オレいも。 (09/8/19) 次へ 前へ
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「オレの妹がこんなに可愛いわけがない」がヤバイほど面白い件について、
いろいろ語ろうかと思ったんだけど時間がないので無理でした。
(時間が有ったら改めて書くかもしれないけど予定は未定です)
実はアニメと無関係にライトノベルを買ったの10年以上ぶりかも……
何しろこの10年ぐらいで買ったのハルヒととらドラ!だけだし(爆)
マリみてとキノの旅も読んでみようかなと思いつつ幾年月。

時間が足りなくて諦めるまでは結構いろいろ読んではいたんですが。
いろいろ読めば面白い作品に出会えるだろうこともわかってるのです。
店頭に並んでる作品の中には気になるタイトルがいくつもあるし。
でも時間がないから手を出したいのを必死で我慢してるだけなのです。
それなのに、ついつい手を出してしまった。
偶然迷い込んだブログに書いてあった紹介に凄く興味がわいてしまって。
これだから知らない作品の紹介は読んではいけないんだよ!(汗)

しかしこれ兄の気持ちより妹の気持ちのほうに共感できるな(笑)。
なんで兄を嫌ってるかも(幻想の)妹に憧れるのかもわかってしまうよ。

ちなみにどんな作品かはググれ!ってことで。
山のように感想を書いてるサイト・ブログが有るだろうから。


と言うわけで今週のアニメネタです。
またしても本命をチェックできなかった……
3本しか見れないのを前提に見る順を考えた方がいいのかも。


「かなめも 1〜6話」
7月からテレビ東京系(6局)で日曜日の深夜に放送してる新番組。
AT-Xでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は萌え4コマ誌(きららMAX)のマンガで雑誌で読んでます。
※セルDVDのリリースは10/8から(レンタルは10/30から)
祖母を亡くして中学生にして身寄りを無くしてしまった中町かな。
家を無くしたかなは住処と生活費のため風神新聞専売所へやってくる。
その専売所はよく言えば個性的な女の子ばかりが集う場所だった。
小学生なのに一番シビアで黒くて大人らしい所長代理の天野咲妃(さき)。
無邪気で元気で全ての料理を激甘にするパティシエ志望の北岡ゆめ。
一見すると沈着冷静だけどゆめが絡むと見境がなくなる南ゆうき。
お金が大好きで一人称は僕だけどこの中では一番普通っぽい東ひなた。
美人なお姉さんなのに女の子大好き妄想&セクハラ魔人の西田はるか。
かなは彼女たちに囲まれ振り回され教えられながら日々を過ごしていく。

女の子メインで日常の何気ない出来事を誇張して面白おかしく描く。
最近良くあるそんなスタイルの作品に新たなタイトルが加わりました。
てゆーかきららに掲載されてる作品ってほとんどそんなのばっか(笑)
題材が違うとかキャラが違うとかだけで外枠は似た作品ばかりです。
アニメ化されてるのは似通った作品の中で印象に残る作品なのです。
つまりある程度の水準には必ず達してると言うことになるわけです。
(ドージンワークだけは人気のわりに内容がアレだったけどな)

雑誌で原作を読んでる時はまぁまぁ面白いなぐらいに思ってたんですが、
(比較のため)コミックスを買って一気に読んだら思ってたより面白かった。
まとめて読んだ方がそれぞれのキャラがよく見えるからなのかもしれない。
はるかは強烈だからわかるけどひなたは細切れだとイマイチ印象が弱いし。
コメディのセンスも話の組み立てかたもまとめて見た方がよくわかるから。
コミックスで一気に読むと「けいおん!」よりも面白いんじゃないかな。
「けいおん!」は雑誌でもコミックスでも印象があまり変わらないから。
(キャラや内容がシンプルで細切れで読んでもわかりやすいから)
アニメだと見せ方や膨らませ方で「けいおん!」の方が面白いですが。
でもこっちも映像としても内容としてもなかなかいい線行ってると思う。
見ててきらら作品のアニメって結構恵まれてるんじゃないかと思った。
ドージンワークはアレだったけど(爆)。まぁ、アレは原作がアレだから。

女の子メインで日常の何気ない出来事を誇張して面白おかしく描く。
というスタイルの作品の中でこの作品が他より際立っている特徴は、
やっぱりキャラが濃い〜ということに尽きるかなと。特にはるかが(爆)。
美人でスタイル抜群のお姉さんという見た目だけは文句無しなんだけど、
小さい女の子が大好きで、妄想が激しくて、セクハラしまくる残念な人。
百合なんてキレイな表現ではとてもいい表せないまさに変態な人です。
(「まりあ†ほりっく」のかなこよりももっと突き抜けてる)
他のキャラも一見すると普通に見えていても変な属性を持っているし。
しかも作者が女性でキャラに生身感が有るので余計にクセが際立ってる。
アニメではコメディ表現がパワーアップしたのでよりいっそう濃い〜よ。
キャラがとても濃い〜ので当然ながら印象もとても強くなってます。
ただこれだけキャラが濃い〜とついて来れない人も結構いそうだなと。
アニメの出来のわりに人気がもうひとつなのはそのへんかもと。

