドベンチャーゲームでやったことはありません。
※セルBD/DVD・レンタルDVDは6/22からリリース
複数の路線が乗り入れるターミナル駅を中心に発展した大都市の柳木原。
駅の東にはビジネス街が、西には歓楽街が広がり多くの人が行き交う街。
千葉鷲介(しゅうすけ)は街の片隅にあるレストラン・アレキサンダーに
入り浸りマスターの世迷言に乗っかっては日野英理子に罵倒されていた。
成田隼人(はやと)は夜の柳木原で便利屋稼業をして日々を過ごしていた。
と言ってもあまり儲かってないし、金になるのは妙な仕事ばかりだった。
羽田鷹志は受験を控えた高校三年生。性格は繊細で冷静で態度は控えめ。
彼女がいて家では妹と二人暮しで、妹と会話が続かないのが悩みだった。
どこにでもありそうなシーンから始まる物語は次第に様相を変えていく。

たぶん多くの人は1話を見て何だこれ?と思うんじゃないかと。
いきなりみょーにテンションが高い変なノリのDJが喋りまくってるし。
最初のシーンはいかにも美少女ハーレムっぽいシチュエーションなのに、
なぜかメインは男キャラばかり出てくる内容だし、話がいきなり飛ぶし、
最後には僕のホントの姿は異世界グレタガルドの戦士とか言ってるし。
その主人公の(一人の)言葉通りのエンディング曲と映像まで流れてるし。
いったいこの作品はどこに向かってるんだ?とか思ったことでしょう。
もちろん私も思いましたとも。何じゃこりゃー!と。
聞くところによると、これほとんど原作通りみたいです……

1話というのは視聴者を引きつけるためにとても重要な意味があるわけで。
特に昨今のように作品が多い状況だと1話で切られることも少なくないし。
だからインパクトを強くして視聴者に印象を残すことが重要になってくる。
そしてこの作品はというと、、、
インパクトは抜群だったと思います。ただし悪い意味での話ですが(爆)。
美少女アニメを期待してたのに美少女より男キャラ(わりとイケメン)が
やたら目立ってたりするし。さらに構成も方向性も意味わからんという。
(脈絡もなくパンチラがあったりやたらとサービスシーンは有るけど)
これについていく人は物好きだろうなと熱心に見てた私でも思うから(笑)。

何か酷いことを書いてるけど、実は私はこれ結構楽しんで見てたりする。
4話あたりから物語の仕掛けが明かされて変な構成の理由もわかるけど、
それ以前から、てゆーか1話から見返すほど楽しんで見ていたのでした。
4話以降は今回初めて見たけど、3話まではほぼリアルタイムに見てたよ。
つまり、3話までを見たのは2回目、、あいや3回目ぐらいだったかなと。

この作品の何が私の琴線に触れたかと言うとずばりキャラのやり取りです。
鷲介パートでのアレクサンダーのマスターや鳳翔との会話が何とも面白い。
隼人パートだと突撃ポンコツ娘の鳳鳴との会話が飛ばしまくりで超楽しい。
(久しぶりに後藤邑子さんのポンコツキャラを堪能させてもらったよ)
他にもサブキャラに濃い面々が揃ってて何気ない会話がいちいち面白い。
ぶっちゃけ、物語の仕掛けや本筋よりもそこに着目して見ていたりする。
ひたすらパンツを追う人もいるんだし、こんな視点で見ててもいいじゃん。
問題点が有るとすれば男キャラの方が存在感が有りすぎるってとこぐらい?
私は全く気にしないけど期待してたのと違うと思う人は結構いると思う。

この作品にはメインヒロインが4人います……という設定になってます。
何か変な言い方だけど、パッと見は誰がメインヒロインかわからないし(爆)。
さすがにここ(10話)まで見れば何でこの4人がメイン扱いかはわかるけど、
1話なんか冒頭のハーレムシーン以外にはこの4人のヒロインは出ないから。
他にもっと目立ってる女キャラがいるのに何故この4人?とずっと思ってた。
よーするにこの4人は主人公と深く関わってくるからメイン扱いなのです。
そして恐らくは主人公(たち)に何らかの救いをもたらす存在ではないかと。

