Anime EVANGELION [Symbol]



何がここまで惹きつけるのか。
何がここまで狂わせるのか。
他人が何を思っているかは知らない、
私自身にとってエヴァとは何なのか。
そんなことを書き記してみた。
エヴァ ■△■


エヴァにおける記号 先頭へ

エヴァは恐ろしいほどの、
作為的な記号の積み重ねによってデキている。
ここまで作為的なモノがかつてあっただろうか。

エヴァの3人のパイロット。
それぞれが担ってる目的がそのまま主題になる。
というのは「私が私であること」に書いてある。
そして、その名前にも作為性がある。
レイは「零」。つまり「無」。
シンジは「真」。つまり「真実」。
アスカは「明日」。つまり「未来」。
無(零)の状態から、真実を知り、未来(明日)が拓かれる。
こんな偶然が何度もあってたまるか。

エヴァンゲリオンという言葉は、
エヴァンゲイル=キリスト教の福音、を擬人化した言葉。
つまり福音を体現した存在、という意味に見える。
そして、使徒という言葉は、
キリスト教の福音を伝えた人のことを差す。
つまりエヴァンゲリオンと使徒は同じ意味を示している。
エヴァ=使徒。意味を考えればすぐに導かれる符号。
あまりにワザトらしい。

DEATH AND REBIRTHもそう。
「シト新生」とはどこをどー読んでも読めない。
せいぜい「死と新生(再生)」だから。
シトと「死と」でわざわざ韻を踏んでるのもワザトらしい。
シトが「死」を具現化した記号だと強調したいのか。

そしてもう一つの記号。
ストーリーの根幹に関わる記号。
アダムは「人類補完計画」の要、そして「碇ゲンドウ」。
イブは「エヴァ(ンゲリオン)」のコト、そして「綾波レイ」。
エンジェルは「使徒」のコト。そして「碇シンジ」。
実は細かいつながりの理由については忘れてしまった。
でも、ここで「レイ」の場所には本来「ユイ」が入るはず。
と考えた時、「レイ」は「ユイ」のクローンでは?
という仮説が導き出されてきた。事実そーだったのだけど。

レイがイブならば、シンジは「真実」の蛇でもあるのか。
真実を知って楽園を追われていく。
人形の楽園から人間の世界へと降り立つ。そんな記号。

このような緻密な記号の積み重ねで話を作っていく。
まるでジグソーパズルのピースを埋めて行くように。
でも、その方法は時として欠けたピースの向こうに真実を見てしまう。
それが必ずしも嬉しいこととは限らない。
気分の悪い構図が想像できた時なんかとくに。

謎は謎のままにしていた方が、幸せなのかもしれない。


零号機には誰が宿ってる? 先頭へ

エヴァは魂の器。人に似せて作られた人に近いモノ。
本来人ではないエヴァには魂が宿らせてある。
全てサルベージされた魂が。

だとすると零号機には誰が宿ってるのだろうか?
初号機にはシンジの母親(ユイ)が宿ってるらしい、というのは周知の事実だし。
エヴァ=母、パイロット=子、という記号が見え隠れしている。
そして、これを裏付けるような事実もあるのだ。

かなり後半になって、シンジのクラスの生徒は
全てがエヴァのパイロット候補生である、という事実が明らかにされる。
そして誰の母親も出てきていないという事実に出くわすのだ。
トウジやケンスケはもちろん。ヒカリにも母親はいない。
アスカの母親はホントの母親ではなく。シンジに至っては語るに及ばず。
レイは遺言を「必要ないから」って言った時点で肉親がいないのわかる。

だから映画を見る前から、弐号機にアスカの母親が宿らせてあることに
おおよそ想像がつく。実際その通りだったのだけど。

そして本題の零号機。
作られた生命であるレイには母親はいない。では誰が?
実は一つだけ仮説がある。
それは一人目なのではないか、ということ。
一人目と二人目は魂が近いぶんシンクロをし易いのではないだろうか。
それならば暴走した原因も筋が通る。

しかし、この仮説には大きな矛盾があるのだ。
23話の最後に出てくる言葉。
「ここにあるレイに似たモノには魂が入ってない、レイのためのパーツ」
「魂が宿ったのはレイただひとり」
というセリフ。
だとすると、レイという魂は一つしか無く、
一人目から二人目へ、そして三人目へと、
肉体は死んでも、器を替えて魂はサルベージされていった。
という理屈も成り立つから。

一人目が死ぬ前に聞いた
「あなたが死んでも変わりはいるのよ」
というセリフを二人目は自分で言っている。
そして、三人目は知らないはずの涙を流す。

たぶんどちらかが真でもう一つがフェイクなんだと思う。
でも今与えられている情報ではそこまで特定はできない。
個人的には後者が真であることを期待してる。
謎は解けないけどその方が救いがあるから。

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