アニメでは原作よりもコメディ表現がパワーアップしてますが、
原作からアニメで大きく変わってる部分はもう一つ有るのでした。
それは冒頭のお葬式のシーンを始めとしたシリアスな雰囲気の描写。
かなが日々過ごす中で嬉しかったり悲しかったりするシーンの描写が
原作よりもじっくりと情感たっぷりに描かれているのです。
コメディだけでなくシリアス要素も原作よりパワーアップしてるのです。
原作に比べてコメディとシリアスのコントラストが強くなってるのです。
原作の持っていたエッセンスを拡大コピーしたみたいになってるのです。
これだけかけ離れた要素が分離せずよく成り立ってるなと感心するよ。
まさしく原作者やアニメスタッフのバランス感覚の賜物なんだろうなと。

内容について。
アニメだけ見た時もかなりアレンジが入ってるのはわかりました。
少なくともミュージカル仕立てなんて原作にあるわけないからね。
どのぐらい違うか気になったのでコミックスを買って比較してみました。
ちなみにこれの原作が面白くないから今まで買わなかったわけではなく、
きららはこのレベルがゴロゴロしてるから全部買うとキリがないのです。
「けいおん!」もアニメ化されなければ2巻は買ってなかっただろうし。
(それでも7作品ぐらいコミックスを買い続けてる)

で、比較しててわかったのはかなりリミックスされてると言うこと。
原作の構成そのままで内容を追加して膨らませてるわけではなく、
エピソードを組み合わせたり切り貼りして1話毎にまとめてあるのです。
キレイにまとめるために内容を差し替えてる部分も少なからず有ります。
さらに原作にないオリジナル要素もかなり大量に追加されてるのでした。
キャラ描写や雰囲気は原作に忠実だけどネタはそのままではないのです。
アニメを見てて面白かったなら原作も読んで比べてみるといいかも。
エピソード順も原作そのままではないし飛ばしてる内容も有るので。

少し驚いたのがエンドフリップでいろんな人が絵を描いてるところ。
よーするに新房アニメで毎度やってるアレですよ。
真似ようと思えば出来るのに今まで誰も他の作品でやらなかったアレ。
新房アニメであそこまで徹底的にやられると真似にくいのだろうけど。
きららもスターチャイルドも新房アニメと現在進行形で関係があるから
どっちか(もしくは両方)の関係者がやりましょうとか言ったのかな?
場面転換で挿入されてるワイプのロボは実は原作者の自画像なので、
もしかしたらひだまりスケッチの体裁に似せてきたのだろうか。

せっかくコミックスを買ったので1話ごとに簡単に比較などを。
って書いてたらちっとも簡単じゃなくなってしまったけど。

1話「はじめての、ひとりぼっち…」
原作の1話・2話の前半・1巻の巻頭カラーを使ってます。
この回は構成が多少変えてある以外はかなり原作に近い内容です。
かなが専売所に入るプロセスは原作とアニメで違ってたりしますが。
みんなが配達してるシーンやかなが料理をするシーンは追加分です。
原作だとかなの部屋で宴会してるとこでゆめがご飯を出してくれます。
最初は甘くて美味しいと食べてたけど、オニギリがチョコ入りで(笑)
ちなみにアニメには出てきてないけどひなたは雑草料理をつくります。
お金大好きでケチだから(爆)。OPで雑草を摘んでるカットあるでしょ。

2話「はじめての、新聞配達」
原作の2話の後半・3話の後半・7話の後半・8話を使ってます。
この回は初めての新聞配達とその準備という主題で再構成してあります。
アニメと原作を見比べるとあまりに見事に再構成されてるから驚くよ。
再構成されてる関係で違いが山ほど有るので印象的だったのをいくつか。
まずUFOに攫われるネタが原作(の少なくともここ)にはありません。
原作だと朝3時の新聞を下ろすドスンという音で目覚めてしまうから。
自転車の練習から歩いて配達するまでに原作だと少し間があります。
役立たずだと思ってたけど出来る範囲で手伝わせて貰えたみたいな、
見てるこっちまで嬉しくなる構成は見事なリミックスだったのでした。
あとそれぞれのキャラの暴走っぷりも原作より凄いことになってます。
ゆうきがゆめを自分が危ないからと引っ張ってくとこがまさにそれ。

3話「はじめての、スマイル」
原作の3話の前半・13話を使ってます。
この回は代理とかなのスマイルネタにみかちゃん転校話を混ぜてあります。
原作は1コマのかなのヤバイ笑顔をここまで膨らませたのにはビックリだ。
つまりみかちゃんと一緒に拡張に出かけるあたりも当然オリジナルです。
いきなりアラン・スミシー(おいおい)を訪問するのももちろんオリ(以下略)
かなが笑顔の練習するとこも最後の光スマイルも全部アニメオリ(以下略)
居留守のお宅の前で火事だと叫ぶ部分は原作の内容をリミックスしたもの。
ちなみに原作だとみかちゃんの尊大な自己紹介の後に担任のツッコミが。
はい次はデレ期の久地院から一言」「そんな者はおらぬ!!」と(笑)
(原作のギャグの全てをアニメで使ってるわけではない)