しかし何かこの作品ってよくある美少女モノとは男女の位置が逆のような。
普通の美少女モノは女の子の事情を描いてそこに主人公が関わるのだけど、
この作品は主人公たちの事情を描いてそこに女の子が関わってるのでした。
(アニメだと)主人公と関わってるという以上には深く描かれてはないし。
やたら男キャラの存在感があるのも主軸がそっちに有るからなわけです。
これ見ててなぜかデュラララ!を思い出したぐらいだよ(全く似てません)。

4話でこの物語の仕掛け(変な構成の理由)が明かされて物語が動き始めます。
実はそれまでも少しずつヒントみたいのは散りばめられてはいたけどね。
よほど勘がいい人じゃないとヒントがヒントとわからないようになってる。
3話まで再見して鳳翔が二つのパートに出てることに気付いたぐらいで(汗)。
見た目が違いすぎるから最初に見たときは別人として処理してたのでした。
(何度も見ないとキャラの名前覚えないから)
翔の姿が違うから二つのパートは時間軸か世界線が違うのか?とも思った。
翔に複数の姿が有るってことはもしかして他の人にも別の姿がとか思った。
まさか彼と彼と彼が(ある意味では)同じ人とは予想だにしなかったけど。

再見してると4話以前にアレ?と思うシーンがいくつか有ったりする。
たとえば鷲介が夜中に家に帰る途中で小鳩と出会って会話を交わすとか。
一見すると鷲介と小鳩がご近所かなんかで顔見知りぐらいに見えるけど。
(実はこのシーンで鷲介は小鳩を見送った後に羽田さんの家に入ってる)
全ての設定を知った上でこのシーンを見るとああそーいうことかと。
鷹志が窓を開けたときに小鳩が誰?と言ったのもそーいうことかと。
これ主人公視点で主人公の脳内映像を視聴者に見せてるからああだけど、
もしも小鳩の視点で映像を作ったら何か凄いものになったかもしれん。
それぐらいテーマに剛速球で挑んでみても良かったような気がする。


「アスタロッテのおもちゃ! 1〜7話」
4月から一部の民放(7局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
ShowTimeとニコニコ動画で最新話無料配信中。他各所でも有料配信中。
原作は角川系(電撃マ王)のマンガで1巻だけ読んだことがあります。
※セルBD/DVDは6/24からリリース(レンタルDVDは7/29から)
アスタロッテは妖精の国ユグヴァルランドの唯一の王女で10歳の女の子。
サキュバスという古い種族で生きるためには男の精を吸う必要があった。
ハーレムを作る準備を始めなさい、とユーディットは口うるさく言った。
アスタロッテは男が苦手だったので人間の男がいいと無理難題を返した。
かつてユグヴァルランドと人間界を繋いでた扉は長らく閉ざされていて、
人間の男をつれてくるなんて無理だとアスタロッテは知っていたのだ。
しかしその思惑を裏切ってユグヴァルランドに人間の男がやってきた。
未成年に見えるほどの童顔だけど23歳の青年が月給60万で雇われて。

なんともファンシーな見た目というのがこの作品の第一印象でした。
原作を知ってたからずいぶんメルヘンタッチに仕上げたなと思ったよ。
まぁでも原作のテイストを考えればそう間違ってないとも思ったかな。
ちょっとエッチな、みたいな言われ方をするほどそれっぽくは無いし。
(雑誌的にとってつけたような感じで本質はそんな感じではない)
アニメに至っては「ちょっとエッチ」な要素がほとんど無くなってるし。
土日の朝にやっても十分いけそうな健全な少女アニメみたいになってる。
作品の内容も親子の話だったり姉妹の話や友達との話だったりするので。
よくある美少女ラブコメ作品とはちょっと毛色が違う作品なのでした。

