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エヴァは恐ろしいほどの、
作為的な記号の積み重ねによってデキている。
ここまで作為的なモノがかつてあっただろうか。
エヴァの3人のパイロット。
それぞれが担ってる目的がそのまま主題になる。
というのは「私が私であること」に書いてある。
そして、その名前にも作為性がある。
レイは「零」。つまり「無」。
シンジは「真」。つまり「真実」。
アスカは「明日」。つまり「未来」。
無(零)の状態から、真実を知り、未来(明日)が拓かれる。
こんな偶然が何度もあってたまるか。
エヴァンゲリオンという言葉は、
エヴァンゲイル=キリスト教の福音、を擬人化した言葉。
つまり福音を体現した存在、という意味に見える。
そして、使徒という言葉は、
キリスト教の福音を伝えた人のことを差す。
つまりエヴァンゲリオンと使徒は同じ意味を示している。
エヴァ=使徒。意味を考えればすぐに導かれる符号。
あまりにワザトらしい。
DEATH AND REBIRTHもそう。
「シト新生」とはどこをどー読んでも読めない。
せいぜい「死と新生(再生)」だから。
シトと「死と」でわざわざ韻を踏んでるのもワザトらしい。
シトが「死」を具現化した記号だと強調したいのか。
そしてもう一つの記号。
ストーリーの根幹に関わる記号。
アダムは「人類補完計画」の要、そして「碇ゲンドウ」。
イブは「エヴァ(ンゲリオン)」のコト、そして「綾波レイ」。
エンジェルは「使徒」のコト。そして「碇シンジ」。
実は細かいつながりの理由については忘れてしまった。
でも、ここで「レイ」の場所には本来「ユイ」が入るはず。
と考えた時、「レイ」は「ユイ」のクローンでは?
という仮説が導き出されてきた。事実そーだったのだけど。
レイがイブならば、シンジは「真実」の蛇でもあるのか。
真実を知って楽園を追われていく。
人形の楽園から人間の世界へと降り立つ。そんな記号。
このような緻密な記号の積み重ねで話を作っていく。
まるでジグソーパズルのピースを埋めて行くように。
でも、その方法は時として欠けたピースの向こうに真実を見てしまう。
それが必ずしも嬉しいこととは限らない。
気分の悪い構図が想像できた時なんかとくに。
謎は謎のままにしていた方が、幸せなのかもしれない。
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