4話「はじめての、プール」
原作の4話を使ってます。
この回は原作の1回分をそのまま怒涛のように膨らませてあります。
追加された内容は見れば一目瞭然のミュージカルをやってる部分です。
プールでしょとか働く少女は様になってるけどペロンペロンって(笑)
水着で配達するとこなんか原作は出かける部分しかなかったりする。
あと原作だとかなは見送る側でみかちゃんもまだ登場してません。
かなの初配達は7話でみかちゃんが登場するのも当然そこなので。
最後のオチも原作は休刊日に他の仕事もお休みにしてあげるでした。

5話「はじめての、みんなでお風呂」
原作の6話の前半・14話を使ってます。
原作だと1回しかない台風のエピソード(6話)を5〜6話の2回に分割して、
照々法師の話(14話)とお風呂の話(たぶんオリジナル)を混ぜてあります。
記憶が間違ってなければこのお風呂エピソードは原作にはないはず。
お風呂に行くエピソードは原作にも有るけどこれとは全然違うので。
※2巻までには収録されてません
あと水着で雨の中に出たりどっちがネコ?なあたりも追加分です。
このネコの意味がわからない人は「タチ ネコ」で検索してみよう(爆)。

ちなみに原作のお風呂エピソードはいつも行く銭湯が改装でお休みで
新しく出来たスーパー銭湯に行こうということになる話です。
かながスーパーとお風呂がくっついてる?とか変な想像をしてたりする。
そして肝心のお風呂シーンが1コマだけ&湯気で何も見えないという(笑)。
ありえない!とはるかさんが発狂しておりました……

にしてもテレ東でよくこんな裸乱舞な内容を流そうと思ったよね。
おかげで後半のお風呂シーンは湯気とネコマスクが画面を飛び交います。
それどころか内容がカットされて足りなくなった時間に名場面集って。
本来の姿が見たい人はDVDでご覧下さいってことなのでしょう。

6話「はじめての、恐い話」
原作の6話の後半を使ってます。
この回は原作の半パート(3ページ)に怒涛のように内容を足してあります。
原作には停電になって怖い話をするのと最後の新聞が来ないしかないです。
トイレに行ったりみんなで2階に登って大騒ぎするのは無いってことです。
お風呂に行くのが追加分なので帰るシーンや友達と会うのも追加分です。
停電で代理が蝋燭を何本も点けてくれるのも原作とは違ったりします。
あと原作だとまだみかちゃん登場前なのでここにみかちゃんはいません。

7話と8話も予告を聞いた限りは結構オリジナル要素が入ってるみたいだね。


「東京マグニチュード8.0 1〜6話」
7月からフジテレビ系(9局)で木曜日の深夜に放送してる新番組。
※セル・レンタルDVDのリリースは10/28から
中学1年生の未来(みらい)は毎日気に入らないことばかりでイラついていた。
夏休みになったのに両親とも忙しいからとどこにも出かける予定はないし。
小学生のくせに物分りのよい子の弟の悠貴(ゆうき)の態度も気に入らない。
悠貴が見たがってたお台場のロボット展のつきそいまで押し付けられて。
お台場への電車の中から見えた橋は凄かったけど気持ちが晴れるには遠く。
(実は弟はどこにも行けない姉に橋を見せてあげたかったのでした)
目当てのロボット展の建物の中は人が多いし、アイスをぶつけられるし、
子供扱いされてムカツクし(それが気になるのが子供だからだけど)。
トイレへ行った悠貴を置いてさっさと建物の外へと出るのだった。
そしてケータイに向かって「こんな世界壊れちゃえ」と打ち込んだ。
ホントにそれを望んだわけではなく、ただ苛立ちを吐き出したくて。
しかし次の瞬間、未来が目にする世界は激しく揺れた。

冒頭の説明を読むとリアルなシミュレーションドラマかと思えるけど、
実際に中を見た限りはドラマ的に誇張された内容だなという感じです。
つまりハリウッドのサバイバルアクション映画みたいな感じというか。
そもそも地震に関していろんな取材を積み重ねてるはずなのに、
そーはならんだろう?と思える部分があまりに多いのはどーなのか。

例えばこの作品の中心になる東京湾北部を震源とした海溝型の巨大地震。
そんなところで海溝型の巨大地震が起きないのは調べればわかるのに……
海溝型の巨大地震が起こる場所で東京に一番近いのが相模湾ですよ。
※関東大震災の震源
東京に極めて近い場所で起きるなら阪神淡路大震災と同じ直下型です。
そして相模湾で起こる巨大地震よりも東京に極めて近い直下型のほうが
規模が小さくても被害は大きくなる可能性があります。
直下型は震源が浅いので震源に近い場所の揺れが極めて激しくなるから。
つまり東京湾北部を震源とする直下型地震ならそれっぽかったのです。

たぶん直下型だとせいぜいマグニチュード7.5で一回り小さく感じるから
海溝型の巨大地震ということにしたんだろうけど……
でもマグニチュードは地震の規模であって揺れの強さではないですよ。
阪神淡路大震災があれだけ被害が大きかったのは直下型で震源が浅くて
なおかつ神戸の都市部が震源の断層に極めて近かったからなわけで。
海溝型の巨大地震は震源が海の中なのでそこまで激しくは揺れません。
(かわりに津波が発生するのです)
関東大震災を元にした耐震設計を超える揺れだったって話を忘れたか?