ロッテはサキュバスで吸精行為をしないと死んでしまう存在ってことで、
ハレームを作るための準備で男を見繕うという導入で物語が始まります。
設定的にも表現的にもちょっとアレでインパクトの抜群な導入なのです。
ただそれは人によって引いてしまう可能性が有る内容でもあるわけで。
実際、見せ方次第では嫌悪感を抱かれても不思議が無かったわけです。
でもこのアニメは見せ方がポップでイヤらしさを感じさせない作りで、
誰が見てもあまり嫌悪感を抱かないような雰囲気に仕上がってます。
その結果として(あざとい)設定のインパクトも薄れちゃってます……
作りが凄く丁寧なのに最初のうちずいぶん印象が薄いのはそのせいです。

上の方に少女アニメみたいと書いてるのは表現的な部分が大きいです。
何しろ監督さんが佐藤順一さんの影響を強く受けてる追崎さんだから。
キャラを崩すデフォルメ表現とか作品の雰囲気とかとても似ています。
ファンシーなアートワークに純正少女アニメ風の表現スタイルなので、
内容が多少少女アニメとは違ってたとしてもそれっぽく見えるのです。
さらにアニメでの見せ方もあって方向性もそう違わなかったりするし。
なにしろこの作品は事実上ロッテの方を主人公として描いてるので。
ロッテが直哉や明日葉と関わったことで、親子の関係を取り戻したり、
初めて友達を作っていったり、と足りなかった愛情を得ていく話だから。

既に何度か書いてるけどこの作品の最も大きな主題は親子の関係です。
5話までの最初のエピソードの中心はロッテとその母親(国王)の話だし。
ロッテと直哉の関係も愛人とかペットみたいな表現を使っているけど、
どっちかというと親子(直哉が父親)みたいな関係だったりするので。
多少ネタバレ風味だけど実際、直哉はロッテの父親みたいなもんだし。
6話からはラブコメ的なシーンも有るのに父親と娘みたいな感じだから。
ロッテがおねしょを告白した時の全てを受け入れる優しさがそうだし。
父親のような恋人は理想的な存在だけどさ。

最初のエピソードでロッテはある理由で母親と疎遠なことが語られます。
母親はロッテを嫌ってなかったけど二人の関係は上手く行ってなかった。
表面的にはそんな素振りは見せなかったけど寂しい思いをしてたのです。
(親の愛情が乏しいとおねしょが止まる年齢が高くなる傾向が有るとか)
いきなり連れて来られて酷い扱いを受けたのに直哉が仕事を受けたのは、
そんなロッテの事情を知って何とかしてあげたいと思ったからなのです。
直哉の娘の明日葉も偶然か必然か父親の気持ちに沿って行動したのです。
積極的にロッテに関わっていって、ロッテを人の輪に引っ張っていった。
まるで妹(ロッテ)を思いやる姉みたいな行動を明日葉はとってたわけです。
まぁ、実際に明日葉とロッテは××だしね。

4〜5話あたりで最初のエピソードのロッテと母親の話が山場を迎えます。
このへんは1話のまったりした内容とは打って変わってとても感動的です。
この作品の本質(親子関係)を見せると言う意味でもそこが本番なのです。
なので1話が印象に残らなかったとしても5話までは見た方がいいよ、と。


「そふてにっ 1〜4話」
4月から一部の民放(8局)とAT-Xで深夜に放送してる新番組。
ニコニコ動画とShowTime(2週遅れ)で最新話(と1話)無料配信中。
原作はスクエニ傍系(BLADE)のマンガで1巻だけ読んだことがあります。
※セルBD/DVDは6/22からリリース(レンタルDVDは6/24から)
学校のそばには牧場が広がってるような北海道の田舎にある白玉中学。
この学校のソフトテニス部は言葉だけは全国制覇と言っているものの、
とりあえず部長は最初の1勝を目指そうよと言うようなレベルだった。
この部には、2年生の(エロい)妄想暴走元気少女・春風明日菜(あすな)、
同じ2年生で空手の腕前が師範級の熱血バカ少女・沢渡琴音(ことね)、
食べることに関しては異常な意欲を見せる部長の秋山千歳(ちとせ)、
変な被り物をしてきたり行動の読めない1年の冬川来栖(くるす)がいた。
そこに顧問のミッシーに会いに留学してきた金髪少女・エリザベスを
加えた5人の部員で、遥か遠い目標に向けて部活動に励むのだった!?

こんな変な内容をアニメにしてウケのるか?と話を聞いたときに思ったよ。
女の子たちが部活をやる作品だから某大ヒット作と重ねたのかもだけど、
これはどう考えたってそれとは全く異質な変なノリのギャグ作品だから。
あまりニーズないだろうし、よほど上手くやらないと売れないんじゃ?と。
今のところのデータの推移を見ても全くもって予想通りになってるわけで。
どうせアニメ化するならラクロスのやつの方が正統派だし良かったのでは?
(同じコミックBLADEのバガタウェイとか言う作品)

世間のニーズの話はそれとして、この作品について個人的な感想を言うと、
(ある意味予想通りだったけど)アニメ作品として結構楽しめたという感じ。
予想通りと言うのは、この作品の監督を上坪さんがやるって知ってたから。
※ひだまりスケッチ1期のシリーズディレクターとED(2期も)やってた人
「今日の5の2」とかでも新房さんの影響を受けた演出をやりまくってたし、
テレビシリーズ初監督ってことでどこまでやってくれるのか期待をしてた。
だから1話の畳み掛けるような切れの良い演出を見てて嬉しくなったよ。
こんな変な原作でも見せ方次第でちゃんと楽しめるようになるんだなと。
演出でどんなにドーピングしようと変な内容なことは変わりないけど(爆)。

OP映像の鈴木利正さんも月詠をやってた新房さんの影響を受けてる人です。
(化物語でモンキーの百合の花のオープニング映像をやってたよ)
監督作ではそれっぽい感じは薄いけどOP・ED映像は時々結構それっぽいよ。
ポリフォニカクリムゾンのEDとか上坪さんと似たようなテイストだったし。
今回も監督が上坪さんなこともあってか新房風味が全開になってるなと。
ちなみにED映像は上坪さん自身がやっててひだまりと似た感じになってる。

本編について言うと「ひだまりスケッチ」を演出的に薄くした感じですね。
女キャラが大半という共通点以外に内容はそんなに似ていないんだけど、
意図したのかと思えるほどに似たような手法を使ってる部分が有るので。
アートワーク(背景とか)がひだまりっぽいのっぺりしたイラスト風だし。
毎回、朝起きて夜寝るところで終わるし。毎回風呂には入ってないけど。
お風呂に入るかわりに毎回牛が逃げてるのが方向性をよく示してるかも。
(ひだまりは基本がまったり、こっちは基本がすっとぼけてる)

演出的に薄くしたというのは演出陣の層が薄いという意味でも有ります。
1話は上坪さんなんでさすがに演出の切れ味はお見事と言う感じだけど、
2話以降やっぱり1話に比べて切れが悪いし表現の幅も狭くなってるから。
それでも他の人が監督をするよりは上坪さんの色が出ているとは思った。
上坪さん自身の1話も今日の5の2の時に比べて幾分大人しい感じだから、
監督として全体をまとめる作業に労力を割かれてしまってるのかなと。
シャフトの外でも高いレベルを維持できる大沼心さんは凄いのだなと。

内容とか言いながら演出とか映像以外のことにほとんど触れてませんが、
ぶっちゃけ内容について語ることはあまりないし……
何度も書いてるように、すっとぼけた変なノリのギャグアニメなので。
一応部活(ソフトテニス)はやってるけど部活をネタにしたギャグだから。
ストーリーの流れみたいのも少しは有るけど基本はギャグだから薄いし。
ほとんどは部活のシーンでけいおんみたいな日常生活の描写もほぼない。
見続けたら面白くなるような作品ではなく、合う人には合うという作品。
1話を自分の目で確かめてみて楽しめたならどうぞ、という感じですね。
(ギャグ作品なので他人の意見はまず参考になりません)

にしてもやたらエロサービスなシーンが有るのはどうなんでしょう?
ラブコメ作品ならともかくこんな変なギャグ作品でエロサービスしても
効果ないんじゃないの?と思ったり。実際に人気には結び付いてないし。
主人公の明日菜がエロ妄想しちゃうという(凄い)設定を生かすだけなら
あんなあざとい表現ではなくもっとギャグっぽい表現で良かったような。