どーせなら、東京23区の下を走る(未発見の)断層が動いた直下型地震で、
しかも直下型としては史上最大級の規模だった、なら筋が通ったのに。
まぁ、史上最大級ということは起きる確率は無いに等しいって意味で、
リアリティの無さでは現状とあまり大差なくなってしまいますが……
それでも理論的な整合性だけは今よりはるかにマシにはなるかと。

仮に東京直下の想定を超えた大地震だとしてもまだ変なとこが多いよ。
未来と悠貴の二人が被災したのがお台場の商業施設(?)なんだけど、
あそこの建物は全て最近建てられた最新の耐震基準の建物なわけで。
それが傾くほどのダメージを受けるのはちょっと考えにくいです。
ヒビが入ったり天井の板が落ちたりすることはあるかもしれないけど。
阪神淡路大震災ですら新しい建物ほど被害は少なかったんだから。
見た目のインパクトを狙うために派手にぶっ壊したってのもわかるけど。
ならフジテレビの建物もぶっ壊せよ。外見的には無傷って何の冗談?
リアルを謳う作品でこーゆーことをされると興ざめなんですけど。

未来たちが水上バスを待ってたところで高層ビルが崩れたのもそう。
あーゆー縦に長い建物はかなり厳重な耐震設計になってるはずで。
あの建物が崩れるぐらいなら周りの建物は全て崩れてるだろうよ。
しかも本震で崩れたならともかく余震でバキと折れるなんてうそ臭い。
余震は規模が一回り小さいんだから崩れるのは既に壊れてる建物だよ。
余震で東京タワーが倒れたのもだけどリアリティや説得力よりも
インパクト重視のドラマ的な味付けをしてるのが実によくわかります。
東京タワーの倒壊に巻き込まれたり橋が落ちて大きな波が襲ってきたり
大ピンチに見舞われるけど寸でのところで助かるのもいかにもだし。
ドラマ的な味付けをするなとは言わないけどこの作品はやりすぎです。
「よみがえる空」(アニメ)を見習って欲しかった……

キャラ描写について。
最初見たときは最近のアニメにしては珍しく地味な絵柄とか思ったけど、
どーやらリアルっぽいキャラを描くために敢えてこの絵にしたようで。
絵の華やかさに多少差があるけど「時をかける少女」と感じが似てるし。
キャラの仕草やリアクションもそのへんに近い極めてリアル系の描写で。
空間描写が緻密なリアル系なのも相まって凄くリアルな印象なのでした。
未来が身の回りの全てのことに苛立ってるのも実に年齢相応っぽいし。
少なくともキャラ描写に関しては誉められるデキだと思いました。
これで物語の組み立てがもっとリアル志向だったら良かったのにね……

実は見ててキャラに関しても多少の違和感がありました。
キャラをリアルに描写しようとしてるのはよくわかるのです。
でもキャラの配置や役割がちょっとわざとらしいのでした。
特に真理さんの存在がいかにも物語的過ぎなのですよ。
子供二人が家に帰るのに大人の手助けがあるのは凄く有りがたいのです。
でも自分のことで精一杯な状況で姉弟のためにひたすら尽くす人なんて
あまり都合の良すぎるキレイすぎる存在でまるで現実味がありません。
6話で自分の娘のことが心配になって狼狽して初めて生身を感じたよ……
あそこで娘ではなく姉弟を助けるのを選択するのはカッコよいけれど、
いかにも物語的な選択で皮膚感覚としては違和感ありまくりでした。

リアルにという意図で作るなら真理さんを出すべきではなかったような。
未来と悠貴の二人だけで家路に向かう大変さを描くべきだったと思う。
極限状態は人の本性が曝け出されるから嫌な人に遭遇することもあるし、
ただ偶然にすれ違った人が手助けしてくれることもあったりするだろう。
そんな感じで途中でいろんな人が手助けしてくれる方が良かったのでは?
その一人が真理さんだったならまだ説得力があったんだけどね……


「よくわかる現代魔法 1〜6話」
7月からAT-XとBS11で深夜に放送してる新番組。
原作はライトノベル(スーパーダッシュ)でコミカライズを読みました。
※セルDVDのリリースは10/23から(レンタルは10/30から)
魔法を教えてくれる学校。手にした古ぼけたチラシにはそう書いてあった。
魔法なんて他愛ない夢物語。信じるに値しない。普通ならそう考えたはず。
でも森下こよみはその内容を信じたいと思った。自分を変えたかったから。
そして彼女は「姉原十字魔法学院」があるはずの場所の屋敷の扉を叩いた。
辿り付いた場所に確かに姉原十字魔法学院は有った。100年ぐらい前には
既に教える人がいない、という美鎖(みさ)の言葉にガッカリするこよみ。
気に毒に思った美鎖は我流で良いなら魔法を教えてあげると提案する。
これがこよみとPCでコード(呪文)を組み立てる現代魔法の出会いだった。