「緋弾のアリア 1〜6話」
4月からTBS系(4局)とBS-TBSで深夜に放送してる新番組。
原作はライトノベル(MF文庫J)で読んだことはありません。
※セルBD/DVD・レンタルDVDは6/22からリリース
現実に似てるけど少し違う世界、現代と極めて似た時代が舞台の物語。
凶悪犯罪に対抗し武力で問題の解決にあたる探偵・武偵が存在する世界。
遠山キンジは武偵を育成するための学校・東京武偵高校の生徒だったが、
とある事件が元で武偵を目指すのをやめ一般の高校に移るつもりだった。
そんなある日、バスに乗り遅れたので自転車で学校へと向かっていたら、
いきなりリモコン自走式のマシンガンが出現してキンジを攻撃してきた。
キンジの自転車に爆弾を仕掛けてあって止まったら爆発すると言った。
もはや打つ手がないキンジの前に、一人の女の子が空から落ちてきた。
早業でマシンガンを撃退しキンジを救った彼女の名は神崎・H・アリア。
キンジとアリアの出会いは二人の運命を大きく動かしていく(らしい)。

試しに1話だけ見た印象はちょっと微妙というのが正直なところだった。
アクションはそこそこ見せるしコメディ表現もこれはこれで見れるけど
シリアスシーンとコメディシーンの落差がありすぎで雰囲気壊れてるし。
これを見ると結構落差の有った禁書目録がはるかにマシに見えるほどで。
ありがちなシチュエーションと作り物のキャラで興味を引かなかったし。
せいぜい理子のキャラがアレ過ぎで逆に印象に残ったぐらいだったかな。
主役の二人がまんま「とらドラ」コンビなのもこの作品の場合は逆効果。
生半可な内容だと「とらドラ」とは比較にならないほど下に見えるから。

でも何話か続けて見たらそれなりに楽しめるようにはなってきたなと。
アリアの境遇とかパートナーを探す理由とか切実な事情があったわけだし。
いきなり武偵高をやめようとしてたキンジにもちゃんと理由が有ったから。
理由を考えればキンジとアリアはなるべくしてパートナーになった感じで。
(犯人自身がそーなるように仕向けてたし)
ただの変な記号キャラと思った理子にかなり強烈な設定づけがされてたし。
話が見えてくると整合性の悪さが目立たなくなる程度は面白くなってくる。
最初のエピソードのクライマックスの5話なんか派手に盛り上がってるし。
全体的な作りの雑さは気になるもののそこそこ楽しめる内容ではあります。
絵とキャラはいいけど内容が薄すぎたISよりも私ははるかに楽しめたよ。

シリアスシーンとギャグシーンの落差が有りすぎなのが特に典型だけど、
他にもキャラ(内面)の描き方とか物語展開とか全体に雑に見えるのです。
ライトノベルはわりとこんなレベルの作品が多いのが事実ではあるけど。
原作を変えても物語としての整合性を追究するJ.C.STAFFらしくないなと。
(結果として原作ファンにアレコレ言われることが多いけど)
これが原作通りかは知らないけど構成や描写はもっと手を入れるべきかと。
あちこち既存の作品と似たシーンが散見されて、しかも見劣りしてるから。
5話の飛行場じゃない場所に降りる展開も過去に2度ほど見たこと有るし。
何の因果か同じJ.C.STAFFの「光と水のダフネ」と「よみがえる空」で。
そしてその2作品と比べると比較にならないほどこっちはチープだから。

描画がところどころ不安定なのも作画に定評のあるJ.C.STAFFらしくない。
(これの監督さんはシャナの人なんだけどね)
今期1作しかないのに3本も4本もやってた時より質が低いのは何でだ?
「とらドラ」スタッフがやってるあの花にスタッフもってかれたのか?
まるでとらドラとレールガンを足して2で割ったような作画だったし。
そーいやCGもサンジゲンなのに微妙というか残念な見た目が多いし。
同じサンジゲンのタイバニは凄くいい感じなのにどうなってるんだ!?
見た目も内容ももっとマシにできたのでは?と思えてならない作品です。