1話を見たときは迫力はあるし切実だし結構いいかもと思ったんだけど、
2話3話と続けて見ていたら最初考えたよりヘボいかも?と思うように。
そして既に読んでたコミカライズ版とずいぶん内容が違うようなと。
共通する部分ももちろん有るけど大筋からずいぶん違うようなと。
コミカライズ版には原作に沿ってる部分とオリジナル要素な部分がある、
と書いてあるのでどちらもどこまで原作に沿ってるのかわからないけど、
ぶっちゃけコミカライズ版のほうが出来が良かった(面白かった)りして。
アニメならではのアクションも1話は良かったのに3話は妙にヘボいし。
(剣のコードはシルエットの光のほうがカッコイイと思うんだ)
これ現代魔法のアニメとして期待されたレベルに達してるのかな?と。

一番最初の話である2話の内容に関して気になる部分がいくつか。
こよみが美鎖さんの元を尋ねる展開はアニメもマンガも同じだけど、
魔法を覚えたい理由も熱意も習うことになる経緯も大きく違ってる。
いくつもの部活に挑戦したものの上手くできず足手まといになって。
続ければ上達したかもしれないけどそこまでの熱意は持てなくて。
そうしていくつめかの部活を辞めいつものように道具を押入れにしまう。
自分の熱意のなさで道具にも部活の皆にも悪いことをしてると思いつつ。
そんなこよみが初めてどうしてもやりたいと思ったのが魔法なのでした。
というマンガ版では描かれてた理由づけがアニメには無いのだった……
数ページでさらっと描いて有るけどとっても印象的だったこの部分が。
ちなみにマンガだと魔法学校のチラシを発見したのがその押入れでした。
(アニメではチラシの出所は描かれていない)

2話には他にも気になる部分が何箇所かある。
まず美鎖がこよみに魔法を試させるとこでデーモンが召還されること。
デーモンという存在は3話にも出てくるから先に説明をしたんだろうけど、
全てのコードを強制的にたらいに変換するこよみの能力から考えると
ここではデーモンではなくたらいが出現するのが筋だと思うのですが。
(コミカライズ版だと最初の実験でも当然のようにたらいが出現する)
アイドルが襲われてるシーンに偶然こよみが居合わせたシーンで
暴漢に襲われたのを防御魔法みたいので跳ね飛ばすのも意味不明だし。
アイドルにかけられた魔法が消えて観客が帰ってくのもわかりにくい。
それなりに出来てた1話に比べてずいぶんと作りが雑だなと感じたよ。
そして3話ではアクションシーンの見た目までずいぶんとヘボく……

クリスマスショッパーのエピソードにも納得いかないとこがいくつか。
クリスマスショッパーの話は今回の6話中3話分(#1#5#6)を使う内容で、
1話読み切りの他の回よりも大掛かりだしとても盛り上がる内容です。
弓子が魔法使いを目指した切実な理由を描いたいい話でもあります。
アクションも他の回に比べれば断然マシでそこそこ見応えがあります。
小さな弓子とこよみが出会い交流し手助けする光景は結構素敵です。
でも、このエピソードには根本的な論理の破綻がいくつもあるのでした。
魔法を科学で再構築した作品だと「とある魔術の禁書目録」があるけど、
それとコンセプトだけでなくて論理の破綻っぷりまでそっくりだ……

どのへんの論理が破綻してるかというと、、、
こよみが見てる世界があくまで過去を再構成した映像ってところだね。
それが論理的におかしいって意味ではなく破綻の最大の原因ってこと。
過去を再現してるなら見るだけで干渉できないのが普通だと思うよ。
どんなに現実に見えてもどんな危機を目の前にしても何も変えられない。
その特性を利用して切ないストーリーに仕上げることも可能なわけで。

再構築した後は干渉が可能だとしてもそれは再構築した場の話なわけで。
よーするに干渉してるのは過去ではなく分岐した可能性に過ぎない。
こよみが何かして変わるのは再構築した世界で過去ではないのです。
美鎖がこよみに座って時間まで待ってるのがオススメと言ってるのは、
この世界で弓子を助けることは意味がないって意味でもあるのです。
意味がないうえに致命傷を受けたら本体にも重大な影響が出かねないし。
(精神が肉体に多大な影響を及ぼすのは論理的にも筋が通ってる)
それでも助けようとするこよみの行動も感情的に筋は通ってるわけで。
弓子を助けようと頑張るのは手に汗握るし感動的ではあります。