「DOG DAYS 1〜5話」
4月から一部の民放(8局)とBS11で深夜に放送してる新番組。
ニコニコ動画で最新話(と1話)無料配信中。
※セルBD/DVD・レンタルDVDは7/27からリリース
シンク・イズミは現代の日本に住んでいる英国人ハーフの中学1年生男子。
(ハーフ設定は公式サイトを見るまで気付かなかった)
シンクは運動神経抜群でアスレチック競技が大好きで棒術が得意だった。
現実世界を狭苦しく感じてて思い切り暴れたいと心の中で思っていた。
そんなある日、シンクが家に帰るために窓から校庭へ飛び降りた時に、
一匹の犬が校庭に開いたゲートによって異世界へと召還されてしまう。
そこで待っていた人は現代人に似てるけど犬の耳とシッポを持っていた
その女の子は自らを王女と名乗り勇者様とシンクのことを呼ぶのだった。
ただの中学生が異世界の戦いで役に立つのかと疑問に思ったシンクだが、
ミルヒオーレ王女はこの世界の戦争は人の死なないものだと説明をした。
眼前で展開する戦争もシンクにとってはスポーツ大会のように見えた。
ここなら存分に体を動かして楽しめそうだとシンクは考えるのだった。

バトルアスリーテス大運動会!?
なのはスタッフ(原作・脚本も)の新作なので期待されていたと思うけど、
1話を実際に見ての印象としては盛大にやっちゃった感が漂ってたなと。
放送時間のチェックで公式を見たときにもこれは……と思ってたけどね。
そして実際の作品は予想以上にボタンの掛け違え感がするものだったと。
ファンタジー世界が舞台で戦いで人が死なない変革的な内容なんだけど、
変える内容としてその方向はむしろ逆効果なのでは?と思ったのです。
まぁ、2話3話と見続けたら慣れたので思ったよりは見れるものだったけど。

主人公がいきなり異世界へ飛ばされてそこで勇者や戦士、救世主になる。
そんな展開はアニメも含めて過去に腐るほど存在する設定なわけです。
だからこそ今までと違う人が死なない変革的な設定にしたのでしょう。
(これ書いた後に5話を見たら今後緊迫してきそうな予感はするけど)
運動神経抜群な主人公が異世界の運動会で大活躍みたいな内容にして。
確かに現代人が異世界で比類なき戦士になるよりはリアルでは有ります。
でも戦いから命がけを取ったらそれはもう一般的な戦いではないわけで。
もはやアスレチックとかスポーツをやってるようにしか見えないのです。
(球技や武道は戦闘をルール化したものが多いからまんまですね)
まどか☆マギカとは逆方向に変革をしてインパクトも逆になった感じ。

そもそも軽いファンタジー作品って戦ってもまず人が死なないじゃん。
実際には戦いで人が死んでてもそれを画面で見せることがあまり無いし。
無駄に派手な効果の魔法とか食らっても吹っ飛んで黒コゲになるぐらい。
強調するまでもなくこの手の作品はお約束として人が死なないわけです。
だから変革的な設定のはずなのに既存の作品と印象が変わらないのです。
変革をするなら不文律になってる「お約束」を壊さないとダメなのです。
へっぽこライトファンタジーなのにどんどん人が死んでいくとかね。
そんなのを見たい人がいるかは知らないけど。

意外に見れると思ったのは内容が予想より軽い方向に徹底していたから。
戦いで死なないだけではなく、戦いが商業的にショーアップされてるし。
戦いも参加者的には腕試しであり成績報酬が出るまんまスポーツ興行で。
王女誘拐すらも厳密な手続きに則ったイベントとして報道まで入ってる。
ファンタジーを舞台にしながらやたらと現実的なシステムなのでした。
土台でやっちゃったけど作りこんで結構見れるものにはなったのです。
そこだけ取り出せば光る要素を持つ作品と言えないこともないのです。
TIGER & BUNNYでも同じようなことをやっててデキがずっと良いけど。