でも、ここで描かれたのはあくまで過去を再構築した世界での話。
現実の過去のこのシーンにはこよみは存在しなかったわけで。
最終的にこよみの能力によって解決したシーンにこよみはいない。
と言うかこよみの能力がなかったらここは切り抜けられないわけで。
弓子も美鎖もギバルテスに殺されちゃう未来しか浮かばないんだけど。
それに弓子とこよみと出会うことに意味があったふうに描いてるけど、
この設定だと弓子の側には出会いは存在しなかったわけで……
弓子がこよみと出合ったことで得たものも無かったことになるのです。
せっかく描いた内容が全て無意味になる物語構成ってどうなのかなと。
こよみが実際に過去に行って弓子に会ってれば筋は通ったのにね。
そうすると今度は弓子や美鎖との出会いのシーンを変える必要があるが。
(弓子との最初の出会いで弓子がこよみを知ってた方が面白かったよ)

ちなみにコミカライズ版を読んだのは描いてる人のファンだからです。
※理由がないとまずコミカライズ版は読みません
エロマンガ(18禁)を描いてた頃から話の組み立てが少し気に入っててね。
最近描いてたみょーな設定とストーリーの百合マンガも面白かったよ。
だからこの人の絵が動いてるのはちょっと感慨深かったりして。
あ、原作のイラスト=コミカライズ版を描いてる人です。


何かが足りない (09/8/8) 次へ 前へ
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今回も時間切れです……
本当はもう一本本命のを見て書きたかったんだけど無理でした。
余計なことをして時間を浪費したせいもあるんだけど(汗)。


「大正野球娘。 1〜6話」
7月からTBS系(3局)で木曜日の深夜に放送してる新番組。
BS-TBSでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。
原作はライトノベル(トクマノベルズEdge)で読んだことは有りません。
※セル・レンタルDVDのリリースは10/7から
時は大正14年(東京六大学野球が発足した年らしい)。
東邦星華高等女学院に通う鈴川小梅はある日友人の小笠原晶子(あきこ)に、
一緒に野球をやって欲しいと誘われよくわからないまま同意してしまう。
クラスの呼びかけで面白そうだと乗って来た人もいて幸先良さそうだった。
しかし見学に行った男子の練習の激しさにみんな逃げ出してしまう。
小梅も逃げ遅れてしまっただけで、自分にはとても出来ないと思った。
よく残ってくれたと泣いて感謝する晶子に本当のことを言えなかった。
それでもやっぱり出来ないから断ろうと、伝えようと機会をうかがった。
そんな時、なぜ無謀にも野球をやりたいのかが晶子の口から語られた。
話を聞いて晶子の想いに共感した小梅は一緒にやってみようと決意する。

なんか大昔(20〜30年前)の少女マンガみたいだというのが第一印象かな。
女性が何か新しい分野に挑戦するというのが当時のトレンドだったし。
女なんてと侮辱した相手を見返すために始めるのもいかにそれっぽい。
主人公が豆狸みたいな女の子なのも当時は結構有りがちだったしな(笑)。
これで相手役として男キャラがもっと絡んでくればそのまんまですよ。
そんな感じの作品が今さらに(男性向け?)ライトノベルで人気なのか?
女キャラさえ並んでれば何でもいいのか?とか考えつつ見てました。

この前にやってた「けいおん!」と作品の構図が似てるとは言えるかな。
どちらも女の子たちが仲間を集めて新しいことに挑戦する内容だし。
ただ時代が近くて題材が身近で共感しやすい「けいおん!」と比べると
時代背景的にも題材的にもあまり共感しやすいとは言えないかなと。
20〜30年前と違って今や女子が野球をするのなんて珍しくもないしね。
(オリンピックで活躍してるぐらいだし)
野球してる姿が魅力的に見えるかと問われてもどーだろうって感じだし。
それでも最初の頃に比べればかなりマシで見れるようにはなったけど。
正直、これよりクロスゲームを見た方が野球をやりたくなるのでは?

まぁ、女子野球の黎明の物語として楽しめることは楽しめますが。
完全な初心者が一つ一つの技術を模索しつつ積み上げていく内容なので
同じようなまるっきりの初心者なら勉強になる部分も多少はあるだろうし。
ただしあまり技術の細かいところまで突き詰めた内容ではないので、
そのへんを期待すると物足りないかと。あくまで雰囲気って感じです。
言わばキャプテンやプレイボールを華やかにしてライトにした感じかな。

実は野球以外の内容に関してもずいぶんライトな感じだったりします。
仲間を集めたり野球の練習をしたりする過程で何度か壁に当たるのです。
すんなり行き過ぎると物語が盛り上がらないから必然のスパイスですが。
で、この作品はその壁をクリアするプロセスがあまりに簡単なのです。
キャラの描写もそうだけど何かみょーに浅いのです。ライトなのです
キャラが多くて一人一人のキャラを掘り下げる時間がないのですかね。
見ててあまり共感できないのは舞台だけではなくそのへんもあるのです。
キャラが多いわりに見分けはちゃんとつくので基本は出来てるんですが。

見た目に関しては、小林七郎さんの十八番の柔らかい水彩タッチの背景と、
J.C.STAFFお馴染みの繊細な配色と、池端さんの小気味いい演出が相まって、
雰囲気は抜群と言った感じです。あいかわらずいい絵を作ってくるなと。
ただ刺激とは対極にある心地よい絵でライトな内容をやってるから……
悪い意味の相乗効果でずいぶんと印象の薄い作品になってたりして。
こーゆー上品な映像は生々しいキャラだと劇的に生きてくるんだけどね。
ライトな内容の場合は表現的にもっと誇張した方がいいのかもしれない。

池端さんの小気味いい演出はコメディだと凄くハマって来るのです。
同じ監督・美術・制作会社の「ぽてまよ」なんか見事にハマってたしね。
この作品でもコメディ表現のところは絶妙な表現やテンポで見せてるし。
1話のミュージカル仕立てのところなんか結構なインパクトが有ったから。
コメディの要素がもっと大きければ作品の印象がずいぶん違ったかも。
いっそ毎回ミュージカルっぽいのを入れたら面白かったかもと思ったよ。
ウケるかは何ともいえないけど、少なくとも印象は今より強くなったはず。


「NEEDLESS 1〜6話」
7月から一部の民放(5局)で深夜に放送してる新番組。
8月からAT-Xでも放送するので地上波で見れない人はそちらで。
原作は少年誌(ウルトラジャンプ)のマンガでZEROを読んだことがあります。
※セルDVDのリリースは11/27から(レンタルは12/4から)
今より未来。勃発した第三次世界大戦は日本に大量のミサイルを降らせた。
東京を含む日本の多くの都市は爆弾の標的となり紅蓮の炎に包まれた。
そして戦争が終わり時を経てもなお爆心地は汚染されたままであった。
人々は汚染された地域をブラックスポットと呼び高い塀によって閉ざした。
そんな汚染され荒れ果てた過酷な場所に住み着く者がいつしか現れた。
過酷な環境を生き抜くうちに特殊な能力を持つ者が生まれるようになった。
フラグメントと呼ぶ特殊能力を備えた者たちを人々はニードレスと呼んだ。
この物語はニードレスの力を軍事に転用しようと企む製薬会社シメオンと、
それに対抗しようとする者たちの戦いの記録である。
なんてことはあまり気にせず、とにかく目で見て感じろ!みたいな。

なんとも突き抜けた作品だなというのが第一印象です。
作品の体裁的にはワンピースのようなマンガ的なスタイル&テイストで
表現手法がグレンラガンばり(以上)にわざとらしく誇張されている。
まぁ、このへんも少年マンガとしてはよくあるスタイルではあります。
そしてそれだけではなく美少女が続々登場して妙に萌えっぽかったり、
随所でやたらハイテンションなギャグを挿入してきて凄くノリがいい。
いろんな要素をつめこんだサービス精神旺盛な作品という感じです。
足りないのは内容ぐらいかなと(爆)。あと説得力とかリアリティとか。
まぁ、このへんも少年マンガとしてはよくあるスタイルで(以下略)

この作品の面白さは誇張したキャラとハイテンションなノリに尽きるので、
それさえ許容できれば楽しめるのではないかと思われます。たぶん。
と言うかノリが合わないとまるで楽しめないだろうね……中身ないから。
キャラの誇張やギャグセンスにかなりクセがあって人を選びそうだし。
これだけは実際に自分の目で見て体感してもらうしかないかなと。
アダム・ブレイドのカッコいいんだか間抜けてんだかわからないノリや。
見た目は美少女なのに色気というよりはイロモノに見えるイブとか。
そのイブは名前が覚えられないからって勝手に違う名前をつけちゃうし。
(レギュラーなことがビッグリな)クルスなんてすっかり山田扱いだし。
セツナに向かって「妖怪キャラかぶり」とか危ないネタを口走ってるし。
確かにOPに出てるセツナはイブと同じ人だとばかり思ったけどさ(爆)。
次回予告で嘘ばっか言ってるとか。そのへんが面白かったよ。私は。

見ててちょっと気になったのが表現スタイルです。
1話の誇張しまくりの表現スタイルは口あんぐりではあったけど、
勢いだけの作品ならこれぐらいやった方がインパクトがあるかなと。
でも2話、3話、4話と表現スタイルがかなり大人しめになってたり。
やたらとノリのいいギャグが挿入されるところは変わらないんだけど。
5話は1話と同じ演出の人で1話ほどではないけど再び誇張した表現だし。
演出レベルがあまりに安定しない作品だなとか見てて思ったよ。
この手のクセの強い表現スタイルは作品全体で統一した方がいいのでは?
まぁ、イマジン(元請はマッドハウス)っていつもこんな感じなので、
力のある演出(か作画)スタッフが足りてないのかもしれないが……

ところでエンディングの映像がやけに百合エロっぽいけど何だこれ?
セツナと梔(くちなし)と未央の3人がエロっぽく絡んでるのですよ。
この作品の本編にはそんなエロっぽいのも百合っぽいのも無いんだけど。
ナニこれ?とか唖然としたよ。むしろ本編でやってください!(爆)
(これ書いた後で見た6話がちょっとエロっぽかった)