「もしドラ 1〜6話」
4月からNHK総合(全国ネット)で深夜に放送している新番組。
バンダイチャンネルで有料配信中です。週替り放送の6週ぐらい遅れで。
原作はライトノベル仕立てのハウツー本みたいなもので良く知りません。
※セルBD/DVDは5/27からリリース(レンタルDVDは4/29から)
川島みなみは小さい頃野球が大好きで上手かったけど今は大嫌いだった。
でも入院している親友の夕紀の代わりに野球部のマネージャーになった。
マネージャーの仕事を始めるにあたって参考書を探しに行ったのだが
みなみの説明に勘違いした店員にマネジメントという経営書を渡される。
家に帰って本を取り出したみなみは間違いに気付いて落ち込むのだった。
しかしせっかく買ったのだからとマネジメントという本を読み始める。
そしてその内容を応用して程高弱小野球部を変革して行くのであった。

とりあえず、この作品のターゲットは誰なのかなと思ったり。
アニメ好きの人が見るにはちょっと……と言いたくなる作品なんだけど。
マネジメントの取っ掛かりとして大人が見るようなものにも見えないし。
中学生とか高校生あたりの興味を持たせるあたりが限界のような感じ。
しかしその世代だと今度はアニメや物語として物足りないと思うような。

内容はあまり強くない野球部を改革して強くするありがちな展開なのです。
別にそれを悪いと言うつもりはないよ。プロセスや描き方の問題だから。
そしてビジネス書の内容を応用するという発想も面白いとは思います。
でもこの作品で語れる(評価できる)内容はというと唯一それだけでした。
「もし〜ドラ〜」っていうクソ長いタイトルだけで内容が終わってる
物語としてはあまりにひねりがないというか平易でチープで陳腐なのです。
かと思えばわざとらしい展開で強引に感動を狙うあざとい手法をとるし。
超初級向けのハウツーなら有りとしても物語としてはちょっとどうかなと。
なまじ物語としての体裁が整ってるので余計に稚拙さが際立ってるのです。
なんでこの作品をアニメにしようと思ったんだろうね?秋元康パワー?

この作品は内容もそうだけど、見た目に関しても問題が有りました。
絵柄に関しては好みの問題だし、そこは見てて気にならなかったかな。
原作本とアニメの絵柄と比べてどっちが良いと一概に言えないしね。
問題は絵柄ではなく見せ方の問題です、構図とかカメラワークの話。
なんかやたら正面絵が多いし間抜けたカメラワークが少なくないので。
絵が崩れてるという感じは無いけどあまりにぱっとしない映像だなと。
(大してレベルの高くない)クロスゲームのほうがずっとマシだったよ。
あれ〜、プロダクションI.Gってこんなレベルだったっけ?とか思った。
「君に届け」「文学少女」あたりは素晴らしい映像表現だったのにな。
見た目と内容が共に低次元でつりあってしまってます……

のっぺりした背景と時おり挿入されるマンガ的な表現もどうなのかな。
その表現がダメという意味ではなく作品の内容に合ってるのかなと。
ポップ表現は現実的なシーンや心情を描くのにメリハリをつけるもので、
現実味のないものに説得力を持たせたい時には使っちゃダメなんだよ。
むしろ徹底的にリアルっぽいカッチリした映像表現で突き詰めないと。
この作品みたいなご都合主義満載の展開に説得力を持たせたいならね。
30〜40代の大人が対象ならなおさらこの表現は適切ではないわけだし。
まぁ、この監督さんは図書館戦争の時もマンガ表現を挿入してたけど。

ノーバントノーボール作戦もね……なんか凄い発想なのかと思いきや。
打たせて取るからボールを投げないとか野球を舐めてるの?
むしろいかにボール球を打たせて凡打させるかがポイントなんだけど。
ストライクしか投げないなら160kmでも投げない限りヒット打たれるよ。
バントだってやらないって分かってたら投げる方が攻め易くなるだけ。
いかに相手の裏をかくかの駆け引きが重要なのにその視点が欠落してる。
ロジックで突き詰めるならば従来の手法の利点を徹底的に洗い出して
その利点を損なわないか補って余りある手法を生み出さなきゃダメだろ。

小さい頃に野球が大好きだったみなみが野球を嫌いになった理由もね。
まさか女子はプロ野球選手になれないとか、甲子園にいけないとか、
そんな安易な設定じゃないよね?と思って見てたらその通りだった……
ハウツーではなくて物語として見たらあまりにあんまりな作品ですよ。

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