「プリンセスラバー! 1〜5話」
7月から一部の民放(6局)で深夜に放送してる新番組。
AT-Xでも放送してるので地上波で見れない人はそちらで。
原作は18禁の恋愛アドベンチャーゲーム?で体験版をやってみました。
※セル・レンタルDVDのリリースは10/23から
哲平は一般庶民の家庭に生まれたごく普通の庶民、のハズだった。
しかし両親を事故で亡くした後に実はそうでなかったと知らされた。
なんと祖父は日本有数の大財閥の総帥で自分は正当後継者だったのだ。
そして両親の事故はその権力を狙った事件の可能性が高いと教えられた。
※母親が祖父の娘で哲平の前の正当後継者
哲平は両親の敵を探すため、有馬財閥の後継者として振舞うことにした。
庶民の暮らしから一転して自分専用の屋敷とメイドのいる生活になった。
どこぞの国の上級貴族のお嬢様であるシルヴィアという婚約者もできた。
広大な敷地を持つ日本一セレブな学校にメイトの優と通うことになった。
そこで行き掛りで助けた小国の王女シャルロットと運命的な再会をする。
新たな生活と新たな出会いをした彼に待ち受ける未来はいかに?

やたらと見た目に力が入ってる作品、というのが第一印象かな。
リアル系の画面の描きこみとキャラ絵の安定度には驚くものが有るし。
1話のカーチェイスなんかハリウッドのアクション映画みたいだったし。
1話から5話まで通してレイアウトのレベルも落ちずに安定してるし。
今のところ制作協力が表記されてる(グロスで出してる)回も全くない。
GoHandsという制作会社には記憶がないけどこいつは只者じゃないなと。
監督とキャラデザの人はマクロスF・しゅごキャラ!をやってたそうだし、
サテライトに近い筋の制作会社ということなのかなと。
見ててマクロスFと絵のタッチが似てると感じたのはそーいうことか。
(絵柄的にはしゅごキャラ!の方がもっと近いかも)

見た目はいいんだけど内容がね……
悪くはないんです。悪くは。普通に楽しめる内容ではあるのです。
が、見てても今ひとつ惹きつけるものが希薄なのであった。
やたらと豪華だったり煌びやかなのは目には楽しいとは思うんだけど
あまりに桁違いなスケールなので見てても実感がわかないのです。
それぞれのキャラの設定やエピソードも現実離れしすぎてるし。
なんか男キャラだらけのセレブな世界観の作品と印象がそっくりだ。
似たような内容なら男でも女でも印象が変わらない自分にも驚いたが(笑)。

そもそもエロゲーが原作ってことは当然ラブ展開があるだろうし。
(犯罪系以外でエッチを入れようと思ったら普通はラブだろう)
既にシャルロットもシルヴィアもそれっぽい態度は匂わせてるわけで。
社交界に入ることと相手を選ぶのがこの作品の本筋だと思うのです。
(あとは両親を狙った相手との何かだろうけど尺足りるのかな)
その本筋であるハズのラブ要素が今のところはイマイチなのでした。
キャラ絵をリアルに描きこんでるのにあまり生っぽさを感じないのです。
キャラの行動も反応もいかにも記号的で思い入れがしにくいのです。
絵が酷かった「アキカン!」の方がこれよりずっと共感できたよ……
せっかくの作画力がキャラ描写に十分に生きてないのが何というか。

(原作ゲームの)公式サイトに体験版が有ったので見た後やってみました。
※体験版なので製品版とは多少違う可能性はあります
それをやってて気付いたけどストーリー構成がずいぶん変えてあるね。
物語としての大筋はそんなに変わらないけどパーツが結構変えてある。
例えば哲平がシャルロットの馬車を助けるシーンが全く無かったし。
哲平とシルヴィアが剣を交えるシーンも2回とも存在しなかった。
てゆーかゲームの方は動きの描写がほとんど存在しないのだった。
体験版は聖華が哲平にパーティを主宰しろと言うあたりまでで、
アニメの1〜4話までにほぼ対応してるんじゃないかと思われます。
で、そこまでで動きを描写してるシーンはシルヴィアのフェンシングと
哲平が初登校時に校門から逃げるところぐらい。他は会話ばかりです。
なんだか会話シーンばっかりの作品だなとかやってて思いました。

アニメで動きが大幅に追加されてるのもそうだけど、
ヒロインとの出会いのシーンを差し替えたのは結構良かったんじゃなかなと。
ゲームでのシャルロットとの出会いは初登校時に馬車から降りてくるとこで、
そんな出会いでいきなりあそこまで親しい関係になるのが理解できないから。
アニメの劇的な出会いのシーンなら妙に好かれてるのもしっくり来るでしょ。
(ハリウッドのアクション映画ばりにありえない感満点だったけどな)
ここに限らずゲームはキャラの感情の変化に対する理由づけが弱いのです。
アニメは大幅にパーツを差し替え動きを追加してそのへんを補完してます。
だからこれでも原作よりはキャラの感情の描写はマシになってるのでした。
こちらの期待するレベルには達していないというだけで。

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